第202話『俺、朝ごはんの話をしただけなのに論争が始まった件』
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(いや、助けてください!!)
──ある朝の社内。
いつものように出勤した俺が、デスクに座る間もなく声をかけられた。
「ねえねえ〜じゅんくんはパンとごはん、どっちが好きなの〜?」
朝からテンションマシマシのミリーが、笑顔で両手を広げて飛び込んでくる。
「……いや、気分だろ……」
まだ脳が寝てんのに、朝食トークからの不意打ちやめてくれ。
だが、その言葉に即座に反応する者がいた。
「潤様、そのような曖昧な回答ではいけません。今後の献立方針に影響しますので、明確にご指示をお願いします」
「指示って……俺が決めるの……?」
ノアが手帳を開いてメモ体勢に入ってる。いや、何? 食卓の独裁者にされてんの俺?
「ウチはごはん派やけどな〜? 潤くんが“パン”って言うんなら……今からでも寝返ったるで〜?」
(選挙か!? ごはん派から寝返るって何だ!? )
「へぇ〜……じゃあ、“パンくわえて走ってくる彼女”と、“おにぎり握りしめて遅刻してくる彼女”、どっちが好きですか〜?」
ユズハがいたずらっぽく肘をつきながらニヤリ。
「……その例え、もはや朝食かんけーねぇだろ!」
「ちなみにパンくわえてると100%曲がり角で衝突イベント発生しま〜す♡」
「イベントって言うな!日常で事故るな!」
そこに静かに紅茶を差し出しながら現れたのは──
「カレーはパンにもご飯にも合いますから……私が全部受け止めますね?」
包容力の権化、エンリだった。
「出たーーっ!!カレー万能理論!!」
「全員が争うなら……私がカレーになればいい……そう思いませんか?」
「思わねえよ!!365日カレー論は無理!!」
──気づけば、朝の社内は“朝食論争サミット”の様相を呈していた。
俺「なぁ……これ、俺が“気分”って答えたせいじゃね……?」
──翌朝・悪徳リクルートエージェント社。
いつも通り出社して、ドアをくぐった瞬間──俺は凍りついた。
「……え?」
目の前、廊下の左右にバリケードが築かれ、事務所は完全に二分されていた。
しかも……その直後、俺の横を
ビュンッ!!
スリッパが飛ぶッ!!!
「ぶねっ!?!?」
顔面数センチ横をかすめたスリッパに、俺は反射的に屈んだ。
その俺に、ミリーが顔を青くして駆け寄ってくる。
「じゅんくん大変だよ〜〜〜!!」
「見りゃ分かるよ!?何!?何の戦争中なの!?」
「社内で……パン派とごはん派が……分裂しちゃったの〜!!」
「朝食の好みで戦争すなああああ!!」
──どうやら、原因は昨日の“朝食どっち派”発言だったらしい。
今、社内は
・パン派
・ごはん派
に分かれ、全面対決に突入しているようだ。
すると──右のバリケードから、リアが顔を出した。
「白米とは、おかずとの組み合わせにより多様なバリエーションが……栄養価の面からも──」
ビュンッ!!
「……っ!? ぶっ!!」
左のバリケードから飛来したスリッパがリアの額を直撃──綺麗に仰向けに倒れる。
「敵将、討ち取りましたーっ☆」
バリケードから身を乗り出してきたユズハが、スリッパ片手に勝ち誇る。
「パンはね? まず見た目が映えるっ♡ あと“甘いパンにジャム”って、朝からご褒美スタートって感じするじゃん?」
ご機嫌で語るユズハに──対抗するは、ノア。
彼女は無言でスリッパを構え、ふわりと振りかぶり──
「……潤様の健康のため、朝は“ご飯と味噌汁”で内臓を温めるべきです」
ビュン!!
「ぶへぇっ!!」
ユズハ、崩れ落ちる。
ノアのスリッパ、正確無比な狙撃で眉間に命中。
俺「おい!!もう話し合いの段階じゃねぇ!!これ普通に戦争だろ!!」
カエデ(パン派)「あーあ、これどっちが勝っても潤くんの朝は平和にはならへんなぁ〜?」
──完全にヒートアップする“朝食内戦”
2時間後……
──そして、全員が戦い終えた後の静寂。
スリッパが床に落ちる音だけが、ぽとん……と響いた。
「……ふぅ。これで、パン派の暴挙も終わりですね」
ノアが髪を整えながら言うと──
「何言ってんのっ、白米ゴリ押し派の横暴こそ問題なんだよ!」
ユズハが頭にスリッパの跡つけたまま睨み返す。
すると、四人全員が……一斉に、俺を振り返る。
「で? 潤様のご意見は?」
「じゅんくんはごはん派?それともパン派?」
「先輩は……どっちにつくの?」
「答えによっちゃ、また開戦なの〜っ!」
(うわ……なんで俺が“終戦条約”みたいなポジになってんだ……)
俺は全員の圧に押され、観念して口を開いた。
「……あー、その……」
全員
「どっちでもない」
全員「は?」
「俺……朝は、麺がいい」
\\ ……はああああああああ!? //
ノア「そんなのは……予想外すぎます……っ!」
ユズハ「えーーー!?誰も“第三勢力”想定してませんよ〜!?」
カエデ「潤くんの“主食クーデター”や……っ!」
リア「……もはや……思想そのものが異質です……」
──こうして、社内に新たな“麺派”が爆誕し、朝食戦争は次なるカオスへと向かっていくのであった。
つづき……ません
【あとがき小話】
作者『わかった……タートルトークは諦めるわ……』
潤『わかってくれたならいい。毒ガメが子ども泣かす未来しか見えなかった』
作者『だから次は──宇宙人のやつにする!スティッチ!』
作者(ガラガラ声で)『ジュンオマエキャクヤクナ…』
潤『ガラッガラだな!?砂漠の枯れ井戸みたいな声してるけど、スティッチのつもりか!?』
作者『オマエ、オレ、マブダチ~♡』
潤『やめろ!語尾の“~♡”が生々しすぎて友達やめたくなるわ!!』
作者『サクッチ オマエ、ウラヤマシスギテ…ウメタクナール!!』
潤『感情ダダ漏れすぎだろ!!それもうスティッチ通り越して“病みッチ”だよ!!』
作者『ダカラ…オマエノヒロイン力…オレニクレ…グス…』
潤『泣くなよ!あと“ヒロイン力”ってなんだよ!?俺にそんなもん備わってねぇよ!てか何、俺今“宇宙人からヒロインに間違えられてる”状況!?』
作者『オマエ、モエスガタ…カンペキ…アイズ、キラキラ…』
潤『目が死んでるようにしか見えねぇよ!?なんだその幻覚フィルター!やめてくれ、俺の尊厳が“粉”になる!!』
作者『……オマエノ…ウツクシイセナカ…ゼッタイ、マモル……』
潤『ストーカーかよ!!!そのセリフで守られたら人生終わる気しかしない!!』
作者『アーイ……アイ……潤のこと……ナメクジくらい愛してる』
潤『なんでそこ“ナメクジ基準”なんだよ!?普通逆!!最低ラインにも程があるだろ!!』