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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
127/263

第108話『俺、リアの同居人になってた』


\新章突入です!/


……いや、正確には「作者がやりたいことやるでしょう」章に突入です。

※本当にそういう名前です。


設定とか勢力図とか今さら出てきましたが、頭空っぽでも読めるのが本作なので、気にせず突っ込んでください。

でもコメントやブクマは大歓迎です。作者がすごく喜びます。ぴょんぴょんします。


今後もしばらくテンション高めで暴れていく予定なので、

「これ何章だっけ……?」と混乱しつつ、笑ってもらえたら嬉しいです!



──朝。

目が覚めると、目の前にいたのは──


「………………」


優雅に湯気を立てるカップを傾ける、黒髪の冷静女。


「………………」


静かに、本を閉じる音。


「………………」


そして──リアは俺を一瞥し、当たり前のようにこう言った。


「……おはようございます。潤。紅茶は、アッサムにしておきました」


『……えーと……なんでリアが?』


俺の混乱をよそに、リアは軽やかに湯を啜る。

っていうかそれ、俺のマグカップだよな? しかも勝手にアッサム?


「この間の件といい、今回の電柱社の件といい……悪事を暴くには、合理的に考えてあなたの傍にいるのが最適かと」


なんか言ってる! さらっと正当性を語ってる!


『いやいやいや! 俺、別に社会の膿探しじゃないからね?! そもそも一般市民だよ!』


「……まぁ、いいでしょう。私は既に警察も辞めてきましたし。当面お世話になる予定ですので……ゆっくり、話し合いましょう」


『合理性のかけらもねーじゃねーか! しかもお世話になるって、うちで??!』


「はい? 聞こえませんでしたか?」


くいっと首をかしげるリアの顔に、ほんのわずか楽しげな色が混ざっているように見えたのは、たぶん気のせいじゃない。

あ、やばい。こいつ、わざとやってる。


『聞こえてるよ! 聞きたくはなかったけど!』


「安心してください。ちゃんと、手筈は整えてありますから」


手筈……?


──ガチャ。


「じゅんくーん! おはよーーー!」


唐突に響くドアの開く音とともに、無邪気全開ミリーが部屋に飛び込んできた。

元気なのはいいけど、どうやって入ってきた!?


『お、お前も鍵持ってんのかよ!?』


「うんっ! リアちゃんから預かったのー! 今日ね? ミリー、リアちゃんと宝探しするの!」


『なんで朝から宝探し? てか家でやるもんじゃないよね!?』


「私が住む部屋に、相応しくない物があるようなので。撤去しようかと」


撤去? 撤去って言った?


『ちょっと待って俺の部屋なんだけど……ちなみに、何を撤去すんの?』


「それは……ミリーちゃん。そこの戸棚、開けて左奥の缶を取ってもらえますか?」


「はーい!」


元気よくパタパタと動き出すミリー。

そして、例の缶を手にして戻ってくる。そこには──


『“カエデ専用”って書いてあるな……お菓子の撤去か?』


「いえ……」


リアが静かに蓋を開ける──


『……ってこれ、盗聴器!?』


「へ〜〜〜、盗聴器かぁ〜」


『って納得できるかああああああああ!!!』


いや、待て。そもそもなんで俺の部屋にカエデの盗聴器があんだよ!?

あいつ、怖すぎるだろ!! わりとガチで!!!


「これの撤去は当然として……」


リアが、ふと不思議そうな顔で言葉を継ぐ。


「何を言ってるんですか? おそらくこの部屋には、こんなもんじゃないぐらいありますけど?」


『え?』


──こんなもんじゃない……だと?


「ミリーちゃん。始めましょうか。宝探し」


「うんやるーっ! ミリー、いっぱい見つけるーっ!」


──え、ちょ、ちょっと待って!?

完全に聞く耳持ってねぇ!


『あのね? 俺、この部屋で暮らしてる当事者なの。ね? 人権とかさ? あるよね?』


ミリーが屋根裏にぴょこんと飛び乗り、顔を突っ込む。


「じゅんくん! あったよー! 三つもー!」


「これは……カメラと盗聴器ですね」


次に鏡──脱衣所の鏡を外して──


「ここにカメラ……っと」


続いてテレビを分解して──


「三つありますね」


『何が“ありますね”だよ! なんで俺の部屋からカメラがポンポン出てくるんだよ!!』


──もう何が怖いって、二人とも冷静すぎる。

日常のテンションでカメラ分解すんな。


「棚の後ろにも変なスペースがありますね……」


やばい、そこは……! 俺、思い当たる……!


『いやいやいやいや! リア、気のせいだよ! 棚が古いから! 作りがそうなだけだから!』


ミリーがふいに口を開く。


「棚邪魔なの〜! 宝探し〜!」


──ガシャーン。


ミリーによって棚が倒され、壁にあった隠しスペースが露わになる。

そして──中から現れたのは──


「……猫耳……ですか」


『やめてええええええええええええええ!!!』


「そういう趣向が、お好みなんですね」


『ち、違っ……ちが……それはっ……っっ』


いや、違うんだ! それは冗談で! カエデが勝手に!

ああああもうダメだ……俺の社会的信用が……


リアが静かに言う。


「ミリーちゃん。潤を、抑えていてください」


「うん、わかった〜♪」


──ガチン!


『……お、おいミリー!? なんでこんな力強いの!?』


「リアちゃんの頼みだも〜ん♪」


なぜこんなに協力的なのか。なぜかめちゃくちゃ楽しそう。

俺は床に押さえつけられたまま、必死でリアを制止しようとする。


「やめでえええええええええ!! そこはだめえええええ!!!」


──リアは冷静なまま、畳を持ち上げた。


「…………潤」


「ち、ちが……いや、ちが……!」


「この趣味は、あまり人には言わない方がいいかと」


『うわあああああああああああああああああああ!!!』


──人生終わった。

俺、もう……お婿に行けない……



ミリーが畳の下から次々と“お宝”を発掘していく中、

リアはそれを淡々と分類し、無表情でメモしている。


「これで……リビング方面はおおよそ終了ですね」


「ミリー、玄関の靴箱見てくるーっ!」


『お前らの行動力なに!?なに!?さっき起きたばっかの男の部屋だよ!?』


でも誰も止まらない。誰も俺の心の叫びを拾わない。

拾うのは盗聴器とカメラだけ。


「玄関の柱、削った跡がありますね。内部に何か……」


「やったー! また3つ発見〜っ!」


『お前らはRPGの宝箱か!? レアアイテム乱獲か!? なにこの部屋!?』


リアがぴたりと立ち止まる。

彼女の瞳がテレビの裏に向き──そして、


「このへん、壁が不自然ですね……」


──俺は直感した。


マズイ。これはマズい。


『いやいやいやほんとやめて?俺の精神が崩壊するからね?!?』


だが、冷静な顔のリアと無邪気なミリーには通じなかった。


「棚の背面に仕掛け……ここを押すと──」


──カチッ。


音が鳴った。壁が、開いた。


『ま、まだ何かあんの!? 俺んちから一体何台目!?!』


リアの手がすっと中に伸びる。


「……猫耳メイド服……ですね。あと、謎のリボン付き鈴」


「わー!これかわいい〜!」


『やめてーーっ! 見なかったことにしてーーーッ!!!』


──もう無理だ。俺、今日中に引っ越す。今すぐこの部屋燃やす。


「これはなかなか出てきましたね……38台……」


リアがカップを持ち上げる。紅茶はもう冷めていた。


「ここは実験生物の施設か何かですか? 潤、聞いてますか?」


──俺はもう聞いてない。いや、聞けない。

体育座りで、壁を向いて、涙をこらえることすらできない。


『ぐす……俺だって……ぐす……好きで猫耳つけてたわけじゃ……ぐすん……』


ミリーがぴょこっと隣に座って、俺の肩をぽんぽんと叩いた。


「じゅんくん、何を落ち込んでるの〜?」


優しげに笑う彼女の顔は、まるで心配しているようだった。──ようだった。


「ミリー、元気づけるために、魔女っ子猫耳つけるーっ!」


『やめろぉぉぉ!! 傷をえぐるなぁぁぁぁ!!』


──この部屋、浄化されてない。むしろ魔力増してる。


そのとき、別の場所では……


──ピピッ……ピピピ……


「潤様からの信号が……途絶えましたね……」


静かに呟く声とともに、別の場所で一人の少女が立ち上がる。


ノア──


清楚なロングスカートを揺らし、静かに棚を開ける。


「これは……非常事態です」


彼女が選んだのは──鋼製のトンファー。

磨き抜かれた刃付きカスタムモデル。

鞘に収めながら、そっと微笑む。


「潤様に何かあったなら……私は行動するしかありません」


──次の瞬間、部屋を飛び出した。


 


別の場所、ソファに寝転がっていたユズハが、ふと目を覚ます。


「せんぱーいの社会的生命が……消えたぁ?」


鼻歌混じりにスマホを見て──にやっと笑う。


「これは事件……イベント発生ですね〜! うふふ……ユズハちゃん、出動〜!」


バッグから取り出したのは、スモークボムとサングラス。

ノリノリで扉を開ける……ノリだけで生きる女……


 


関西某所、カエデがピクッと反応した。


「……他の女が潤くんの部屋で何しとるって?」


ハリセンを握る手に、静かな闘志が宿る。


「アカンな……これは戦争や……どついたるで……」


白いエプロンのまま家を飛び出す。準備ゼロ。問題ゼロ。なぜなら本能で動いているから。


 


さらに──


「うふふ……うふふふふふふふ……」


ゆっくりと紅茶を注ぎながら、エンリが笑っていた。


「私の潤さんに……何かあったんですか……?」


──微笑みながらスッと立ち上がり潤のもとへ


 


そんな全ヒロインが一斉出撃する中──


俺は、壁に向かって体育座りしていた。


『猫耳……ばれた……趣味……ばれた……』


自分でも何言ってるかわかんない。

けど、これは夢じゃない。現実なんだ。


「ミリー、じゅんくんにぴったりの服用意したよー!」


「潤、抵抗しない方が……合理的です」


『誰か……止めてくれ……この悪夢を……』




あとがき小話


作者『新章突入イェーイ☆』


潤『軽ッ!!ノリ軽すぎだろお前……いや、タイトルも“作者がやりたいことやるでしょう”ってなんだよ』


作者『読たんもノリでついてきてくれるって信じてる!あと俺の気分がノってるうちに書き切りたい!』


潤『作者都合が丸出しすぎんだよ……じゃあ俺の扱い、ちゃんとマシになるんだよな?』


作者『え?あー……んー……うん!うんうん、まぁ!マシにする努力はしてみようかなっていう雰囲気を感じつつの可能性を……』


潤『絶対されないフラグ立ったなおい!!』


作者『でもまぁ、第二章はね!もっとアホなことしたいし、ボケとツッコミの密度も倍にしたいし、あと爆発とか落下とか無駄に増やしていきたいし!』


潤『俺の身体、保つ自信ないんだけど!?てか落下って何だよ、どこから落とす気だよ!!』


作者『みんなで潤を地獄に送り込もう!読たんの応援が潤をどこまでも落とすからね!コメント・ブクマよろしくっ☆』


潤『なんかもうこの世界に俺の味方いねぇ……!』


作者pyoco(やるぞ……第二章……暴走開始ッ!)

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