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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
21/262

第18話『俺、簀巻きにされたここはどこ!?』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


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感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


うぅ……なんで、こうなった……。


 


体は動かない。意識はある。


でもって簀巻き。めっちゃ簀巻き。むしろ芸術的に簀巻き。


 


俺は震える指で、ウインドウを開いた。


 


【スキル:洗脳(Lv5)】

対象が「精神的に追い詰められている」または「屈服・納得・心酔状態」である場合に、その思考を支配可能。


 


「……え、詰んでね?」


 


そう――つまりこのスキル、ただのチートじゃない。

条件満たさなきゃ、ただの“でかい声で語るマン”だ。


 


うぅ……涙が止まらねぇ……。


 


 


「さぁ!救いを始めましょう!!」


 


「いーやーーーーーー!!」


 


* * *


 


2時間後。


 


「ぜぇ……ぜぇ……あ、あなた、なかなか……救われませんねぇ……?」


 


(そりゃそうだろ!)


 


俺は洗脳されなかった。


でも代わりに精神が摩耗してる!


ずっと叫ばれるだけの地獄。地獄って音量で作られてんのかよ。


 


「少し、休憩にしましょうか。信者たちを呼び集めますねぇ……」


 


黒川がスマホを取り出し、奥の部屋へ消える。


 


(……今しかねぇ)


 


なんとか脱出の糸口を探すと――


 


視界の端に、ちょこちょこ動くものが見えた。


 


(ネズミ……!?)


 


(まさか……スキルの複合で、いける……!?)


 


《演者》《洗脳》《威圧》《支配》――フル発動!


 


俺は目を見開き、ありったけの迫力と魂を込めて叫んだ。


 


「きょえぇぇぇぇぇ!!!」

「ちょぇぇぇぇぇぉ!!!」

「ゼェゼェゼェ!!」


 


ネズミはブルブル震え――その場で気絶した。


 


「ごめん!!本気でごめんってぇ!!」


 


……いや、ほんと申し訳ない。


やっぱりネズミさんに洗脳は無理だったか。


 


 


「なんだと……!? 信者が次々と警察に通報を……?!」


 


奥の部屋から黒川の怒鳴り声が響く。


 


「どういうことだ!? 馬鹿言え! くそっ……一旦身を隠す……合流地点で……!」


 


――ガシャーン!


 


(……まさか!)


俺がスキル奪ったせいで、洗脳が解けたのか!


 


部屋を出てきた黒川は、スマホを握り潰さん勢いで怒りのオーラ全開だった。


 


「……お前に構ってる暇はなくなった。だが……話されると厄介だしなぁ」


 


(な、なんだよその嫌な笑顔……?)


 


「お前、キャンプファイヤー……好きか?」


 


「いや待てってそれ物理的な意味のやつだろ!?!?」


 


* * *


 


黒川が火を放っていった。まさかの放火オチ。


部屋は一気に燃え上がる!


 


「燃えるって!マジで燃えちゃうって!!」


 


火の手がすぐそこまで迫ってくる。


 


(うぅ……せめて……童貞卒業して……普通の生活して、美味しいもん食って、ネカフェじゃない部屋で寝て、お金持ちになって……死にたくねぇえええ!!)


 


 


そのとき――


 


さっきのネズミが、目を覚まし、こっちを見ていた。


 


(ま、まさか……洗脳効果残ってる!?)


 


俺は必死に叫ぶ!


 


「頼む! その縄を! カリカリしてくれぇぇぇ!!」


 


……ネズミ、微動だにせず。


 


(そうか……人語じゃ無理か……)


 


「ちゅうちゅちゅーる、ちゅー!!!!」


 


動かない。


 


「ちゅうちゅちゅうーちゅーるちゅーーーー!!!」


「ぢゅーぢゅぢゅるるぢゅゆゆゆ!!!!!!」


「ぢぢぢゅーーーぢゅぢゅぢゅーー!!!!!!!!!!!!」


 


――そのとき。


 


「ぢゅう……?」


 


呆然と立ち尽くすエンリさんが、引きつった顔でこちらを見ていた。


口元を押さえて……見てはいけないものを見たかの様に…


 


 


「潤様! 今、すぐにお助けしますから!」


 


 


* * *


 


「助かったーーーッ!」


 


俺は、燃えた部屋から無事救出された。


 


「ご無事で何よりです、潤様!」


「よかったなぁ〜潤くん!ホンマよぉ頑張ったなぁ〜!」


 


ふたりが、ギュッと抱きしめてくれる。


 


(あぁ……生きててよかった……)


 


「ありがとう……ふたりとも……! そしてエンリさんも……!」


 


「いえ……まぁ……追い込まれたときの“人の行動”って、その……仕方ないですよね?」


 


……あの時の“ネズミ語”を思い出して

凄く気を使っているのがわかる。


 


俺は、静かに泣いた。







【あとがき小話】


最近さ……ネズミ、ちょっと可愛く見えるんだけど。俺だけ?


なんかこう、ちょこちょこ動いてて、手がちっちゃくて、

キョトンとした目で見上げてきたら「……えっ飼う?」って一瞬なるよね


でもよく考えたら、“現実のネズミ”って、人の家の米とかかじって逃げるからな


感情が“ハムスター寄り”に補正されてるだけで、油断したら現場は地獄よ。


まあ、そんなわけで──

ネズミを可愛いと思ってしまった人間が書いてる作品です。どうか今後もよろしくお願いします。


 


作者:pyoco(ハムスターには負けた)


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