第180話『俺、孤立させてしまう』
作者『最近……息子にゲームで負けそうになります……(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)』
潤『タイトルは?』
作者『エーペックス……ユズハ直伝の7-1✖︎10リニアで頑張ってる!』
潤『まず感度直せよ……それ“スティック触れただけで視界2回転するやつ”だろ!?』
作者『だって息子も超高感度だし……全部で負けたくない!親の尊厳だけは守りたい!!』
潤『もはや尊厳の方向音痴だよ……』
──その日。御影マイのスマホに、一本の電話が入った。
マイ「……はい、御影です。ええ、本日中に──」
電話の声(「申し訳ありません。今回の件、やはり“上の判断”で見送らせていただきます」)
──通話終了。
マイ「……また、断られた」
静かに息を吐く。
その手元のデスクには、赤いスタンプが並んでいた。
【融資却下】【信用保証見送り】【再評価未定】
──Neulogic社。
わずか2週間前まで、国内のAIスタートアップ上位として名を挙げていたこの会社は、
今、現金の流動性が崩壊し始めていた。
マイ(……現金残高、あと24日。社員の給与を優先すれば、プロジェクト予算が消える)
マイ(だが──プロジェクトが止まれば、即時解雇となる人員も出る)
──もはや、経営判断というより“選別”だった。
命を切るか、未来を切るか。
それを、潤のチームが“介入してきた結果”として背負わされている。
浅川「マイ様……本当に、このまま“協力体制”を続けてよろしいのでしょうか」
マイ「……わかってる。私が判断を誤れば、会社そのものが消える」
──それでも、彼女は潤を責めなかった。
マイ(……あの男が、悪意で動いてるとは思えない。だが──)
マイ(“無意識の正義”ほど、時に残酷なものはない)
──一方、そのころ。
潤「…………」
応接室の片隅で、俺はうなだれていた。
ユズハ「せ〜んぱ〜い? 落ち込むの似合わないですよ〜?」
ミリー「……でも、さすがのじゅんくんも今回はしんどそうなの〜」
潤「……そりゃそうだろ……」
リア「現時点での融資拒否は、堂島要個人の判断ではなく──“複数の部署が連携している”ことが判明しています」
エンリ「つまり、堂島だけでは止まらない。……これ、ネスト構造です。潰す意図が組織的に動いてる」
潤「ええ……何その高難度イベント……」
──俺が動いて、マイの会社は確実に“狙われる側”へ進んだ。
それは結果的に、「火種に油を注いだ」形になっていた。
潤(俺が出なきゃ──もしかしたらここまでには……)
ノア「……潤様」
潤「ノア……」
ノア「自責は無意味です。責任を背負うのであれば、“結果”で返すしかありません」
潤「……でもさ、信じてくれたマイさんの会社、今もうヤバいんだぞ……?」
ノア「……信じてなどおりませんよ、まだ。あの方は、ただ“見ている”だけです」
潤「……うん。だよな……」
──そう。“信頼”などされていない。
俺はただ、かき回して、空回って、誰の心にもまだ届いていない。
──その夜。
Neulogic社の会議室にて。
社員「マイさん、資金繰りが……。どうするんですか?」
マイ「──大丈夫です。交渉中です。無駄にはしません」
社員「……でも、噂が流れてます。“外部の胡散臭い男と組んでる”って……」
マイ「……根拠のない噂に振り回されるほど、私たちは余裕ありません」
──それでも、静かに、彼女は孤立していく。
外部との接触は裏目に出て、堂島らの“操作された情報”が広まり、
社内の空気まで彼女を責め始めていた。
マイ(……私は……間違えたの?)
マイ(あなたを“否定しなかった”のが──間違いだったの?)
──苦しい。
でも、潤はもっと、何倍も“孤立”してるのだと──どこかで彼女は知っていた。
──都内、Neulogic社・夜のオフィス。
社員のほとんどが帰った後、御影マイは一人、資料の山に囲まれていた。
──振込期限の迫る請求書。
──一斉に更新された企業信用ランク。
──“Neulogicとの取引を見直す動きあり”という曖昧な報道。
マイ(……これは偶然じゃない。完全に“仕組まれている”)
彼女は理解していた。
自社が狙い撃ちされていることを。そして──その引き金を引いたのが、あの男だったことも。
潤。
──“悪徳リクルートエージェント社”という、信用ゼロの存在。
堂島にあの場で“交渉”を挑んだことが、火種になった。
浅川「マイ様……そろそろ、休まれませんか」
マイ「……ありがとう。大丈夫」
浅川「“あの男”との連携は、やはり再考された方が……。いえ、失礼しました」
──そう、誰もが言う。“あの男のせいだ”と。
だが、彼女だけは──責めなかった。
マイ(……確かに。あの男は、何も持っていない。ただ、ぶつかるしか知らない。強さも、後ろ盾も、戦略もない)
マイ(でも……その場で、ちゃんと怒っていた。堂島の言葉に、本気で腹を立ててた)
──ただの自己満足だ。
そんな正義は、現実を変えられない。
だが──その“無自覚な誠実さ”が、彼女の中の何かを、まだ否定させてくれなかった。
マイ(……私は信じていない。ただ、見てるだけ)
マイ(けれど、もし……あれが“演技じゃない”としたら──)
──そのとき、彼女のスマホが震えた。
差出人:【潤】
【すみません。動いたことで、苦しい立場にさせてしまったと思っています】
【でも、絶対にあなたを潰させたくないです】
──不器用で、回りくどくて。
なのに、その言葉に「嘘の熱」がない。
マイ(……馬鹿みたいに正直な人ね)
スマホを伏せて、彼女は目を閉じた。
距離は、取る。
信じるには、まだ早い。
でも──
マイ(あなたが……“本当に動ける人”なら)
マイ(この国の制度が、たとえどれだけ理不尽でも──“信じてみてもいい”って、思える日が来るかもしれない)
──その夜。
彼女は、初めて“潤を責める言葉”を心から消した。
そして静かに、まだ見ぬ反撃の始まりを待っていた。
【あとがき小話】
作者『ねぇねぇ読たん?』
読たん(ピクッ……ビクビクビクッ)
作者『やっぱり……ゴスロリっていいよね?』
読たん(ブンブンブンブン)←全力否定の横振り
作者『ふふ……でもさぁ、意外とメイド服も捨てがたいんだよね……(´ω`)』
読たん(ガタッ)←椅子から飛び退く音
読たん(ズザザザザッ)←床を這いながら後退
作者『それとも……チャイナ……?それともそれとも──“男の娘セーラー服”とか……』
読たん(……消えた)←気づけば影も形もない
潤『なぁ作者……後ろの窓、開いてるけど……』
作者『ふふふ……また逃げたな読たん……でも大丈夫……』
作者
\\ 新しい衣装プラン、100種類あるから──♡ //
潤『お前がホラーだよ!!』




