第17話『俺、洗脳講師とタイマン張る』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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会場に着いた――
いや、着いてしまった……。
(もう後戻りできないとこまで来ちまった……!)
(なんで俺、よりによって“個人セミナー”なんて爆心地に突っ込んでんだよ!?)
足が……重い。
気持ちは……帰宅済み。
「潤さん……!」
エンリが心配そうに、そっと手を握ってくれる。
その温もりに、かすかに緊張が和らぐ。
「……ありがとう、エンリさん。俺――」
「大丈夫やって〜潤くん! あかんかったらすぐ逃げなあかんで? ウチら、外でしっかり見張っとるからな!」
「……気をつけてください。あの人……普通じゃありません」
「潤様……どうか、必ず無事に戻ってきてください」
三人の視線に、背中を押される。
いや、行くの俺だけなんだけどな!?
深呼吸ひとつ。
そして、ドアをノックする。
――コン、コン。
静かに開かれる扉。
「お待ちしておりました、“葉山潤さん”――」
現れたのは、あの壇上の男。
黒川ユウト。スーツのまま、薄く微笑んでいる。
「さあ、お入りください。今日は“特別なセッション”になりますからね」
(うわぁ……目が笑ってねぇ……!)
腹を括って、部屋に足を踏み入れた。
――運命の、タイマンセッションが始まる。
* * *
中に入るなり、俺はスキルウインドウを開いた。
【奪取対象:黒川ユウト】
・悪事:洗脳による集団支配・搾取
・スキル:洗脳(Lv5)/話術(Lv5)/支配(Lv3)/俊敏(Lv2)
※一定のスキル行使を観測したため、追加スキルが表示されました。
※未所持スキルが複数存在する場合、奪取されるスキルはランダムになります。
奪取しますか?
〔YES〕 / 〔NO〕
(ちょっとまったぁーー!!)
(今までの奴らとレベル違いすぎねぇ!? 才能持ちすぎだろこいつ……)
わりとヤバ目の人物だったわ、黒川ユウト。
でも、迷ってる時間はない。
〔YES〕――選択!
【スキル奪取完了】
・保持スキル:洗脳(Lv5)
・試用期間:24時間(残り 23:59:59)
・ストックスキル:支配(Lv1)/威圧(Lv4)/魅力(Lv4)
・スロット残数:6/10
(よっしゃ、即ストックに入れた!)
(この前の話術の件があるからな……学習してるんだ俺も!)
さあ、黒川ちゃん?
もう勝負は決まったようなもんだぜ?
俺の態度が一変したのを見て、黒川は首を傾げながらも、向かいの椅子に腰掛ける。
「葉山潤さん……あなたは、より深い“救い”を求めてここへ来られた。そうですね?」
「はい! とりあえずあなたみたいなのに関わらないで済むように、ですね。キリッ」
(もう“洗脳”がないコイツなんて、怖くねぇ……!)
(今度は俺が洗脳してやる番だ!!)
「葉山さん……? いきなりどうしたんですか? 前回とは雰囲気がまるで……」
「どうやら、まだ“救い”が足りなかったようですね……?」
――スキル《洗脳Lv5》、発動!
「黒川さ〜ん? あ・な・た……“もやし”に興味はおありで?」
「……へっ? 」
「もやし……ですか?」
「今この場で何か関係が……?」
「もやしは! 安い! うまい! アレンジ無限大!!
そんなもやしを、世界に広めるのが俺の夢なんだ!!
さぁ――もやし教に入信するがいいッ!!」
(クックック……完璧すぎる洗脳だ……)
黒川の目が、ぽかーんと開いた。
これは……勝ったな。
「葉山さん……」
「おぅなんだ、信者1号! もやしでも揉むか?」
「あなたは……あなたという人は……!」
(さぁ崇めろ、もやし教の開祖を!)
「――より厳しい“救い”が必要なようだ!」
「……へっ?」
* * *
「潤さん、遅いですね……大丈夫でしょうか?」
「だいじょぶやろ〜潤くんに限って、またシャドーボクシングでもしとるんとちゃう?」
「潤様に何かあれば、このノアが、あの黒川というペテン師を許しません!」
そんな会話の最中――
建物の扉が開き、数名のスーツ男たちと黒川が現れる。
そして、その後ろには――簀巻きにされ、涙目の俺の姿。
「潤様……?」
「潤君……?」
俺は黒川たちに担がれ、黒塗りの車に乗せられていった――。
【あとがき小話】
作者『……潤』
潤『……なんだよ、その重たい呼び方』
作者『お前、本編でヒロインに囲まれてるくせに、読者人気まで持ってくの、ズルくない?』
潤『いや知らんがな。自分で設定しただろ俺の性格』
作者『だから、ちょっとだけ──
“作者のことも好きになる”って気持ち、芽生えさせてくれない? ほら、こう……無意識に俺を推す感じで……』
潤『……おい』
作者『見ろこのぐるぐる渦巻く催眠ディスク! ブックマークしたくなる~作者がカッコよく見えてくる~』
潤『なにこのダサいエフェクト。てか令和に催眠ディスクて。しかも語りが全部声に出てるタイプの雑魚じゃん』
作者『ぐぅ……効かない……だと……!?』
潤『俺が洗脳されるわけねぇだろ。そういう性格なのもお前が書いたんだろうが』
作者『──ならば実力行使ッ! “作者キャラ化スキル”発動! 本編へ介入開始──!!』
潤『やめろぉぉぉぉ!!お前はずっとあとがきにいろ!!』
作者:pyoco(本編への野望、散る)