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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
26/262

第22話『俺、もやしすら食わせてもらえない』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


昼だ――待ちに待った昼休み。


 


俺は自販機の前で、そっとカップ麺のフタを開ける。


 


【もやしラーメン(78円)】


 


(ようやく……俺のもやしに、ありつける……!)


 


朝からエツコさんの“笑顔の圧”に晒されながら、ひたすらパワポとエクセルを往復。


 


「これ前任者と違うやり方だけど?」とか、


「なんか違和感あるのよね〜」とか、


 


……全部俺がやってるって言ったじゃん!


 


そんな理不尽を押し殺し、辿り着いた奇跡のランチ――


 


(今だけは、何も考えず……)


 


もやしと向き合いたかった。


 


その時だった。


 


「――あら? 葉山くん、お昼ごはんそれだけ?」


 


振り返ると、そこには笑顔の権化・亀山エツコ。


 


「えっ、あ、はい……ちょっと節約中で……」


 


「若いんだからもっと食べなきゃダメよ〜? あ、これ余っちゃって……よかったらどうぞ」


 


にこやかに差し出されるのは、半分食べかけのレンチン弁当。


 


(……あ、あの……それって、もしかして……蓋空いて……)


 


「……い、いただきます……」


 


スープに手を伸ばすより先に、心が折れた。


俺のもやしラーメンは――静かに冷えてゆく。


 


(……泡みたいに……)


 


* * *


 


数分後――


 


俺はトイレの個室に避難していた。


 


(……もやし……俺の、もやし……)


 


この悲しみをどこにぶつければいいのかもわからない。


 


そのとき、外から聞こえてきたのは――


 


「またエツコさんが新入りに圧かけてるってよ〜」


 


「マジか……あの人、辞めさせた人数ヤバいでしょ」


 


「前の子なんか、昼休みに泣きながら辞表出したらしいぞ?」


 


……え?


 


(なにそれこっわ……!)


 


「お局様って感じだよな〜。上とも繋がってるから逆らえないし」


「葉山ってやつもマジで目ぇつけられてたな」


「うわぁ……詰んでんじゃん……」


 


……もやしの恨み、いま晴らさずしていつ晴らす!!


 


* * *


 


職場に戻った俺は、PCを打ちながら視線をチラリと――


 


(……スキル発動、才能奪取――起動)


 


ピコン、と静かに表示されるスキルウインドウ。


 


【奪取対象:亀山エツコ】

・悪事:精神的支配/職場内圧力操作

・スキル:パワハラ(Lv3)/空気支配(Lv2)/印象操作(Lv4)

※才能複数所持につき、奪取はランダム


 


(やっぱ持ってた……この笑顔と空気、絶対スキルのせいだって思ってた……)


 


「葉山くん? なにボーッとしてるの? まだ、あの資料終わってないんでしょ?」


 


……来た!!


スキル圧! 圧っぽいセリフ来た!!


 


「いつまでも新人でいられると思わないでね?……なんて、冗談よぉ〜?」


 


ニコッと微笑むエツコ。


周囲の視線がスッ……と逸れていく。


 


(今だ……)


 


「――YES」


 


静かに、選択。


 


【スキル奪取完了】

・保持スキル:印象操作(Lv4)

・試用期間:24時間(残り 23:59:59)

・ストックスキル:支配Lv1/威圧Lv4/魅力Lv4/洗脳Lv5(スロット残数:4)


 


(“空気”ごと支配する笑顔の魔王――その力、確かにいただいた)


 


(次は……俺の番だ)


 


* * *


 


カタカタカタ……と、淡々と仕事をこなしていた俺のもとに、


 


「潤くーん、仕事早いわね!おかわりよ!」


 


“ドサッ”


 


追いスキル圧、入りました。


 


(ここだ……)


 


スキルコンボ:

【印象操作(Lv4)+演者+支配(Lv1)】――発動!


 


俺は――“TVの号泣記者会見”をフルコピーして、泣いた。叫んだ。


 


「仕事ノォォーー! ウェェェーー!!」


 


「努力をするって……ことがァァァーーッ!!」


 


「もう一生懸命ッ!! ウィッショウケンメェェェェーーーー!!」


 


「もやしも食べずにィィィィーーー!!」


 


「必死にィィィィーーーッ!! この職場をーー!!」


 


「アットホームやと思ってーー!! ウアアアアーーン!!!」


 


――社内、静寂。


 


「ッヒィ……ヒック……! エツコさん……あなたには分からないでしょうけどね……!」


 


「俺……! 俺は……! 社会に、認められたかっただけなんですよォォオーーー!!!」


 


最終的に、床に崩れ落ちた。


 


 


「…………」


 


職場、凍る。


エツコ含め、全員が引いていた。


 


俺の芝居に。


俺の涙に。


そして……スキルに。


 


(“空気”を、操作した。完璧だ……!)


 


これはただの演技じゃない。スキルを乗せた、“全力の反撃”。


 


もやしの恨み――これにて一旦、完ッ!!






【あとがき小話】


作者『潤!』


潤『……ん? なに?』


作者『ただ呼んだだけ。』


潤『……おい』


作者『いや、なんかこう、名前呼ぶだけで癒されるかなって思って』


潤『呼ばれた側の気持ちは? 呼ばれて出たら“用はない”って……精神的ノーダメージ詐欺かよ』


作者『でも潤、すぐ反応するあたり素直でかわいいよね』


潤『ほら始まったよ、あとがきでキャラいじりしてくるやつ』


作者『潤くんって呼んでもいい?』


潤『やめろォ!! カエデにバレたら叱られるやつだろそれ!!』


 


作者:pyoco(とりあえず呼びたいタイプ)


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