第174話『俺、卓球大会』
作者『昨日は3話も書けました!』
潤『おっいいね』
作者『次の章1発目から20話構成のお話……今までの章より少しだけ雰囲気変わっております……少しだけ』
潤『あれで少しだけ……?』
作者『やっぱり振れ幅よ!北極からサハラ砂漠の様な!』
潤『それ人類が生き抜けない環境変化なんだが?』
作者『でも読たんは強い子だから耐えられるって信じてるッ!』
潤『何その無責任な信頼……ブラック企業の上司かよ』
作者『よし!じゃあ今日も“更新耐久”いってみようかぁぁぁ!』
潤『誰がそんなサバイバルレース望んでんだよ!?読者を鍛え上げるな!』
作者『筋肉は裏切らないって言うでしょ?』
潤『それ筋トレの話な!創作の前書きで言うセリフじゃないからな!?』
作者『というわけで!次章も張り切って更新していく所存ですので──』
潤『……砂漠で震えながら読んでくれる猛者たちに、せめて水くらいは用意してやれよ……』
──準決勝 第一試合。
潤 vs ノア。
会場(旅館宴会場)は静まり返っていた。
ヒロインズ全員が見守るなか、潤の“景品脱却作戦”が始まろうとしていた。
『潤様……この試合、手加減はいたしません』
対面のノアが、
ラケットを構えながら、微笑む。
でもその笑顔の奥には──殺気しかねぇよ!!!
(……やるしかない。こっちは勝って、“景品じゃない自分”を取り戻すんだ)
「いくぞ、ノア……!」
【スキルウインドウ展開】
【反射強化(Lv4)】
→発動
──視界が研ぎ澄まされる。
ラリーが始まる。俺の反応はキレキレだ。
いいぞ……これなら──!
……と思ったのも束の間。
──カッ、カッ、カッ!
ノアの返球は、すべてが“1ピクセル外”に突き刺さるレベルの精度。
しかもラケット振るたびに髪が揺れるたびに、笑顔が刺さる。
『潤様……いい動きですね。まるで……』
スパンッ!
『……一緒に踊っているみたいです♡』
「な、なんかそれっぽい比喩でラケット打つのやめてもらえます!?!?」
スキルを使っても、崩せない。
いや、それどころか──どんどん押されてる!
観客席ではユズハが小声で言う。
『あれ……?先輩の超反応でも押し切れないって……ノアさん、卓球スキル振ってますぅ?』
『潤様は、私の“真剣さ”を受け止める覚悟があると思っております』
「覚悟してねぇよ!?卓球で恋の深度試されるのおかしいだろ!!」
──ポイント差、1点。
俺は追い詰められていた。
このままじゃ──また“添い寝景品”に逆戻りだ。
(どうする……どうすれば、ノアにスキを作れる……?)
ノアは、鉄壁だ。
攻めにも守りにも、動揺の“ど”の字も見えない。
だけど──
“恋愛方面”に関してだけは、ちょっと不器用なところがある。
……勝機、そこだ。
俺はサーブの構えを取りながら、
ふっと、声をかけた。
「ノア……試合終わったらさ──」
「今度、二人で……ケーキ食べに行かない?」
ピタッ。
ノアのラケットが──止まった。
『っ……!』
一瞬で、ノアの耳が真っ赤になる。
『それは……潤様からの、お誘い、ということで……』
その隙を逃すか──!!
スマッシュッ!!
スパンッ!!
『──ポイント、潤の勝利!』
エンリの声が響くと同時に、ノアはゆらりと崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。
『潤様……あまりに……反則です……甘すぎます……』
「いや、試合中の甘い言葉、仕掛けてきたのお前らじゃん!!」
──かくして俺は、
“愛と反射とケーキの三重構造”によって、ギリギリの勝利を掴んだのだった。
──準決勝 第二試合。
エンリ vs ミリー。
潤「……え? エンリさんが、参戦?」
『はい。公平なジャッジのため、これまで審判をしておりましたが──』
エンリはそっと髪を結び直し、ラケットを持って言う。
『私も、潤さんを“賭けて戦う以上の覚悟”がありますから』
潤(言い方が物騒すぎるよ!?俺の存在が今“チップ扱い”なんだが!?)
対するミリーは、もうぴょんぴょん跳ねながら構えている。
『えへへ〜っ♪ ミリー、じゅんくんのためなら、ぜーったい負けないんだからねっ!!』
潤(ダメだ、すでにヒートしてる……!)
リア「……試合というより、愛情の物量勝負ですね……」
──そして、始まる。
【ピコッ!】
開始の合図とともに、ミリーが弾けるようにスマッシュを打ち込んでくる!
『やっほーい! ばきゅーん!!』
潤「いや擬音おかしい!ラケットから何か撃ってる勢いだぞ!?」
──エンリの守りは堅い。けど、ミリーの勢いは止まらない。
カッ!
『じゅんくーん! 見ててね〜っ!』
カカッ!
『えへへっ! こっちもいっちゃうもんねーっ!』
エンリ「ふふ……元気ですね」
──ポイント差:ミリー優勢。
このままいけば、潤の決勝の相手は──ミリーになる。
リア「エンリさん、まずいですね」
カエデ「ええ感じやんミリーちゃん! ウチも乗ってきたで!」
ノア「このままでは、潤様の手が……奪われる……!」
──そのときだった。
ボールがコート外へ大きく跳ねた。
エンリ「……あら、取りに行きますね」
彼女はふわりと歩み寄り、跳ねた球を拾おうとする──
その瞬間、しゃがみ込んだミリーの頭を、そっと撫でた。
ミリー「えへっ? エンリお姉ちゃん……?」
エンリは、優しい微笑みのまま、ミリーの耳元で──
囁く。
『大丈夫ですよ。もうすぐ夢の中ですから……』
──バタン。
ミリー「……すぅ……」
潤「えぇぇぇぇぇええ!?!?!?」
エンリ「……失礼。少し、安心させすぎましたね」
潤「いや完全に“撫でながら睡眠術”やったよね!?催眠スキルじゃんそれ!!」
ユズハ「ミリーちゃんお布団で寝かせてくださーい♡」
ノア「……安心とは恐ろしい……」
リア「むしろあれ、技術では?」
──こうして準決勝第二試合、
勝者:エンリ。
ミリーは布団にくるまれたまま、幸せそうに微笑んでいた。
潤(……この大会、なんか卓球じゃなくなってきてる……)
作者『因みに……この作品、公開から──
100日経ちましたーーーーパフパプーッ!!』
潤『おぉ、三桁突入か……』
作者『いやぁ……100日って言われると……なんかこう……“もう戻れないところまで来た”感あるよね』
潤『それ普通、登山中に遭難した時に言うセリフじゃね?』
作者『たしかに!今どの辺かなぁって振り返ったら──』
ユズハ『後ろ、崖ですよぉ?♡』
ミリー『わー!進むしかないのーっ!』
エンリ『今さら戻るなんて、許しませんよ?ふふっ』
潤『おいなんか怖ぇって!?俺だけ背中押されてない!?』
ノア『潤様の未来は……私の手の中にありますので』
カエデ『んふふ〜、迷う時間があったら、ウチのほっぺた揉んどいたらええんよ〜』
リア『……いえ、揉む意味は皆無ですね。論理的に。』
潤『この100日、ツッコミ耐久レースしてただけなんだが!?』
作者『というわけで──
読んでくれてる皆さま、ほんとうにありがとう!!
ここまで来れたのは、読たんのおかげです!!』
潤『……さすがに最後は真面目だな。』
作者『でも次の話は──ギャグ特盛、事件ましまし、トラブル全力ッ!!』
潤『やっぱり崖から突き落とす気だろお前ぇぇぇぇ!!!』