表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
146/262

第126話『俺、脂肪という名の裏切りに沈む』

いつも読んでくださって本当にありがとうございます!


なろうではコメント欄がちょっと静かめですが、

感想じゃなくても「日常のこと」「アニメの話」「つぶやき」など、

どんな話題でも気軽にコメントしてもらえたら嬉しいです。


いただいたコメントには、ヒロインズや潤が反応することもあります(笑)

一緒に作品の外でも、ちょっとした会話を楽しめたら嬉しいです!








──まじで!


最近の俺、なんかこう……裕福な気がする。


以前はもやし1袋を3食分けて咀嚼してたのに、今では──

ポテチが常備されている!!


(……ちょっとした貴族じゃね?)


もちろん、夕飯はカップ麺だ。

だがそこにトッピングとして温泉卵を加えるあたり、俺の中の成金魂が目覚めつつある。


そんな“庶民ランク昇格の喜び”に酔いしれていたある日──


ミリーが、何の前触れもなく俺にぎゅーっと抱きついてきた。


「じゅんくん、前より……ぷよぷよしてて好きーっ♡」


え、好きな理由そこ!?


「えへへ〜、なんかね、おなかが……むにゅってしてて……ミリー、気に入っちゃったの〜♪」


(これが“幸福太り”ってやつか……)

(まぁ……でも抱き心地が良いなら、良いか?)


しかし──その言葉は、ある女の逆鱗に触れた。


「潤様……」


ゾワッとするほど低く、けれど冷静な声。


振り返ると──そこにはノアがいた。


スッ……と音が聞こえそうなほど、優雅に佇むノア。


その瞳には慈愛と──明確な危機感。


「潤様、少し痩せましょう……非常に健康的ではありません。

このままでは、お身体に支障が出る可能性もございます……」


(出た、保健室の先生フェーズ……)


「私がお手伝いしますので。ご安心ください、潤様には一切、無理はさせません」


※ただし、“ノア基準の無理ではない”という前提である。


いやでも、心配してくれてんだよな。

ノアは本当に、俺のことを考えて──


「……おっしゃ!やったるわ!」


──って勢いで返事してしまった数秒後、俺は後悔することになる。


「ふぁ〜あ、なんか話してますぅ?」


謎のタイミングで、ユズハが背後から現れる。

ストロー付きのタピオカ片手に、やる気ゼロの足取り。


「え〜、ユズハも混ぜてくださぁい?」


「え、なんでユズハも?」


「だってぇ〜、人気女優ノアちゃんのダイエット方法って、ぶっちゃけ気になるじゃないですか〜?

 やっぱり次世代エースの私としては、知っておかないと〜♡」


(急に出てきた“芸能界の継承争い”!?)


「……次世代って……てか、まずユズハは女優だったことあったっけ?

 いや待て、ツッコんだら負けな気がする……」


ここでノアが、すっと背筋を伸ばした。


「……ええ、もちろん構いませんよ。ユズハ様も潤様も、ぜひご一緒に。

 とりあえず──今から10キロ走りましょうか」


「「……えっ?」」


何この即決地獄。


※前フリなしで「10キロ走りましょう」は狂気です。


「えっとノアちゃん?今って確か──お昼すぎじゃないですか?

 ……あの、炎天下じゃないっすか?」


「その通りですね。最も脂肪が燃焼しやすい時間帯ですから」


「効率の鬼だこの人ッ!!」


──こうして、地獄のダイエット合宿が始まった。


なお、俺の“ポテチ貴族生活”は開始から一週間で幕を閉じた。

我が栄華、わずか七日。ナポレオンもびっくりの短命政権である─


──そして今。


「ぜぇ……っ、ぜぇぇ……っ!あっつ……死……ぬ……」


顔面から流れ落ちる汗。Tシャツは既に“入水”レベルでびしょ濡れ。


地面が揺れてる。いや、揺れてない。これは俺の視界の問題。


(な、なんで……ノアは涼しい顔してんの……?)


その横では、ユズハが走りながらスマホを操作している。


「……へぇ〜、今の気温32度らしいですよぉ。

 でもアスファルトの上って5度くらい高いから、体感37度ですね〜♡」


「※それ、真面目に言うと洒落にならないからやめて……!」


「それにしても〜、せんぱいって案外むっちり系だったんですね〜?

 なんか、親しみ湧いちゃうな〜。……あ、

 あの体型ならワンチャン“着ぐるみ役”狙えますよ〜?」


「いや俺、アニメのマスコット枠狙ってないからね!?」


「じゃあ、着ぐるみの中で汗だくになって倒れてニュースになる人、目指しましょうよ!」


「俺の将来性を何だと思ってんの!?」


──と、その時。


視界の隅に、光る何かが見えた。


「……! う、宇宙人……!?」


白昼の道路に浮かぶ銀色の円盤。回転しながら降下してくる。


いや違う、アレは──


「……扇風機だ……羽が……俺を……迎えに……」


「潤様、幻覚ですね。あと500メートルです」


「ゴール地点が……五百光年先に感じるのですが……っ」


──数分後。


ゴール地点(公園のベンチ)に辿り着いた俺とユズハは、

死にかけのナメクジのように倒れ込み──


気づけば手にしていた。


「はぁぁぁ……沁みる……沁み渡る……」


「スタバの新作……キャラメルクリームフラペチーノ……これが……文明……」


走り切った後の“ご褒美”は、糖分の塊だった。


──だが。


「…………」


後ろから、氷のような気配が立ち上る。


俺とユズハが同時に振り返ると、

そこには、日傘を差したノアがいた。


「潤様?ユズハ様? それは……なんですか?」


「「えっ、フラペチーノですけど?」」


「……」


ノアが静かに、日傘を畳んだ。


そして──


ボンッ!!


地面を踏みしめ、砂煙が舞う。


「……今すぐカロリーを“贖罪”していただきます」


「え、えっ!?ま、まだ汗も拭いてないんだけど!?」


「ユズハちゃん倒れてるよ!?多分脈とれてないよ!?」


「問題ありません。フラペチーノを摂取した瞬間から、リスタートですから」


「リセットボタン雑すぎィィィ!!!」


こうして第二部、怒りのノア編:ダイエット死闘篇が開幕した。


次なるメニュー──それは、


「はい、二人一組でバランスボール腹筋です。

 潤様はユズハ様の足を持ってあげてください」


「えっ、俺が“補助側”!?主犯俺なのに!?」


「……せんぱ〜い、ユズハもう無理……

 バランスボールって、座るだけでも難しいのに……

 あの、これどっちかっていうと遊具では?」


「さっきから君だけ“児童公園ノリ”なんよ」


「それに……私、ノアさんの隣で運動するの、ちょっと……嬉しいかも……♡」


「甘えた声出してもノアには効かないからな!?」


「……ふぅ。お二人とも、準備はよろしいですか?」


ノアがストップウォッチを手に、タイマーをセットする。


「制限時間は30分間です」


「「う、嘘でしょ!?」」


容赦なきダイエット道場──ここに極まる。


そして俺は悟った。


(……ポテチの背徳感って、幸せの裏返しだったんだな……)



──その日の夜。


「……おっかしいな……」

「……晩ご飯ってさ、普通『幻覚』じゃないですよね……?」


俺とユズハ、リビングのソファで膝を抱えながら虚空を見つめていた。


(ノア特製・極限低カロリー晩ご飯)


・無塩蒸しブロッコリー(5房)

・ミネラルウォーター(微温)

・謎の植物性サプリメント(2粒)


(……栄養というか……もはや宗教儀式!?)


「せんぱ〜い、あの謎の2粒って何だったんですかぁ……?」

「……希望の種、とかじゃね?」

「全然芽吹いてくれませんけどぉ〜……」


──空腹。

それは理性の崩壊を促し、人を獣へと戻す。


ユズハが唐突に俺の袖をつまんだ。


「……せんぱ〜い。ここだけの話……『神様っている』って信じてますぅ?」

「……こんな時だけ都合よく神頼みかよ……」


俺は無言でスマホの時計を確認する。


──23時52分。


「……」

「……」


言葉はない。ただ頷きあうだけで、意思が通じた。


(行くしかない──コンビニへ!)


玄関前──


「ミッションコード、『スイーツ解放作戦』──始動!」

ユズハが小声で呟く。


「コードネーム無駄にかっこいいな!?」

「え、じゃあ『プリン奪還作戦』とか?」

「奪還てなんだよ!?奪われてねぇよ!?」


「え〜、だってぇ、せんぱいの心、もうノアさんに奪われてませんかぁ?」

「物理的な食料の話だよ!!」


ふたりで静かにドアを開ける。


「よし……足音ゼロ、靴音ゼロ、気配ゼロ……」

「……いや、せんぱいのお腹の音が世界を震わせてますけどぉ……?」

「そこはどうしようもねぇだろ!!」



深夜のコンビニ──


まばゆい光、甘い香り。


「せんぱ〜い、見て見て……『ぷるぷる大玉プリン』ですよぉ……天使のほっぺって書いてある……♡」

「ユズハ、それは悪魔の囁きだ……」

「ユズハ、悪魔に魂売る覚悟決めましたぁ……あ、肉まんとピザまん追加でぇ!」

「欲望の悪魔爆誕かよ!」


だが、ポケットを探り俺は硬直した。


(……財布がない。あるのはポケットの小銭、350円のみ……)


「せんぱ〜い、このメロンパンも欲しいんですけどぉ……?」

「待てユズハ。俺ら今、資産350円だから」


ユズハが瞬時に真顔になる。


「プリン120円……肉まん110円……メロンパン120円……計350円……」

「ちょ、俺の分ないんだけど!?」


「あはは〜、先輩はまたブロッコリー食べればいいですよねぇ?」

「なんで俺だけ無限ブロッコリー地獄なんだよ!?」


レジ前で静かな睨み合いが発生したその時──


「──おふたりとも、仲良くお夜食ですか?」


背後に立つ優雅な気配。


振り返った瞬間、俺とユズハの魂が天に召されそうになった。


「ノ、ノア!? なんでここに!?」


ノアは静かに微笑んでいる。


「潤様が夜中に盗み食いされないように、財布は事前に回収しましたが……まさか小銭まで持ち出すとは、さすが潤様。驚きました」


「完全に犯罪者扱いじゃん!!」


ユズハがうっとりと見つめながら呟く。


「ノアさんってばぁ、夜のコンビニにまで優雅さ持ち込むとか反則ですよぉ……♡」

「ユズハ、お前のんきすぎるだろ!?」


ノアが穏やかに宣告する。


「帰宅後の贖罪メニューを増量しますので、お二人とも覚悟してくださいね」


──笑顔に見えたが、目が本気だった。


帰宅後のリビング。


「……」

「……」


前には巨大なバランスボールと、重りのついたジャンプロープ。


「……ちなみに、これ、何?」

「罪人への救済措置です──潤様、ユズハ様。プリン1つあたり500回ジャンプです」


「プリン1つに対する罰のスケールおかしくない!?」

「ノアさん、ユズハもう反省したんですけどぉ……」


ノアは優雅に微笑んだ。


「反省は行動で示してください」


(──これが『夜の脱走プリン事件』の顛末だった。)




あとがき小話


 


作者『やばいよ……やばいよ〜……』


潤『出川かよ。で?何やらかしたんだよ』


作者『俺のXアカウント、偽物出た』


潤『は? まじで?通報したのか?』


作者『した。ちゃんとやった。でもさ……そいつエロ系のツイートばっかリツイートしてて、むしろ俺じゃないって思われると思う』


潤『…………』


作者『……え?なんで黙るの?』


潤『いや、普通にお前が言いそうなことツイートしてたら、それはそれで困るなって』


作者『俺、そんなエロいこと言ってる!?』


潤『言ってんだろ。あとがきでノアのパンツの色とか聞いてるやつが何を……』


作者『……ごめん、否定できんかった』


 


──アイコンを真似されるより、信用を失う方が痛かった作者でした。


 


次回予告:

「俺の偽物、俺よりまとも」

潤『いや逆に悔しいわ!!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ