表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
191/262

第168話『俺、再びギャンブル』

作者『執筆と仕事の往復の中……一日二回も日記なんて無理なんですよ……』


潤『始めたのお前だろぉぉぉぉ!? 誰もやれなんて言ってねぇよ!?』


作者『……うん、じゃあ頑張ってみるね……』


潤『いやだから頼んでないってば!やるなら勝手に全力でやってくれ!』


作者『えーと、今日の夜ご飯は……吉野家の豚丼✖️2でしたっ!』


潤『お、おう……で?』


作者『3杯目いけるかどうか、ちょっと迷ってた自分がいました……!』


潤『その葛藤どうでもよすぎて逆に尊敬するわ!!』



──ヒロインズから、完璧に隔離されて数週間。


というか、健康管理という名の軟禁生活が終わり、ようやく俺は自由の身となった。


身体は軽い。だけど……


 


「……スキル、増えすぎじゃね?」


 


◆現在所持スキル

・証拠隠滅(Lv6)

・悪意誘導(Lv8)

・威圧(Lv4)

・魅力(Lv4)

・編集技術(Lv5)

・格闘(Lv8)

・演説(Lv6)

・自動反応無効(Lv2)

・反射強化(Lv4)

・暗殺(Lv7)


 


「方向性、どうなってんだよ俺の人生!!」


 


詐欺師でも口八丁でもスナイパーでもなく、

**殴れて喋れて逃げれて消せて魅せる社長(暫定)**ってどういうジャンルだよ!


なんか……出世とか成功から遠くない?

どれもスキル欄で“キャリア”っていう概念が迷子になってるんだけど!?


 


「てかもう10個埋まってるじゃん……」


 


そう。

スロット数、最大10。

これ以上才能を奪うには、どれかを削除しなきゃいけない。


──つまり、決断の時。


そしてその時、俺の端末が**ピコンッ!**と不穏に光る。


 


【おめでとうございます。才能が10個に到達致しました】

【パッシブユニークスキルゲットチャレンジが可能です】


 


「……え?」


 


一瞬、呼吸が止まる。


 


パッシブ……ユニークスキル……チャレンジ?


 


あの“演者ノア”や“解析眼カエデ”に並ぶ、チート枠……?


いや待て、それってつまり──

完全に運ゲーってことじゃねぇか!?


 


(でも……厨二心が……刺激される……!)


 


俺は震える手で通知を開いた。


 


【取得方法:現在所持中の才能から6つ合成し、それに関連するパッシブユニークスキルをランダム取得します】


 


「──ろ、ろくつぅ!?」


おいちょっと待て、要求がデカいぞ!?

6つ消費って、6割消えるんだぞ!?しかも合成結果“ランダム”とかガチャより怖ぇよ!?


しかも”関連スキル”って何だよ!?

なにその“あなたにピッタリの結果をAIが生成!”みたいな不安すぎる表現は!


 


「いやでも……考えようによっては夢あるな……」


 


たとえば:

•【格闘】【反射強化】【暗殺】で合成 →

→《戦闘特化型ユニーク:殺意跳躍/反撃必中/超加速破壊》とか出たらヤバい。

•【演説】【悪意誘導】【魅力】【威圧】の合成で →

→《支配力:言葉で人心を蹂躙》みたいな悪役サイドのカリスマが出るかもしれない。

•あるいは【証拠隠滅】【編集技術】【演説】【自動反応無効】を組み合わせて →

→《現実改変:全てを“なかったこと”にする》とか出てきたらもはや神。


 


「いや……やべぇだろこれ……どうすんだよ俺……」


 


想像が暴走していく。


しかもこれ、パッシブってことは──

常に発動するってことだよな?


つまり──


 


(例えばミリーが急に抱きついてきたら……条件反射で関節技入っちゃうとか……?)


 


──いやいやいやいやいやいや!?


 


「それは!! 絶対!! 駄目なやつぅぅぅぅぅう!!」


 


あの無邪気ランダム爆弾を投げ飛ばした日には、翌朝俺の部屋が消えてる未来しか見えない!


いや、俺が消される!


ノアの冷笑とリアの分析とエンリの優しさが、逆に怖ぇんだよ!


そしてユズハが一言言う。


『あ、先輩またやらかしました? もう会社の評判終わりですね♡』とか!!


 


「格闘は! 絶対に! 方向としてナシ!!!」


 


──断固却下。パッシブで格闘が暴走とか、

潤という存在がギャグとして成立しなくなるレベルのやらかしだ。


さすがにそこは慎重になる。


 


「……となると、組み合わせ次第では、人格的な死が訪れる可能性もあるのか……?」



とはいえ──俺は、めちゃくちゃ慎重で、思慮深いタイプの人間だ。


決して、チキンとか、ビビリとか、

**「思い切りが悪いカズマ系主人公」**とかじゃない!


 


「これは……戦略的撤退だ」


 


というわけで、まずは安牌そうなスキルから投下していこう。


 


【1つ目:編集技術(Lv5)】


 


「お世話になったけど、今は使い道ないしな……」


昔は“報告書を改ざんする”とか“社内資料の黒塗り加工”で便利だったけど、最近はヒロインが勝手に処理するし、潤の出番がない。


むしろ俺が手を加えると「潤様、また改ざんなさったんですね」とノアが笑顔で包丁研ぎ始めるからむしろ危険物。


 


ポイッ。


 


【2つ目:演説(Lv6)】


 


「これもな……話術スキルっていうより、口から出任せ拡声器って感じだったし……」


だいたい演説するとユズハが“捏造スピーカー♡”とか言い出して報道番組作るから逆に燃える。


 


ポイ。


 


【3つ目:威圧(Lv4)】


 


「……最近、誰にも効かないのよねこれ」


チンピラには有効だった。

でも


──化け物みたいな奴らには無力だった。


ポイ。


 


【4つ目:魅力(Lv4)】


 


「うん……増えすぎたら困るから、逆に“捨てたい”スキルなんだよ……」


これのせいで最近女性が笑顔で近寄ってくる=新たな地雷の可能性って構図ができあがってしまった。


モテたいとか思ってたけど、人生で“魅力”がこんなに恐怖になるとは思ってなかった。


ポイ。


 


【5つ目:悪意誘導(Lv8)】


 


「……お前なぁ……」


このスキルの効果はぶっちゃけチートだ。

敵意をこっちに誘導すれば、世間が処理してくれる。


──ただし、何もしてないのに暴力沙汰が発生する事故率も100%。


実際、これどんな結果になるのか全く読めないんだよな……


ポイ。


 


【6つ目:暗殺(Lv7)】


 


「いや、俺……一般人だよ?」


これを使うにはまず“殺意”が必要だ。

俺、基本的に平和主義だし。


何よりこれ、発動した時のスキルウインドウが怖いんだよ。


 


【暗殺:発動条件/敵意・背後・静寂】

【成功率:85%】

【殺意閾値:超過】


 


──怖いわ!!

スキル名からして“おまえそのまま闇に堕ちろ”って雰囲気出すなよ!

おまけに“静寂”とかフラグじゃん!


しかも前回これを発動した瞬間、ミリーが


「じゅんくん、やっちゃうの!?えへへぇ♡」

って満面の笑顔でハグしてきた……

やらねーよ!!


 


ポ イ !


 


「──というわけで、選抜完了っと」


……いや、完了したけどさ……


 


「なんだこのラインナップ」


 


見事に、**“扱いづらいスキルゴミ箱”**みたいになった。


一応、慎重に選んだはずなんだ。


だけど並べてみると、

**“何かの役に立つ可能性より、事故る可能性の方が高い連中”**ばっかじゃねぇか。


 


「やっぱ……もうちょっと絞るべきかな……」


 


例えば“自動反応無効”とかも正直……入れたい。


これがあれば、たぶんノアの甘やかし攻撃にも耐性つく。

たぶんユズハの無言で上目遣いしてくるやつにも……ギリ耐えられる。


 


「……けどなぁ」


 


──“パッシブで悪意誘導”って文字を想像した瞬間。


 


( リアの説教が24時間止まらない未来 )

( ノアが全社員に『潤様の周囲1m進入禁止令』出す未来 )

( カエデが「なぁ潤くん、ウチ以外の女全員シメたら安心するやろ?」と笑顔で言ってくる未来 )

( ミリーが“悪意感知センサー”を開発して暴走する未来 )


 


「やっぱ……変え──」


 


その瞬間──


 


『じゅんくんー! 面会謝絶解除おめでとーっ!!』


 


──ズドォォンッ!!!


 


ミリーロケットが音速で突撃してきた。


ドア? 開けてない。壁ごと入ってきた。

病院の構造すら破壊する情熱に、むしろ感謝の言葉が欲しい。


 


「いって~~~わ!!」


 


胸元に直撃した衝撃で、肺が潰れるかと思った。

てか今、肋骨が“3ミリだけ友情で耐えた”って音したぞ!?


 


『えへへっ♪ だってね!? 今日解除されるから! 朝からずーっと、エレベーターの影でスタンバってたのーっ!』


 


怖い!純粋に怖い!!

てか病院の構造すら読まれてるの俺!?

あとなぜ影にいたの!?


 


「と、とりあえず!今スキル合成が……!」


 


俺は慌てて、開いたままだったスキルウインドウを閉じようと──

──した、その瞬間。


 


【確定】

【合成中……】


 


「……え?」


 


【合成中】

【合成中】

【合成中】


 


「ぬぅぅぅぅぅぅぅえええええええええええーーーーッッ!!!!???」


 


──まさか、ミリーロケットの衝撃で──!


いや、まさかそんな──まさか!!?


でもこの手の画面、「Yes」押しちゃったら止まらないやつじゃん!!?


しかもミリー、さっき全力で突っ込んできたとき──

肘で俺の腕、画面ごと押してたよね!?


 


「え、え、え、俺……ちゃんと選んだか……?」


いや違う、今まさに考え直そうとしてたんだ!!

事故った!!完全に事故った!!!!


 


「おおおおい!!“合成中”ってなんだよ!?なんで今このタイミングなんだよおおおお!!!」


 


【関連スキル一致率:68%】

【生成スキル候補抽出中……】

【パッシブユニークスキル:近日解放予定】


 


──なにその“近日”。

“近日”ってなんだよ。怖いわ逆に。お知らせかよ。


しかも関連一致率って何だよ!?

32%一致してない要素が混じってるってことだろ!?


それって……


──超事故の予感しかしないだろぉぉぉおおお!!!!


 


『じゅんくん? なんか顔色悪いよ? お薬いる? それともぎゅーで治す?』


 


「頼むから今だけは静かにしてくれミリー!!!」


 


スキルが──合成された。

それはもう──後戻りできない形で。


 






あとがき小話:潤、反撃の狼煙


 


潤『……なぁ、作者。さっきのお気に入り発言、撤回してくれ』


作者『え?どれ?「潤が潰れてる顔が大好き♡」ってやつ?』


潤『ああ、それ。それな。あれ犯罪だぞ?普通に。』


作者『うわ〜、潤が本気で怒ってる〜。めっちゃレア回だ〜〜〜(パシャパシャ)』


潤『……わかった、覚悟しろ。今日だけは俺もスキル使うからな。』


 


──【スキルウインドウ展開】──

【奪取対象:作者】

悪事:登場キャラの尊厳爆破・主人公の精神消耗・ストーリー構造の放棄

スキル:脚本操作(Lv999)/展開強制(Lv404)/笑いの神格化(Lv∞)

【才能をランダムに奪いますか?】


→ イエス!


──取得スキル:【脚本操作(Lv999)】


潤『よし……これで俺が“脚本の主導権”を握った!次はこっちのターンだ!!』


 


作者『ちょっ、待って!?そのスキルは本当にマズいって!!世界バグるって!?!?』


潤『じゃあまず、ユズハが真面目な秘書キャラになります』


ユズハ『ふえっ!?……せ、先輩、本日の議事録はご確認済みでしょうか……?(震)』


潤『リアは壊滅的方向音痴に。カエデは人見知り発症。ミリーは感情ゼロモード。ノアは……甘えキャラだ』


リア『ここ……どこですか……?えっ?リビングじゃないんですか?』


カエデ『……え、えっと、潤くん……その……なんか……その、ね?(視線ウロウロ)』


ミリー『……潤くん。こんにちは。ハロー。バイバイ。』


ノア『潤さまぁ~♡もっとぎゅってしてほしいなぁ♡えへへぇ〜♡』


潤『──これが、“やられる側の気持ち”だ。わかったか、作者。』


作者『うわあああああああああ!?!?!?!?!違う、こんなの私のヒロインズじゃなぁぁぁぁぁい!!』


潤『俺はな、別に優遇されたいわけじゃない。ただ……お前に壊されすぎたんだよ!』


作者『ぎゃああああああああ潤が主人公してるぅぅぅ!?!?!?構造崩壊ぃぃぃ!!』


 


──その後、作者は正座させられた状態で

「二度と潤を理不尽に爆破しないこと」

「お気に入りを聞かれたらちゃんと答えること」

という反省文を書かされるハメになった。


ただし──


作者『……でも潤が暴走してる姿も、やっぱり面白いんだよなぁ♡』


潤『………………はぁ。(スキル、封印)』


 


──やっぱり潤は不憫だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ