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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第3章『初心者の作者が本気出すでしょう』
240/262

第214話『俺、達のその後』

ここまで読んでくれた奇特なあなた!


ブクマ・いいね・感想・★・DM・テレパシー、なんでも嬉しいです!

作者は1PVでも跳ねて喜ぶタイプなので、反応があるとガチで次の原動力になります。

どうかこのテンションのまま、応援いただけると助かります!


(いや、助けてください!!)




──焼けるような日差しの裏側。

地図にも載らぬ某国の、地下労働施設。


そこでは今日も、名前を奪われた者たちが、鉄のシャベルを握らされていた。


もう何時間目だろうか。否、何年目だろうか──。


 


「くそっ……くそっ……くそがぁっ……!!」


掘っては詰まり、掘っては崩れ。

汗と泥にまみれた声が、坑道に響き渡る。


「なんで俺が……俺様がこんな所で!クソみてぇな穴を延々と掘らなきゃいけねぇんだよ!!」


シャベルを叩きつけるその男は、かつての人気俳優──猪瀬リョウヤ。

業界のコネと影響力を悪用し、新人女優たちを“摘み放題”と豪語しては搾取を繰り返していた。


その最中──

彼は“ノア”という、手出ししちゃいけないレベルの女に触れた。


いや、火傷した。盛大にな。


「ちっ、あのノアとかいう女さえいなきゃ……!」


テレビの偉い人たちと一緒に揉み消すはずだったスキャンダルは、“潤”という男のせいで全て露呈。

結果、業界からも、社会からも、見捨てられ──“穴掘り労働三十年コース”にご案内されたのだった。※第64話参照


 


「文句言ってねぇで、手ぇ動かせよ!こっちは連帯責任で怒られんだよ、クソが!」


と横から吐き捨てたのは、黒川ユウト。

スーツは泥にまみれ、髪は伸び放題、顔面は虫に刺されてパンパンである。


元はカリスマ宗教家──

言葉一つで群衆を操り、信者から搾り取った金で贅沢三昧していた。


だが……ある日。


「……あの、相談があるんですけど」


そう声をかけてきた“エンリ”という女の紹介で、例の男に会ってから──


「……あいつだよ……全部あいつからおかしくなった……」


目を合わせただけで、信者が逃げた。

演説を始めても、誰も耳を貸さない。

SNSで神扱いされてたのに、今や“痛い奴”呼ばわり。


「なんなんだよ、あの男!俺の才能を潰した……呪いかよ!」※13話参照


 


その時──監視員の怒号が飛んだ。


「うるさいッ!!全員、連帯責任!鞭だ鞭!!」


パシィィンッ!!

ブシャッ!


「いったぁぁ!!なんで俺までぇぇっ!!」


三人とも同時に打たれ、地面にのたうちまわる。


 


「ちょっとぉ!?あんた達のせいで、私までやられたじゃないのよぉぉ!」


悲鳴混じりに叫んだのは──矢崎。

元レグルスホールディングスの会長秘書。

政財界の闇を操る冷酷な実務家だったが、暴走した黒川のせいで一緒に処分対象となり、今は“手下A”扱いである。


「ていうか……ねぇ、リョウヤ。あの暗殺チーム、ちゃんと雇えてんでしょうね?」


「雇ったさ!……雇う金のために、俺の労働年数が三十年も伸びたんだぞ!?

 おまけに“あの”中東の富豪に……身体売らされたんだぞ!!俺の尊厳返せ!!」


顔を覆うリョウヤの目尻には、塩分過多な涙が浮かんでいた。


 


「それで……成功の連絡は?」


矢崎の問いに、黒川はそっぽを向いた。


「……まだ来ねぇ……でも、もう少しだろ?あいつら伝説の殺し屋なんだぞ?成功すれば……俺達、きっとここから……」


 


「……はぁ、バカばっかり」


矢崎がため息をついた。


「ほんと懲りないわね、あんた達。相手は、“あの”潤よ?」


「……!」


「……尾行しても気配すら掴めない。金を積んでも動かない女ばかりを味方にして……気づいてるでしょ?

 一度も“力”を見せてないのに、誰も抗えないの。

 アイツ……普通じゃないのよ。」


 


沈黙が落ちる。


誰もが、あの日を思い出していた。


──潤に敗れた日を。


その瞳に何の怒気も宿していなかったのに、

言葉は静かで、暴力もなかったのに──


気づいた時には、全てを奪われていた。


 


「……クソが……」


リョウヤが呻く。


「……あいつに……さえ、関わらなければ……」


 


「……」


矢崎は肩を竦め、小さく笑った。


「……そうね。そう言ってるうちは、きっと一生ここから出られないわよ?」


 


──地の底にて。

かつての“加害者たち”は、今日も“名前を呼ぶことすら禁じられた男”に怯えながら、泥にまみれて生きている。


潤──お前は、どこまで“人間”なんだ。


そんな時──


「……なんだ?騒がしいな……」


見張りたちが慌ただしく動き出した。


 


「まさか……休憩?」


「バカ言え、まだ12時間しか経ってねぇよ。あと36時間はノンストップだろ……」


 


監視員たちが整列し、背筋を伸ばす。

その中央から、場違いなほど整ったヒール音が、コツ……コツ……と響いた。


 


──現れたのは、ドレスの裾すら汚さず、完璧にメイクされた少女。


背後には屈強な黒服たちを従え、見る者すべてを“空気”に変えるような気配を放つ。



「お似合いね、矢崎? 泥まみれで地面舐めてる方が、まだちょっと可愛いわ?」


その言葉を聞いた瞬間、矢崎の顔が引きつった。

そして即座に、地面に額を擦りつけるようにして土下座する。


 


「コ、コハル様──!」


 


元秘書としてのプライドも何もない。

本能で理解しているのだ。“この娘”には絶対に逆らってはいけないと。


 


隣で見ていたリョウヤと黒川は、顔を見合わせ──


「なぁ、あの子、誰か知らねぇけど……えらい可愛いじゃねぇか?」


「なーんかテレビで見たことあるような気が……ま、俺の女にしてやってもいいけどな?」


 


リョウヤは、得意げにニカッと笑うと、胸を張った。


「見たことあるだろ?売れっ子俳優の猪瀬リョウヤってやつだよ!」


 


──その瞬間。


コハルは、ゴミでも見るような目でリョウヤを一瞥すると、ひとこと。


 


「知らな〜い。……ムカつくから、こいつもっと深い階層に送って。」


 


「へ?」


リョウヤが硬直した時には、すでに黒服が背後に回っていた。

容赦なくガッチリと両腕を掴まれ、引きずられる。


 


「ま、待て待て!コハル様!?俺なんでもします!ホントに!なんでも言うこと聞きますから!!」


 


コハルはその声に、小さく笑みを浮かべて振り返った。


「……なんでも?へぇ〜。ちょうど良かった。

 知り合いのおじさんがね、“壊してもいいおもちゃ”探してたの。」


 


リョウヤの表情が、凍りつく。


「ちょ……っ、違う……それだけはマジで……お願い……助けてくれ……!」


 


コハルは小首をかしげる。


「さっき“なんでも”って言ったよね?

 ……それとも、魚のエサとか、ドナーの提供とか、そっちのほうが良かったかしら?」


 


──終わった。


リョウヤの絶叫は、地の底へと消えていった。


 


 


黒川は見送るその背中に背筋を凍らせ、即座に矢崎の真似をしてひれ伏した。


「は、ははぁっ……!コハル様!私は!私は黒川ユウトと申します!!」


声が裏返っている。

たった一言でミスれば、自分も“あちら側”へ連れて行かれる──

黒川の中で“生存本能”だけがフル回転していた。


 


コハルはくるりと振り返り、彼を見下ろす。


「ふ〜ん、もう一匹の犬はそっち?名前は?」


「黒川ユウトで御座います!!」


 


「へぇ。あんたも潤って男に負けたの?」


「は、はい!はい!ですがッ!次こそは、きっと──!!」


 


そう、どこかに“ワンチャン助かるかも”という希望を見出していた黒川。

だが──


 


「別に聞いてないよ?」


コハルはあっさり切り捨てると、ニッコリ笑った。


「聞きたいことがあるだけ♪情報次第じゃ考えてあげてもいいけどね〜?」


「ははぁ!!何なりと何なりとお答え致します!!」


 


そのやり取りを横で見ていた矢崎が、すかさず口を開いた。


 


「コハル様。恐れながら……かつての専属秘書として、私の方が情報量は確実に上でございます。

 あの男に関することなら、黒川などより遥かに──」


 


コハルは少しだけ顎に指をあて、考え込むそぶりを見せる。


 


「……なるほど?じゃあもう一人の犬は、いらないわね。」


 


「──えっ?」


 


「黒川、施設送りで。いちばん治安悪いとこね?」


黒服が黒川を掴みにかかる。


 


「まっ、待ってください!!コハル様!!私もまだ……私はまだ情報を──!!」


 


「矢崎がいるから、バイバーイ♪」


 


引きずられていく黒川の背中を、矢崎は無表情で見送った。


 


──そして、再び空気が静かになる。


矢崎が小さく姿勢を正す。


 


「それで……コハル様。お求めの“情報”とは……?」


 


コハルはくるくると髪を指に巻きながら、少女らしい声色で、さらりと告げた。


 


「……潤って男、気になっちゃって。

 ツバキお姉ちゃんが“気に入った”って言ってたし、

 パパも最近“夢中”みたいで〜……だから、私のペットに欲しいなぁ〜って♪」


 


「……ペット……ですか……?」


 


コハル。

大蔵家の次女にして、最大の問題児。


姉・ツバキが“気に入ったもの”を奪うことに快感を覚え、

気まぐれで人を消すこともあるという、“家中の腫れ物”。


──潤という名前に、ついにこの“災厄”までが反応を示した。






【あとがき小話】

──静寂を破ったのは、リボンがはじける音だった。


リア「……っ!?」

潤『……え?』


──振り返るとそこには、

魔女っ子衣装(極盛)をまとったリアが、固まっていた。


潤『ってなんで!?なんでリアが“ワルプルギス春コレクション2025”みたいな恰好してんの!?』


リア「……ち、違います。これはバグで……いや、誤作動で……!!」


\デュオーン☆/(自動SE発動)

\リアちゃん、変身完了〜♡♡♡/


潤『なんで音声までついてんだよ!!誰が仕込んだこの衣装ッ!!』


リア「いったん更衣室で着替えて……っ、失礼します!!」


──ドタドタと逃げるリア。だがその先に──


ユズハ「ふふ〜ん♡ その更衣室、今“禁欲派女子会”中なんですけどぉ〜?」

リア「……は?」

\ガチャガチャ/

リア「開かない……!?」

潤『“禁欲派”って何!?何派閥だよそれ!!』


──そこへミリーが後ろからぴょこっ。


ミリー「リアちゃ〜んっ♡ スカートふわっふわだぁ〜っ!」

リア「ちょっ……触らないでくださいっ!!」

カエデ「おー?ええやんその衣装~!リアちゃんもこっちの世界来たんか~?」

ノア「潤様……目を逸らしてください。すぐ、私が同じ衣装で並びますから」

潤『待て待て待て!!なんで着替え対抗戦が始まるんだよ!?』


──その瞬間。


【スキルウインドウ展開】


【変身衣装:ドジっ子☆魔導少女リアたん(Lv1)】

恥ずかしさに応じて魔力上昇/羞恥MAX時、自爆エフェクト発動

現在の羞恥値:97%


→ 発動条件まであと3%


潤『ちょ、やばいってやばいって!!!“自爆エフェクト”って何だよ!?魔女っ子なのに爆発オチあんの!?』


リア「潤……!見るな……見るなぁぁぁぁぁぁっ!!!」

\ドッカァァァン/

(背景だけ爆発)




リア「……あなたに“可愛い”なんて言われたら……変な気分になります。

……爆発しても、悔いは……ありません」


潤(心まで爆発しとるぅぅぅぅぅぅぅ!!)




作者(オチ雑ぅぅ)


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