第136話『俺、振り回させる』
読たんへお願い!
作者の夢は──ヒロインの薄い本です。
え?真面目な目標じゃないって?
うるさい!作者は本気なんです!
その夢を叶えるには、もっともっとこの作品が知られなきゃダメなんです……!
評価やブクマ、感想やRT、全部が力になります!
応援してくださる読たんが増えるたびに、
作者の“うっすい理想”が……いや、“厚い未来”が見えてくるんです!
どうか、このバカで可愛いヒロインたちを、もっと広めるために──
あなたの一押し、ぜひ力を貸してください!
──朝、社内応接室。
「なぁ〜潤くんしかおらんのやて〜」
カエデがソファに寝転びながら、カップヨーグルトをぷちっと開けて言い放った。
その目線はスマホから一ミリも外れない。言うだけ言って丸投げの構えである。
「その“しか”が軽すぎるだろ!こっちは一応社長だぞ!?名目上だけど!いやだからこそ使うなよ俺を!」
「しゃーないやん。今回は“目立たんように”って、先方の要望があるんやもん」
カエデは足をぶらぶら揺らしながら、スプーンでヨーグルトをくるくる混ぜている。
なんかこの余裕感がむかつく。
「だったら!うちの忍者みたいなの使えよ!あの影からクナイ構えてる奴!どう見ても警護向きだろ!」
「……潤くん」
カエデは突然ぴたりと動きを止め、真顔でこちらを見つめてきた。
「ショッピングモールに全身黒タイツの忍者がうろついとったら、どっちが危険人物や思う?」
「……いやまぁ、それはそうだけどさ」
「しかも今回の対象は財閥の箱入り娘。護衛ちゅーても、警備員って感じやのうて──」
ぐいっと指先で“Vサイン”を作りながら、カエデは目の横にあててウィンクしてきた。
「“彼氏風”が理想なんやて〜♡」
「ふざけんなぁぁぁぁ!!社長レンタルじゃねぇか!!何!?彼氏って何!?俺、今日からレンタル彼氏か何かかよ!?」
「潤くん、落ち着きぃ。ちゃんと後方に社員置いとくし、現地にはSPもおる。君の役目はたった一つ──」
「……まさか……」
「──一緒に買い物、や♪」
カエデは無邪気にピースサインを決めた。
悪気は一切ない。だがそれが一番タチが悪い。
「俺が警護に行って何の意味があるんだよ!?誰か襲ってきたら俺が盾になるしかないじゃん!」
「そのときは潤くんが“かばって”感出したら満点やん?」
「このッ……営業目的に命を差し出す社長なんて聞いたことねぇぞ!?バイオレンスラブ展開かよ!!」
「まぁでも潤くん、顔面偏差値はそこそこあるし?雰囲気でなんとかなるやろ〜?」
「雰囲気で警護するなぁぁああああ!!」
思わず机に額をぶつけそうになった俺の目の前で、カエデはスプーンを咥えながらふわっと笑う。
「せやから大丈夫やって〜。お嬢様はもう現地入りしとるし」
「……っくそ!!わかったよ!!やればいいんだろ!?やれば!やりますよ!やってやらぁ!!」
「おお〜!さっすが潤くん♪ もう“彼氏役のオーラ”出とるで?」
「俺は警護役だっつってんだろォォォ!!!」
──こうして、
俺は“知らない財閥令嬢と買い物に行くだけの簡単なお仕事”に、渋々参加することになった。
だが──
俺はまだ知らなかった。
その“お嬢様”が、あんな我儘であることを。
渋々待ち合わせ場所へ向かう……
あそこにいるのが、たぶん……そうなんだろうな。
(わかる。遠目でわかる。この世の光とでも言いたげな気品オーラ……)
(逆に……浮いてる。バチクソ浮いてる)
服装は清楚、髪は整い、立ち姿は“無駄に完成されすぎている”。
一般市民が近づいたら即通報されそうなレベルの高貴オーラ。
とりあえず──
(待ち合わせ風を……演出して……ナチュラルに近づく!)
俺は口角を少し上げつつ、**《スキル:魅力》**を密かに発動。
【スキルウィンドウ】
───────
《魅力》Lv4
───────
(……よし、発動確認)
これで俺の「今ならいける気がする指数」はMAXだ。なお見た目の改善はゼロである。
「ま……待った?」
彼女はつんとしたまま、俺を一瞥。
「私を待たせるとは、随分と──肝が据わってらっしゃいますのね?」
(出たよ……この圧。王族かよ……!)
(普通なら狼狽えてひれ伏すレベルだが──)
俺は一瞬だけ真顔になって、
スッと眉間にシワを寄せたあと、静かに口を開いた。
「……俺の肝、据わってるどころか──今、寝転がってますから」
「は?」
「そんぐらいリラックスしてます。むしろ肝だけ涼しい部屋でアイス食ってます。お静かに」
「……ふふっ。随分と珍妙な言い回しをされるのね?」
(な……なんかウケた!?ウケた!?いやどっち!?)
(……まぁいい。ファーストコンタクトとしては合格点だろ!60点くらいの!)
「それで?今日のご予定は?」
俺が聞くと、彼女は軽く微笑んで言った。
「とりあえず……見張りを撒きましょうか」
「はっ……?」
(見張り?……あ、SPとか社員のことか)
「いやです!絶対嫌です!!」
即答。そりゃそうだ。
(冗談じゃない……!)
(このまま二人で護衛撒いてデートみたいなシチュを妄想したことはあるけど!)
(実現したら絶対!絶対ろくなことにならない!!)
断固拒否。それ以外ありえない。
「あら〜その拒否も、肝が寝てるから出来るのかしら?」
「……っ!?」
「起きた時には、ショック死するような状態になってなければいいですね?」
(やめろやめろやめろ!!その優雅な笑顔でサラッと呪いの言葉吐くのやめろ!!)
俺の肝が寝てたらそのまま永眠するわ!!
──なら、ここで切り返すしかない。作戦Z、発動。
「いや〜、俺も二人きりで回りたいですけど?皆プロですし?無理だと思いますよ〜?」
「ふふっ、私に出来ない事はなくってよ?」
「いや、出来ても!俺には無理なんですって!あくまで俺は、一般人!!」
「ついてらっしゃい♪ とりあえずあそこの服屋の更衣室、行くわよ♪」
「えええぇぇぇぇぇぇぇ!!?!?!?」
(ダメだ!全ッ然聞いてねぇ!!)
(開始5分でスパルタデート始まったぞ!?)
【あとがき小話】
──小さな体を震わせ、正座する読たん。
バニー服を着せられ、もふもふの耳が揺れている。
リア『……見事なまでに子うさぎですね。』
作者『ふっふっふ。今や読たんは、我が手によって“守ってあげたい系ヒロイン(仮)”へと進化を遂げたのだ!』
潤『なんでそんなセンスの無駄遣いしてんだよ。てかヒロインじゃねぇし!』
ミリー『ねぇねぇ!ねぇ潤くん、読たんって誰の推しにする〜!? ミリーの子うさぎさんにしちゃおっかな〜!ぎゅってしてぴょんって飛ばして……』
ユズハ『えぇ〜?なんでミリーちゃんなんですかぁ〜?どう考えても、読たんにはユズハでしょ〜♡ ほら、甘えん坊さんには甘やかし上手な小悪魔がピッタリってこと、知らないんですかぁ?』
ノア『いえ、読たんは私のものです。私だけを見ていただけるように、首輪をご用意しました。』
潤『首輪てめぇ!!バニーの次はペットかよ!!』
カエデ『まぁまぁ、ウチがいちばん仲ええやろ?なぁ〜読たん?うちといっしょにお昼寝しよな?ふかふかのお布団と、ふかふかのうちの胸枕もつけたるさかい♪』
エンリ『はいはい、落ち着きなさい、皆さん。……読たんが小さな体で震えているの、見えませんか?──こうして……こう。私のスカートの中なら、安心ですよ?』
潤『ちょっと待て!それ一番アウトなやつじゃん!?なにスカート開いてんの!?しかも読たん、なんかもうぐでぇーって脱力してるし!!』
リア『すでに“子うさぎ”の原型を留めていませんね……。これは進化ではなく、むしろ“愛の圧縮”による変質かと』
読たん『ぷるぷる……(限界突破)』
作者『ということで、あなたは誰の“子うさぎ”になりますか?』
潤『選択肢がすでに罠だよそれ!』
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★読たんへ★
君の推しヒロインは誰かな? コメントで教えてね。
あなたの一票が──読たんの運命を決めるッ!!
(※なお、バニー服からは逃れられません)