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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第3章『初心者の作者が本気出すでしょう』
237/262

第211話『私、シークレットの範囲がわからないの』

ここまで読んでくれた奇特なあなた!


ブクマ・いいね・感想・★・DM・テレパシー、なんでも嬉しいです!

作者は1PVでも跳ねて喜ぶタイプなので、反応があるとガチで次の原動力になります。

どうかこのテンションのまま、応援いただけると助かります!


(いや、助けてください!!)



『昨日はユズハちゃん、あんな事言ってたけどぉ〜〜……』


 


『いいですか!? これは“シークレットミッション”です〜!!』


 


──という高らかな宣言を思い出しながら、

ミリーは玄関前で、むーーっとほっぺを膨らませていた。


 


「ん〜〜〜〜〜〜〜……」


 


悩んでいる。

その表情は完全に“考えてる時の顔”だ。

ただし、周囲から見れば、単に寝起きで止まってる人に見える。


 


「……ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」


 


問題はこれだ。


 


──シークレットミッション。


 


「……どこまでが、シークレットなのかな?」


 


たとえば、尾行するのは秘密。

でも、尾行することを他の人に聞くのは秘密?


でも、ユズハちゃんは「張り込み用にパンケーキ買う」とか言ってたし、

それってすでに秘密じゃないような……


 


「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


 


考えるミリー。

悩むミリー。

止まるミリー。


──数分後、自然な流れで“いつもの場所”へ向かう。


 



 


『ねぇねぇエンリ〜〜〜!』


 


「あら、ミリーちゃん。どうしたの?」


ソファで本を読んでいたエンリが、顔を上げて微笑む。


 


ミリーは勢いよくぴょんっと隣に座り、

何やら“真剣”な顔で身を寄せる。


 


「ユズハちゃんがね、“シークレットミッション”って言ってたの!

でもね、どこまでがシークレットかわかんないの!

誰にも言っちゃダメってこと? でもエンリになら言ってもいい?

ていうか、これを聞くこと自体がもうアウト? 教えて?」


 


質問の一秒後に質問が上書きされる。


 


流石のエンリも、きょとん。


 


「……シークレットの中身、聞いちゃってるのね?」


 


「えへっ♡」


 


「ふふ。ミリーちゃんらしいですね」


エンリは少しだけ目を細めて、

それから、そっとミリーの頭を撫でる。


 


「“秘密”っていうのはね、その言葉を使ってる人の信頼に関わるの。

“ここまで話してもいい”って思ってくれるかどうか──それが大事なんですよ」


 


「うぅ〜……じゃあ、エンリは話しても怒らない?」


 


「私は怒りませんよ?」


 


「……なら、じゅんくんを尾行するって話してもいいの?」


 


「尾行……!?」

エンリの笑顔に、わずかなひび。


 


ミリーはちょこんと首をかしげる。



「だってね、なんか最近、じゅんくんが夜な夜な悪人を自首させてるって噂で〜……」


 


──その一言で、エンリの表情がわずかに曇った。


 


「えーと……ミリーちゃん?」

「私には、その……ちょっと、どうしたらいいのか、上手にアドバイスできそうにありません……」


 


なんか、いつものエンリと違う。

優しいのは変わらないけど、どこか──寂しそう?


悲しそう?


 


「あっ……ご、ごめんなさいエンリ! ミリー、他の人に聞いてみる!」


 


「ちょっと待ってミリーちゃん──」


 


エンリの声を背に、ミリーは走り出した。


 


「う〜〜〜〜〜〜ん……」


 


頭の中はぐるぐるだった。

エンリちゃんが悲しそうで、

潤くんは何かに巻き込まれてる気がして……

でも、それが“シークレット”で……?


 


「うーーーん!!」


 


──謎は深まるばかり。


 


でも、こんな時、ミリーには“相談する相手”が決まっていた。


 



 


「カエデちゃーーーんっ!!」


 


『おおっ!? なんやなんや!? どしたミリー!?』


 


「潤くんがね! 大変で! エンリちゃんが悲しくて! シークレットミッションなのっ!」


 


『ええから落ち着こ!? な? 一回深呼吸しよか!?』


 


「す〜〜〜〜……はぁ〜〜〜……」


 


『……よし、んで、どないしたん?』


 


「じゅんくんのお話したらね、エンリちゃんがしゅん……ってなって……どうしたらいいのか分からないの!」


 


カエデは、一瞬だけ黙って──小さく眉を寄せた。


 


『……うちにも、わからへんな……』


 


「え?」


 


『それで……エンリは、なんて言うてたん?』


 


「“上手に出来ない”って……言ってた……」


 


『……そっか……』


カエデは鉄棒の前で立ち止まるように言葉を選んだあと、

ゆっくり、ミリーの頭をぽん、と撫でた。


 


『ごめんな? うちも、なんかアドバイスしたいんやけど……うまく言葉にできへん』


 


「……ううん、ありがとカエデちゃん……」


 


──いつもなら元気に跳ねてる2人の間に、静かな風が吹いた。


“誰かのために動いてるはずなのに、なぜか心が苦しくなる”。

そんな不思議な空気が、確かに流れていた。


 


でもミリーは、そこで止まらない。


彼女の頭の中には、すでに“次の相談相手”が浮かんでいた。




 


「……ノアちゃんにも聞いてみよっ!」


 


即行動。スマホを取り出し、タップ、発信──


 


『ノアちゃん! じゅんくんシークレット! カエデちゃんエンリちゃん悲しい! なんだよ!?』


 


……もはや謎の暗号。

リズムだけは元気だが、意味は1ミリも伝わらない。


 


電話越しのノアが一拍おいて、低く応じる。


『……やはり、そういうことでしたか……。わかりました……。

ただ本日は撮影がございますので、明日、会社に寄りますね?』


 


その直後、背後からスタッフの声が入り──


『ノアさん!次スタンバイです!』


 


『申し訳ありません、ミリー様──』


──プツッ。


 


「……切れちゃった」


 


しょうがない。

ミリーは静かに画面を伏せて呟いた。


 


「最後の砦……」


 



 


「リアちゃーーーん!」


 


『……なんですかその顔は』


 


「シークレット! ノアちゃん! カエデちゃん! エンリちゃん! 悲しいっぽい〜?」


 


……もはや呪文。


だが、リアは冷静だった。

いや、冷静すぎて──ちょっと怖い。


 


『……あなた、よりによって今回の核心に関わってる3人にだけ聞いて回ったんですか?』


 


「うぅ〜〜〜〜」


ミリーの頬が、リアの指でぐに〜っと引き伸ばされる。


 


『せめて順番を考えるとか、探偵としての動きがあまりに無防備すぎます』


 


「だってぇ〜〜〜〜シークレットって〜どこまでシークレットかわかんないんだもん〜〜〜!」


 


『……はぁ』


リアはため息をつきながら、ようやくミリーのほっぺを解放した。


 


『……でも、これで確信に変わりました』


 


「え?」


 


『ノア、エンリ、カエデ……そして潤。

この4人の間に“何か”があり、潤の現在の行動の引き金になっている可能性が高い。

3人はそのことに対して──少なからず後ろめたさを感じている』


 


「え!? えっ!? みんな喧嘩中なの!?」


 


『いえ、恐らく違います』


リアは一瞬間を置いて──静かに結論を口にする。


 


『潤は、罪の意識で動いている。

そして3人は、その行動を止められない。

自分たちのせいで潤がそうなってしまったと──そう“思い込んでいる”。』


 


「……う〜〜〜ん。よく分かんないけど……」


ミリーが両手をぶんぶん振ってから、元気に言った。


 


「みんなを仲直りさせればいいってこと!?」


 


『……強引な解釈ですが、まあ方向性としては否定しません』


 


リアは端末を開いて時間を確認し、静かに立ち上がる。


 


『とりあえずは潤。

彼がなぜ“1人で責任を背負っている”のか──

問い詰めましょう、今夜』


 


 


──そして、夜が来る。


彼女たちの“追跡劇”が、今まさに幕を開けようとしていた。





【あとがき小話】


『語りたい曲があるんだよ』


 


作者「小説好きな人ならわかってくれると思うんだけどさ、ストーリーがある曲ってめっちゃ良くない?」


 


潤「突然どうした。“物語を語る者”の顔してるけど……どのへん?」


 


作者「たとえば……『痛いの痛いの飛んでけ』とか『カルマの坂』とか……」


 


潤「……やめとけって。最近ちょっとシリアス続いてんだからさ……読たんがダークサイド落ちかねないぞ?」


 


作者「え、でもあの救いのなさが良いんだよ……聴いた瞬間に脳内で“エンディングロール”流れる感じというか……」


 


潤「ほらもう始まった。語りの温度差が夏と冬」


 


作者「でもさ、癒される系で言うと『アオノハコ』1期のOP、あれ最高じゃない?」


 


潤「お、急に柔らかい方向来たな」


 


作者「アニメーション込みで観てたら、思わずキュンってなってさ……

なんなら一瞬、作者も心の中で少女になってた」


 


潤「知らんがな」


 


作者「“誰かにとっての物語”が、音楽になると爆発力増すよね……

ああいう曲に出会うと、小説書いててよかったって思える」


 


潤「……それは、ちょっとわかるかもな」


 


作者「というわけでみんなも、音楽から燃料もらって、また創作がんばろーぜ!」


 


潤「綺麗にまとめたつもりか?」


 


作者「当たり前じゃん。あとがきだもん」


 


──おしまい。




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