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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第3章『初心者の作者が本気出すでしょう』
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第233話『俺、通じない』

ここまで読んでくれた奇特なあなた!


ブクマ・いいね・感想・★・DM・テレパシー、なんでも嬉しいです!

作者は1PVでも跳ねて喜ぶタイプなので、反応があるとガチで次の原動力になります。

どうかこのテンションのまま、応援いただけると助かります!


(いや、助けてください!!)



 


「……………………へっ?」


 


目が覚めると──まず視界に入ったのは天井のシミだった。

それから、自分の両手両足に視線を落とす。


──鎖。


ガチャリと鳴る重たい金属音。

そして、首にも……何かが巻かれている感触。


 


「……えっ!? えっ!? ここどこ!? なんで俺、拘束されてんの!?!?」


 


とりあえず落ち着こう。整理しよう。


いや落ち着けるかーーーーーい!!!


 


確か俺は……待ち合わせしてて、

ライラとタクシーに乗って、エマのご両親が事故にあったって聞いて……

それで……それで……急に眠気が来て……


 


……で、気がついたらこれだ。


 


「……受け入れられるかぁああああああああああああああ!!!!!」


 


冷静に考えて“受け入れられる要素ゼロ”だった。


しかも──ライラは?

あいつも一緒だったはずだ。


 


「……まさか、あいつも──」


 


ギィ……と重たい音と共に扉が開く。


 


「や〜〜〜ん♡ 起きたんだぁ? ダーリンっ♪」


 


「ダーリ……ン? って……え?」


 


扉の向こうから現れたのは──見覚えのある顔。

だがその雰囲気は、俺の知ってる“ライラ”じゃなかった。


妙にハイテンションで、甘ったるい声。

手にはリモコンのような黒い装置。


 


「……ライラ……?」


 


「ここではね〜、コハルって呼〜〜〜んで♡」


 


「コ……コハル……?

いやいやいや、待て、ライラだろ!? エマの知り合いで、sweet shineの──」


 


「ん〜〜〜〜っ、ダーリン? ダメじゃない♡」


ニコッと笑って──カチッ。


 


バチィィィィィィィィッ!!


 


「が、あああああああああああああああッ!!!??」


 


首に巻かれた金属から走る激痛。

反射でのけぞった身体が、鎖に引き戻される。


 


「ハァ……ハァ……コ、コハル……」


 


「ふふっ♡ よく言えましたぁ〜〜〜〜〜〜♪」


その笑顔は、犬が初めて芸を覚えたのを見て喜ぶ飼い主そのものだった。

満足げで、支配的で、なぜか嬉しそうで──怖い。


 


「私ねぇ、今まで“欲しい”って思ったものは、どんなものでも全部、手に入れてきたの!」


 


「……」


 


「もう欲しい物なんてないかな〜って、退屈してた時にね?

──お姉ちゃんから、あなたのことを聞いたの♡」


 


お姉ちゃん?

俺、こいつの姉なんて知ってたか……?

いや、誰だよお姉ちゃんって……会った記憶もねぇし……


 


「それでね〜、暇つぶしになるかな〜って思って♡」


 


「……ひ、暇つぶし……?」


 


俺が声を絞り出すと、

ラアラ……いやコハルと名乗る女は

まるで恋に落ちた乙女のように、うっとりと微笑んだ。




「あなたのことが気になって〜、いろいろ調べたのっ♪」


 


「……俺のことを……?」


 


「そう! そしたらね〜、あなたと関わった人たちが……み〜んな、社会的に制裁受けてたり、

今までできてたことができなくなってたり、特別じゃなくなってたりするのっ♪」


「……」


「しかもね? 何がすごいって──あのパパでさえ、手をこまねいてるって! 信じられる!?!?」


 


──パパ? 手をこまねいてる……?

まさか……大蔵……


 


「お前……まさか、レグルスホールディングス……大蔵シゲフミの──」


 


「そうっ♡ 私は──大蔵コハルっ♡」


「だからダーリンも〜、大蔵潤になるんだね〜きゃっ♪」


 


「…………なんなんだコイツは……!?」


 


混乱する思考を振り払い、

俺はスキルを強める。


 


【咎人の玉座】


──正しさを否定した者にこそ、王座は似合う──

周囲に絶対的な威圧を放つ、俺のパッシブユニークスキル。


 


「……きたきた……♡

あの時と同じ……

まるで全てを拒絶する空気──

本当、ゾクゾクしちゃう♡」


 


──……効いて……ない? 


 


嘘だろ──


 


思い出す。


皆が拉致され、助け出したあの日。

俺がこのスキルを最大まで発動したとき──


ミリーも、ユズハも、エマまでもが怯えた。

現場にいた半グレたちでさえ凍りついて動けなかった。


……なのに──


 


「──ライラだけは、笑ってた……?」


 


「ダーリン♡ 本当に愛してる♡

あなたが欲しい! あなたの、ぜ〜んぶが欲しい!!」


 


くそ……なら──


 


【才能奪取】


【奪取対象:大蔵コハル】

悪事:なし

対象に選択できません


 


「……えっ?」


 


なんで……

俺を拘束してる時点で、“悪事”として成立してるはずだろ……?

たとえ奪取できなくても、“悪人”として判定されるべきだ。


 


俺の混乱と絶望を見て、

コハルは満足そうに、にっこりと笑った。


 


「やっぱり〜、ダーリンは悪い人に対して、なんらかの力的なものが使えるんだね〜♪」


「でも、無駄でーす♡」


「だって〜、わたし欲しいもの手に入れてるだけだもん♪

悪いことなんて、してないも〜ん♡」


 


──な、何を言ってやがる……


 


「その力って、条件あるんでしょ?

例えば〜、悪人限定とか、悪事を目撃してないとダメとか〜♪」


 


「……だからどうした! コハル! 今こうやって、俺を拉致してるだろ!!」


 


「ちがうよ〜、ダーリン♡」


「私はただ──ダーリンのすべてが欲しいだけなの。

だから、悪いことなんて、な〜んにもしてないよ〜♡」


 


──こいつ、狂ってる……!!


 


普通、人間はどこかで“罪の意識”を持っている。

悪事をすれば、少なからずそれを「悪いこと」と理解するものだ。


だがコハルは──違う。


 


彼女は、生まれながらにして「世界が自分のもの」だと思っている。


欲しいと願えば手に入り、

気に入らないものは排除できて、

周囲はすべて、従わせる存在だった。


 


──だから。

彼女の中には“罪”の概念が存在しない。


 


悪意なき怪物──

それが、大蔵コハル。


 




あとがき小話


──ある昼下がり、静かな部屋の中で。


 


ユズハ「ふふっ……怖がらなくていいんですよぉ? ほら、力抜いて……」


ミリー「う、うん……でもこれ……ちょっと冷た──んっ!?」


ユズハ「ね? じわ〜って染みてくるでしょ……♡」


ミリー「んぅぅ……まだ心の準備が……!」


ユズハ「はいっ、じゃあ今度は……奥の方まで、いきますねぇ♡」


ミリー「だ、だめぇっ……! まだ……っ、さっきのが効いてて……!」


 


──コンッ(ノックもせずに扉が開く)


リア「……一体、何をしているんですか?」


 


部屋の中。


膝枕状態のミリー。

その傍らで、長いスティック状の何かを持ったユズハ。

ミリーの口元には、透明な液体が垂れている。


 


リア「……………」


リア「…………は?」


ユズハ「あっ、リアちゃ〜ん♡ 丁度よかったですぅ〜。冷えすぎちゃって、ミリーちゃんが頭キーンってなっちゃって♡」


ミリー「んぅぅ……ゆずはちゃ……ん……つめたいの……とけた……」


リア「……つまり、それは……氷菓子?」


ユズハ「そーです♡ 先輩からの差し入れ〜♡」


リア「……もう少し言葉を選んでください」


 


ユズハ「えぇ〜〜? リアちゃん、想像力たくましすぎじゃないですかぁ?」


リア「あなたがたくましくさせてるんですよ」



作者pyoco:「はい……やりすぎました(猛省)」


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