第156話『俺、狙われてたの!?』
【読たんへお願い!】
作者の夢──
ヒロインの薄い本です!!(ドン!!)
え?真面目な目標じゃないって?
うるさいっ!!
作者は本気なんです!!!(大事なことなので3回目略)
この夢を叶えるためには──
もっともっと!この作品が知られなきゃダメなんです!!
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評価
ブクマ
コメント(なんでも嬉しいです、雑談感覚でOK)
リアクション
あなたのアクション、全部が……
“読たんの一押し”が、作者の魂の着火剤になるんです!!
あなたが思っている以上に──
あなたのリアクションやコメントに、作者は救われています。
ブクマ、評価、コメント、リアクション。
その一つ一つが、
「ちゃんと届いてるんだ」って教えてくれるんです。
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可愛いけどやべー子たち!
愛しいのに社会壊すヒロインたち!
このバカで全力で尊いヒロインたちを、
もっと世界に広めるために──
お願い!
あなたの「読んだよ」が、作者のエネルギーになるんです!
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今後の目標:
「薄い本、ください」って言われるくらいのヒロインズを育てたい!
その第一歩を、あなたの一票で……!
ミリーはしょぼーんとしながら帰宅……そして
──夕ご飯。
俺は目を疑った。
テーブルにズラリと並ぶのは──
刺身の盛り合わせ、ひじき煮、豆腐と納豆のヘルシーセット……を皮切りに、
バランスプレート、鶏むねのチーズ焼き、鮭のムニエル、野菜スープ、温野菜盛り、十六穀米の炊きたて……
からの、
グラタン、和風ハンバーグ、キャベツステーキ、トマトのファルシ、無限ブロッコリー、ローストビーフ(低温調理)……
──え?
何の罰ゲーム?俺、なんかした?
てかこれ一食の量じゃないだろ……。
『てか、この量なに!?』
思わず叫んだ。
ノアは頬に手を添えて微笑む。
『……張り合った結果、こうなりました。』
エンリも穏やかに笑う。
『潤さんの健康のために、それぞれ“ベストの一品”を並べたら……このような結果に。』
『“一品”……!?どう見ても十四品ぐらいあるんだけど!?』
しかも全品、“主役張れる”やつばっかじゃねぇか……!
料理番組の決勝戦か!? NH〇の最終回スペシャルか!?
『というか……そもそも趣旨は“健康管理”だったよね!?』
ノア『ええ、もちろんです。』
エンリ『もちろんです。』
ノア『……健康的な食事は、たくさん食べてもノーカウントですから。』
エンリ『栄養バランスが取れていれば、多少の量など誤差です♪』
『んな訳あるかーーーーーッ!!!』
思いっきり机をバンッと叩いた俺を見て、二人がビクッと肩をすくめる。
ノア『……っ、ごめんなさい……』
エンリ『ご、ごめんなさい潤さん……私たち、少し張り切りすぎたかもしれません……』
……ああもう。
悪気がない分、余計にタチが悪いんだよな……。
でも、俺のためにやってくれてることだし──
『こうなったら……』
俺は袖をまくり、両手を広げて宣言した。
『全部食べたらぁぁぁあああああ!!!』
──叫びと共に、俺は立ち上がった。
腕まくりして、構えて、まるで──
「ラスボス戦に挑むRPG主人公」の顔で。
「いただきます!!」
気合と共に、箸を手に取り、食らい始める。
刺身から始まり、納豆、グラタン、ムニエル、ハンバーグ、野菜のフルコンボ!
うまい。くそ、どれもうまい。
だけど──
「全然減らねぇぇぇぇぇぇぇッ!!?」
次の瞬間、俺の脳内で流れ出すBGM──
\♪地上の〜星よ〜♪/
──いやそれ完全に“強制労働”のテーマ曲なんだけど!?
ガチで今、手作業で土方してる気分だよ!?
それでも俺は食べ続けた。
誰が止めるというのか。俺は──
この料理の山を……
「食い尽くすまで、止まれねぇんだよォォォオオオ!!!」
そして──
「完食だァァぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ぐわんぐわんに揺れる視界の中、力尽きるようにソファへ崩れ落ちる。
ノア『潤様!』
ノアがすかさず冷蔵庫へダッシュ。
──なにその動き、完全に介護スタッフなんだけど?
ノア『ずっと甘いもの我慢されてましたもんね?……どうぞ』
プリンを差し出す笑顔は、まるで天使。
……だが。
「いや!食えるかーーーッ!!」
反射で叫んだ。ていうかマジで限界。
胃袋はすでに“空間拡張スキル”の発動を要請中。いや、無理。
「ミリも入らんわ!なんも食えねぇー飲めねぇー!!」
──そのときだった。
「なんでだっちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!」
「……へ?」
俺の動きが、止まった。
今、屋根裏から声が──いや、待て。
何かがおかしい。
次の瞬間──
ノア『…………っ』
──スッ
ノアが無言で包丁を取り出し、そのまま屋根裏に向かって……
ブンッ!
「うぎゃあああああああああ!!!あっぶないっちゃーーーー!!何するだっち!!」
──ヒュッ、グサッ。
一撃目が壁に刺さった直後、声がビビり声に変わった。
なにこの展開。完全にホラーじゃん。
「……野太い声の精霊が屋根裏に潜んでたんだけど……?」
「えぇ……私も聞こえました……」
エンリの顔が若干引きつっている。
というか冷静なエンリが引いてる時点でヤバさは確定。
ノアは二本目、三本目と容赦なく包丁を連投。
──すると。
ドゴォォォン!!
天井が派手に崩れ落ち──
「うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!?」
粉塵と共に、転がり落ちたのは──
全身タイツにピンクの羽根を背負った──
──小太りのおっさん。
「……は?」
天井からおっさん……?
『天井がぁぁぁぁぁぁぁ!!何してくれてんだお前ら!てかお前誰だよ!!』
おっさんが地面に背中打ったまま暴れてる。
だが、次の瞬間──
ムクリと起き上がり、
ポーズを決めた。
なぜか無駄にキマってる。いらない完成度。
『毒を愛し!毒に愛され!毒と共に永遠の眠りへ誘うフェアリー♡!キラキラーン☆
その名も──ポイズンフェアリーだっちゃ!キュピーン!』
「見た目がどくどくしすぎるんだよ!!!!」
毒っていうか、精神攻撃の一種か!?
自分の家の天井からフェアリーコスプレおっさんとか怖すぎるわ!!!!
ノア『潤様!この男、暗殺チームの一人です!お気をつけを!』
──え?
こいつ、敵?
っていうか“暗殺者”って、こんなビジュアルでいいの?
「毒ってやばいだろ!おいおい、ここで毒撒かれたら──」
想像しただけで全身に嫌な汗が流れる。
──この密室で毒ガス撒かれたらマジで終わるぞ!?
──だがその時。
ポイズンフェアリーは突然──
膝から、崩れ落ちた。
「う、うぅ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!なんでだちゃぁぁぁぁああああああああ!!!」
「──は?」
鳴き声があまりに野太くて、一瞬、爆撃サイレンでも鳴ったのかと思った。
……いや、違う。あれ、泣いてる?マジで?
おっさんは地べたに突っ伏しながら、地団駄踏んでいた。
しかも、その口から飛び出した言葉が──
『今日一日中……特製の毒入りポテチ作って……毒入りプリン作って……毒入りジュースも冷やしておいたのに……』
『ぽくちんの傑作、たくさん仕込んだのに……なんで!なんでなんも食べてくれないっちゃーーーーーー!!!』
「……ちょっと待て。今、“毒入り用意してた”って言った!?」
思わず一歩下がる。
今の発言、よく考えたら超・重大証言だぞ!?
──ポテチ、プリン、ジュース?
いやいや、それ朝の冷蔵庫に全部あったやつじゃん!
それ……普通に俺、食ってた未来あったじゃん!!!
「うおおおおおおおおおおお!?!?」
エンリとノアが目を見開き、同時にこちらを見る。
そして──
『……今朝から、潤様の食事は全て私たちが管理しておりましたし……』
『ええ……間違いありません。水も含めて、すべて私たちのチェック済みです。』
……あ。
つまり──
「俺、偶然にも──“毒全回避”してた……!?」
いやマジかよ!!
ひとりだったら朝イチのプリンで即アウトだったわ!!
昼のポテチでノックアウトだったわ!!
ていうか毒入りって……なんで全部ジャンクに入れてんだよ!
──涙でぐちゃぐちゃになったおっさん、いやポイズンフェアリーは、
もはや床に溶けかけたスライムみたいに転がっていた。
だが、その瞬間──
スッ……
ノアとエンリが、音もなくその傍へと歩み寄る。
背筋がピンと伸びていて、顔は笑顔。
なのに──
背中がゾクッとするのは、なぜだろうか。
ノアが蔑む目をしながら──
『……詳しい話は、これからたっぷり……聞かせていただきますね?』
エンリが冷たい笑みを浮かべながら──
『……ええ、“毒愛好者”さん。どんな仕掛けがあったのか、全部……教えてくださいね?』
「い、いやだっちゃ……!!なんで笑ってるっちゃ!?……ひっ、ちょっ、やめて……やめてえええええ!!!」
──バサッ!!
その瞬間、ノアが後ろから羽を掴み──
エンリが簀巻き用のシートを広げ──
「ぎゃああああああああああああ!!!羽を毟らないでええええええああああーーー!!!」
床を引きずられ、カーペットごと引きずられていく妖精(?)。
最期の抵抗は──
「ぷえぇ……あたし、悪い子じゃないっちゃぁ……」
という情けないセリフと共に──
ふっつりと、消えた。
──かくして。
俺は命を救われたのだった。
“優しすぎる過保護”と“異常な独占欲”によって。
……うん。
なんかもう、ありがたいけど、ありがたくねぇ!!
【あとがき小話:潤、なぜ堕ちなかったのか問題(※過保護補足)】
作者『うっかり忘れてました。補足です!』
潤『何の?』
作者『あのシーン──潤がシュガーキルの色仕掛けを、全然動じずにスルーした件』
潤『あ〜……アレ。なんか、冷静に「で?」って返してたけど……』
作者『普通の男だったら!骨抜き!赤面!理性崩壊!だったんです!!』
潤『まじか……俺が冷静だったのって、もしや──』
作者『\これだッ!!/』
\【スキルウインドウ展開】/
【リンクスキル:精神干渉耐性】
効果:誘惑・動揺・焦燥など、精神系スキルを自動遮断。
潤『……過保護やん』
作者『そう。あの瞬間、君は完全に“おかーさんのバリア”に包まれていたのです』
潤『色仕掛けの前に“心の母性で全ブロック”て……!』
エンリ『ふふ、潤さんが他の女性に惑わされないように、ちゃんと私の温もりを記憶させておきましたよ?』
潤『いや記憶とか上書きされてるんですけど!?』
ユズハ『えぇー!ずるいですー!私の小悪魔的誘惑、全部スルーされてたのそういうことですかぁ!?』
リア『論理的に考えても、潤に効果がないのは当然ですね。彼の脳内は既に保護プログラムに制御されています』
潤『なんか俺だけハッキング済みのNPCみたいになってない!?!?』
⸻
※精神干渉耐性=エンリの過保護スキルです。母性は最強。




