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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第3章『初心者の作者が本気出すでしょう』
242/262

第216話『俺、不審者』

ここまで読んでくれたウチの特別な人〜っ!

ほんまにありがとうな〜♡


ブクマもいいねも感想も★もDMも……もうな?

ウチ、それ全部ぎゅーって抱きしめて喜んでまうんよ?


1PVでも飛び跳ねてるから……せやから……

ウチのこと、見ててな? ちゃんと、ちゃんと応援してな?


このテンションのまんま──

ウチのこと、見捨てんといてやぁ……?


(……いや、ほんまに……そばにおってぇ!?)




──俺の番が来た。


 


……たかが握手。されど握手。


 


相手は今をときめくアイドル。

いくらなんでも、緊張しないわけがない。


 


(大丈夫だ……落ち着け……)


 


だって俺、女優のノアとも普通に会話してるし?

家ではミリーが普通に抱きついてくるし?

リアに至っては仕事の報告に来たはずなのに人生説かれるし?


 


──それとこれは別の話である。


 


“ステージの上の存在”って、なんでこんなにも遠く感じるんだろうな……。


 


俺は汗ばんだ手をズボンでごしごしと拭い、覚悟を決めて前へ進んだ。


 


そのとき──


 


「ひっ……!?」


 


「えっ……?」


 


聞こえたのは、明らかに怯えた声。


顔を上げると、目の前のエマが完全にビビってた。


 


──え、ちょっと待って。なんで?俺、なんかした?


 


一瞬で思考がフリーズし──そして、はっとする。


 


パッシブユニークスキル

《咎人の玉座》


◤正しさを否定した者にこそ、王座は似合う◢

周囲の人間が勝手に“裏の意図”を深読みし、

本人が黙っていても“支配者”として認識されてしまう。


 


(……極度の緊張から、スキルの効果が強く出てる!?)


 


ああクソ!やっちまったぁあ!!


 


俺の“何もしてない”が、世界に誤解される代表格だ!!


 


落ち着け俺!深呼吸だ!


握手だろ!?

ただの人と人とのコミュニケーションだろ!?


 


──緊張とは、“緊張している”という事実を意識した瞬間からさらに加速する。


 


わかってる!わかってんだよ!!


 


俺はなんとか手の震えを抑えながら、ゆっくりとエマに手を差し出した。


 


その瞬間──


 


エマが、涙をこらえながら手を伸ばしてきた。


 


……が。


 


「そこの不審者!手を引け!!」


 


「えっ!?」


 


反射的に声が出た。


気づけば、スタッフたちが3人がかりで俺を取り囲み──


 


「この子を泣かせるとは何事だ!!」

「大人しくしろ!」

「抵抗すんな!手を上げろ!」


 


「えっ、ちょっと、違うって!!

 俺ただ握手を──握手をしに来ただけなんですってばぁぁ!!」


 


「問答無用!不審者確保!!」


 


「やめてぇぇええ!!俺の握手がぁぁああ!!

 なんで!?なんでこうなるのぉぉ!?!?」


 


──その騒ぎを聞きつけたのか、俺の方に目を向けたのは──


 


ユズハ。


 


俺は叫ぶ。


 


「ユズハァァァァァ!!助けてくれよぉぉぉぉ!!」


 


だが。


 


彼女は……推しのラアラと握手するため、列から離れようとはしなかった。


そして──


 


敬礼した。


無言で、堂々と。


 


俺の目の前で、アイドルに向けてテンションMAXだった女は、今この瞬間、俺よりも平然と推しとの握手を選んだ。


 


「オメェ……あとで絶対覚えてろよぉぉぉぉぉおおおお!!!」


 


泣き叫ぶ俺をよそに、スタッフたちは容赦なく俺を引きずっていく。


 


そして──俺は。


“なにもしてないのに強制退場”という、前代未聞の不名誉を背負わされた。






──控え室。


「……で?お前、エマちゃんのストーカーか?」


囲まれる俺。まるで取り調べ。


「違いますって……ただの通りすがりの握手希望者で……」


「凶器は?カバンの中、見せろよ!」


「うぅ……持ってましぇん……」


「“ましぇん”じゃねぇよ!」


バン!と机が鳴る。


「じゃあなんでエマちゃんがあんな怯えてたんだよ!」


俺の才能のせいです、なんて言えない。

絶対通じねえ。むしろ悪化する。


「……わかりましぇん……ただ……握手がしたかっただけなんですぅ……」


涙目で訴える俺に情けも容赦もない。


すると──廊下からざわめきが。

どうやら握手会を終えたSuicaShinyのメンバーが戻ってきたらしい。


「……あの、エマちゃん。無理にあんな奴に会わなくても──怖かったらいいから、ほんとのこと言ってね?」


やがて開くドア。

中に入ってきたのは、さっきまで俺を怯えた目で見ていたエマ。

あの、アイドルのオーラを纏った存在が、今はなんだか──ちょっと戸惑ってるようにすら見える。


「え……?あれ……?」


エマが、俺の顔を見て、小首を傾げた。


「さっきはすごく怖かったけど……今は全然、そんなことない……」


お、俺の緊張が……解けたからか?


スタッフがすかさず詰め寄る。


「エマちゃん、言っていいんだよ?なんかされてたらすぐ警察──」


警察!?

やめろやめろやめろやめろ!

バニー服の幻覚を見ろ俺!!想像力!!解放しろ想像力!!!


脳内に現れる、発光するバニー服を着たおっさんが両手を広げて語りかけてくる。


(大丈夫だよ〜潤ぅ〜〜)


「──あの!本当にすみません!私の勘違いでした!」


エマが、全員に深々と頭を下げた。


そして廊下からスタッフの声。


「撤収時間迫ってま〜す、各自着替えてくださ〜い!」


「ごめんなさい!ほんとにごめんなさい!」


俺の前に駆け寄り、再び頭を下げ、エマは走り去っていった。


……あれ、可愛いじゃん。


いや、違う違う、今そういうことじゃねえ!


俺はドヤ顔で、尋問してきたスタッフの目を見据える。


「どやぁぁぁぁぁあ!!」


スタッフは舌打ちひとつ。


「……悪かったな。裏口から帰れ」


それだけ言って、どこか不貞腐れたように立ち去った。


──裏口。


待っていたのは、スキップ気味のユズハ。


「せ・ん・ぱ・い〜♪おかえりなさいませ〜☆」


「お前……俺より推しを取ったな?」


「えへへ〜?だってぇ……エマちゃんが先輩連行されてる時、ラアラちゃん神対応でぇ……」


「比べんな!」


「せ〜んぱい?過去のことは、水に流しましょ?あの夜……語り合った仲じゃないですかぁ……?」


「見捨てた奴に言われたくないんだけど!?」


……こうして。

“エマ”との最悪のファーストコンタクトは、どうにか幕を閉じた。


だがこのとき俺はまだ知らなかった。


すべてが──既に、あいつの掌の上だったことを。




あとがき小話】


作者『昨日さ……夢の国行ったんだよ……』


潤『おぉいいじゃん!なんかこれって思い出あんの?』


作者『それがさ……トイレ並んでたら個室から煙が……夢の国で出るうん◯すげーな、煙でんだぜ?』


潤『……それ絶対違うだろ……』


作者『マタドガス食ったんじゃないかってくらいモクモクって……』


潤『完全アウトーーーー!子供泣くだろそれ!』


作者『しかもさ、スタッフが即座にライトセーバー──じゃなくて“箒”持って現れてな?』


潤『ジェダイいんの!?夢の国に!?』


作者『“こちら処理班!現場に到達!”って感じで猛突進してったわ』


潤『なんだその現場系バトルアニメみたいな対応!?』


作者『こっちもさ、ガチで色んな意味で“出る”とこだったんだけどさ……』


潤『意味深やめろ。心も腹も限界迎えそうな言い方すんな』


作者『とりあえず夢の国でも油断すんなって学んだよ……』


潤『学び方と夢の使い方が迷子すぎるだろ……』


汚くてごめんね(>人<;)

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