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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
139/262

第120話『俺、夕飯LINEに救われた』

いつも読んでくださって本当にありがとうございます!


なろうではコメント欄がちょっと静かめですが、

感想じゃなくても「日常のこと」「アニメの話」「つぶやき」など、

どんな話題でも気軽にコメントしてもらえたら嬉しいです。


いただいたコメントには、ヒロインズや潤が反応することもあります(笑)

一緒に作品の外でも、ちょっとした会話を楽しめたら嬉しいです!






『さぁーーーー試合開始です!』


ゆるじろうが、両手を広げてにやりと笑うと──

ずしっ……ずしっ……と地響き混じりでゆっくり詰めてくる。


(なんでだろうな……一歩ごとに俺の寿命、三年縮んでる気がする……)


俺も必死にスキルを発動!


 \スキル発動/

 【格闘(Lv8)】


……が、心の準備はLv1のまま!


「うおおおおおおお……っし!!」

ヒケ腰全開で、

情けなさ全振りの“ちょえ蓮撃”発動!


「ちょえええええ!!」

「ちょえっ!」

「ちょえっちょえっちょえっ!」

「ちょえの舞ぃぃぃぃぃぃ!!」


(──効いてねぇ!!!)


明らかに当たってんのに、

ゆるじろう、指で蚊を追い払うくらいのリアクションしかしてない。


(この前のヤクザは、ちゃんとリアクションしてくれたぞ!?)


今度の相手は明らかに規格外──

いやもう“人間枠”じゃない。重量級RPGの裏ボスだこれ。


ゆるじろうは首を傾げると、不気味に笑い──


「オラ、わくわくすっぞ?」


(……なんで!? 何に!? どこに!?!?)

(今から俺をボコボコにする未来を想像してワクワクしてんの!?)

(悟空のワクワクってもっと平和じゃなかったっけ!?)


そして──

奴は、俺の目の前にズンと立ちふさがり、でっかく振りかぶる!


「はっ!!」


 ゴッ!!


格闘レベル8のスキルがギリッギリの反応で体を捻らせる!


(ぶねぇぇぇええええええ!!!)


もし今のが当たってたら──

俺の首、完全に新品のアンパン◯ンだよ!?


(ぐるんぐるんに回って、交換されて、

 次の瞬間「新しい顔よ〜っ!」って飛んでってたからな!?)


けれども、休む暇もなく、また次の拳が!


「はっ!!」


 ドガッ!


(待って待って待って待って!!)


「ちょっ、ちょっ、ちょえぇぇ!!」


(もう俺、避けながら変な声しか出てないってぇぇぇ!)


ゆるじろうは一切表情を変えず、

まるで“俺の限界がどこにあるのか試している”かのように淡々と殴ってくる!


(これ、勝てるゲームじゃないって……!)

(プレイヤー側がスパルボの敵兵だよコレ!?)


ギリギリの回避を続けながら──

俺の精神力は急激にゼロに向かって落ちていくのであった……。




(このままだと死ぬ!!)

(いやガチで!!)


(もう逃げるしかない!)


リングの反対側へ全力ダッシュ!


観客からは「逃げてるぞー!」みたいなヤジも飛んでくるが──


(知るかあああああああ!!!)


命が! 俺の命が優先なんだよ!!


俺は頭フル回転でスキルを検索!


(格闘は無理! ちょえ蓮撃は効かない! 他だ! なんかあるだろ!)


もう一か八かで発動する!!


 \スキル発動/

 【笑顔共有】


(頼む……これで何かが変わってくれ……!)


ぴかっ!


リングの上に、ほんわかピンクのエフェクトが舞い──

俺とゆるじろうの間に《ほわわわ〜ん》と謎の光の架け橋が!


そして──


ゆるじろうが……ゆっっっっっっくりと、にたりと笑った。


「にちゃぁ……♡」


(こええええええええええええええええええええええええよぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!)


(待って!? 待って待って待って!?!?)


(お前の笑顔怖すぎるだろ!?!?!)


ゆるじろうの表情が、100%邪悪な“快楽顔”にアップデートされた。


(何その顔!? “どんな味がするか、今から楽しみ”みたいな顔やめて!?)


(こっちとしては“イチゴ味のプリン”くらいのつもりで出したんだよ!?)

(そしたら“人肉ソムリエ”みたいな反応されたんですけどおおおおお!?)


ゆるじろうは口元を押さえ、まるで恋する乙女のように──


「……にっこり♡」


(やめてぇぇぇぇええええええ!!!)


(笑顔が怖いってこんなに恐ろしいものだったんだって、俺、生まれて初めて知ったよ!!!)


(ミリーの【笑顔共有】は癒しなのに! なんで!? なんで人によってここまで変わるの!?)


そして、ゆるじろうの拳が再び構えられた。


──笑顔のまま。


「殴るね♡」


(にこやかに殺す気満々ーーーーー!?!?!?)


俺は全力でリング内を転げ回る!


(誰だよこのスキル考えたやつ!!!)

(出てこいよぉぉぉぉぉ!!!!!)


俺は手を前に出して、ピタリと立ち止まった。


「待った! 待った! タイム!!」


リングの上、全身汗まみれの俺が突然の“時間稼ぎ”コール。


……にも関わらず、


「……ん?」


ゆるじろうは、足を止めてくれた。


(えっ、素直!?)


(いやでも、これはチャンス……!)


俺は軽く息を整え、すっと構えを取る。


「お前、俺の“必殺技”を恐れてるんだろ?」


「なにぃ……?」


(なんで“聞き返してくれる”んだよ!!優しいの!?)


「俺の渾身の一撃! ワンダフルストレート!!」


観客「なんか名前が……ふわっとしてね?」

実況「“ストレート”と言いながら“必殺”要素が見当たりませんねぇ……」


「これが打てれば……お前なんか、ゴミ……いや、カスだな」


ゆるじろうは仁王立ちになり、鼻で笑った。


「ほう……面白い。打ってみろ。目も閉じてやるよ」


(フルスロットルで油断してんじゃねぇか!!)


(……今だ)


俺は、ポーズだけやたらカッコつけて──


「はぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!」


(※なお、何の意味もない)



だがこの演出、重要。


──次の一手を“より卑怯に”見せないためのカムフラージュである!


そして──


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


俺は叫びながら、全力で!


全力で!!!


金●を蹴り上げた!!!!!!!!!!


「ぶふぁっっっっっ!!!!!!」


(決まったあああああああああああああああ!!!!)


空気が止まった。


観客全員が、己の股間を押さえた。


「いってぇぇぇぇぇえええええ!!」


「見てるだけで睾丸が死ぬぅぅぅぅ!!」


通りすがりの猫が「ンニャ……」と呻き、

路地裏のネズミが「ンギ……」と震え、

実況席の男性スタッフが椅子から転げ落ちた。


ゆるじろうはというと──


──目を剥き、両足を開いたまま、スローモーションで崩れ落ちた。


ぐしゃあ……


完膚なきまでの、クリーンヒット。


(完璧……あまりにも完璧……!)


(この俺の足技、間違いなく“試合では使っちゃいけない部門”第一位だが!!)


(勝ちは勝ちだろぉぉぉぉぉおおおおおおお!!)


ドサッ……と音を立てて、ゆるじろうはマットに沈んだ。


会場全体に、沈黙──


からの、


歓声が


観客「効いたああああああああああ!!」

実況「これは完全に、禁じ手だああああああ!!」

解説「いや“禁じ手”どころか、“人間としての尊厳”を……」


俺は腕を突き上げて叫んだ。


「勝ったぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!」


──その日、俺は“最も情けない勝利”を掴んだ。


いや、掴んでしまった。


けど!


生き残れたから!!


勝ちは勝ちだろォォォオオオ!!!!!



──そして俺は、ヤクザの頭から「ダサい勝ち方したな」と雑に捨てられ、


──商店街へ。


(……って、ええ!?)


(なんだったんだあれ!!あれでいいの!?)


けれども、もはや誰も俺に構ってくれない。

さっきのリングが夢だったかのように、日常は容赦なく進む。


「……コロッケ屋、閉まってる……」


──お腹が鳴る。


(これが現実……)


そのとき、ポケットでスマホが震えた。


 【ノア:潤様!私の家で晩御飯でもどうですか?】

 【ノア:皆で作ったので】


──俺は、迷うことなく即返信した。


「行くに決まってんだろ……!」


スキップしそうな勢いで、

俺はウキウキでノア邸に向かうのだった。


──なお、このあと“皆で作った晩御飯”が

“変わった料理選手権”だったことに、

このときの俺はまだ気づいていない……。







あとがき小話:ユズハの部屋にて(夜11:48)


──作者、そっと扉を開けた。


部屋の中は──ちょっとした「舞台裏」。


ライトの色温もりはピンクとブルーの中間。

壁一面のボードには、手書きの付箋がびっしりと貼られていた。


 「次の配信用ボケ案」

 「カエデ煽りネタ(強め)」

 「ノア対抗ギャグ」

 「じゅんへの囁きセリフ(ver.甘え90%)」

 「潤が黙る言葉リスト(封印用)」


ユズハ『……んー、やっぱこの“バブみカットイン”は、今さら感あるかな〜?』


(ソファに寝転びながら、スマホで自分の演出配信をチェック中)


ユズハ『てか潤先輩、最近ちょっと免疫ついてきてる気がするんですよねぇ……これは……小悪魔としての試練……!』


──パチンと指を鳴らす。


ユズハ『よーし、次の作戦は──“急に真剣トーン”で揺さぶりかけてぇ〜、んで一気に……耳元囁きカウンターで落とす!』


(でもそのメモには“照れ顔確率:40%”と冷静な注釈)


ユズハ『……ふふ、でも潤先輩って意外と、素直に嬉しそうにするから……ズルいんですよね』


(と、不意にクッションを抱きしめ)


ユズハ『……ちょっとだけ、ほんとに好きだったらどうしよって思う時も……ありますけどね?』


──作者、そっと扉を閉める。


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