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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第3章『初心者の作者が本気出すでしょう』
252/262

第226話『俺は、譲らない』

まで読んでくれた奇特なあなた!


ブクマ・いいね・感想・★・DM・テレパシー、なんでも嬉しいです!

作者は1PVでも跳ねて喜ぶタイプなので、反応があるとガチで次の原動力になります。

どうかこのテンションのまま、応援いただけると助かります!


(いや、助けてください!!)




「で?具体的にどうするつもりなんだ?」


 俺の問いに、ライラはにぃっと口元を釣り上げた。


「あるじゃない? 目の前に──情報源が」


「……まさか、ライラに聞けって意味じゃないよな?」


「違うわよ」


 ライラが無造作に指を差す。その先にあるのは──


 Sweet Shineの事務所。


「さ、行くわよ!」


 俺の制止も聞かず、ライラはスタスタとエントランスへ突入。俺はツッコミを飲み込みながら、慌ててその背を追う。


 二階へと上がり、扉を開けた先の事務所──そこにいたのは、電話中の男だった。


 Sweet Shineのマネージャー。スーツ姿、神経質そうな顔。第一印象から“しゃべらせたらボロが出るタイプ”だとわかる。


「ねぇ? ちょっと話があるんですけど〜」


 ライラが真っ正面から話しかける。まるで常連のラーメン屋にでも来たかのような態度で。


「……すまない、後でもいいかな? いま取り込んでて」


 男は電話を握ったまま苦い顔をしたが──


「ふぅん……その様子だと、“エマが誘拐された”って話、本当なのね?」


 ピキンと空気が凍った。


 マネージャーの顔がサッと青ざめ、電話を慌てて切る。


「……場所を移そう。ここじゃまずい」


 そう言って、事務所の奥にある商談室へ俺たちを案内する。


 ドアが閉まるなり、男はライラに詰め寄った。


「……ライラ、どうしてそんな情報を知っている?」


「そこ気にするとこ? 今優先すべきは、失踪した子たちの話でしょ」


「というか、なんで“悪徳リクルートエージェント社”の人間がここにいるんだ……!」


「俺たちの仲間も、エマさんと一緒に行方不明になったんです。何か知っているなら、教えてください」


 男は一瞬言葉を失い、それから低く息を吐いた。


「……二人とも、この話は忘れて帰ってもらえないか?」


 耳を疑った。


「いま、Sweet Shineは大事な時期なんだ。ここでトラブルが起きれば、グループだけじゃない。事務所全体に波及する可能性がある……だから、穏便に済ませたい」


 穏便に。


 ──いやいや、3人、消えてんだけど?


 ライラが不快感を隠そうともせず睨みつける。


「……やっぱり、結城絡みじゃないの。あんた、“脅迫状”の件も黙ってたわね?」


「脅迫状って、ライブ前に届いたっていう……?」


「そう。私たちは“脅迫状が届いた”としか聞かされてなかった。でも、どうせあんた、差出人が結城だって知ってたんでしょ?」


 男は口を閉ざした。否定の言葉すら出てこない。


「……結城って、そんな危ない奴なのか?」


「危ない? 嫉妬と自己愛が凝縮された呪詛玉って感じね」


 ライラは淡々と語り出す。


「Sweet Shineは元々4人グループだった。私たち3人が加入して6人になったんだけど──その直後に1人抜けたの。それが“結城”」


「じゃあ……その子は人気を奪われたことに……」


「そう。彼女は自分が“センター”じゃないと気が済まない。元々のメンバーの頃から、目立つ子がいると嫌がらせや脅し、内部で潰しにかかる。そういうタイプ」


 男が小さく呻いた。


「……仕方なかったんだ。あの頃は、彼女がいないとグループが成立しなかった」


 ライラは呆れを隠そうともせず、鼻で笑った。


「そうね。だからあんたたちは見て見ぬふりした。で、私たちが入って、結城の立場がなくなったら……途端に辞めた」


 ──状況証拠は十分。


 むしろ確信に近づいてる。


 俺は一歩、マネージャーに詰め寄る。


「……なら、教えてくれ。結城って子の居場所、知ってる限りでいい」


 だが男は──静かに首を振った。


「ライラの言っていることは、全部憶測だ」


「……っ」


「俺たちは事務所を守らなきゃいけない。だから、この件は外には出せない。どうか、今日のことは忘れてくれ」


 忘れろ?


 ──それ、3人の行方を“黙って見過ごせ”ってことか?


 俺の胸の奥で、なにかが音を立てて弾けた。


 あいつらの笑顔。声。泣き顔。


 ……そして、叫び。


 もう、迷わない。


 俺はスキルを強く意識した。


 ──《咎人の玉座》。


 【パッシブユニークスキル発動】

 ◤正しさを否定した者にこそ、王座は似合う◢


 ……何も言っていない。何もしていない。


 だというのに──空気が、変わった。


 背筋がぞわりと粟立つ音すら、聞こえてきそうな沈黙。


 ライラが何かを察したように小さく息を呑み、思わず一歩後ずさった。


 マネージャーの男は……その場で固まった。

 目を見開き、まるで“別の何か”でも見たかのように、視線が泳ぐ。


 そして次の瞬間──


 ガタッ!!


 男は脚をもつれるように引き、商談室の椅子に崩れるように座り込んだ。


 呼吸が荒い。額には、明らかな脂汗。


 俺がわずかに前に出るだけで──男の肩がビクリと跳ねた。


 見られている。支配されている。命を握られている──


 ──錯覚に過ぎない。だが、それがスキルの本質。


 “王座に座る者”と認識される。ただそこに立っているだけで、逆らえば命取りだと本能が警告を鳴らす。


 男の唇が震え、喉が音を立てて上下する。


「……い、命令、だと……?」


 それは否定ではない。確認だ。


「そうだ。俺は──守ると決めた」


 ひとつ、言葉を吐くたびに、空気が重く沈んでいく。


「仲間が攫われて、知らんふりなんてできるか。

 “穏便”だ? “見なかったことにしろ”?」


 俺の声が、低く冷えていく。


「そんなもんで誰かが救えるなら──とっくに、世界は救われてる」


 一歩。


「お前の保身なんかに──俺の“守りたいもの”を踏みにじらせてたまるか」


 もう一歩。


 その距離、三歩。


 マネージャーの男は完全に震え上がっていた。

 歯の根が合わず、小さくガチガチと音を立てている。


「──知ってることを、全部吐け」


 そこで、ゆっくりと目を細めて言い切る。


「これは命令だ」


 ──瞬間。


 男は椅子ごとズルリと床に崩れ落ちた。


「……わ、わかった、わかった……っ!」


 もはや最初の威圧感など微塵もない。情けなく地を這う声で、搾り出すように。


「話す……全部話すよ……! 結城のことも、脅迫のことも……っ!」




【あとがき小話】

ユズハ「せんぱ〜い♡」


潤(……また来たよ……ていうか今度はどの騒ぎの報告だ?)


ユズハ「ちょっと聞いてくださいよぉ〜?

あの〜……作者がですねぇ〜……カーテンからは出てきたんですけど〜……」


潤(ほう、あの引きこもりが……ようやく社会復帰を……?)


ユズハ「今度は、浴室に籠もりましたぁ♡」


潤「風呂かよ!!!」


ユズハ「なーんかこう、“水の音って癒される〜”とか言いながらですね?

“湯気の中で物語が降りてくる気がする……”とか、すっごいそれっぽいこと言ってたんですよ?」


潤「……で、実際は?」


ユズハ「スマホ持ち込んでゲームやってました♡」


潤「脱走ォォォォォォ!!!」


ユズハ「ね〜♡ なんで毎回、復活のあとに謎の消失タイム入るんでしょうねぇ?」


潤「なんでだよ!?復活詐欺だよ!?

こちとら“復活更新!”って書いた次の話でまた止まる恐怖に怯えてるんだぞ!?」


ユズハ「でもぉ〜? 今回はちょ〜っとだけ、執筆進んでるみたいですよぉ?」


潤「……ほんとかよ……」


ユズハ「本人いわく、**“浴槽で1行書いた”**そうです♡」


潤「“1行書いたら風呂1時間”ってどんな創作メソッドだよ!?

 身体ふやける前に更新しろォォ!!」


ユズハ「でもでも〜?

“今日は下書き3行進んだし、明日は2行ペースで進めよう”って言ってましたよ♡」


潤「計算合わねぇだろバカァァァ!!!」


ユズハ「ふふっ♡ そんな“逃げたり戻ったり”してる作者さまですが〜

またちょっとずつ、書いてるみたいですぅ♪」


潤「ほんとに“ちょっとずつ”すぎて目視できないレベルだけどな……」


ユズハ「だから〜?

せんぱいも〜? ミリーちゃんも〜?

ちょっぴりだけ、信じてあげてくださいね♡」


潤「その“ちょっぴり”がもう何十回目かわからねぇけどな……

 でも──ま、来てくれる読者がいるなら、書く理由にはなるか……」


ユズハ「えへへっ、やさし〜♡

じゃあ次はぁ、トイレに籠もった時の話でもしましょうか〜?」


潤「ねぇよ!!二度と出てこなくなるわ!!」




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