表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第3章『初心者の作者が本気出すでしょう』
253/262

第227話『私、エマ』


ここまで読んでくれた奇特なあなた!


ブクマ・いいね・感想・★・DM・テレパシー、なんでも嬉しいです!

作者は1PVでも跳ねて喜ぶタイプなので、反応があるとガチで次の原動力になります。

どうかこのテンションのまま、応援いただけると助かります!


(いや、助けてください!!)




「……結城が、最近も事務所に脅迫めいた連絡をしてきていたんです」


 マネージャーは、額から冷や汗を垂らしながら語り出す。


「“新加入の3人を辞めさせないと、過去のスキャンダルを暴露する”とか……“メンバーに対して、直接手を下す”……そんな内容の文章が……いくつも……」


 声が震えていた。


「──知ってることは……これで……全部です……」


 椅子に沈み込むように座りながら、マネージャーはそう吐き出した。


「全部って……居場所は?」


 ライラが声を荒げる。


「そんな脅迫を受けてたなら──今、あの子たちがどれだけ危険か……わかるわよね?」


「ライラ、落ち着け」


 俺はライラを制しながら、言った。


「……今ある手札で詰めるしかない。焦っても仕方ない」


 それでも内心は焦燥だらけだった。全身の血が騒いで、頭が焼けるように熱い。


「その結城らしきアカウントやメールの一覧を見せてほしい。他に何か知ってることがあるなら、何でもいい。些細なことでも構わないから!」


「は、はいっ……!」


 マネージャーは慌ててパソコンへ駆け寄り、震える指でログを叩き始める。


 ──この時間で、一歩でも近づく。


 俺は意識を集中した。


 


  【リンクスキル発動】

  ──《名推理》──



───────────────


 


──都内某所。封鎖された古い物流倉庫。


「だすけでぇ〜〜〜じゅんくーーーん!! ミリーはここだよぉぉぉぉ!!」


「先輩死んだら、枕元で毎晩コサックダンス踊りますからねぇぇぇ〜〜!」


 鉄製の扉の奥で、ミリーとユズハの叫び声が響き渡る。


 見張りの男たちが苛立ちを露わにした。


「うるせぇガキだな……マジで黙らせっか?」


「バカ言ってんじゃねぇ。依頼主の女、頭イカれてんだぞ? 手ェ出したら面倒だ」


「でもよ、ここまで騒いでたら、誰かにバレんじゃねぇか……?」


「ここらは工場ばっかで人なんて通らねぇよ。ま、でも気が散るな……おい、ペンチ持ってこい」


「おい、お前……まさか──」


「うるさいガキ。次に一言でも喋ったら──仲間の爪、一本ずつ剥ぐ」


 ピタリ。


 ユズハとミリーの声が止んだ。


「……ヒッ……」


 怯えが空気を支配する。だが──男たちは止まらない。


「てか、なんで3人いるんだよ? 1人って話じゃなかったか?」


「仕方ねぇだろ、俺らアイドルなんて知らねぇし。目立ちすぎんのもアレだったから、まとめて攫っただけだ」


「──じゃあ、1人残して他は処理って話になるよな?」


「まぁ、そーゆーこったな?」


 男がゆっくりと3人の前へ立つ。



「……おい。誰が“エマ”だ?」


 静まり返る室内。


 ユズハが、ふっと視線を横に流し──


 縛られた手の甲で、そっとエマの腕に触れる。


 エマも、それに応えるように小さく頷き、すぐに視線を正面へ向け直す。


「……はいっ。私がエマでーす♡」


 ユズハが、やたら軽いノリで片手を上げる。


 続いて──


「……わ、私が……エマ……です」


 本人も、声を震わせながら、名乗った。


 男たちは顔をしかめ、混乱し始める。


「はぁ? 二人いんのかよ……?」


 と、そこへ──


「はーいっ!ミリーでぇすっ♪」


 


 ──……その瞬間、空気が止まった。


 


 エマとユズハが、同時にミリーの方へ視線を向ける。


 言葉には出さない。出せない。


 だがその目は、全力でツッコんでいた。


(なに言ってんだてめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)


 


 ミリーはニコニコ笑顔で手を振っている。まるで学芸会。



「……ちっ。なら、お前は──いらねぇな?」


 男のひとりが、ミリーにじりじりと歩み寄った。


 その手には、鈍く光る工具。


 冷たい鉄の音が、まるで死刑宣告の鐘のように響く。


「──はわわわ!! じゅんくぅぅぅん! たすけでぇぇぇーーーーー!!」


 叫び声が、倉庫に反響する。


 


 絶体絶命。




【あとがき小話】


ノア「ご報告がございます」


潤「お、おう……ってノア!? なんか今日は登場が“業務連絡”っぽいぞ……?」


ノア「はい。作者様を──引き摺り出しました。」


潤「うわっ、やっぱりか……!」


ノア「なお現在、浴室・押し入れ・会社の非常階段裏などへの逃亡を経て、無事に“机の前に拘束”しております」


潤「“拘束”って言ったぞ今!? 穏やかな声で“事件”発生してんぞ!?」


ノア「ご安心ください、すべては“才能奪取”のためです。

作者様には現在、特訓メニュー【朝10分タイマー式地獄執筆】を課しております」


潤「おいおい軍隊かよ……」


ノア「途中でサボった場合は、ユズハ様による煽り、ミリー様による感情ダンス、リア様のロジカル説教を自動召喚する構造です」


潤「うるっっっさ!! 精神崩壊するって!」


ノア「それでも……それでも、また“書こう”と思ってくださった作者様は、確かにそこにいます」


潤「……そうかよ……あの野郎、やっぱり書くのやめられなかったか……」


ノア「ええ。とても、愛おしいことです」


潤「(……なんだかんだで、あいつが戻ってきてくれて、正直ほっとしてるのは──俺も同じだよ)」


ノア「ですから皆様──」


ノア「どうか、これからも“才能奪取”を……そして、暴走する作者様を」


ノア「暖かく監視してください。」


潤「“監視”じゃねぇよ!? 見守るって言えよ!?」


ノア「……ふふっ。では、また」


(す……と一礼して去るノア。背後では、執筆机にぐるぐる巻きにされた作者が、カタカタとキーボードを打っていた……)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ