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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第3章『初心者の作者が本気出すでしょう』
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第234話『俺、因縁の相手と対話する』



 


──どうすりゃええねん。


コハルは「また来るね♡」と満面の笑みを残して部屋を出て行った。


 


才能奪取:効かない

ユニークスキル:効かない

電気ビリビリ付き拘束具:完備


 


……詰んでね?俺。


 


そのとき、部屋にスピーカー越しの音声が響いた。


 


「お久しぶりですね。……覚えてらっしゃいますか?」


 


「声だけでわかるかァァァァァ!!!!」


 


「……まあ、直接お話しする機会はほとんどありませんでしたからね。

では──**“大蔵の秘書”**と聞けば、思い出すのでは?」


 


「……ッ!」


大蔵の秘書──その言葉で、一気に血が逆流する。


 


「矢崎……!!

てめぇか!! どこまでしつこいんだお前はぁぁああああ!!!」


 


「ふふ……しつこいと言われましても、私も“あなたに人生を狂わされた側”ですので。

いろいろ思うところはありますよ?」


 


──こいつ、やっぱり裏で生き延びてやがったか……!


 


「……で、宿敵繋がりで俺を助けるとか、

まさか……あったりする?」


 


「……いいえ?」


 


バチィィィィィィィィッ!!!


 


「がっ……あがががががががあぁぁぁぁぁ!!」


 


「おやおや、死なないでくださいね?

あなたを壊したりなんかしたら、**“コハル様”**からどんなお叱りを受けることか……。

想像しただけで、正直、私の方が壊れそうです」


 


「はぁ……はぁ……じゃあ流すなよこのやろぉ……」


 


バチィィィィィィッ!!!


 


「ぐっがががががががが!!!!」


 


「でも♪壊れなければ問題ありませんので。

それにしても……あなたに“人の才能を奪う力”があるとは。

正直、信じがたいです。ですが──今までの出来事も、確かに合点がいきます」


 


「……」


 


「そして、今こうして。

目の前にいない私には、一切通用しない」


 


──くそ……全部バレてやがる……!


落ち着け……情報だ。

今、俺にできるのは、“この地獄”を把握することだけ──


 


「なぁ……矢崎さん。

あの女……コハルって何なんだよ。

あんなもん、悪の意識が欠落してるどころか、存在そのものが狂ってる……」


 


「……ふふっ。やっと“さん付け”になりましたね。

ご褒美として、お話して差し上げましょう」


 


「……」


 


「コハル──彼女は、大蔵家の中でも“タブー”とされる存在です。

幼少期から際立った才を持ち、あの容姿。

他人の前では別人のように“演じられる”特性を持ち……姉よりも、シゲフミ様は彼女を溺愛しておりました」


 


「……」


 


「それはもう、“欲しがるものは全て与える”日々。

……しかし、異常性は早くから現れていたのです」


 


──そして、矢崎の口から語られたのは──


 


『あら……あのワンちゃん、かわいい♡ あれ、欲しい〜!』


『承知いたしました。同じ犬種を──』


『はぁ?バカじゃないの? “あれ”が欲しいって言ってるの。』


『で……ですが飼い主が……』


『じゃあ、飼い主がいなくなればいいじゃん?

その飼い主の職場、調べて──?』


 


「……」


 


「結局彼女は、“あの犬を手に入れるために”、

その家族の父親の職場に圧力をかけ、早期退職に追い込み、生活を困窮させ、

“買い取る”という形で手に入れました」


 


「……は……?」


 


「欲望にためらいもなく、手段も選ばず。

しかもそれを、“悪いこと”だとすら思っていない。

コハル様にとって、“世界は与えられるもの”なんです」


 


「……それが……」


 


「──“あなた”という、“手に入らない存在”が現れた。

情報が漏れ、興味を持ち、今、あなたは“私物”として収容された。」


 


「…………マジで……やばい奴じゃねぇか……」


 


「では。話も終わりましたので──」


 


「や、やめろやめろやめろやめろ──!!」


 


「拷問、再開ですね?」


 


バチィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!


 


──やばいやばいやばい……!

これ本当に死ぬ……!!


 


誰か……

 


誰か……たすけ─────




──────


一方……


 


「潤様……どこに……おられるのですか……」


 


ノアは、昨晩から一睡もせずに捜索を続けていた。

表情は変わらず静かだが、目の下には薄く影。

だが、それすら潤のためならと構わず走り続けている。


彼女の手には、破片のような端末の残骸と、反応のないタブレット端末。


「このあたりが……最後のGPS反応……」


ノアは誰にも聞かれないように、

そっと潤の名を呼ぶ。


 


 



──────


悪徳リクルートエージェント社


 


社員「カエデさん!仕事のお電話が……!」


 


「今ちいと手が離せへんねん!株の件で手一杯や!代わりに頼むわ!」


 


「それが……潤社長ご指名のお仕事のご依頼でして……」


 


「……潤くん?」


カエデの指が止まる。


「潤くんを“指名して依頼”なんて、今まであったっけ……?」


 


──このタイミングで?


社を揺るがす株の買い占め。GPSの反応消失。ノアの焦り。

全部が揃ってる最中に、なぜか潤指名の“依頼”が来た──


 


「……わかった。一応出るわ」


 


受話器を取るカエデの表情から、“ほんわか”がゆっくりと消えていった。




【あとがき小話】



潤「お前……前回のあとがき小話……なんだよ?」


作者「…………まさか……怒ってらっしゃる?(´;ω;`)」


潤「……なんでミリーとユズハなんだよ! あれじゃ最初から丸わかりじゃねーかぁぁぁぁ!」


作者「そっち!?」

作者「てっきり『やりすぎ!アウト!通報!』って怒ってるのかと!」


潤「違ぇよ!! “バレバレ感が興を削ぐ”って話だよ!!」

潤「こっちは誤解からのギャップ萌えが見たいんだよ! “あっ……これはマズい……って思わせといてからの健全!”がいいんだよッ!!」


作者「えぇ……面倒くさい……」

作者「じゃあさ、誰ならよかったのさ?」


 


潤「……エンリとユズハ」


作者「やべぇな……」


潤「リアとエンリ」


作者「修羅場だな……」


潤「カエデとエンリ」


作者「戦争だよそれ……」


 


潤「母性とは、大人の色気なり。」


 


作者「師匠ォォォォォ!!!(土下座)」


作者「弟子にしてください!! 毎週あとがき小話の主役にしますからぁぁ!!」


 


(この日、潤は“あとがき界の覇王”として目覚めた)



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