第140話『俺、金持ちの道楽に巻き込まれる』
【読たんへお願い!】
作者の夢──
ヒロインの薄い本です!!(ドン!!)
え?真面目な目標じゃないって?
うるさいっ!!
作者は本気なんです!!!(大事なことなので3回目略)
この夢を叶えるためには──
もっともっと!この作品が知られなきゃダメなんです!!
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評価
ブクマ
コメント(なんでも嬉しいです、雑談感覚でOK)
リアクション
あなたのアクション、全部が……
“読たんの一押し”が、作者の魂の着火剤になるんです!!
あなたが思っている以上に──
あなたのリアクションやコメントに、作者は救われています。
ブクマ、評価、コメント、リアクション。
その一つ一つが、
「ちゃんと届いてるんだ」って教えてくれるんです。
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可愛いけどやべー子たち!
愛しいのに社会壊すヒロインたち!
このバカで全力で尊いヒロインたちを、
もっと世界に広めるために──
お願い!
あなたの「読んだよ」が、作者のエネルギーになるんです!
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今後の目標:
「薄い本、ください」って言われるくらいのヒロインズを育てたい!
その第一歩を、あなたの一票で……!
──ラーメンを食べ終え、ゲーセンに来ていた。
というか、無理矢理、連れてこられた。
「くだらない場所だけど、庶民がどうやって楽しんでるか見ておこうと思って」
その“くだらない場所”に今いる我々は、何者なんでしょうね、お嬢様。
ツバキに引きずられるまま、格ゲー・シューティング・メダルゲームを一通りやらされ──当然、格ゲー以外は全敗だった。
(シューティングで「逃げるな」って連呼されたの、一生忘れねぇからな……)
唯一勝てた格ゲーでは──
「……まぁ、その程度は出来ないと話にならないわよね」
と、スッと髪をかき上げながら言われた。
(なぁ……今の絶対褒めてないよな? ていうか俺、今日ずっと貶されてない?)
そんな小さなプライドのかけらを踏みつけたあと、ツバキはまた当然のように言い放つ。
「次、クレーンゲーム。あれ、欲しいわ」
視線の先には──無理ゲーの中でもとびきりの地獄台。滑り止めなし、アームゆるゆる、角もギリギリ、配置も悪意の塊。
──プロでも無理なやつ。
「いや、それ取れないやつ……」
「ふぅん? じゃああなた、無能なのね?」
「判断早ぇなおい!ていうか罵倒の精度が高すぎるのよ!!」
「違うの? たった100円でそれすら出来ないの? 随分とハードルの低い人生ね?」
「おい待て、そのセリフで人生丸ごと評価すんな!? 俺の命に値札つけるな!?」
ツバキは一歩下がり、腕を組んだまま顎を少し上げる。その仕草は、もう“さっさとやりなさい”という圧そのものだった。
(おかしいだろ……ただのクレーンゲームなのに、圧が会議室レベル……)
──しぶしぶ100円投入。
ウィーン……アームが動く。
カシャン。
スカッ。
景品、1ミリも動かず。
──知ってた。知ってたけどダメージがでかい。
「……」
「……ふぅん?」
「その“ふぅん?”やめろぉぉぉぉ!! 心にくるからああ!!」
「100円があなたの価値だったなんて……ね」
「やめろぉぉぉ!! 急に自己評価を爆下げさせるな!!」
ツバキは涼しい顔のまま、まるで“ハエでも眺めるような目”で俺を見つめていた。
「まさか本当に、取れないなんてね?」
「うるせぇぇぇぇ!! 取ってやるわぁぁぁ!! 取ればいいんだろ!!」
気がつけば、もう意地だった。
──200円目、スカ。
──300円目、かすかに動く。
──400円目、戻る。
──500円目、ツバキの笑みが増す。
──600円目、俺の表情が減る。
──700円目、ツバキ「その無駄な努力、あなたらしいわね」
「おい今のもう完全に嫌味!! 本心から滲み出る悪意ッ!!」
「……でも、ちょっとだけ期待してたの。庶民の本気ってものを、少しくらい見せてくれるかと」
「その“見せてくれなかったわね”みたいな声やめろおお!!」
「このまま続けて、どこまで落ちるのかしら……興味はあるわ」
「その好奇心が一番こえぇよ!!」
──そして、運命の1000円目。
アームが震えながら、ギリギリの奇跡で箱モノを持ち上げ──
……ゴロン。
「……うおおおおおぉぉぉぉ!!」
やった!やったぞ!!取れた!!
ツバキは、ほんの少しだけ──
目を細めて、口角をわずかに上げた。
(いま……一瞬だけど、ほんの一瞬だけど、笑ったよな?)
「やっと取れたのね。労働の報酬……とでも言えばいいのかしら」
「違うよ!?これは拷問からの解放の叫びだよ!?」
景品を受け取ったツバキは、当たり前のようにそれを小脇に抱え──
「さ、次はプリクラね」
「おいぃぃ!!戦果へのコメントとかねぇの!? てか俺も映るやつだろそれ!? いやだああああ!!SNS特定されるうう!!」
「ふふ……そんなに価値があると思ってるの? あなたの顔に」
「やめて!?お願いだからちょっとは認めて!? 今日の俺を評価してぇぇぇぇ!!」
しかしツバキは、俺の嘆きを背に振り返ることもなく──
その背中に、“圧倒的な財力”と“天然の女帝気質”を纏わせながら、次の遊戯へと歩いていった。
(誰か止めてくれ……俺の金と精神が……吸われ続けていく……)
──その時、ドン!
いや、音で分かるタイプのトラブルはやめてくれ。
目をやれば、案の定。
道を譲るという概念を持たない令嬢ツバキと、同じく「通行人は蹴散らしてナンボ」なヤンキー男が……見事に正面衝突していた。
ツバキは顔をしかめ、手に持っていた限定マカロンを見下ろす。
「ちょっとあなた?普通、レディに道を譲るものじゃなくて? その野蛮な髪型と下品な服……まさか品性まで置いてきたのかしら?」
(うわぁぁぁやっべぇぇ……マウント取る角度が親の躾にまで達してるぅぅぅ!)
ヤンキーがこめかみに青筋を立てて唸った。
「……ああん? テメー何様だコラ? 顔がいいからって調子こいてんじゃ──」
──はいはい出ました、「調子乗ってんじゃねぇ」系反撃ワード。
このジャンル、治安悪ランキング常連です。
俺はため息をついてスッと間に入る。
「えーっと、揉めても得しないんで……ほら、落ち着こうか?」
俺は軽く手を上げて、スキル《威圧》を発動。
⸻
【スキルウインドウ】
スキル名:威圧(Lv4)
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「ほら、こうやって壁際を歩けばお互いぶつからないで済むから。ね?」
「……はぁ? 私に隅っこを歩けと? この私に?」
(うん、知ってたけど一応提案してみたかっただけだよね!)
ヤンキーが後ろで何かブツブツ言い始めた。あ、これアレだ。殴る前のセリフ貯めだ。
「あ? お前のオンナかよ。だとしたら余計ムカつく──」
──はいアウト。
俺は即座にスキルを発動する。
【スキルウインドウ】
【笑顔共有】
「プッ……っひ……ふひひひひっっ……!」
ヤンキーが突然笑い出す。
完全にバグったNPCみたいになってる。
「ほら見て、癒し効果でちゃった。
で? ツバキ、“ありがとう”は?」
「……ふふっ、あなた……変な人ね?」
(なにその微笑み!?こわっ!?むしろ怖っ!!)
笑い転げるヤンキーを背に、俺はそっとツバキの手を取って、その場から離脱した。
──それでも、背後の会話は聞こえる。
「て、てめぇっ……あっはははっ……うぐっ、むりっ……ひぃ……っ!」
(お前が一番怖いよ!!!)
――
そしてゲーセンを出た直後。
ツバキはスッと俺の方を向いて言った。
「ねぇあなた、本当に……何者なの?」
俺の背中が一瞬ゾクッとした。
「さっきのラーメン屋でもそう。さっきのヤンキーも。
社長って聞いてたけど……ただの警備会社の人間が、あんな手際よく解決できる?」
(やべぇぇぇ……勘がいいタイプだった……!)
「い、いや〜偶然ってやつ? ほら、ラーメンへの愛が行動力を生んだっていうか……名ばかり社長だし!」
ツバキは怪訝な顔をして俺を見た後、ふっと笑う。
「ふぅん……まぁいいわ。そういうことにしておいてあげる。
今日はありがとね?」
「いえ……まぁ仕事ですし……あの、ちなみに今日の出費は経費で──」
いえ……まぁ仕事ですし……あの、ちなみに今日の出費は経費で──」
「安心なさい。払うわよ」
──すごい。こんなにも心が軽くなる「安心なさい」は初めて聞いた。
俺はホッと胸を撫で下ろし、ようやく背筋の緊張が解けた瞬間──
「お嬢様!!」
突然、周囲の空気が変わった。
スーツ姿の男たちが、まるで地面から湧いてきたかのように現れ、あっという間にツバキを取り囲む。
顔つき、筋肉、耳にかけたイヤーピース、全部が“プロのヤバい方”だった。
(は?どこに隠れてたんだお前ら!?てか!ずっといたの!?)
「……ツバキ様、ここは危険です。すぐに車へ」
「潤!またね♪」
ツバキは俺に小さく手を振って、あっさりと連行されていった。
(おう……またな……次は……次は5年後ぐらいでいいや……)
俺はまるで戦場を終えた軍人のような虚脱感を抱きながら、その場に立ち尽くす──
──その瞬間だった。
「潤様〜!心配したんですよ?」
「……ノア……」
振り返ると、そこには
両腕を広げて走ってくる、ノア。
そして——
「潤くーんっっっ!!」
勢いそのまま突撃してくるもう一人。
ノアを押しのけて(というか巻き込んで)俺に飛びついてきたカエデが、勢いよく胸に顔を埋める。
「ちょ、やば……息でき、カエデ、肺が……!」
「んふふ〜、潤くんの匂いぃ……やっぱりウチ、潤くんが一番やぁ……」
「……はぁ、またですか……潤様は私のものです。まず私のもとへ来るべきでしたよね?」
ノアがカエデを軽く睨むと、
カエデもすかさず顔を上げてにんまり。
「ウチが先に見つけたんやからなぁ? いっちゃんに潤くんのぬくもり吸い込んだんやからなぁ?」
「……吸い込んだって……あなた、潤様を空気扱いしてますよね?」
「ほなノアちゃんは、潤くんのどこ吸い込むつもりやったん〜?」
「……下品な言い方はやめてください。潤様の“鼓動”を感じ取りたいだけです」
「それウチと変わらんやん!」
二人の間で、また始まる攻防。
(……もう、ツバキよりお前らの方が戦争なんだよな)
俺はとりあえずカエデを優しく引き剥がしつつ、ノアの後頭部に軽く手を置いて「ただいま」的なジェスチャーをしておく。
するとノアはほんのり微笑んで、俺の手をそっと自分の頬へと誘導する。
「潤様……次は、私の元から離れないでくださいね?」
「……いや、仕事だったから……っていうか、今も仕事中なんだけどな……」
「へーへー、ほなウチも潤くんにべったり仕事するで? ずーっと密着、スキンシップで指示出しするんや!」
「それ業務妨害っていうんだよ……」
だが、その瞬間——
カエデが腕を組んでぐいっと俺に寄り添えば、
ノアもスッと逆サイドの腕を取って、ピタリと密着。
そして同時に——
「「……さ、帰りましょうか、潤様♡/潤くん♡」」
(今日は疲れた……)
俺は二人に両腕を抱かれたまま、
次の“被害報告書”をどう書くべきかだけを考えながら、ゲーセンをあとにした——。
【あとがき小話】
リア『……では、尋問を再開します。』
作者『うっ……』
ノア『“6月◯日、連続投稿の後に3日間音沙汰なし”──この件について、どう説明なさいますか?』
エンリ『“ただの執筆疲れ”とは言わせませんよ?』
作者『ちょっ……ちょっと疲れが……』
ユズハ『でもその直前、めっちゃテンション高いツイートしてましたよね〜? “明日も更新するぞぉぉ!”って♡』
カエデ『せやのに、その“明日”は永遠に来んかったんやで……?』
作者『あれは、その……あの……』
リア『しかもその間──書きかけのあとがき下書きだけ残されていたそうですね。』
ノア『……私、それを見て……泣きましたよ?』
作者『ご、ごめんってばぁぁぁああ!!』
──その光景を、部屋の隅で見つめる者が一人。
読たん『ぷ、ぷるぷる……』
潤『おい読たん……泣きそうになってるじゃねーか……』
読たん『失踪……また消えるの……こわい……』
潤『そこまでショック受けてたの!?』
ミリー『ねぇ作者〜、ほんとは〜、いっぱい妄想してたのに更新できなかっただけなんでしょ〜?♡』
作者『ぎゃああああああ!!やめてぇぇぇええ!!』
ユズハ『ふふっ、“更新できなかった理由”……それって、ほら♡』
ノア『私とどこかで密会していたせい、とか……おっしゃるつもりですか?』
作者『記憶の改ざんやめろおおおお!!』
リア『──結論。作者は【逃げ癖あり】、【過去にも複数回失踪】、【現在も再発傾向あり】と判断されました。』
カエデ『なら処罰は……次の更新まで1日3ツイート義務化やな。』
作者『ブラック企業すぎるううう!!!』