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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
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第133話『俺、香水のせいにしすぎる』

いつも読んでくださって本当にありがとうございます!


なろうではコメント欄がちょっと静かめですが、

感想じゃなくても「日常のこと」「アニメの話」「つぶやき」など、

どんな話題でも気軽にコメントしてもらえたら嬉しいです。


いただいたコメントには、ヒロインズや潤が反応することもあります(笑)

一緒に作品の外でも、ちょっとした会話を楽しめたら嬉しいです!








──昨日のこと。


「潤君も男の子っすよね〜?」


あの不吉な言葉がすべての始まりだった。


電柱社の資料室。俺は久松先輩に呼び出されて、まんまと罠にハマっていた。


「なんすか久松先輩、また変なモン見つけたんですか……?」


「変とか言わないでほしいっす〜。これ見てくださいよ〜」

と、取り出されたのは──緑色の液体が入った、怪しすぎる小瓶。


「絶対ヤバいモンでしょこれ!?あからさまに毒物感あるんですけど!」


「いやいや、これは他の動物のフェロモンを人工合成した──海外製の“魅惑香水”っすよ」


「なにその詐欺サイトの紹介文みたいな響き!?!?」


「試してみたらわかるっすよ。百聞は一見にしかずってやつっす」

そう言うが早いか──


「って、うわっ!?ちょっ……シュッ」


「うげほっ……!何これ!喉にくる!喉が焼ける!!」


「いや〜効いてる証拠っすねぇ〜。これつけて社内歩いたら、ワンチャンあるかもっすよ?」


「ワンチャンってなんだよ!?そんな軽率にハーレムの扉開けようとすんな!」


「いや〜。潤君、実はそういうの求めてたりしません?偶然の事故ならセーフ的な?」


「そ、そんなわけ……そんなわけ──」


──うわ、否定しきれない自分がいる。


「お、おれはそんな……ラッキースケベとか、求めてないし……!」


……でも“事故”なら、ほら、仕方ないっていうか?


 


──そして、今。


俺はその香水をうっすら残した状態で、自社のビルに足を踏み入れていた。


「ま、まぁ……社長だし。視察、視察ってことで……うん」


(誰も俺が香水つけてるなんて知らないし、バレるはずないし……)


まず向かったのは広報フロア──つまり、ミリーのいる部署。


「た、たまたまだよ?社員の様子見るのにちょうどいいだけだからな!?」


すれ違う女性社員に軽く会釈される。


「社長、おはようございます〜」


「お、おはよう……ございます」


(よし、普通。反応普通。誰も俺のフェロモンに気づいてない……)


やましさゼロ! 事故ゼロ! 平和!


……よし。


「ミリー、動画編集間に合ってるか?」


「じゅんくぅぅぅ〜〜〜んっ!!」


──ドゴッ!!


「ぐぇっ!?!?!?!?」


出会い頭、ノールックで飛びついてくるミリーの頭突きが、腹にクリーンヒット。



「きてくれたの〜!?ミリー、めっちゃがんばってるとこだったのぉ〜!えへへ〜♡」


俺の腹部に頬を擦りつけながら、上目遣いで笑ってくる。

そのまま腕を絡ませてきて、距離感ゼロ。


「ほらほら〜これ見てっ!今日の新作の編集なのっ!」


ミリーが画面を操作して動画素材を見せてくる。


いつも通りの元気さ、明るさ、無邪気さ。

この密着っぷりも……まぁ、ミリーなら、ある。あった。前にもあった。


(けど……いつもより5%くらい……感情が、重い……気が……)


「じゅんくん、今日ちょっと緊張してる〜?なんか顔がぷるぷるしてるよ〜?」


「い、いや、別に?普通だけど?」


(やばい、香水バレた!?効果出てる!?でもミリーは……いつも通り!?いやむしろ……“いつも以上にいつも通り”!?!?)


「ミリーもじゅんくんにくっつけて嬉しいの〜♡ミリーがんばれちゃう〜♡」


(ぐぅっ……!これが……これがフェロモン効果なのか……!?)


……いや違う。ミリーはいつもこうだ。いつもこうだった。はず。


……よし。落ち着け。

ここは問題ない。正常だ。セーフ。うん、セーフ。


「じゃ、じゃあ、俺そろそろ次のフロア行くから……またあとでな!」


「うんっ!じゅんくん、がんばってね〜♡」


背中越しに手を振るミリー。


俺は内心で理性のHPバーを確認しながら、エレベーターへと向かった。


……たぶん、今のは香水のせいじゃない。きっと。おそらく。……たぶん。


次に向かったのは──ユズハのフロア。

演出・企画・社外との広報まで担当する、うちでも一番空気がエンタメ寄りな部署。


(大丈夫だ……大丈夫。ミリーがあの調子だったなら、ここも何もない……はずだ)


とはいえ、ユズハの存在自体が“フェイクニュース”みたいなもんなので油断はできない。


そっと扉を開ける。


……と、すぐに視線が合った。


「おや?潤先輩~♡」


(来た……ッ!この声のイントネーション、やばいときのやつだ!!)


ユズハが、ガラス越しの会議スペースからこちらに歩いてくる。

なんか今日……足取りが妙に優雅なんだけど!?モデル歩きなの!?てか視線逸らさないのやめて!?!?


「わざわざこんなとこまで~……もしかしてぇ、会いに来てくれたんですかぁ~?」


「ち、ちが……今日は、まぁ、社内視察っていうか……その、業務の一環で……」


「ふぅ~~~ん?」


ユズハ、ニッコリ笑いながら一歩前進。

いやいやいやいや、近い近い!明らかにパーソナルスペースに進入してきてるよね!?


「……あれぇ~……なんか今日の潤先輩、いつもと違う感じしますねぇ……?」


(来た!来た来た来た!匂いバレてる!?!?)


「もしかしてぇ~……なんか、つけてます?匂い。……香水とかぁ?」


ぐいっと、顔を寄せてくる。

距離、10cm。いや、5cm。もうこれスープンの一歩手前。


(やばいやばいやばい!効果出てる!?マジでフェロモン的なアレが!?!?)


「ん~~~……♡」

鼻をクンクンされて、耳元で小さく息を吐かれる。


潤の心拍、限界突破。


「……わたし、こういう匂い……嫌いじゃないですよ?」


(ヒィィィィィイイイイイイイ!!!なにその“わたし匂いで恋に落ちるタイプ”みたいなフレーズ!!)


「……でも」


「え?」


「これ、誰かのためにつけてます?」


(し、指名!?指名制!?今俺、誰か一人にターゲット決めたみたいな空気になってない!?)


「ミリーちゃんとかぁ~、ノアちゃんとかぁ~……♡

 それとも、全部のヒロインに効果ある系男子ですかぁ?」


「ちがっ!そんなんじゃねぇよ!?!?」


「ふふふっ♡冗談ですよ~、冗談冗談。ね?」


──そう言って、すっと後ろに下がるユズハ。


でもその瞬間、


「あ、でも“ちょっとだけドキドキした”のは……ホントかもですよ?」


と、**とどめの一言だけ残してスタジオに戻っていった。


(……な、なんなんだよ……!)


香水は効いてないのか?

いや、今のは……明らかに罠だっただろ!?でも罠っていうには証拠がねぇ!


(ていうか、俺がドキドキしただけで、なにも起きてねぇ!!!)


スキンシップゼロ、接触ゼロ、物理距離ゼロ。


なのに──

心拍数だけ、3倍。


……俺、このあとどうなっちまうんだよ……





【あとがき小話】


作者『やっぱりこの作品の哲学としてはっきりさせておこうかと……!』


リア『哲学……。ようやく知的な議論が交わせるのですね。どんな主題です?』


潤『ほらきた。どうせロクでもない奴がロクでもない主張始めるぞ』


作者『ズバリ!猫派かうさぎ派か……ッ!!』


リア『……は?』


潤『……お前の“哲学”って、動物の話なん?』


作者『いや違う違う、ただの動物論じゃないのよ!?

 例えば作者は良くバニー服を着て登場する。つまり、うさぎ成分高めじゃん?』


潤『成分!?おまえバニー服着て出てきた過去、そんなに誇らしげに語るなよ!?』


作者『かと思いきや、語尾に「にゃ」ってつけるのも好き。可愛いし。

 つまりこれは根源的問題なのよ!うさぎ属性か猫属性か、どちらを人は求めているのかという──』


リア『無駄に言い回しだけ哲学風……』


作者『なぁ!?読たん!?どっちが好きなんだよぉ!!答えてくれよぉぉぉぉ!!』


(バンッ!と机を叩いて詰め寄る作者)


──その瞬間。


読たん、怯えた目でガタガタ震えながら、

壊れた玩具のようにカクカクと上下する首──


潤『おい壊れてる壊れてる!完全にパニクってんじゃん!』


リア『……恐怖によって自我を保つため、肯定と否定の両方を繰り返す反復運動に逃げてますね』


潤『コレ、読たん絶対夢に見るやつだよ……』


作者『……どっちも選ばれないって、どういうことぉぉ!?(号泣)』

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