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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
179/262

『45000PVありがとうございます!でも読たんには地獄です』

なろう28000pv+カクヨム17000pv


合計45000pv記念回!


本当に本当に、いつも読んで下さりありがとうございます。


まだ書き始めたばかりで、拙い部分やお見苦しい箇所も多いとは思いますが──

それでも読んでくれる皆様の存在が、日々の執筆の支えになっています。


今回は、合計45,000PV突破という節目に感謝を込めて、

読者キャラ「読たん」が主役(?)の特別なお話をご用意しました。


どうか、笑って楽しんでいただければ嬉しいです!


 


これからも『才能奪って成り上がる!』をよろしくお願いします!

第一部:静かなる侵略と、甘えの暴風


 


──都内某所、イベントホールの控室。


読たんは、そこにいた。


厳密には、「閉じ込められていた」──が正しい。


 


「潤様は……少しだけ、お預けです」


そう言って微笑んだのはノア。


白いドレスに身を包み、ソファ横にすでに“紅茶セット”が用意されている。

読たんのすぐ横、異常な距離感。テーブルはあるのに“ゼロ膝”。


 


「本日は読たん様を中心に、“今後の推し方針”を調整しようと思いまして」


ぷるぷるぷるぷる……


読たんは椅子に浅く腰掛け、出口に目を向けるが──


 


がちゃり。


 


「──はいっ!遅れて登場、カエデちゃんやで〜〜っ♡♡♡」


勢いよくドアを蹴って開けて入ってくる、

ピンクのカーディガンに、飴ちゃん満載のポシェット装備。

ノアと真逆、“全力甘え砲”の主──カエデである。


 


「ええやんええやんっ!ちょ〜ど読たんと二人きりにしといてくれて!サンキューなっ♡」


「……二人きり、だった時間は、もう終了いたしましたけれど」


 


パチッ


火花が、散った。


読たん、ガタガタガタガタガタガタ!!!


 


「ふふっ。カエデさん、こちらは“事前に許可をいただいた時間”です」


「許可って、誰から!? ウチ聞いてへんで!?!?」


「もちろん、私です」


「いや勝手すぎるやろ!?」


 


──二人は並んで読たんの両側に座る。


右:完璧な距離管理+視線による包囲網ノア

左:気づけば腕組み+体温接触でじわじわ攻め(カエデ)


読たん、ぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷる!!!!!


 


「読たん様……本日はゆっくり、私と向き合っていただけるかと」


「そやそや、ゆっくり、ウチのこと推してもらわなあかんのやでぇ?」


 


「まずはですね、推しとは何か、から整理を──」


「ちょい待ちっ!読たんに難しい話とかいらんねんっ!甘やかすだけでええやろがぁ〜♡」


「甘やかしとは、時に暴力です。推しとは“導く存在”ですので──」


「導かれたら逃げられへんやん!!」


「逃げられないのが、理想です」


「やっぱりヤバいわこの人っ!!」


「それは、あなたです」


「はぁぁぁ!?!?」


 


──言い合い、ヒートアップ!!


読たん、ガタガタ……ぷるぷる……ちらっ(視線だけ動かす)


 


「読たん様は私の横に座って──」


「そやそや!今はウチが膝枕の番やっ!」


「勝手に割り込まないでいただけますか?」


「そっちが勝手に始めてんやろがーい!!」


 


──二人の間に割り込むタイミングを見計らい──


読たん、全力ダッシュ!!!!!!!


 


カエデ「うわ!? 逃げたっ!?!?」


ノア「……扉の施錠を……ミスしましたか……?」


 


バタンッ!


 


そして、読たんは走り去った。

スーツの裾をバッサバッサなびかせ、

魂が抜けかけた表情のまま、ついに第一陣を突破したのであった──


第二部:嘘と本気と、回転脱出


 


──午後二時。都内某所の歩行者天国。


 


読たんは、物陰にいた。

青いパラソルの裏、折り畳み椅子の下、アイスの宣伝ポップの影──


ぷるぷる……ぷるぷる……。


追跡者がいないことを祈って、ようやく息をひそめ──


 


「やっほ〜♡ 見〜っけたぁ♡」


 


振り返る間もなく、そこにいた。


斜め上から覗き込んでくるような視線。

巻き髪、小悪魔スマイル、手には意味深なチョコバナナ。


そう、ユズハである。


 


「どうしてそんなにコソコソしてるんですか〜? まさか……私から逃げてたとか?」


ぷるぷるぷるぷるぷる……(全力否定ボディランゲージ)


 


「でも〜?この前言ってくれたじゃないですかぁ?」


「“やっぱユズハが一番落ち着く”って♡」


ぶんぶんぶんぶん(全力否定)


 


「……あれぇ〜?おかしいなぁ〜? あの夜祭の帰り、屋台で手を繋いだじゃないですかぁ?」


ユズハ、スマホを取り出す。

そこには──どう見てもAI合成のツーショット写真。


背景:縁日。表情:幸せそうな読たん(※明らかに無理やり)


 


「これ、なに〜?ねぇ?記憶にないって、嘘ですよねぇ?」


ぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷる!!!!!!


 


「ん〜、記憶にないってことは、もう一回作り直すしかないですね♡」


ぺちっ(チョコバナナを頬に押し付けようとする)


 


──その時。


「読たーーーんっっ!!」 


 


向こうから、音楽をかき鳴らしながら突っ込んでくる別の影!


 


「いたっ!やっと追いついたの〜〜〜〜っ!!!」


赤リボンに元気印、無敵の笑顔で突撃してくるのはミリー。


 


「今日って記念日なんだよっ!ねぇっ!踊ろうっ!?ねぇ踊ろうっ!?踊らなきゃ爆発しちゃうのっ!!」


BGMが流れ出す。


《♪チャチャッチャラ〜ン☆ミリーのダンスで幸せ拡散〜♪》


 


ユズハ「ちょっと!?音楽止めて!?今いいとこなんですけどぉ!?」


ミリー「だ〜めっ!先に見つけたのミリーだからねっ!!読たんはっ!!ミリーのターンなのっ!!!」


ユズハ「うっそぉ!?先輩じゃないからってルール無視ですかぁ〜!?ずるい〜〜っ!!」


 


──二人の間で繰り広げられる“譲らない小競り合い”。


読たん、ぷるぷる……ガタガタ……そして、ピクッ。


目が光った。


 


──そう。

これは“隙”だ。


 


読たん、回転!


一瞬の隙をつき、テーブルをステップにして自力で垂直ジャンプ!


壁面を蹴り、パラソルを踏み台に、駐輪場の屋根を蹴って──


 


シュバァァァァァァッ!!!


 


信じられない身のこなしで空を切り──

そのまま、二人のヒロインの頭上を跳び越えていった!!!


 


ユズハ「ちょっ!? なに!?今のジャンプ、某忍者ゲームのやつ!?」


ミリー「やっぱり読たん、空飛べるのぉぉぉぉ!?!?」


 


着地。


読たん、ゼーハーもせず、振り返らず、全力ダッシュ。


ぷるぷる……すたたたたたたたたたた!!!!


 


──その姿は、もうただの読者ではなかった。


あまりにも高い逃走スキルに、ヒロインたちは思わず言葉を失う。


 


ユズハ「ねぇ……あれ、潤先輩のリンクスキルじゃない?」


ミリー「いや……読たんの、個性かも……?」


 


──そして、読たんは走る。

この日最後の、最もやさしくて、最も逃げにくい場所へ──



第三部:閉じられたやさしさと、理性の追撃


 


──場所は、静かな植物園の裏手。


温室と木陰に囲まれた、ほんの一角。

読たんは、もう膝を抱えていた。


ぷるぷる……ぷるぷる……。


全身から疲労と恐怖がにじみ出て、

今日という日が現実だったのかすら、曖昧になりつつある──


 


「……やっと追いつきましたか」


 


静かな声が降ってきた。

振り向かずとも分かる。冷静、理知、余裕──


リアだった。


 


「ここに来ると仮定して、待っていました。計算通りです」


スッと歩み寄るリア。

その手には、なぜか読たんの心理傾向分析ファイルが。


 


「読たん。あなたは今、“推しから逃れる手段”を探していますね」


ぷるぷる。


「しかし、“推しとはなにか”を定義すれば──“逃げる”という行為自体が成立しません」


ぷるぷるぷるぷる……


「なぜなら、推しとは“存在するだけで関与してくる圧力”だからです」


\名言みたいに言うな!!!/(※読たんの目が死にかけてる)


 


──そして。


リアが読たんの隣にしゃがみ、

ファイルをそっと開いて、冷静に語る。


「私こそが、“最も推しにふさわしい存在”です」


「ロジック、行動力、思考力、計画性──全てにおいて、私は優位です」


「あなたの24時間を管理し、逃げ場なく幸福へと誘導できるのは……私だけです」


 


怖ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!


ぷるぷる……ぷるぷる……(呼吸、浅い)


 


──そのとき。


「リアさん、読たんさんを追い詰めないでください」


 


ふわりと吹いた風の中、白い影が歩いてくる。

微笑みと共に現れたのは──エンリ。


 


「……包まれて、安心していただくのが大切ですから」


読たん、ビクッ!!


 


「さぁ、こちらへ──ぎゅって、してあげますから」


両手を広げるエンリ。

その優しさはもう、“逃げ場を消す魔法”のようで──


リア「それでは本質的な解決になりません。論理で納得させてこそ──」


エンリ「論理よりも、ぬくもりが心を癒すんですよ?」


リア「……ぬくもりで洗脳されるなど、あってはならない」


エンリ「でも現に、潤さんは……」


リア「それを言うのは反則です」


エンリ「うふふ、そうですね」


 


──読たんの横で始まる、“静かに進む会話による包囲網”。


ぷるぷるぷるぷるぷるぷる……(額に汗)


もう逃げられない。


このままじゃ、再び飲み込まれてしまう──


 


その瞬間。


読たんは、ふと自分のほっぺに手を当てた。


 


  ぺちっ


 


「……?」


 


  ぺちぺちっ!


 


「読たんさん……?」


 


  ぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺち!!!!!


 


 


リア「……精神の自己防衛反応……?」


エンリ「……あらあら、正気を……」


 


──読たん、立ち上がる!


足元ぐらつきながらも、

ふらりふらりと前を向く!


 


目指すのは──ただ一人。

今日という地獄の始まり、唯一の「被害者仲間」。


 


潤のもとへ!!


 


──そして、走り出す!!


 


スタタタタタタタタタタタ!!


全ヒロインの視線を置き去りにして、

読たんは“唯一、共に苦しむ男”のもとへと駆けていった──!!


エピローグ:俺たちは、被害者同盟


 


──夕暮れ。


潤は、ベランダで洗濯物を取り込んでいた。

一瞬だけ訪れる静寂。ほんの束の間。


「……やっと終わったか……」


そう思ったその時。


 


  バァン!!!


 


玄関の扉が爆音で開く。


「!?」


振り向けば、土まみれのドレス。顔は白目。肩は出てる。


読たんだった。


 


「うおっ!? なにその全身!? え?え?ナニゴト!?」


ぷるぷるぷるぷるぷるぷるぷる!!!!


読たん、ドア閉めて内鍵バチィッ!


「お前、また何かに巻き込まれたのか!? ていうかまた“全員に”か!?!?」


ぷるぷる……ぶんぶんぶんぶん(全力肯定)


「ノアだろ!?あの服ノアのだろ!?!?」


ぷるぷる!!


「カエデにもやられたな!?飴ついてるしスカートに座布団の跡あるし!!」


ガタガタ!!


「ユズハ!?ユズハもか!?また偽の記憶吹き込まれたのか!?!?」


ぷるぷるぷるぷるぷるぷる!!!


「ミリーに回されたな!?その髪の爆発具合、完全にスピンくらってる!!」


ぷるぷる。


「……で、最後……エンリとリア……か……」


読たん、膝から崩れ落ちて、潤の足元でうずくまる。


ぷるぷる……ぴと……(足にくっつく)


 


「……なぁ」


潤がしゃがみ込んで、読たんの頭をぽんぽん叩いた。


「……お前もさ、俺の気持ち、ちょっとはわかっただろ……?」


 


ぷるぷる……じわ……(涙目)


「俺は毎日これなんだよ……!逃げられねぇんだよ!!」


「……なんで俺がこんな目に……!お前も、なんでここに来た……!」


 


読たん、潤のジャケットを掴む。


ぷるぷる……ぐすっ……(訴える)


「……わかったよ……今日は、ここにいていい」


「俺たち、“被害者同盟”だからな……」


 


──その瞬間。


インターホンが鳴った。


ピンポーン♪


 


潤「……あっ」


 


 《ノア「潤様、読たん様とご一緒ですか?」》

 《カエデ「なーなー!うちの飴ちゃん返してや〜!」》

 《ユズハ「ちょっとぉ?記憶は返してくれましたぁ〜?」》

 《ミリー「読たんどこ〜〜!?今度は一緒に回転しようね〜〜!!」》

 《リア「追跡信号はここで停止しています。開けてください」》

 《エンリ「読たんさん……お弁当、冷めちゃいますよ……?」》


 


潤「…………」

読たん「…………」


 


ドン……ドン……ドン……(外からノックの嵐)


 


潤「……おい、読たん」


読たん「ぷるぷる」


潤「俺、マジで……一緒に逃げようぜ」


 


読たん、ぶんぶんぶんぶんぶん(全力でうなずく)


 


──こうして、“読者”と“主人公”は、

二人して裏口から、そっと逃げ出した。


その背後に、“愛情という名の暴走集団”が迫っていることも知らずに──。


 


 


 


【完】



【あとがき小話】


──深夜0時。誰も知らない地獄の部屋。


 


潤『俺はいいから逃げろーーー読たんッ!!』


 


激しい足音、ドアの開閉、そしてヒロインたちの叫び声。


潤は自ら囮となり、読たんを解き放った。


読たん、涙目。

ぷるぷる震えながら、潤の姿を一瞬だけ振り返る──


 


潤『ここは任せた……全員の“好きを”一身に受けるには……俺しかいねぇ……!』


 


バタン!


読たん、全力で走る!


 


──そして。


 


息を切らしながら、ドアを開けて、部屋に飛び込む。


「ハァッ……ハァッ……助かった……助──」


 


  ガチャ。


 


(扉:自動ロック)


 


  ガチャン(完全封鎖)


 


「…………」


ぷるっ。


 


──その瞬間、部屋の照明がスッと落ち、

スポットライトが中央を照らす。


そして、そこに立っていたのは──


 


  ピッカァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!


 


全身発光バニー服。


フリルに電飾、耳はLED、タイツが謎にネオン仕様。


 


作者『ようこそ♪』

作者『我が“パン─研究会”へ!!!!!!!!!!!!』


 


読たん『ガタガタガタガタガタガタガタガタブルブルブルブル』


 


作者『さぁ、朝まで語り合おうじゃないか!!』

作者『ヒロインズの──』

作者『パン────についてなァァァァァァァァァ!!!!!!』


 


ドォォォォォォォォォォォォォォォォン(謎の爆発音)


 


読たん、脱出口を探すが、

床も壁も……バニー仕様。


どこにも逃げ場はない。


 


作者『語らなければ、終わらないッ!!』


作者『語っても、終わらないッ!!』


作者『終わる頃には──』


作者『全ヒロイン分の資料100ページを読破してもらうからなッ!!』


 


読たん『ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ』







──その後、読たんがどうなったのかは……誰も知らない。


彼が再び姿を現すことはなく、

部屋には、ただ静寂だけが残されていた。


 


ただ一つ──確かなことがある。


 


床には、厚さ5センチを超える“パン──研究資料”の山。


 


そしてその横に、

誰のものとも知れぬ──


発光ギミック付きの特注バニー服が、

そっと、丁寧に畳まれて置かれていたという……。


 


 


──完──



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