第181話『俺、動けない』
はい、作者です。
やらかしましたーーーーーーー!!!!
(地面に大の字)
今、ちょうど205話を書き終えたんですが──
気がついたら、そこから約5話分くらい……めちゃくちゃ暗いです。
もうね、夜の冷蔵庫でシュークリーム探すくらいの暗さ。
潤『……でも、それも必要な回だったんだろ?』
作者『うん……必要だった……!必要だったんだけどさ……!』
潤『じゃあ読たんにはどうすんだよ?』
作者『なるべく早く!
ブラジルでモコモコの服着てビリー隊長のもとでポジティブ跳躍する勢いで!
ギャグとテンション、全力で上げ直します!!』
潤『……温度差で読たんが風邪引くわ。』
作者『いや、ここで踏ん張ってくれたら……その先でちゃんと笑わせるから!!』
ちょっとだけ……耐えてもらえると嬉しいです!
──都内、あるコワーキングスペースの一室。
完全に閉ざされた防音ルームの中で、ノアは淡々とキーボードを叩いていた。
その瞳には、いつもと違う冷たい光。
ノア「……堂島要。あなたの“本当の融資理由”、今ここに記録させていただきます」
彼女が構築していたのは、
堂島による企業評価操作と、弁護士法人オルドールとの癒着をまとめた“金融圧力レポート”。
だが──それは単なる内部告発ではなかった。
ノア「彼の“野心”──すなわち“出世欲”を逆手に取らなければ、動かすことはできません」
──堂島要。紅陽銀行の中でも、融資部門の実権を握る男。
次期“営業本部長”の座を狙っており、上層部の評価に非常に敏感。
ノア「……本部側が“不正”を疑い始めた時点で、彼の立場は終わる」
そして今、ノアの手元には──
・オルドールとの過去メール(匿名提供)
・特定企業の評価が“会議を経ず”に改竄されていた証拠
・吉野(受付)から漏れた“内部処理コード”
これらを裏付けにしたレポートが完成していた。
ノア「……では、いきましょうか」
──“匿名の告発者”として、レポートは紅陽銀行の本部・監査室に送信された。
あくまで中立の形式で、だが内容は明確に“堂島要の出世ルート”を破壊する仕様。
ノア「……これで、あなたが“今のまま”では居られなくなることを祈ります」
──翌日、紅陽銀行・本部。
監査部・小川課長のもとに、そのレポートは届いていた。
小川「……“堂島要の恣意的評価操作”……だと?」
彼がその名前に過敏に反応したのは当然だ。
堂島は“営業系の筆頭候補”として、来季の人事リストに入っていた。
その男に“疑義あり”となれば──すぐに精査対象となる。
小川「おい、財務資料と照合しろ。あと、この“Neulogic社”って企業、最近何があった?」
──即座に内部監査の予備調査が始まった。
その動きは、まだ堂島本人には伝わらない。
だが──水面下では、確実に“綻び”が始まっていた。
──同時刻。
悪徳リクルートエージェント社のオフィスにて。
潤「え、ノア……銀行本部に“何か送った”って……」
ノア「ええ、詳細は申し上げられません。ですが、“敵の出世”という欲望を逆手に取れば、止める道は必ずあります」
潤「……マジかよ……本当にそっち方面の能力高いな……」
ユズハ「じゅんく〜ん、何もしなくてもノアちゃんが勝手に逆転してくれる説〜♡」
ミリー「もはや、じゅんくんは“横で応援する係”なの〜」
潤「俺のポジション、ますますアイドルの追っかけみたいになってない!?」
──だが、ノアはひとつだけ釘を刺す。
ノア「……ただし、彼が“出世”よりも“忠誠”を優先するような人間であれば──我々は、第二手を準備する必要があります」
潤「第二手……?」
ノア「堂島が“逆らえない相手”を、本部側に作ることです」
──敵の動機を読み、逆手に取る。
これは、明確な“戦術のフェーズ”だった。
──そして、Neulogic社。
御影マイは、まだ知らなかった。
水面下で、静かに“彼女のために動いていた人間”がいたことを。
マイ(何かが……ほんの少し、動いた気がする)
彼女の直感が、かすかにそう告げていた。
──紅陽銀行・社員専用フロア。
早朝の静けさの中、一人の行員が休憩室で電話をしていた。
行員(小声)「……うん、間違いない。“営業部長候補”の件で、監査が動いてる」
──堂島要の人事が、揺れていた。
だがその情報は、本人の耳にはまだ届いていない。
一方、我々“悪徳リクルートエージェント社”の本部では──
潤「……あのさ。今のところ、俺マジで何もしてなくない?」
ユズハ「してますよ〜? ちゃんと落ち込んでたじゃないですか♡」
ミリー「うんうん、“社長の威厳ゼロの落ち込み芸”は最高だったの〜」
潤「評価軸おかしくない!? もっと“戦略的行動”とか褒めてくれよ!」
──そんな中、動いていたのは“インテリ陣”。
リアとエンリは、堂島の過去の企業評価データを精査し、“不自然な傾向”を探っていた。
リア「堂島が過去3年間に評価を担当した案件を抽出。平均より明確に“上方・下方操作の偏り”があります」
エンリ「しかも──その“下方修正”された企業のうち、4社がのちに“ある共同投資ファンド”に買収されている」
潤「えっ、めっちゃ怪しいじゃん……!」
リア「“堂島 → 格下げ → 資金難 → ファンド買収”という流れが、構造的に成立しています」
──つまり。堂島は“潰す企業”を選び、潰した後で“救済者(買収者)”を用意していた。
その背後にいるのが──オルドール法律事務所と、その協力ファンド。
ノア「……そして今、Neulogic社も同じパターンに入れられている、ということですね」
エンリ「はい。オルドールが最近Neulogicに“経営支援の提案”を送っていると判明しました」
潤「いやおかしいだろ! 自分たちで追い詰めて、支援名義で乗っ取るとか詐欺かよ!!」
──だが。
マイは──まだ、こちらの動きには気づいていない。
潤「……これ、俺が今コンタクト取ったら……逆効果、か」
リア「はい。マイさんは現在、“外部の影響”に極めて慎重になっています。潤の行動が再びリスクと見なされる可能性が高いです」
潤「……くっそ……っ」
──俺はまた、“動けない”。
でも、代わりに彼女たちが動いてくれている。
──その夜。
Neulogic社・会議室。
マイ「……この書類、“オルドール”?」
社員「はい。“経営支援の意向がある”とのことで、提案が届きました。内容は──“資金注入”と“人員派遣”」
マイ「……それ、経営権を奪う構造よ」
社員「ですが、今のままでは……」
──社員は口を閉ざす。
“それでも受けるしかない”という無言の圧。
マイ(……どうする。これを受ければ、会社は残る。だが、“私たちのもの”ではなくなる)
──その時、彼女の元に一通のメールが届いた。
差出人:【匿名】
添付ファイルには──堂島の評価操作と、オルドールとの繋がりを示す“第三者調査レポート”があった。
マイ(……このデータ……)
文章は匿名ながら、構成・視点・語尾のリズム──彼女は直感する。
マイ(潤さん……これは、あなた?)
明示はない。証拠もない。
だが、“信じたいと思える熱”だけが、そこにあった。
マイ(……あなたは、何も持ってない。けれど──誰よりも、“手放さない”)
彼女の中で、“静かに見ていた視線”が、わずかに前のめりになった。
マイ(……もう少し、だけ。信じてみてもいいですか)
あとがき小話
作者『俺的ヒロインズ&サブキャラの人気ランキング予想ッ!!』
潤『あーやったなコレ……火種だぞ、火種。』
作者『いやいや!前にアンケートやったら2票しか来なかったんだってば……!だから今回は勝手に俺が予想するの!!自己責任でッ!!』
潤『つまり“俺が勝手に地雷原を走る”って宣言なわけね。止めないけど後悔すんなよ?』
【5位】イヨ
作者『意外とね?裏で“守ってあげたい”票が集まってそうな雰囲気を感じるんだよな……!』
【4位】ユズハ
作者『小悪魔キャラでXでもちょいちょい呟いてるし、読たんは振り回されたい願望あるはずッ!』
【3位】リア
作者『インテリ論破キャラって需要高いのよ、温泉回の理性崩壊でポイントも急上昇!』
【2位】エンリ
作者『包容力に弱い読たん層、絶対多いと思うんだよ……!全肯定されたくなる夜ってあるじゃん?』
【1位】ノア
作者『はい、これはもうXのアイコンにもなってるし“顔”だし、安定の1位ッ!!異論は認めないッ!!』
──沈黙。
……数秒後、部屋の空気が変わる。
カエデ『……ウチ、ランキング圏外なん?』
作者『!?』
ノア『作者様……“異論は認めない”と仰いましたね?では、そのお言葉、今からご自身でご証明いただきます』
ユズハ『ほ〜〜〜ん♡ 私が4位?つまり“本命ではないけどたまに構いたくなる枠”ってことですかぁ? ……すっごく、舐めてますよねぇ?♡』
エンリ『ふふ……包容力“だけ”だと思われていたなんて、ちょっとショックですね……♡』
リア『……まったく非科学的な統計。根拠が感覚のみで構成された“願望ランキング”と見て間違いありません。即刻撤回を要求します。』
イヨ『……(壁の隅で正座)』
潤『おいイヨ!?反応が重すぎる!!ランクインしてるんだからもっと堂々としていいだろ!?』
作者『まって!?ちょっと!?みんな落ち着いて!?これはあくまでギャグ的なやつであって──』
カエデ『あーあーあー、言い訳は聞こえなぁ〜い♪』
ノア『潤様、今のうちに後ろへ。万が一巻き込まれたら、私が壁を作りますので──』
潤『“壁”って物理的!?てかそもそもなんで俺まで護衛される前提なの!?』
ユズハ『だって潤くん、きっと“私なら3位ぐらいかなぁ”って思ってたでしょ? ねぇ?♡』
潤(……え、なんでバレてるの!?)
──というわけで、作者ランキングは無効になりました。
潤『最初からそうしとけ!!!』