第20話『俺、就職する!』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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――就職、決まりました!
無職の俺でも社会復帰できる!
そんな奇跡の求人が、ハローワークに落ちてたんだよ。
・アットホームな雰囲気!
・やりがいあり!
・報酬も充実!
・助け合いを大切に!
もうこれ、理想の職場じゃん!
俺は秒速で応募して、即日内定をゲットした!
(これで俺も、社会人ライフ満喫ってわけよ……!)
そして――初出勤日。
夢と希望を胸に、オフィスのドアを開けた。
* * *
「葉山くん、ね? そこ、前に使ってた人の席だから、自由に使って〜」
ふんわりとした声で出迎えてくれたのは、
50代くらいの女性・亀山エツコさん。
「うちはね〜、ほんっと“明るい職場”だから。
助け合いを大事にしてて、成果はちゃんと評価されるのよ♪」
(うぉおおお!神環境……!!)
スタートから好印象MAX。
やる気スイッチが、ブチ上がる!
仕事はデータ入力と書類整理。
だけど「自分のペースでいいからね?」って言ってくれるし――
(いやマジかよ……この会社、天国か?)
「書類、もう終わったの? すごいわね〜!」
褒められた。しかも拍手付きで!
俺、今日から人間として生き直せる気がしてきた!
「じゃあ次、この伝票入力お願いできる?」
「はいっ、任せてください!」
ここまで、完璧なスタートだった――
……あの一言を言うまでは。
「この項目、ちょっとわからなかったので、空欄にしておきました!」
笑顔で報告した俺に、エツコさんの手がピタッと止まる。
「……空欄?」
「はい! 間違えたら大変だと思って……」
「……ふぅん」
その瞬間――エツコさんの“笑顔”が、完全に“無表情”に変わった。
「それ、“誰が確認する”つもりだったの?」
「えっ……えっと……エツコさん……?」
「つまり葉山くんは、“私に手間をかける存在”ってことになるのね」
(……えっ、なんでそんな話に!?)
「“助け合い”って、言ったわよね?」
「“誰にも負担をかけず、すべて自分で処理する”。それが、うちの“助け合い”なのよ?」
(定義が独自すぎるーーー!!)
「す、すみません! 次からは全部調べて……!」
「いえいえ♪ 新人さんなんだもの〜気にしないで?」
……なのに、口調と裏腹に“書類の山”が3倍に増えていた。
「じゃあこれとこれと……これもお願いね?」
“ドサッ、ドサッ、ドサッ”
(いやこれ、もう“盛り放題”じゃん……!?)
「……はいっ、頑張ります!」
必死に笑顔を作りながら、震える指でキーボードを打ち始める。
(この圧……なにこれ、こわ……)
* * *
昼休み、ようやく逃げるように立ち上がった――そのとき。
「葉山くん? どこ行くの?」
「え、あの、休憩……」
「……えっ?」
「……??」
「仕事、残ってるよね?」
「えっ、でも、時間……」
「“人に手間をかける”気なの?」
(来たーーーーー!!)
にっこり笑顔のまま、空気が凍る。
あれだ、ホラー映画でよく見る「静かに怒るやつ」!
「そ、そうですよねっ! やります!仕事します!」
(この職場、怖すぎんだろ……)
* * *
その日――俺が口にできたのは、
水、だけだった。
アットホーム(※殲滅系)……
この“優しさ”に、俺の胃が耐えられるのか……!?
【あとがき小話】
作者『……やっぱさ、ラーメンにもやしって、必須じゃね?』
潤『わかる。あのシャキシャキ感がないと始まらん』
作者『だよな!? わかってる奴がいたか……!』
潤『てかさ、もやしって“貧乏飯の象徴”みたいに思われがちだけど──ラーメン界だと急に格上になるよな』
作者『あれ完全にスター食材だよ。脇役のフリして、実は主役級』
潤『もやしなしでラーメン食えって言われたら、俺、多分“もういいです”って箸置くもん』
作者『わかるわ~。チャーシューより無いと困るまである』
潤『チャーシューには申し訳ないけど、もやしって“魂”なんだよな』
作者『じゃあ、今後もこのあとがきにはもやし要素入れていこう。読者にバレない範囲で』
潤『やめろや。バレると変な縛り芸始まるからな』
作者:pyoco(今日の夜はラーメン)