『45000PVありがとうございます!でも読たんには地獄です』
なろう28000pv+カクヨム17000pv
合計45000pv記念回!
本当に本当に、いつも読んで下さりありがとうございます。
まだ書き始めたばかりで、拙い部分やお見苦しい箇所も多いとは思いますが──
それでも読んでくれる皆様の存在が、日々の執筆の支えになっています。
今回は、合計45,000PV突破という節目に感謝を込めて、
読者キャラ「読たん」が主役(?)の特別なお話をご用意しました。
どうか、笑って楽しんでいただければ嬉しいです!
これからも『才能奪って成り上がる!』をよろしくお願いします!
第一部:静かなる侵略と、甘えの暴風
──都内某所、イベントホールの控室。
読たんは、そこにいた。
厳密には、「閉じ込められていた」──が正しい。
「潤様は……少しだけ、お預けです」
そう言って微笑んだのはノア。
白いドレスに身を包み、ソファ横にすでに“紅茶セット”が用意されている。
読たんのすぐ横、異常な距離感。テーブルはあるのに“ゼロ膝”。
「本日は読たん様を中心に、“今後の推し方針”を調整しようと思いまして」
ぷるぷるぷるぷる……
読たんは椅子に浅く腰掛け、出口に目を向けるが──
がちゃり。
「──はいっ!遅れて登場、カエデちゃんやで〜〜っ♡♡♡」
勢いよくドアを蹴って開けて入ってくる、
ピンクのカーディガンに、飴ちゃん満載のポシェット装備。
ノアと真逆、“全力甘え砲”の主──カエデである。
「ええやんええやんっ!ちょ〜ど読たんと二人きりにしといてくれて!サンキューなっ♡」
「……二人きり、だった時間は、もう終了いたしましたけれど」
パチッ
火花が、散った。
読たん、ガタガタガタガタガタガタ!!!
「ふふっ。カエデさん、こちらは“事前に許可をいただいた時間”です」
「許可って、誰から!? ウチ聞いてへんで!?!?」
「もちろん、私です」
「いや勝手すぎるやろ!?」
──二人は並んで読たんの両側に座る。
右:完璧な距離管理+視線による包囲網
左:気づけば腕組み+体温接触でじわじわ攻め(カエデ)
読たん、ぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷる!!!!!
「読たん様……本日はゆっくり、私と向き合っていただけるかと」
「そやそや、ゆっくり、ウチのこと推してもらわなあかんのやでぇ?」
「まずはですね、推しとは何か、から整理を──」
「ちょい待ちっ!読たんに難しい話とかいらんねんっ!甘やかすだけでええやろがぁ〜♡」
「甘やかしとは、時に暴力です。推しとは“導く存在”ですので──」
「導かれたら逃げられへんやん!!」
「逃げられないのが、理想です」
「やっぱりヤバいわこの人っ!!」
「それは、あなたです」
「はぁぁぁ!?!?」
──言い合い、ヒートアップ!!
読たん、ガタガタ……ぷるぷる……ちらっ(視線だけ動かす)
「読たん様は私の横に座って──」
「そやそや!今はウチが膝枕の番やっ!」
「勝手に割り込まないでいただけますか?」
「そっちが勝手に始めてんやろがーい!!」
──二人の間に割り込むタイミングを見計らい──
読たん、全力ダッシュ!!!!!!!
カエデ「うわ!? 逃げたっ!?!?」
ノア「……扉の施錠を……ミスしましたか……?」
バタンッ!
そして、読たんは走り去った。
スーツの裾をバッサバッサなびかせ、
魂が抜けかけた表情のまま、ついに第一陣を突破したのであった──
第二部:嘘と本気と、回転脱出
──午後二時。都内某所の歩行者天国。
読たんは、物陰にいた。
青いパラソルの裏、折り畳み椅子の下、アイスの宣伝ポップの影──
ぷるぷる……ぷるぷる……。
追跡者がいないことを祈って、ようやく息をひそめ──
「やっほ〜♡ 見〜っけたぁ♡」
振り返る間もなく、そこにいた。
斜め上から覗き込んでくるような視線。
巻き髪、小悪魔スマイル、手には意味深なチョコバナナ。
そう、ユズハである。
「どうしてそんなにコソコソしてるんですか〜? まさか……私から逃げてたとか?」
ぷるぷるぷるぷるぷる……(全力否定ボディランゲージ)
「でも〜?この前言ってくれたじゃないですかぁ?」
「“やっぱユズハが一番落ち着く”って♡」
ぶんぶんぶんぶん(全力否定)
「……あれぇ〜?おかしいなぁ〜? あの夜祭の帰り、屋台で手を繋いだじゃないですかぁ?」
ユズハ、スマホを取り出す。
そこには──どう見てもAI合成のツーショット写真。
背景:縁日。表情:幸せそうな読たん(※明らかに無理やり)
「これ、なに〜?ねぇ?記憶にないって、嘘ですよねぇ?」
ぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷる!!!!!!
「ん〜、記憶にないってことは、もう一回作り直すしかないですね♡」
ぺちっ(チョコバナナを頬に押し付けようとする)
──その時。
「読たーーーんっっ!!」
向こうから、音楽をかき鳴らしながら突っ込んでくる別の影!
「いたっ!やっと追いついたの〜〜〜〜っ!!!」
赤リボンに元気印、無敵の笑顔で突撃してくるのはミリー。
「今日って記念日なんだよっ!ねぇっ!踊ろうっ!?ねぇ踊ろうっ!?踊らなきゃ爆発しちゃうのっ!!」
BGMが流れ出す。
《♪チャチャッチャラ〜ン☆ミリーのダンスで幸せ拡散〜♪》
ユズハ「ちょっと!?音楽止めて!?今いいとこなんですけどぉ!?」
ミリー「だ〜めっ!先に見つけたのミリーだからねっ!!読たんはっ!!ミリーのターンなのっ!!!」
ユズハ「うっそぉ!?先輩じゃないからってルール無視ですかぁ〜!?ずるい〜〜っ!!」
──二人の間で繰り広げられる“譲らない小競り合い”。
読たん、ぷるぷる……ガタガタ……そして、ピクッ。
目が光った。
──そう。
これは“隙”だ。
読たん、回転!
一瞬の隙をつき、テーブルをステップにして自力で垂直ジャンプ!
壁面を蹴り、パラソルを踏み台に、駐輪場の屋根を蹴って──
シュバァァァァァァッ!!!
信じられない身のこなしで空を切り──
そのまま、二人のヒロインの頭上を跳び越えていった!!!
ユズハ「ちょっ!? なに!?今のジャンプ、某忍者ゲームのやつ!?」
ミリー「やっぱり読たん、空飛べるのぉぉぉぉ!?!?」
着地。
読たん、ゼーハーもせず、振り返らず、全力ダッシュ。
ぷるぷる……すたたたたたたたたたた!!!!
──その姿は、もうただの読者ではなかった。
あまりにも高い逃走スキルに、ヒロインたちは思わず言葉を失う。
ユズハ「ねぇ……あれ、潤先輩のリンクスキルじゃない?」
ミリー「いや……読たんの、個性かも……?」
──そして、読たんは走る。
この日最後の、最もやさしくて、最も逃げにくい場所へ──
第三部:閉じられたやさしさと、理性の追撃
──場所は、静かな植物園の裏手。
温室と木陰に囲まれた、ほんの一角。
読たんは、もう膝を抱えていた。
ぷるぷる……ぷるぷる……。
全身から疲労と恐怖がにじみ出て、
今日という日が現実だったのかすら、曖昧になりつつある──
「……やっと追いつきましたか」
静かな声が降ってきた。
振り向かずとも分かる。冷静、理知、余裕──
リアだった。
「ここに来ると仮定して、待っていました。計算通りです」
スッと歩み寄るリア。
その手には、なぜか読たんの心理傾向分析ファイルが。
「読たん。あなたは今、“推しから逃れる手段”を探していますね」
ぷるぷる。
「しかし、“推しとはなにか”を定義すれば──“逃げる”という行為自体が成立しません」
ぷるぷるぷるぷる……
「なぜなら、推しとは“存在するだけで関与してくる圧力”だからです」
\名言みたいに言うな!!!/(※読たんの目が死にかけてる)
──そして。
リアが読たんの隣にしゃがみ、
ファイルをそっと開いて、冷静に語る。
「私こそが、“最も推しにふさわしい存在”です」
「ロジック、行動力、思考力、計画性──全てにおいて、私は優位です」
「あなたの24時間を管理し、逃げ場なく幸福へと誘導できるのは……私だけです」
怖ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!
ぷるぷる……ぷるぷる……(呼吸、浅い)
──そのとき。
「リアさん、読たんさんを追い詰めないでください」
ふわりと吹いた風の中、白い影が歩いてくる。
微笑みと共に現れたのは──エンリ。
「……包まれて、安心していただくのが大切ですから」
読たん、ビクッ!!
「さぁ、こちらへ──ぎゅって、してあげますから」
両手を広げるエンリ。
その優しさはもう、“逃げ場を消す魔法”のようで──
リア「それでは本質的な解決になりません。論理で納得させてこそ──」
エンリ「論理よりも、ぬくもりが心を癒すんですよ?」
リア「……ぬくもりで洗脳されるなど、あってはならない」
エンリ「でも現に、潤さんは……」
リア「それを言うのは反則です」
エンリ「うふふ、そうですね」
──読たんの横で始まる、“静かに進む会話による包囲網”。
ぷるぷるぷるぷるぷるぷる……(額に汗)
もう逃げられない。
このままじゃ、再び飲み込まれてしまう──
その瞬間。
読たんは、ふと自分のほっぺに手を当てた。
ぺちっ
「……?」
ぺちぺちっ!
「読たんさん……?」
ぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺち!!!!!
リア「……精神の自己防衛反応……?」
エンリ「……あらあら、正気を……」
──読たん、立ち上がる!
足元ぐらつきながらも、
ふらりふらりと前を向く!
目指すのは──ただ一人。
今日という地獄の始まり、唯一の「被害者仲間」。
潤のもとへ!!
──そして、走り出す!!
スタタタタタタタタタタタ!!
全ヒロインの視線を置き去りにして、
読たんは“唯一、共に苦しむ男”のもとへと駆けていった──!!
エピローグ:俺たちは、被害者同盟
──夕暮れ。
潤は、ベランダで洗濯物を取り込んでいた。
一瞬だけ訪れる静寂。ほんの束の間。
「……やっと終わったか……」
そう思ったその時。
バァン!!!
玄関の扉が爆音で開く。
「!?」
振り向けば、土まみれのドレス。顔は白目。肩は出てる。
読たんだった。
「うおっ!? なにその全身!? え?え?ナニゴト!?」
ぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷる!!!!
読たん、ドア閉めて内鍵バチィッ!
「お前、また何かに巻き込まれたのか!? ていうかまた“全員に”か!?!?」
ぷるぷる……ぶんぶんぶんぶん(全力肯定)
「ノアだろ!?あの服ノアのだろ!?!?」
ぷるぷる!!
「カエデにもやられたな!?飴ついてるしスカートに座布団の跡あるし!!」
ガタガタ!!
「ユズハ!?ユズハもか!?また偽の記憶吹き込まれたのか!?!?」
ぷるぷるぷるぷるぷるぷる!!!
「ミリーに回されたな!?その髪の爆発具合、完全にスピンくらってる!!」
ぷるぷる。
「……で、最後……エンリとリア……か……」
読たん、膝から崩れ落ちて、潤の足元でうずくまる。
ぷるぷる……ぴと……(足にくっつく)
「……なぁ」
潤がしゃがみ込んで、読たんの頭をぽんぽん叩いた。
「……お前もさ、俺の気持ち、ちょっとはわかっただろ……?」
ぷるぷる……じわ……(涙目)
「俺は毎日これなんだよ……!逃げられねぇんだよ!!」
「……なんで俺がこんな目に……!お前も、なんでここに来た……!」
読たん、潤のジャケットを掴む。
ぷるぷる……ぐすっ……(訴える)
「……わかったよ……今日は、ここにいていい」
「俺たち、“被害者同盟”だからな……」
──その瞬間。
インターホンが鳴った。
ピンポーン♪
潤「……あっ」
《ノア「潤様、読たん様とご一緒ですか?」》
《カエデ「なーなー!うちの飴ちゃん返してや〜!」》
《ユズハ「ちょっとぉ?記憶は返してくれましたぁ〜?」》
《ミリー「読たんどこ〜〜!?今度は一緒に回転しようね〜〜!!」》
《リア「追跡信号はここで停止しています。開けてください」》
《エンリ「読たんさん……お弁当、冷めちゃいますよ……?」》
潤「…………」
読たん「…………」
ドン……ドン……ドン……(外からノックの嵐)
潤「……おい、読たん」
読たん「ぷるぷる」
潤「俺、マジで……一緒に逃げようぜ」
読たん、ぶんぶんぶんぶんぶん(全力でうなずく)
──こうして、“読者”と“主人公”は、
二人して裏口から、そっと逃げ出した。
その背後に、“愛情という名の暴走集団”が迫っていることも知らずに──。
【完】
【あとがき小話】
──深夜0時。誰も知らない地獄の部屋。
潤『俺はいいから逃げろーーー読たんッ!!』
激しい足音、ドアの開閉、そしてヒロインたちの叫び声。
潤は自ら囮となり、読たんを解き放った。
読たん、涙目。
ぷるぷる震えながら、潤の姿を一瞬だけ振り返る──
潤『ここは任せた……全員の“好きを”一身に受けるには……俺しかいねぇ……!』
バタン!
読たん、全力で走る!
──そして。
息を切らしながら、ドアを開けて、部屋に飛び込む。
「ハァッ……ハァッ……助かった……助──」
ガチャ。
(扉:自動ロック)
ガチャン(完全封鎖)
「…………」
ぷるっ。
──その瞬間、部屋の照明がスッと落ち、
スポットライトが中央を照らす。
そして、そこに立っていたのは──
ピッカァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!
全身発光バニー服。
フリルに電飾、耳はLED、タイツが謎にネオン仕様。
作者『ようこそ♪』
作者『我が“パン─研究会”へ!!!!!!!!!!!!』
読たん『ガタガタガタガタガタガタガタガタブルブルブルブル』
作者『さぁ、朝まで語り合おうじゃないか!!』
作者『ヒロインズの──』
作者『パン────についてなァァァァァァァァァ!!!!!!』
ドォォォォォォォォォォォォォォォォン(謎の爆発音)
読たん、脱出口を探すが、
床も壁も……バニー仕様。
どこにも逃げ場はない。
作者『語らなければ、終わらないッ!!』
作者『語っても、終わらないッ!!』
作者『終わる頃には──』
作者『全ヒロイン分の資料100ページを読破してもらうからなッ!!』
読たん『ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ』
──その後、読たんがどうなったのかは……誰も知らない。
彼が再び姿を現すことはなく、
部屋には、ただ静寂だけが残されていた。
ただ一つ──確かなことがある。
床には、厚さ5センチを超える“パン──研究資料”の山。
そしてその横に、
誰のものとも知れぬ──
発光ギミック付きの特注バニー服が、
そっと、丁寧に畳まれて置かれていたという……。
──完──