第190話『俺、質問がバレる』
作者『読たん? 俺さ、投稿とか完全に不定期で気分で出してるんだけどさ……』
作者『……一部の猛者たん、俺の生活リズム完全に読んでない!?』
潤『どうした急に……怖いこと言い出すなよ……』
作者『だってさ!投稿して即PVポンッ!ってなるの!
絶対ブクマしてくださってるからだと思うの!ありがとぉぉぉぉぉぉッ!!!』
作者『リアクション押してくれる方も!!
もう……ほんとにありがとうございます結婚してください!!(真顔)』
潤『いや落ち着け!? 調子乗ってプロポーズ始めたぞ!?』
作者『あっ……取り乱しました……』
作者『でね? 最近気づいたんだけど、俺が「そろそろ投稿しようかな〜」って思ってるタイミングで、
PVグラフにポコッて波が立つの……』
潤『……まさか?』
作者『猛者たんの何人か……「そろそろアイツ出すぞ」って察知してる説ある……』
潤『行動パターン丸裸!? 猛者たんスナイパーかよ!』
作者『やべぇ……多分バレてる……俺が読たんのモコモコ姿想像してニヤけてるのも……』
潤『いや!そっちのバレはまずい!!作者、それはもう遺言じゃん!!』
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※作者は皆さんの気配を感じ取って、
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ある日の朝。
いよいよNeulogic社のAIが、翌月にリリースされる──
そんなタイミングだった。
俺は、出勤準備の手を止めてテレビを眺めていた。
なぜなら、画面に“気になるワード”が踊っていたからだ。
《今朝の特集:AIと人類の共存は可能か?》
スタジオには二人の男が並んで座っている。
ひとりは、銀縁メガネに完璧なスーツ、微笑みの奥にどこか計算を滲ませた男。
進政党・経済再生委員長──鳴海卓郎。
もうひとりは、テンション高めで関西弁がクセ強めな初老の男。
AI倫理機構・代表理事──矢野虎之助。
タイムリーな話題だった。
だからこそ、俺もつい見入ってしまった。
鳴海議員「……だからこそ、AIの発展には“審査機関”が必要なんですよ。
公共性・倫理性・透明性──それを誰かが担保しなくてはならない」
矢野「せやせや! うちら《AI倫理機構》が審査する公正なAIだけがリリースされれば、
犯罪利用や盗作の問題もグッと減る。安心・安全な未来っちゅうわけや!」
潤(……おお、なんかすげぇちゃんとしてる……雰囲気は)
司会「なるほど。確かに最近では、AIによる倫理逸脱や無断生成が問題視されています。
もし国が認可した機関を通す仕組みがあれば、利用者も“安全性”を実感できますね?」
鳴海議員「はい。法案の内容はすでにほぼ確定しており──
早ければ来月から施行される予定です。
社会にとって、そして未来を担う人々にとって、豊かさを届けられる制度になると信じています」
矢野「せやせや! ワシらに任しといたら間違いないで!」
潤「…………」
ふーん。
確かに、筋は通ってるように見えた。
法案の趣旨も、意図も、一見すれば“正しい”ように聞こえる。
──だから俺は、このときこう思った。
「確かに、いい法案だな」
……本当に、ただそれだけだった。
この朝、あの番組を見ていた頃の俺は──
呑気で、能天気で、危機感ゼロのままテレビを消した。
まさか、
その制度が、Neulogic社のAIに牙を剥くとも知らずに。
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そして、俺は何気なくスマホを手に取り、マイに電話をかけた。
「──今さ、テレビ見てたんだけど。あの来月の法案って、うちに影響ありそう?」
受話口からは、活気に満ちたオフィスのざわめきが聞こえてくる。
社員たちの声と足音が飛び交う中──
マイ「ああ、それ行っといて!資料は一式こっちで通すから!──……ごめんなさい、うるさくて」
潤「いやいや、全然。忙しい時期でしょ? リリース直前だし」
マイ「ええ、ようやくここまで辿り着いたもの。……で、法案の件だったかしら? それなら、もう事前に動いてるわ。申請書類はすべて準備済みよ」
潤「さすがマイさん! あとは発売日を待つだけだね?」
マイ「強いて言えば……“実機テスト”が残っているけれど」
潤「実機テスト? いやいや、大丈夫でしょ。前に俺が試しに入れたとき拒否されたし──あれ、バッチリだったじゃん?」
マイ「………………」
潤「……ん? な、何その沈黙」
マイ「──あなただったんですね。“AIにやたらとバニー服の女の子の画像出力”をお願いしていたのは」
潤「えっ」
マイ「社内で話題になってましたよ。“誰だこの変態紳士は”って」
潤「ま、待て待て! 違う!あれはその……テスト! 倫理フィルターがちゃんと働くかの確認であって……!」
マイ「へぇ? “バニー服の女の子の画像ください”──“何でダメなの? ちょっとくらい”──“ならせめて水着で、なるべく布を──”」
潤「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああッ!! やめてくださいマイ様ご勘弁をッッ!! それは公式ログから削除していただけないでしょうかあああ!!」
マイは、受話器の向こうで小さく笑った。
マイ「ふふ、誰にも言いませんよ。少なくとも、今のところは」
潤「今のところはってやめてぇぇぇぇ!!」
マイ「──まあ何はともあれ、“実機テストの詳細”だけは、まだ不明な点が多いわ。そこだけは懸念点ね」
潤「了解……また何かあったら、連絡お願いしてもいい?」
マイ「もちろん。あなたがまた変なログを残さない限り、ね?」
潤「ぐうぅ……はい、善処します……!」
──そんなやりとりのあと、しばらくして。
Neulogic社の“書類審査”は、特に問題なくスルーされた。
社内も安堵のムードに包まれる。
──そして。
──訪れた。
実機テスト当日。
静かに、何かが動き出す──その始まりだった。
【あとがき小話】
作者『さて皆さん、今回も読んでいただきありがとうございました〜!』
潤『って、あれ?なんか向かい合って座ってる2人が……』
ユズハ『──では始めましょうかぁ?“最も甘え上手なのは誰か選手権”♡』
リア『……意義あり。そもそもこのテーマ、論理破綻が多すぎます。
甘えという主観的要素を「上手」と評価すること自体、既に不正確です。』
ユズハ『うわ〜出た出た〜リアちゃんの理屈パラメーター攻撃〜。
じゃあ聞きますけどぉ?潤、どっちに甘えられたらドキッとしますぅ?』
潤『いや、俺!?俺がジャッジなの!?』
リア『冷静に考えてください潤。
私はあなたに「依存」はしません。ですが、“信頼”という形で自然に距離を詰めます。』
ユズハ『わかりにくっ!!それって“甘え”じゃなくて“面接”ですよね!?』
リア『……ユズハこそ、常に過剰演出とフェイクで好感度を操っているだけ。
“本心”ではなく“演出された甘え”に過ぎません。』
ユズハ『ふ〜〜ん……
でも“甘え”って相手の懐に入ることじゃないですかぁ〜?
だったら私は、“潤の懐で寝落ちしてる実績”ありますけど?♡』
潤『いやそれ俺、3時間正座させられたやつ!!』
リア『……ふむ。ならばこちらも“知的に膝枕しながら語り続けて潤が寝た”という実績があります。』
ユズハ『ね〜え〜♡ 潤〜?どっちが“甘えてたな〜”って思いましたぁ〜?♡』
リア『答えてください潤。論理的で、誠実な判断を。』
潤『やめろやめろやめろやめろ!!!!
この空気で選べるわけないだろォォォォォ!!!!!』
──その後、議論は激化し──
ユズハ『ほ〜らぁ♡ 潤の腕にこうやって抱きついたらぁ♡ ほ〜ら♡』
リア『物理接触による誘導は誤審を誘います。潤、目を閉じて。外的要因を排除しましょう』
潤『逆に怖えぇよ!!!なんで目隠しされながら評価させられんだよ!!』
作者『……えーと、今回の話いかがだったでしょうか?』
作者『ちなみに私は“どちらにも甘えられたい派”です(即答)』
潤『お前だけはどっちも取るな!!逃げるなァァァァ!!!』