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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第3章『初心者の作者が本気出すでしょう』
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第218話『私の興味を引く男』

ここまで読んじゃうなんて、先輩ってば……ほんと、物好きですねぇ?♡


ブクマとか♡いいねとか♡感想とか♡……あ、テレパシーでもいいですよ〜?


私、反応あるとテンション上がって、うっかり次の話とか書いちゃうかもですしー?

(……あ、でも逆に、なかったらしょんぼりしちゃうかもですけどー?)


だから……

応援、くださいっ♡(切実)



──ねぇ、お姉ちゃん。

あなたの“お気に入り”って、こんなに面白かったの?


薄暗い部屋の中。

静かに光るモニターの前で、少女は頬杖をついて笑っていた。


その笑みは、恋する乙女のようにとろけて。

その目は、獲物を見下ろす蛇のように細められていた。


「はぁ……やっぱりゾクゾクする……♡」


画面に映るのは、笑いも怒りもない無表情な男。

だがその“何もなさ”が、逆に本能を刺激する。


「ねぇ、なんなのあの人……怖くて、冷たくて、ぜんぜんやる気なさそうなのに……」


少女はぽつりと呟く。


「……全部、壊してくれそうで、……最高じゃない……?」


背後で扉が開いた。


「コハル様、次の指示について……」


「うるさい矢崎。黙って見てなさい」


そう言って振り向きもせず、彼女は指先で軽く合図する。


「でも……なんか持ってきたんでしょ?」


「はい。こちらに、これまで候補となった対潤用の人材リストが……」


差し出された分厚いファイルに、少女は興味なさげに目を通す。


──元傭兵、元暗殺者、AI技術者、メディア支配者、ハニートラップ要員──


どれも一流。どれも実績あり。


けれど。


「……ぜんぶ、退屈」


「っ……コハル様。彼らは一応、潤殲滅用の……」


「誰が潰したいって言った?」


少女はふわりと立ち上がり、モニターに触れるようにして言う。


「欲しいの。奪いたいの。……私のものにしたいの♡」


「……っ」


「でもね、ただ飼うんじゃつまらないの。

私が噛みついて、引っかいて、血まみれにして、

それでも“私の傍にいるしかない”ってところまで──追い込まなきゃ意味ないじゃない」


その声音は、蜜を垂らしたように甘く。


けれど言葉の中身は、正真正銘の“地獄”だった。


「矢崎。例の写真、並べて」


「はっ……こちらです」


差し出された別のファイルには──

かつて“潤”が才能を奪った者たちの記録。


名も顔も優秀だった者たちが、今では何かを失い、ただ空虚な視線を浮かべている。


「ねぇ矢崎。これ、潤のせい?」


「直接的な証拠はありませんが……全員、才能や職能を“喪失”しております」


「ふぅん。じゃあ、もう確定でいいでしょ♡」


少女は指でその顔写真たちをなぞる。


「奪って、壊して、何も言わずに笑って……

あぁ……あんなのが街を歩いてるなんて、興奮しちゃう……♡」


ゾクリ、と言うよりは、ビクン、と震えるような興奮。


少女の両手は頬を撫で、喉元へ滑り、まるで自分を慰めるように、

彼女だけの“潤”を想像して震えていた。


「ねぇ矢崎。いっそ、拉致しちゃおうか?」


「可能ではありますが、手勢程度では……かなりのリスクが……」


「リスク? そんなの私が全部背負ってあげるわ」


「彼ね? 女の色仕掛けも効かないの。バレると完全に隠れて、二度と見つからない」


「なのに──見つけた女の子には、優しくて。絶対に殺さないで、手加減して逃がすの。意味わかんない♡」


その瞳は、完全に“獲物”を見定めていた。


「潤ってね。殺さないくせに、全部奪うのよ。そういう男が一番ヤバいって、私、知ってる」


「だから、首輪つけてあげるの。

ね?私なしじゃ、生きられないようにしてあげる。

呼吸も睡眠も、私の許可がないとダメになるくらい──私の色に染めてやる」


少女は笑った。


まるで恋する乙女のように。

まるで拷問官のように。


「ツバキお姉ちゃんには、ぜったいに渡さない」


「潤は、私の“おもちゃ”になるんだから──♡」


その声が、部屋に響いたあとも。

矢崎は動けなかった。


背筋に走る冷気は、少女の声ではなく、

“世界が静かに壊れていく音”だった。


潤はまだ知らない。

自分が、今、誰に見初められたのかを。






────────────






『へっぶしっ!』


「じゅんくん、かぜー?」


『かも知んない……へっぷしっ!なんか……背中に悪寒が……ゾクッて……』


「それぜったい風邪だよぉ!」


『いやでも熱は……うーん……たぶん……無い……』


「そーゆーときはね!出るの!熱ってそういうものなの!じゅんくんは今日は帰ってやすむの!」


『いや、仕事がな──』


「だいじょーぶー!報告書はミリーが書くからっ!ふんす!」


『それが一番不安なんだけど!?絶対お花とか描くなよ!?』


「だいじょーぶ!」


『なら……飛行機とか、クマさんとか、うさぎさんとか、バニー服着た子猫とか……』


「ぜーんぶだいじょーぶ!」


……全然大丈夫じゃねぇ。


つーか今、選択肢の中に“報告”要素が一個も無かったぞ?


想像するまでもなく──

報告書にキラキラの星とか貼られてる未来が見える……!


くそっ……もういい。


俺は観念して、スマホを取り出すと着信を鳴らす。


『──もしもし? 今ヒマでしょ?』


「失礼な。私は今、冷房の効いた快適な部屋で読書という名の知的活動をして──」


『はいはいはい知性はわかったから来て!社長室!急ぎ!』


俺は一方的に通話を切った。


『ミリー、いいか?今からリアが来る。だから──書類には触るなよ?』


「えーーー!ミリーできるのにぃー!」


『やめて!ほんとやめて!てかもうわかったから、リア来るまで待ってて?俺は帰る!寝る!』


「うぅ〜ん……じゃあ、“ちょっとだけ”お絵描きして待ってる〜♡」


『それがダメだっつってんだろ!?』


……逃げるように社長室を後にした。


───


───数分後───


「で、潤。私も暇ではないんですが……何の用事──」


バサッと机の上に広がる紙。


……いや、報告書?


いやこれ──報告書って呼んでいいのか?


リアの言葉が途中で止まる。


引き攣った顔。手が震える。


「……これは……何ですか……?」


「えへへ♡ ちょっとだけ〜書いて待ってたよぉ〜♪ お花と飛行機と、バニー服の子猫ちゃん!」


「…………」


「あとね、報告書って言葉かたいから、ミリーは“ぼうけんのきろく”って名前にしたの!えらい?」


「…………はめましたね」


声のトーンが凍りついた。


……リアの瞳が、一切笑っていなかった。





あとがき小話


潤『…………なぁ、あれ何?』


 


カエデ『あれは……次の話に詰まった作者やな』


 


潤『なんか体育座りで目開いたままブツブツ言ってるんだけど……怖ッ』


 


カエデ『まぁ、自分で増やした企画で自爆しとるだけやし、ほっとこ?』


 


作者『リアタンノマホウショウジョスガタ……ハァハァ……アアア……ツギノハナシハ……』


 


潤『こいつ壊れてんぞ!?』


 


カエデ『だいじょぶやって。そのうち──』


 


作者『キエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!』


 


バタァッ!!


 


潤『うわああああ!?奇声あげて倒れた!?』


 


カエデ『……せやけど安心して。あそこからが“再起動フェーズ”や』


 


ムクッ……


体育座りに戻る作者。


 


作者『……ヤッパリ……ネコミミ……モット……ハァハァ……ユズハタン……』


 


潤『やっぱ壊れてるじゃねーかああああああ!!』


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