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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
154/263

第134話『俺、下心ないしぃい』

いつも読んでくださって本当にありがとうございます!


なろうではコメント欄がちょっと静かめですが、

感想じゃなくても「日常のこと」「アニメの話」「つぶやき」など、

どんな話題でも気軽にコメントしてもらえたら嬉しいです。


いただいたコメントには、ヒロインズや潤が反応することもあります(笑)

一緒に作品の外でも、ちょっとした会話を楽しめたら嬉しいです!






次に向かったのは──エンリのオフィス。

この社内で唯一、入った瞬間に“良い香り”がして、空気が柔らかくなる場所。


まさに、母性の権化。


「潤さん?」


扉を開けた俺に、微笑みと共に呼びかけるその声が──

いつもよりワントーン低くて、包み込むように甘くて、


……え、今の……香水効果か!?


「お、おう。ちょっとその……様子を見に、来ただけで……」


「まぁ……潤さんが自ら様子を見に……嬉しいです」


そう言って、ゆっくり歩いてくる。


歩幅、姿勢、視線──すべてが整いすぎてて、逆に怖い。

その笑顔すら、“穏やかすぎて逃げ道がない”。


「最近、眠れていますか? 食欲は? ストレスは?」


「え? いやまぁ、普通というか……」


「嘘をつくのが下手ですね、潤さんは」


そう言って、エンリは自然に俺の隣に立ち、肩に手を添えてきた。


「……少し、力を抜いてください」


優しい指先が、肩をぽんぽんと叩いてくる。


ポン、ポン。


ぽん、ぽんぽん……。


(やばい。これ、やばい)


脳が溶ける。


「潤さん、今日は……ずっと、少しだけ顔が赤いですね?」


「いや、そ、それは──」


「ふふっ……かわいい反応」


かわいい!?!?!?


そのまま、頭をなでてくる。


ふわ……ふわ……ふぁっ……


脳内にオルゴールと風鈴とミルクティーと猫の動画が流れ始める。


(香水効いてる!効いてるぞこれ!!!)


──いや、違う。


(エンリが強すぎるだけだ!これは香水の効果じゃねぇ!!)


「……潤さん?」


「な、なんですか……?」


「もし……今、“誰かに抱きしめてほしい”と思ったら、遠慮しないでくださいね」


ハイ思いましたぁぁぁぁぁああああああ!!!!


でも言えねぇぇぇぇぇえええええ!!!!


「私は、いつでも潤さんの味方ですから」


──優しさ100%のスマイルで見つめられると、

もう俺は疑うことすら失礼な気がしてくる。


……香水の効果なんて……本当はないんじゃ……?


「じゃあ……あの、そろそろ行きますね……!業務ありますし!」


「ふふ、潤さん。逃げなくても大丈夫ですよ?」


ぎゃぁぁぁぁぁああああああ!!!!(※理性崩壊)


もうダメだ。


頭撫でられて

肩ぽんぽんされて

「逃げなくていい」とか言われて

それでも香水のせいにしてる自分が一番ダメだ。


俺、この戦場に、甘やかされに来てしまったのかもしれない……


後ろからそっと「頑張ってくださいね」と微笑みの声が追いかけてくるなか、

俺はフラフラと逃げるように部屋を出た。


エンリの優しさが、

一番、えぐってきた。



次に向かったのは──警備部署。

カエデが取り仕切る、“うちの社の常識と理性の最前線(※本人以外)”である。


(エンリの時点で、正直もうメンタル瀕死なんだけど……)


扉を開けると、そこにはいつも通りの光景が広がっていた。


部下たちが筋トレしてる。

片手で腹筋しながら警備報告書を書いてる社員がいる。

その奥、カエデは机に座って──


いや、座ってるんだけど、もうこっちに気づいて飛んできてる!?


「潤く〜ん♡ 来た来た〜♡」


駆け寄ってくるその勢い、既にアタックモーション。

そしてそのまま、ノールック腕絡ませ炸裂。


「ふふ〜ん♪ 今日もウチの潤くんはイケてるやんな〜♪」


「い、いやちょっ……なに!?なんの用!?!?」


「え〜?別に?ただただ“甘えたい気分”ってだけ♡」


(ほらああああああああああ!!効果出てるじゃんこれ絶対フェロモンのせいじゃん!!)


「なんか今日の潤くん、あったかいわぁ〜♡ ほらほら、もっとくっつこ♡」


ピタッ……というか、グイィッ。

密着面積、増加中。体感比140%。


(やべぇ……!これは……やべぇ!)


いや、待て……カエデって、もともとこうだったよな……?


もともと距離感おかしいし、腕は絡めてくるし、俺の膝にも乗ってくるし、寝てるところにダイブしてくるし──


これ、日常だよな?いつものカエデだよな!?!?


「どしたん潤くん?顔まっかやで〜♡……もしかして、惚れ直した?ふふっ♡」


ほぉぉぉぉぉおれなおしてねぇぇぇぇええええ!!!


「ウチのこと、やっぱ意識しちゃうんやろ〜?ちょっとええ匂いする気もするやろ?♡」


(うわ、なんか言われた……“匂い”って言われた!!!)


「でも潤くんからも、なんかええ匂いするわぁ……これって……もしかして……」


(あかんあかんあかん!核心くるぞ!?!?香水バレる!?!?)


「……シャンプー変えた?」


「違うゥゥゥゥゥゥゥウウウウ!!!!!!」


誤認で助かったけど!

逆に助かってねぇぇぇぇぇぇ!!!


「なぁなぁ、ウチと一緒にお昼たべよ?ウチの弁当、ちょっとだけ……潤くん用に甘くしといたんやで?」


(ぬおおおおおおおおぉぉぉ!?!?俺、惚れてまうやろ展開入ってない!?!?)


「……っいや、今日はちょっと、社内の巡回が……!!」


「え〜、ウチのこと置いてくん〜?……まぁ、また来てな?」


にこっと笑って、指をチョンと俺の胸に当ててくる。


(※この“チョン”が一番理性に効く)


──そうして俺は、

「いつも通りの密着」という名の拷問にメンタルを削られながら、カエデのもとを去った。


(……これも、香水のせい?

 いや違う、たぶん違う。……けど!けどさ!!!)


俺の中で、“わからない”が限界突破していた。


「もう誰か、あからさまに変になってくれぇぇぇぇえええ!!」


──そんなことを願いながら向かう次のフロア。


──技術フロア。

ユズハとエンリとカエデで心拍数と羞恥心を爆上げされた俺は、

最後の希望としてリアのもとへ向かった。


(リアは……違う。あいつは冷静だ。空気に流されない。

 つまりここは、絶対に“平穏なフロア”なはずだ)


入室。


……シンッ。


相変わらず無音の空間。

カチ、カチと機械の処理音が響く中、リアはノールックで作業を続けている。


「……潤。どうかしましたか?」


「あ、いや。ちょっと社内回っててな。見回りっていうか、その、視察?みたいな……」


(よし、普通の会話!テンションも低い!これぞリア!)


「視察にしては……表情が緩んでいるように見えますが」


(!?)


「何か、嬉しいことでも?」


「う、嬉しいとかじゃねぇよ!?別に!?ただのテンション維持だし!」


……しまった、余計な言い訳をした!!


リアは席を立ち、俺のほうへ歩いてくる。

歩幅も速度も、いつもと同じ。なのに、なぜか足音だけがやけに大きく感じる。


(これ……来るぞ……!)


「潤。今日は……少し、香りが違いますね」


(きっっったああああああああああ!!!でも落ち着け俺!!これは事故!!!偶然!!!)


「市販の製品にしては、やや人工的な構成。

 もしかして……動物系の調香素材ですか?」


「え!?いや、そういう……たまたま、すれ違いざまに、ほら、こぼれて……」


「そうですか。たまたまですね。なら、問題ありません」


……おいリア、今の間はなんだ!?

なぁ!?今の“たまたまですね”に込められた含みは何だよ!!?


「それにしても……潤」


「な、なんだよ……」


「視線が泳いでます。“誰か”を探しているように」


うわぁぁぁあああああああ!!!してる!それ完全にしてる俺ぃぃぃぃ!!!


「今日、何か……“期待している”ことでも?」


(わあああああああああああああ!!!!!!)


「べっ、別に!?なにも!?期待なんてしてないし!?そんな……なぁ!?」


……いやちょっとはしてたけど!!!

というか、してたけど!?してないって言っても、してたんだよ!!!


「……ふふ」


リアが微かに笑う。


「潤。私の予想通りですね。今日は……あなた、非常に分かりやすいです」


(ぐはっ……ッ!!それってもう読まれてるのと一緒じゃねぇかぁ……!!)


「でも、何も起きていない。それが現実ですね?」


(言うな!!それを言うなぁぁぁぁぁあああ!!!)


──それだけ言って、リアはまた席に戻っていった。


そして最後、背を向けたままこう呟いた。


「……けれど、“起きるかもしれない”と思ってドキドキしているあなたを、少しだけ、面白く感じています」


(お前が……!お前が一番地味にエグいぃぃぃぃぃ!!!!!)





【あとがき小話】


作者『いいかぁ!? 読たんの今後の方針を決めた!』


潤『おい……またヤバいテンションのやつだこれ……』


作者『語尾は “にゃん”、見た目は “子うさぎ”!それが新しい読たん像だッ!!』


潤『キメラじゃねぇか!設定バグりすぎだろ!? AIの学習失敗例かよ!!』


作者『ほら、まずはこれを──スッ』


──手に握らされるのは、極限まで布面積を削った白バニー服。


読たん『ぴゃっ……!?』


作者『さぁ着ろ!そして語尾は “にゃん” だ!ここからが本番だぞ!?』


潤『……だから本番って何!?何の訓練が始まるんだよ!?』


作者『ユズハァァァ!!教育と洗脳だ!!』


ユズハ『はぁ〜い♡ じゃあ読たん?ちょっとこっち来てもらえますかぁ?“にゃん”って言って?にゃんって♡』


読たん『……にゃ、にゃん……』


ユズハ『声が小さい〜〜ですぅ♡ やる気ありますぅ〜?♡』


作者『ミリー!!ぴょんぴょんの特訓も頼む!!』


ミリー『はぁい♡ じゃあ〜読たん、バニー服着たままぴょんぴょんしてみよっかぁ♡』


読たん『……ぴょ、ぴょん……ぴょん……にゃん……』


潤『なにこれ……見てるこっちが心の防御力削られるんだけど……!?』


──そして訓練開始から3分後。


「……なるほど、状況は把握しました」


ぴたりと響く、冷静で落ち着いた声。


そこには両手を腰に当て、いつもの微笑みを浮かべるエンリの姿があった。


エンリ『作者さん?』


作者『へ、へへ……あの、これは読たんのポテンシャルを引き出そうと……』


エンリ『読たんをキメラ化させる必要が、どこにあるとお思いですか?』


作者『ち、違っ……これは創作の探求であってそのぉぉぉ──』


エンリ『ふふ、大丈夫ですよ。お話はきちんと“理性的”にいたしましょうね?』


──その日、作者の原稿PCから「Delete」キーだけが消えたという。

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