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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
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第137話『俺、服屋で選択する』

読たんへお願い!


作者の夢は──ヒロインの薄い本です。


え?真面目な目標じゃないって?

うるさい!作者は本気なんです!


その夢を叶えるには、もっともっとこの作品が知られなきゃダメなんです……!


評価やブクマ、感想やRT、全部が力になります!

応援してくださる読たんが増えるたびに、

作者の“うっすい理想”が……いや、“厚い未来”が見えてくるんです!


どうか、このバカで可愛いヒロインたちを、もっと広めるために──

あなたの一押し、ぜひ力を貸してください!




──ファッションショップ。


俺と彼女は、スッ……と入店する。


ツバキはまるで一流モデルのように無駄のない動きで服を手に取り、次から次へとラックを泳ぐ。その優雅な所作に俺はただ──棒立ち。


(うわ、完全に場違い……。この空間の空気感、俺には酸素濃度が薄い……!)


彼女がくるっと振り返り、スカートを片手でひらりと持ち上げながら言う。


「ねぇ?どっちが似合うかしら?私的にはこっちの白の方がいいと思うのだけれど?」


(……っ!)


まさかの質問に俺の内心、赤色警報。


(わからん……さっぱりわからん……!)

(赤と青のコードを選ぶやつよりタチ悪いぞこれ!?)

(しかもどっち切っても爆発する未来しか見えねぇぇぇーーーっ!)


俺は脳内記憶を超高速で検索。


──そうだ、ユズハが前に言ってたな。


『せんぱ〜い♡乙女心わかってないですね〜♪ 好きな人に選んでもらうから嬉しいんですよ〜♪』


(なるほど。なるほどなユズハ。じゃあ俺が聞くけどよ?)


「それって“好き”って前提じゃないか?付き合う前だったらどうすりゃいいんだよ……?」


──その時のユズハ、顎に指をあててこう言った。


『多分……どっちでも一緒じゃないですか〜?』


(……)


(無駄ァッ!)


(何一つ役に立たねぇぇぇ!!)


逆に選択爆破リスクが高まっただけじゃねぇか!!


俺は全思考を捨て、やけっぱちで奥のマネキンを指差す。


その服は──

明らかに露出度が高く、攻撃力も防御力もゼロ。


「……あら?」


ツバキが眉をひそめ、ゆっくりと振り返る。


「ふふ……確か、世間ではこれ……童貞殺しの服って呼ばれてましたわよね?」


ニヤリと唇を吊り上げて、俺をジロリと見る。


「そういうのが好みなのねぇ? えっちぃのがお好き?」


(はい、アウトーッ!!!)


(やらかしましたーーーッ!)


(童貞殺し認定いただきましたーーーッ!!)


「……なによその“着て欲しそうな目”。着ないわよ?」


(いや、してねぇから!!してないしてない!!)


──結果的に。


「まぁ、あなたって意外と大胆なのね?嫌いじゃないわ♪」


さっきの服、まるっと無視してまったく別のアイテムを俺に渡してきた。


(おい……どっち選んでも爆発してたじゃねぇか……)


ツバキはそのまま試着室へ入る。


(SPも遠くて中までは確認できない……ここで何か起きても、俺だけ孤立無援か……)


──一応、さっき渡された服はレジで会計しておく。


試着室から出てきたツバキは、結局さっきと同じ服装。


(あの試着、意味あったのか?)


……と思ったら、俺の手をスッと取り、歩き出した。


「買えたようね? 次は──ランジェリーショップよ?」


(──ッッッ!!?!?)


(これは……これはさすがに……)


「行きます!!」


即答ッ!!!


でも誤解するなよ!?これはあくまで護衛の一環だからな!健全!超健全!!


「今更だけどさ……名前、教えてもらっていい?」


「ふふ。ツバキよ。もしかして──惚れちゃった?」


「全然。」


「ふーん♪」


(ふーんって何だよ怖ぇよ!)


──そして。


到着、ランジェリーショップ。


さすがにSPたちも店の外に控えている。


ツバキは店員に向かい、封筒をスッと取り出す。


「裏に入れてくれない?謝礼なら……今お支払いしますわ」


封筒、分厚ッッ!!


(あの厚み……!ワイシャツも畳める厚さ……!!)


──ツバキは先ほど買った服に着替え、従業員用の出入り口から俺を手招きする。


背後から響くカランコロンというドアベルの音。



裏口から抜け出そうとした瞬間──


「お嬢様!どちらに行かれるのですか?」


まるで時を見計らったかのように、黒服のSPがひとり、ぬぅっと立ちはだかっていた。


「ほら〜……言わんこっちゃない。見つかっちゃったじゃん……ね?大人しく戻ろ?な?俺、今ならあの高級ブラ付けたマネキンのとこまで記憶巻き戻せるから」


俺はゆっくり両手を上げて降参ポーズ。顔だけツバキの方へ向けて「な?な?」の圧を送る。


が──


「……行きなさい、潤!」


ツバキは顎に指を添えて一拍、そして勢いよく俺を店の外へ──


「よーし戻ろう!帰ろ帰ろ!」って違う!


「待てやッ!?なんで背中押されてんの!?」


「違うわよ!あいつを倒して!!」


「無理無理無理無理!見て!見てよ!?あのSP!スーツ着たゴリラ!ジャングルから出張してきた系だから!俺じゃバナナしか出せないから!!」


「あら、じゃあ投げればいいじゃない」


「そういうことじゃないのよ!!!」


思わず一歩下がる俺。ツバキはなぜか腰に手を当てて得意げ。


「人間としての尊厳を見せなさい!どう見てもゴリラなのよ?バナナ投げればなんとかなるわ、たぶん」


想像してしまった。

──ゴリラSPがバナナに気を取られてモグモグする図。


「……くっ……だめだちょっと笑った……」


「それにあなた、言ってたじゃない。“SPなんてうちの社員に比べたら雑魚だ”って!」


「言ってないし!?俺そんなフラグ建て職人じゃないし!?聞いたことないセリフを俺に盛らないで!」


が──


「ふん……くつ黙って聞いていれば。やはり民間警備会社の護衛などこの程度……。少し“わからせて”やろうか?」


目の前のSP──否、ゴリラが拳を握り、全身から“臨戦モード”の圧が噴き出す。


(無理だろ……物理的にも倫理的にも無理だろ!?)


反射的に──


【スキル:格闘 発動】


ゴリラが右腕をぐわっと振りかぶる。


(あ……これ明らかに素人に油断してる構えだ)


スローモーションで迫る巨大な拳。


(……あかんやつ)


俺の体が、自然に──勝手に、滑るように一歩右へ。


「クネッ!」


空を切る拳。

ゴリラの身体がバランスを崩した、そのスキを──


「アチョッ!アチョッ!」


俺の拳がカウンター気味に、顎→腹へとコンボで突き刺さる。


──がふつっ


見事に急所を捉えた2連撃に、ゴリラの体が一瞬よろめく。


(……すげぇ……当たった……!効いてる!)


だが──


「グルァァァ……!!」


ゴリラの沸騰した怒りがそのまま表情に乗って爆発!腹を押さえながらも、睨みつけてきたその圧に俺は即土下座態勢へ──


「ご……ごめんなさい!そんなつもりじゃ……!!やる気とか皆無でして!!」


──バシュンッ!


そのとき。


風を裂く音。


視界の端を何かが横切り──


スパァアァァァンッッ!!


「ぅっわあああ!?!?」


ゴリラの顔面に、ツバキの華麗な回し蹴りが炸裂!


くの字に折れたゴリラが、そのまま静かに地面に沈む──


(えっ、えっ、えっ!?えっ!?死んでないよね!?てか蹴る!?)


俺は頭を抱えてしゃがみこむ。


──が、そんな俺のパニックなど知ったことかと、ツバキはスカートを整えながら微笑む。


「さあ、行きましょうか?」


「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」


「ほら!行くわよ?」


ツバキが腕を引っ張る。躊躇とか猶予とか、そういう概念は存在しなかった。


「えっ、ちょ……ええええぇえ!?!」


ガンガン引っ張られながら、俺は文字通り“床を削りながら”裏口へと連行される。


──ズザザザザザッ!!!


(滑る床じゃなかったら膝やられてるわ!!)


そのまま職員用通路をダッシュで突破、ドアをバーンと開けて店外へ──

そして目の前に停まっていたバスに、彼女は当然のように──


「乗るわよっ!」


「どこ行くの!?何のバス!?“恋愛という名の地獄行き”ですかこれ!?」


俺のツッコミも空しく、ツバキは颯爽とバスの中へ。

俺は引きずられるようにして乗車──もうね、俺の意思?置き去りよ?タクシーでも回収できないくらい後方に置いてきた。


シートに座らされ、ふぅ……とため息ひとつ。


(……今だ!)


ポケットからスマホを取り出し、そっと指を動かす。


(助けてエンリさん!!この人、社会通念を捨てて自由に生きてる!!早く!保護して!!)


──ぴろん


あっ


「……なにしてるの?」


「いえ!?なにも!?あのこれはその──気象情報とか──地震速報的な──」


スッ……


「返しなさいよそのポーズ!どこが気象情報!?その手元でLINE開いてたでしょ!」


バシッとスマホを奪われる。


「何してるのよ!やっと出られたのに!」


「いや!“出られた”って!?俺は出たく無かったし!?しかもゴリラと戦わされて!!しかも強制連行!?助けて〜誰かぁー!?!?」


「うるさい!今更逃げられると思ってるの!?」


「いや帰して!?お願いだから帰して!?俺、もし女の人と二人きりなんてバレたら……!絶対やばい……!」


「なによそれ!?」


「俺の日常だよ!!」


ツバキはふてくされたように腕を組みながら、窓の外を見た。


「……まったく。こんな美女とデートできるってのに、どうしてそんなに拒絶するのよ」


「いや……間に合ってるんで……」


「はぁ?間に合ってるって何よ?」


(言うしかないか……ここはもうはっきりと。誤解が広がる前に、丁寧に、誠実に、俺の立場を明確にしておこう)


俺は真剣な顔で、静かに告げた。


「俺には──好きな人が6人いるんだ……」


その言葉に──


静かだった車内が、ざわつくこともなく、完全に静止した。


赤ちゃんの泣き声が、ピタリと止む。

おばあちゃんのくしゃみが、寸前で消える。

運転手がミラー越しに**「は?」**と口パクする。


俺の鼓動だけがうるさく響いた──

が、それもすぐに消えた。


なぜなら──


「……は?」


ツバキの拳が、スローモーションのように振り上がるのが見えたからだ。


(やばい!絶対くる!くるぞこれ!)


しかし逃げる暇などなかった。


ドンッ!!!


顎に、人間の拳とは思えぬ衝撃。


視界がぐるりと回り──

俺は、無音のまま、真横に吹っ飛んで──


──意識を失った。





【あとがき小話】


作者『本日のテーマは──“リア、1日いじられ放題”企画ですッ!!』


リア『…………え?』


 


ユズハ『やったー!待ってましたこの日を〜♪ リアちゃんリアちゃん、ねぇクールぶってるけどさぁ〜、絶対ひとりの時、ぬいぐるみ抱いて寝てますよね〜?』


リア『……あまり根拠のない妄想は慎んでください。』


カエデ『ほんまや〜、そんなん想像したらギャップで萌えるで? リアちゃんって絶対ぬいぐるみの名前とか「ウィルヘルミナ3世」とかやろ?』


リア『してません。そもそも3世って何ですか。』


ミリー『えへへ〜!じゃあじゃあ、リアちゃんの寝起きの顔って……目が半分しか開いてなくて、髪がぼっさぼさで「もう少しだけ寝かせて……」って言ってそう〜!』


リア『……観察されてるような内容で怖いんですが。』


ノア『ふふ、ですが可愛らしいですよ。普段きりっとしているリアさんが、少しだらしない一面を見せるなど──拓也様も喜ばれるのでは?』


潤『誰が喜ぶか!つかノア、何その“リアも我々の同士”みたいなノリ!』


 


リア『……皆さん。私をいじることで何を得ているのか、純粋に疑問です。』


作者『読たんが得してます。以上!』


潤『強引にまとめたーー!!』


 


ユズハ『あっ、そういえばリアちゃんって〜、昔黒歴史ポエムとか書いてそうじゃないですか〜?「氷に映る涙の音が、夜の静寂を切り裂く」みたいな〜!』


リア『っ……!!』


カエデ『あれっ!?動揺したっ!?それ図星やろ!?』


ミリー『えへへ〜!リアちゃん赤くなってる〜!かわいい〜!』


ノア『……保存しておきたいですね、その表情。』


 


潤『これもうリア、完全に観察動物園だな……』


リア『……許しませんからね、皆さん。後で“個別に”分析させていただきます。』


ユズハ『やばっ♡ このリアちゃん超レア〜〜〜♡』


 


──こうして、リアの一日は

いじられにいじられて終了したのだった。


読たんの心には「ツッコミ不在の恐怖」が深く刻み込まれたという──



次回、逆襲のリア編、あるか……?(ないかもしれない)

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