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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
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第173話『俺、視線を逸らす』

作者『今日はアニメを観てました』


潤『当てようか?』


作者『え、わかるの?』


潤『お前が更新止めた時に観るやつ、だいたい限られてるんだよ』


作者『そ、そんなことは……』


潤『どうせ──

「キャラが大騒ぎして、テンションだけで押し切って、主人公が内心でツッコみ続けてるギャグアニメ」だろ?』


作者『ぎゃふん!!』


潤『毎回「これだよこれぇ〜〜!」って言いながら再確認してんのバレてんだよ』


作者『だって!!毎回観て思うんだもん!!

“やっぱり正解って、こういう“うるささ”だな!!”って!!』


潤『ほら言ったーーー!!!』


作者『だから今日は更新止まっても許されるの!これは……インスピレーション充電だから!』


潤『いやさぼりの言い訳にしてる時点で全然正当化できてねぇよ!』


作者『次の話からは元気200%でいきます!!!(たぶん)』


潤『最後に“たぶん”ってつけたら全部台無しだぞ!!!』



──風呂上がり。

さっぱりした身体に、涼しい風が気持ちいい。

旅館の中庭を通って、食事処へと向かう。


 


食事は、みんなで食べることに決まった。


 


……正直、助かった。


寂しい部屋で一人で食べるのはちょっとキツかった。

このカオスな面々でも、食卓が賑やかなのはやっぱり嬉しい。


 


──でも。


 


「だからって、こんな地獄になるとは聞いてない……!!」


 


──全員、浴衣姿。


それだけならまだよかった。

問題は、“さっきの風呂トーク”が頭から消えてないことだ。


 


“大きさトーク”。


リアルな感想と主張とマウントの応酬。

そして完全に刷り込まれた“サイズ情報”。


 


今、目の前にいるのは──そのサイズ情報付きヒロインズ全員。


浴衣。

湿った髪。

うなじ。

視界に入る“ゆらぎ”。


 


「……何処に目をやれば正解なんだよおおお!!!」


 


『あれれれ〜? せんぱ〜い?』


ユズハの声が耳に近づいてくる。


『なんで壁と睨めっこしてるんですかぁ〜? “旅館のシミフェチ”とか、新たな扉開きましたぁ?』


 


「違ぇよぉぉぉおおお!!!」


──って声に出せたら楽なんだけど、

今この状況で発言すると“スイッチが入る”未来しか見えない。


 


『潤くんっ♪ 見て見て! うちらの浴衣姿、どぉ〜やっ?』


 


カエデがくるんっ♪とターンする。

その反動で、袖がひらり──帯の結び目がぐらり──俺の視界が揺れる。


 


『潤様、私の帯結びは“隠し文庫結び”です。お好きだと聞いて』


ノアは明らかに事前調査済みの動き。

何の情報を収集してるんだこの子は……!?

ていうか俺、そんな趣味申告した記憶ないんだけど!?


 


『じゅんくーん♡ ミリー、浴衣くるくるしてたらはだけちゃう〜♡』


 


「巻いて!!戻して!!ミリーそれは“くるくる”じゃなくて“はだける”だから!!」


って心の声が限界超えてるんですけど!?


 


『私のは……普通の合わせ方です。無難に、冷静に、合理的に──』


リアがそう言いながら、そっと袖を正す。

──その横でミリーが“ちょいっ”と引っ張った。


 


『あっ』


 


──リアの浴衣がわずかにずれて、鎖骨が露出。

一瞬だけのスキが、リア自身より先に俺の視界に入ってしまった。


 


(あ……やばい……見た……)


 


その瞬間、リアが俺の視線に気づく。


 


『……見ましたね?』


 


「ちゃうねんリア……それは事故やねん……!」


内心で土下座しながら目を逸らす。

でも、もう遅い。リアの目がちょっと潤んでる。その“恥じらい”が逆に破壊力。


 


『あら……潤さん。私のも、見てくれませんか?』


エンリが“そっと”胸元を押さえて微笑む。


 


──見れない!!

ていうか今この空間、見る・見ないがもう選択じゃねぇ!!!

どこ見ても“なにかの属性”が視界に入る地獄なんだよ!!


 


俺の脳が焼き切れる寸前、ナレーションが流れた気がした。


 


──**“癒し旅”。それは、試練の旅である。**



食事を済ませ、部屋に戻ろうとしたそのとき──


 


『潤く〜ん? 温泉といったら〜?』


ユズハがニヤリと微笑み、背後からカエデがピシッと“何か”を構えた。


 


『卓球大会や〜!!』


 


「え?今どこからラケット出した?」


 


『もう全部決まってるからな?』

カエデが既にハチマキを結び始めてる。

なにその用意周到さ!? うちの会社、旅館に卓球部あるの!?


 


『大会……って、7人で?』


 


『え〜、せんぱ〜い? びびってますぅ〜?』


ユズハが身体をくねらせながら煽ってくる。


 


『潤様、安心してください。びびる必要などありません。全力で潰しますので』


ノアが目を伏せて微笑んだ。

怖い。怖すぎる。慈愛の顔で殲滅宣言やめて。


 


『あ〜〜!!じゃあウチも出るぅ!!』

ミリーがスポーツドリンク片手にジャンプ。

それバチバチに試合仕様じゃん!!ただの温泉旅行だよね!?


 


『私も参加します。潤と正面から対峙できるなら──』


リアがそっと手ぬぐいを畳んで、すっと立ち上がった。

※これまでで一番「戦闘モード」な畳み方。


 


『……いや待て!なんで俺も“当然出場”みたいな空気になってんだ!?』


 


『え、だって潤くんいないと意味ないやろ?』


カエデが当然のように言い切った。


 


『そ。むしろ潤くんがいなかったら何を賭けるのか分からなくなっちゃうもん』


ミリーが無邪気に笑う。


 


「いやいや、何も賭けなくていいから! 俺は卓球台じゃないし、景品でもないから!!」


 


『それはですね──』


ノアが静かに口を開く。


 


『優勝者には、“潤様と添い寝券”を進呈いたします』


 


「……………は?」


 


『しかも布団1枚限定でーす♡』

ユズハが追撃する。


 


『ほなウチ絶対優勝やん!?潤くんの寝顔見放題やん!!』


『それは認められません!』

ノアが即割り込み。


 


『え〜じゃあ私が勝ったら、潤先輩の膝枕つきおやすみプランにしよっかな〜♡』


『潤様は譲りません。横取りは犯罪です』


『じゅ、潤……そ、その……もし私が勝ったら……抱き枕、なってくれる?』


リアの声が震えた瞬間、全員が一斉に振り向く。


 


『『……お前もか!!』』


 


──何だこの温泉旅館、情緒がジェットコースター。

もはや大会じゃなくて戦争だよ戦争。


 


『ということで! トーナメント表は私が作ります!!』


ミリーが自作のくじ箱をドンッと出す。

早い!!どこに持ってたのそれ!!?


 


『審判はエンリさんでええよな?』


『ええ、私だけは公正に務めさせていただきますね。ふふっ』


 


「え?ちょっと待って? 本当にやるの!? ガチで!? 俺も出るの!?いや俺勝って何が景品なの!?」


「それは〜尊厳?」


「それは負けられねぇわ」





あとがき小話


作者『はい……この章も残すところ数話……!』


潤『おおっ、ついに!?』


作者『……まぁ、章の区切りってあんまり意味ないんですけどね!!』


潤『ある程度は持たせろや!!』


作者『でもここからはちゃんと──**“本筋を進める章”**として描きます!』


潤『おおおおっ!?マジか!?』


作者『まぁ……ギャグ回も思いついたらやるけど』


潤『出た〜〜〜〜!!!“本筋やる”って言いながら脇道フルスロットルのやつぅぅぅう!!』


作者『でも今回は……ちゃんと主人公が動く章になる予定だから』


潤『ほんとに!?ついに!?

やっと……!やっと俺にも……主人公らしい活躍が……くぅぅぅぅぅ!!(感涙)』


作者『( ˙-˙ )』


潤『……は?なんだよその顔は!?!?』


作者『( ˙-˙ )ソダネー』


潤『棒読みーーーーーーーッッ!!!お前のその“テンションの圧倒的消失”なんなんだよ!!』


作者『じゃあ……“主人公っぽいポーズ”の練習でもしておく?』


潤『練習ってなんだよ!?どうせその直後に爆発する流れだろ!?!?』


──このあと、潤の主人公ポーズ練習中にミリーが突撃して全てが台無しになったらしい。

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