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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
162/263

第141話『俺、ネットで殺害予告される』

エンリ推しのコメントいただきましたぁーーーー!!!


 


ありがとう……ありがとう読たん……

その一言だけで、三年はコメントだけでご飯食べて生きていける気がしてきました。

(※実際には栄養が足りないのでエンリに管理されます)


 


作者、今──

光に包まれながら、くるくる回ってます。


「これは幻覚ではありません。愛です」


 


……というわけで、そんな魂のぷるぷるを受けて執筆した今回のお話!


今日もヒロインズが暴れます!潤が振り回されます!

そして……世界がちょっとだけ、エンリの管理下に近づきます。


 


ぜひ最後まで、楽しんでくださいね!




──朝。

いつものようにコーヒー片手に、業務メールの未読数と無言でにらみ合っていた俺のもとに、足音が駆け寄ってくる。


「潤さん!大変です!」


声の主はエンリ。

その表情は珍しく──焦っていた。


「……どうせまたミリーがはしゃぎ回って社内で踊り出したとか、カエデが“やっぱ唐揚げは揚げたてや!”とか言って給湯室で油温めてるとか、ユズハがポスター貼りすぎて壁面全部顔になってるとかだろ? もう慣れたよ、俺の日常カオスには」


「違うんです。今回はその……比になりません」


「え?」


エンリがスマホを取り出し、無言で俺に画面を向けてきた。

そこには、見慣れないアカウント名と──


『我が刃は、今宵お前を喰らう──』

ターゲット:悪徳リクルートエージェント社 社長・葉山潤

投稿者:@silent_assassin_777

ハッシュタグ:#今夜行くぞ #五影始動 #おまえを殺す


「…………………………え?」


画面を凝視したまま、脳内で全力で現実逃避する俺。

文字は読める。意味も理解できる。

でも繋がらない。暗殺と、SNSが。


「ちょっと待って……え? 暗殺者って……アカウント持ってんの!? え? 宣伝スタイルなの!? なにこの“殺しのブランディング”?!」


「ええ……表には出ませんが、裏社会では“死の宣告アカウント”として一部で恐れられています」


「いやいやいやいやいやいや! ふつうに違法! 通報されろよ!!」


「……サイレントアサシン。成功率100%。誰もその姿を見た者はいない。……ですが、殺す前に予告するのが“流儀”だそうです」


「おかしいでしょ!? 気配消してるくせにバズりたいの!? どっちなの!?」


「つまり、これは“決定事項”です。既に動いています」


「やだやだやだやだ!! 嫌だってエンリ!助けて!? これもう嫌なフラグしか立ってない!!」


「ご安心を。皆で対策を講じますので……ひとまず会社から出ないでください」


「うわあああああぁぁぁぁぁ!!!」


──こうして、俺の“いつものカオス”は、

またしても新たな地平へとぶっ壊された。


──その後、俺の部屋にはヒロイン全員が集合し、

いつもより真面目……な雰囲気で作戦会議が始まった。


いや、始まるはずだった──


「では現状の分析を行います」

最初に口を開いたのはリア。タブレット片手に淡々と話し出す。


「ターゲットは明確です。暗殺チーム『五影』の一員である《サイレントアサシン》。

彼は気配、存在感、視線認識、物音、衣擦れ──全てを消し去る才能を有しており……」


「要するに……良い意味でも悪い意味でも“空気”ってことか」


「はい。あまりに気づかれなさすぎて、本人のSNSアカウントすら一度も通報されたことがありません」


「怖ッ!? ってかあいつ、実はめちゃくちゃ良いやつなんじゃねぇのか!?」


「よって、彼に対する直接的な対策は──非常に困難です……」


リアが言葉を切った瞬間、部屋の空気がズシリと重くなる。

が──その空気を一発で台無しにするやつがいた。


「そんなんあかんわー!ウチら見えん敵とか一番苦手やで!?

見えんってことは、殴るとこすら無いんやろ!?それただのストレス発生装置やんか!」


カエデが机をばんばん叩きながら半ギレ。


「じゅんくんがずっとミリーにぎゅーされてれば、敵なんか近づけないもん!」

「それ〜♪うちの胸ん中に隠れとったらいいやん!」


「カエデ!ミリー!落ち着いてください……!そこは私の隣、私の定位置です」

「また出たよノアの“潤様シート争奪戦”……!」


「あのさぁ! 誰か言ってくんない!?」

「俺、今、“命”狙われてるからね!?!?

なのにみんなで“潤様どこに座るか会議”してるの何なんだよ!?」


──心の叫びが抑えられなくなって、思わずこぼれた。


「俺……まだ……童貞なのに……」


「えっ!? 潤……!?!?」

「先輩!?!?」

「じゅんくん!?」


その場が一瞬で静まり返る。


「え、なに? そんなに意外だった? それとも想定通りすぎて逆に悲しいの!?」


──ま、まぁ気を取り直して──


「先輩、だったらですね♪ カメラで監視しとけばいいんじゃないですか〜?

ほら、“真上からなら気配消しててもワンチャン映る”みたいな?」


ユズハが笑顔で謎理論を展開してくる。


「……それは対策にはなり得ません」

即座にリアが打ち捨てるように否定した。


「過去のデータによると、同じ発想をした依頼人がいましたが──

映像には誰も映っておらず、次のフレームでは既に絶命していたそうです」


「怖ッ!!!」

「え、リア……今それ普通に言った!? 感情どこに置いてきたの!?」


「そんなん言われても……どないせーっちゅうねん……」

「ほんとそれな……」


──対策もままならず、全員の顔が曇っていく。

俺は思わずウインドウを開いて、所持スキルとステータスを確認した。

この中に、何かヒントがあるかもしれない……!


──その時だった。


ふと、表示欄の下に、見慣れない名前が浮かび上がった。


【奪取対象:影我薄イヨ】 

悪事:不法侵入(※目撃していないため条件未達) 

スキル:気配遮断(Lv7)/存在感抹消(Lv5)/音無殺(Lv4)/認知阻害(Lv6)/自動反応無効(Lv2)/自己影踏み(Lv1)/影殺一閃(Lv5) 

【才能奪取】:発動できません ※悪意ある行動を目撃していないため、奪取条件を満たしていません。


「…………誰だよ」


「今の、誰だよ!?!?!?」


──確かに部屋には6人しかいない。

誰も入ってきた気配はなかった。

扉も、窓も──閉じたまま。

でも表示されてる。**“今ここにいる”**って。


──怖えええええええええ!!!


なにこれ!?

なにこの状況!?!?


誰か居るんだけど!?!?!?

いや“居る”じゃねえ、“居た”んだよさっきからずっと!!

俺んちの椅子に!俺んちの空間に!勝手に存在してたんだよ!!!


「……気づいたってことは、つまり“目が合った”ことになる……?」


(ってことは、俺、今……ターゲットロックオンされた!?)


ヤバい。

リアクションしたら殺されそう……!

動いたら終わる。喋ったら刺される。心臓動かしただけで察知されそう。


──クルッ。


……いや、おい。


クルクルクルッ……。


「なんで……お前、ペン回ししてんだよ!!!!」


見えねぇけど分かる!!

指の間でシャッ!シャッ!って音してんの!!

ペンの軌道だけ、空中でチラッチラ光反射してんの!!


しかもやたらうまい!!!

人の部屋で黙ってペン回しするな!!!


くそがぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!


声は飲み込んだ。

全力で叫んだ心の中で。

もうツッコむ余裕もねぇよ……命かかってんだぞこっちは!!!


──でも。


ヒロインたちは、俺の周囲で「潤様の椅子は私が!」だの「カメラ設置しよ〜♡」だの、まるで何も感じていない。


そりゃそうだ、存在感ゼロ。感知不可。

今この瞬間も、みんなのすぐ近くに“殺し屋”が座ってるのに、誰も気づいてない。


──だからこそ。


(巻き込む訳には……いかねぇ)


どんなに不安でも。どんなに無理ゲーでも。

ここでヘタレて叫んで、ヒロインたちに危険が及ぶなんて、それだけは絶対にイヤだ。



──目の前に奪える才能が並んでるのに、取れない地獄。

──静寂の中でペンだけクルクル回ってる地獄。


「……俺は、自分の力でなんとかする」


気配が消えた空間に、そう決意だけがふつふつと燃え上がった。





【あとがき小話:ぷるぷるの真実と、光る作者】


 


──静寂のあとがき空間に、突如異変が起きた。


 


ビィィィィィィィィン!!!


作者『\✨✨✨あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!✨✨✨/』


潤『っうおあぁぁぁ!?!?!?』


 


──作者が全身から光を放ちながら、高速回転しながら登場した。


その姿は──


もう“キモい”とか、そういう次元じゃない。


 


リア『……この回転速度、音速を超えてますね。あと、見てはいけないものが見えてしまいました。』


カエデ『あかんてこれ、視界に入れるだけで胃がやられるやつや……』


ミリー『ちょっ、みんな見ちゃダメ!目がぁ!目があああぁぁぁぁぁ!』


ユズハ『グラサン!グラサン装備ォォ!!』


ノア『……潤様、こちらを。』スッ(サングラス)


潤『まっ、眩しい……!やばい、俺の中の何かが浄化されて……溶けるっ!!』


 


──ヒロインズ全員がサングラスを装着したその時、作者は叫んだ。


 


作者『読たんからッ!!“エンリちゃん推し”コメント来ましたァァァァァァァァァァ!!!(大爆発)』


潤『死ぬほど喜んでるぅぅぅぅぅ!!てかもう質量失ってるぅぅぅぅ!!!』


 


作者『エンリだよ!?あのエンリだよ!?神なの!?読たん神なの!?もはや宇宙の収束点なの!?!?』


 


──そんな狂喜乱舞を見て、エンリがそっと一歩前へ出る。


 


エンリ『ふふ……コメント、本当に嬉しいです。私を見つけてくれて……ありがとう、読たん』


エンリ『ですから、これからは──』


 


エンリ『あなたの生活、健康、思考、すべて……私が“完全に管理”しますね?』


 


ヒロインズ『……』


潤『……』


 


リア『……出ましたね、“完全管理”発言。』


カエデ『終わったな。読たんの自由、今ので消えたな。』


ノア『これは由々しき事態です。潤様の管理権限まで危険です。』


ユズハ『えぇ〜〜!?完全ってことは“恋愛対象の思考”も管理しちゃうってことじゃないですかぁ〜?♡』


ミリー『じゅ、じゅんくんが管理されたら……ミリーも管理されちゃう!?えぇぇ〜〜!?』


潤『待って、エンリの管理って“家電より正確”とか言われてたやつじゃなかった!?逃げろ読たん!それマジで世界が変わるからァァァ!!』


 


──読たん、震える。

いや、もうぷるぷるどころではない。

ガタガタ。バタバタ。ゴロゴロ。


 


作者『さあ、エンリ管理生活へようこそ……!!』


潤『こえぇよ!!!あの発光回転体が勧誘してくるってだけで怖さ倍増だよ!!』


 


──こうして、“応援コメント”から世界は一歩、狂気へと進んだ。

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