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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第2章『作者がやりたいことやるでしょう』
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第110話『俺、闇に宿る』

いつも読んでくださって本当にありがとうございます!


なろうではコメント欄がちょっと静かめですが、

感想じゃなくても「日常のこと」「アニメの話」「つぶやき」など、

どんな話題でも気軽にコメントしてもらえたら嬉しいです。


いただいたコメントには、ヒロインズや潤が反応することもあります(笑)

一緒に作品の外でも、ちょっとした会話を楽しめたら嬉しいです!








お年寄りに案内され、俺とリアは宿の奥──

いや、“闇”へと進んでいった。


照明は皆無。

廊下は狭く、湿気を含んだ空気が皮膚にまとわりついてくる。

背後の空気すら、妙に冷たい気がするのは気のせいじゃない。


『……え、ちょ、リア? 暗すぎない!? ここ本当に宿!?』


「むしろ合理的ですね……電気代がかかりません」


違うだろ!? 命の危険の方がコスト高ぇよ!?!


歩くたび、床がギィ〜……ギィ〜……と呻くような音を立てる。

まるで足元から“このまま沈んでしまえ……”と囁かれているようだった。


そんな不気味な廊下の中──

先導するおじいちゃんは、笑顔全開で振り返った。


「運がよかったでしゅねぇ〜……ぎょうはぐ〜ぜん、ふた部屋、あいとりましたぁ〜〜」


『あ、空いてたんですね……!』


「ついこの間まで、三年ほどご宿泊されてるぅおぎゃぐさまが……出ていかれましたのでぇ〜〜〜」


『…………三年!?』


リアがぴたりと足を止め、眉をひそめる。


「……それはもはや“宿泊”ではなく、“永住”なのでは?」


『だよな!? 俺が間違ってないよな!?!?』


だが、おじいちゃんは満面の笑みで言葉を継いだ。


「ここのしゅくはくしゃさまは、みなさん──そうでねぇ〜〜……」


『……そう? そうとは??』


「帳簿、調べるとねぇ……長い方だと……六十年、さねぇ〜〜」


『バリバリの永住者じゃねーか!!! 何だこの“おかえりなさい感”!!』


「まぁ……十年は、姿見とらんけどねぇ〜〜」


『10年“姿見てない”って……それ……生きてますよね?……ね?』


──沈黙。


──無音。


──誰も答えない。誰も笑わない。空気が重い。重すぎる。


『いや沈黙やめろ!?そこは“元気ですよ〜”って笑うとこだろ!?』

『もしかして俺……“空いた部屋に補充される側”!?!?』


リアがそっと眼鏡を押し上げ、目を細める。


「……つまりこの施設、“稼働率”は高いが、“回転率”は……壊滅的ということですね」


『回転率の問題じゃねーよ!? 命の出入りが一方通行なんだよここ!?』


廊下の奥、うっすらと見えてきた扉が──

まるで墓標のように、静かに、立っていた。


老人が足を止める。


廊下の突き当たり──

最奥の、まるで封印されていたかのようなその部屋の前で、振り返った。


「……ここがお二人の部屋でしゅ〜〜」


リアと俺は、同時に顔を見合わせた。


『……へぇー……で、これはどっちの部屋なの? リア?』


「……興味深いですが、僅かな望みにかけて私は“次に案内される部屋”にします。

……潤、疲れているのでしょう? ここをどうぞ」


『レ、レディーファースト……という概念……ご存じない……?』


「……私には合理性がありませんでしたので……」


──そう、言わずもがな。

この突き当たりの部屋の扉には──


・くっきり残る手形

・謎の染み

・そして大量のお札


──貼られている。


明らかに「Welcome」ではない。

むしろ「封印完了しました 開けるな」と書かれてる系のやつ。


だが、そんな俺たちの恐怖をよそに、

おじいちゃんは当たり前のようにその扉を──


──ギィィィ……


静かに開けた。


「ここがお二人の部屋でしゅ〜〜〜」


『え、二人!? いや、俺たち“二部屋”って伝えましたよね!?』


リアもぴくりと肩を上げたが──なぜか目を逸らしている。


中に入ってみると──


──そこは一見、普通の和室。

だが、部屋の“真ん中”に──


■パーテーション■


『………………』


『…………これ、まさか…………』


『ふた部屋?』


「そうでしゅよ? 部屋を二つにすれば、二倍泊まれるがちょ〜〜〜〜」


『なぜ“DAYY☆”みたいなノリで仕上げてきた!?!?』


※註:「DAYY☆」=DIYのジジイアレンジ。ノリが軽すぎる。


『いやいやいやいや!! 敷居ひとつで二部屋にならんから!! なあ!? なあリア!?』


リアは硬直したまま、乾いた声で呟く。


「ひ……ひ……非常に合理的です……」


『合理的の使い方間違ってるよね!?!?』


パーテーションの奥、襖も窓もない空間。

布団が二つ──まるで見せしめのように並べられていた。


『色々な問題を……全部ゴミ箱にぶち込んで蓋しただけだろこれええええ!?!?』








あとがき小話


作者『これはマジな小話なんだけど……実はさ、あとがき小話だけは作り置きしてなくて、毎話ほかほかの出来たてです』


潤『“ほかほか出来たて”って……お前が言うと一気にキモさブーストかかるの何でだよ』


作者『えっ、なんで!?めっちゃ言葉選んだのに!?ほんわか系目指したのに!?』


潤『どの口がほんわか言ってんだよ。せめて“焼き立てパン”とかにしとけよ。蒸気出てるぞお前』


作者『パンも捨てがたいけどさぁ〜!でも出来たて感っていいじゃん!なんかこう、臨場感というかさ……』


潤『まぁまあ、確かに言ってることは分かるけど……出来たてじゃなくてギリギリで間に合ってるってだけじゃね?』


作者『や、やめて!バラすのやめて!?!?』


潤『ギリッギリで“書ききった感”を装ってるの、毎回見ててスリルあるからな』


作者『うぅぅ……じゃあ次から「命削って書いたあとがき小話」って名乗ります……』


潤『それもう出来たてとか関係ねぇな』


作者:pyoco(次回のあとがきも魂のデスロードからお届けします)

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