第135話『俺、チョロくないもん……』
読たんへお願い!
作者の夢は──ヒロインの薄い本です。
え?真面目な目標じゃないって?
うるさい!作者は本気なんです!
その夢を叶えるには、もっともっとこの作品が知られなきゃダメなんです……!
評価やブクマ、感想やRT、全部が力になります!
応援してくださる読たんが増えるたびに、
作者の“うっすい理想”が……いや、“厚い未来”が見えてくるんです!
どうか、このバカで可愛いヒロインたちを、もっと広めるために──
あなたの一押し、ぜひ力を貸してください!
最後のフロア──ノアの控室。
うちの顔担当であり、社の看板女優。広報活動と撮影、インタビューに囲まれる日常の中、
彼女は今日も完璧な身なりで、そこにいた。
……いた、んだけど。
「潤様、お待ちしておりました」
なぜ婚姻届を広げてる?
机の上に、ドンと置かれたそれは──完全に記入済みの婚姻届。
しかも保証人欄まで埋まってる。なぜ久松先輩の名前が……。
「こちら、私が準備したものでして。“いつでも提出できる状態”を整えております」
「ま、待てノア!?何これ!?ど、どうして今それを!?」
「いえ、“今日が特別な日”のような気がして。直感、ですね。
なぜか……潤様が、運命的に私を選びに来てくださる気がしたので」
(うわあああああああああああ!!!やっぱ香水効果やべぇよ!!これもうプロポーズまで来てるよ!!!!!)
「……あの、香水のことって、もしかして──」
「香水?」
ノアが首を傾げる。
その顔が……近い。
ものすごく、近い。
……いや、これ至近距離通り越して、“パーソナルスペースが重なってる”レベルなんだけど!?
「潤様、何か……香水をつけたのですか?」
「ち、ちがっ……!あっ、いや、ちょっとだけ!でも久松先輩が勝手に──」
「香りが変わっても、私は潤様を愛していますから、関係ありません」
いやそれ“好きになったあとにヘアスタイル変えても気にしない”みたいなテンションで言うな!!!
今香水発端で地獄の中なんだぞ俺は!!!!
「でも……その香り、私は……とても好きです。
潤様にぴったりだと、思います」
──そして、また一歩。
距離感ゼロ。いや、マイナス。
彼女の瞳がすぐそこにあって、
吐息が顔にかかる距離で、こう囁く。
「潤様、今……私のこと、少しでも“特別”だと思ってくださっているなら……」
「ま、待っ──」
「ハンコ、押してもらえますか?♡」
死んだ。俺の理性、死亡確認。心臓は停止。呼吸も怪しい。内心ボイスでしか生きてない。
「わ、悪い、あのっ!業務が、まだ……!社内巡回がっ……!」
「ふふ、残念です……ですが、潤様のお気持ちは、しっかり受け取っております」
──どんな“気持ち”が受け取られたのか、俺にはまったくわからない。
「いつでも準備は整っております。潤様のタイミングで、どうぞ」
潤様のタイミングってなに!?なんで俺主導みたいになってんの!?!?
全身の血が逆流しそうになりながら、
俺はノアの“いつも通り”の笑顔に背を押されて部屋を後にした。
……これが、“合法的に詰んだ”というやつか。
──業務終了時刻。
全てのフロアを巡り終え、俺はふらふらと社内を彷徨っていた。
(……結局、なんだったんだ今日一日)
ミリーは普段通りだった。
ユズハはちょっとエロかった。でもいつも通りだった。
エンリは優しすぎた。
カエデは腕を絡めてきた。
リアは全部見透かしてきた。
ノアは婚姻届を出してきた。
何ひとつ、ハッキリしたことは起きなかった。
けど、俺の心拍だけはずっとレッドゾーン。
あれは……香水の効果だったのか?
違うのか?
それとも俺が、勝手に浮かれてただけ?
(……いや、でも、ちょっとぐらい……期待しても、よくないか?)
そんな風に自分を慰めながら、会議室の前を通りかかる。
中から、聞き慣れた声が──
「ふふっ、潤様、あの反応……すっごくかわいかったです」
ノアの声。
「めちゃくちゃ顔真っ赤だったよね〜♡ミリー、笑い堪えるの大変だったぁ〜!」
ミリー。
「せんぱい完全に混乱してましたよね~。“これは事故だ”って必死で自分に言い聞かせてて〜♡」
ユズハ。
「でもちょっとした変化だけであそこまで反応するとは……人間、観察すると面白いわね」
エンリ。
「ウチ、いつも通りやったのに、めっちゃ警戒されてたなぁ〜♡かわええ潤くん♡」
カエデ。
「最終的に、彼は“香水のせい”という妄想で精神を保っていたようですね」
リア。
──全部、聞こえてしまった。
そしてトドメ。
「しかしこの作戦、実に成功でしたね~。久松先輩、協力ありがとうございました♡」
「いえいえ~、面白かったっすよ~!
あんな真剣に“香水のせいなんだ……”って顔してる潤君、久々に見たっす」
──俺は。
立ち尽くしていた。
会議室の前、ドアの外で。
全員の声が重なる。
「「「「「「やっぱ潤、ちょろい♡」」」」」」
──
……下心じゃないもん……
俺、そんなつもりじゃなかったもん……
……ちょっと、ちょっとだけ、
事故が起きたらいいなって、思っただけで……
……俺、悪くないもん……
気づけば、目から涙が落ちていた。
ひとしきり笑い終えたヒロインズがドアを開けた瞬間、
そこにいたのは──
涙目でうつむきながら震えてる俺だった。
「「「「「「……潤!?」」」」」」
「……下心じゃ……ないもん……っ」
──その日、俺は泣いた。
【あとがき小話】
作者『ちょっと……考えてる企画があって……』
潤『はいはい。どうせ「ヒロインのパンツの色は何色だと思いますか!」とかだろ? それか「読たんに履かせたいバニーの色アンケート」とか。』
作者『ちがーう!!たまにはマトモなこと言わせて!』
潤『ほぉう?』
作者『コメント頂いた内容を、あとがき小話でSS風にしてみようかなって!読たんのアイデアをミニネタとして拾って、作品内でヒロインズがワチャワチャしてる感じの!』
潤『え、まとも……!? 誰か今この作者の体温測って……』
ミリー『えっ、じゃあミリーが読たんの夢の中に突撃するお話とかできる!?うわー!夢の中でもミリー元気すぎるぅ〜って言われた〜い♡』
ユズハ『じゃあユズハは〜、読たんを誘惑して困らせる系がいいですかねぇ?♡ どっちが現実か夢か分からなくしちゃったりして〜』
カエデ『ウチはなー、読たんと一緒にお菓子作って、めちゃくちゃ甘々なオチがええな!読たんの口にクリームついてたら……ぺろっ、て♡』
潤『誰かまともに戻して!!』
リア『“SS風あとがき”という趣旨を忘れなければ、読者参加型として面白い試みかと。……ただし、パンツやバニー服方向に逸脱しなければ、の話ですが』
作者『わ、わかってるって!コメントもらえたら、それをちょっとした掛け合いにして、ヒロインズが自由に盛り上げる形でさ!』
エンリ『ふふ、読者様のお声を大切にする姿勢、素敵だと思います。……ただし、無闇に“履かせる”方向には行かないでくださいね?』
作者『ぐっ……!包囲網が……厳しいッ!』
潤『まぁ、お前がいつもバニー語りしてるせいだろ』
作者『だって……バニーは正義じゃん?』
潤『黙れや』
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★読たんへ★
というわけで、コメントやメッセージに「あとがき小話でこんなの見たい!」と書いていただけたら、ヒロインズがSS風に騒ぎ出すかもしれません!
ふざけたやつも真面目なやつも歓迎だにゃん!←やめろ