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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
122/262

第104話『俺、始まる前に潰れそうなんだけど?』

いつも読んでくださって本当にありがとうございます!


なろうではコメント欄がちょっと静かめですが、

感想じゃなくても「日常のこと」「アニメの話」「つぶやき」など、

どんな話題でも気軽にコメントしてもらえたら嬉しいです。


いただいたコメントには、ヒロインズや潤が反応することもあります(笑)

一緒に作品の外でも、ちょっとした会話を楽しめたら嬉しいです!








株主総会当日──。


俺は今、自分の会社の控室で、ひたすら手汗と格闘していた。


(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい……)


頭の中は真っ白。台本は何度も書き直した結果、もう紙くずになってゴミ箱に詰まってる。

深呼吸しようとしても、息が上ずるだけだった。


そんな中──


「潤くんっ! はっぴ、着てみよか! サイズ間違えたけど、ウチがノリで買ってきてん! まあちょっと小さいけど、潤くんなら腹チラもオッケーやろ?」


「じゅんくん、ポンポン片方なくなったの! 控室にあるかも〜って探してたら、スモークマシンに当たっちゃって……あっ」


プシューーー……


「うわ!? なんだこの煙!!」


「ユズハちゃん、控室に“戦場感”足したほうがドラマチックかと思いまして〜♪ スモークの位置は計算ミスったけど、むしろ事故の方が盛り上がるって知ってました〜?」


「ちょっ、今“本番前”って言葉の意味知ってるやつ、この部屋にいないのか!?」


そんな中、ノアとエンリだけが冷静にサイドテーブルで資料を整え、舞台の照明データをチェックしていた。


(……その冷静さを分けてくれ)


「潤くん──準備は、整ったか?」


控室の扉が開き、副社長が顔を出した。


「……整うか! この地獄絵図の中で整う要素どこにあんだよ!」


だが、その騒ぎに気づいたもう一人が、さらに空気を変える。


「──葉山くん」


現れたのは、電柱社の現社長。


空気が一瞬で凍った。


「……まさか本気で、“私と並ぶ”つもりなのかね?」


低く、静かな声。だが威圧感だけは異常なほど強い。


俺は返事に詰まる。

スモークがうっすら残る控室で、ポンポン片手に立ち尽くしていた。


「潤様が並ばれるのは、当然のことです」


ノアが一歩前に出て断言する。


「社長さん、ちょっと緊張してますぅ? 口調に余裕なさが出てますよ〜?」


社長がじろりと、無言でユズハに鋭い視線を向ける。


「……なーんて、冗談ですよ? ユズハちゃん、空気は読めるタイプですからぁ〜」


「ウチら、今日の勝ちフラグ立ってるし! 言ったもん勝ちやで!」


「さっき見つけたポンポン、じゅんくんのラッキーアイテムだったらいいな〜♪」


社長は、表情を一つも崩さず一言だけ残した。


「……滑稽だな」


そう言って、背を向ける。


俺はもう、魂が抜けかけていた。


「……もう帰っていい?」

(開始前からHPゼロってどういうことだよ……)





社長のプレゼンが始まった。


投資家たちは静かに耳を傾けている。

照明が落ち、スライドに企業理念が映し出され、社長は淡々と語り始めた。


「──我々は冷静に、合理的に市場を判断し、成長戦略を確実に実行してまいります」


その声は落ち着き、確信に満ちていた。

まさに“信頼される経営者の声”。


──だが。


社長の視線がふと、客席の後方へ逸れる。

控室のモニターで見ていた俺も、思わず画面を凝視する。


視界の端、小柄な少女──ミリーが跳ね回っている。

顔を真っ赤にして笑いながら、旗を振って全力で逃げている。


社長……なんだあれは

俺(おいおいおいおいおいおいおいおい!? なんで始まってすらないのに精神崩壊コース一直線なんだよ! 今から喋る俺の身にもなってくれ! 頭抱えて画面叩き割って逃げたいんですけど!?)


ミリーは黒服と鬼ごっこを繰り広げながら椅子の間を全力疾走。

投資家の鞄を軽々と飛び越えたあたりでようやく捕まり、バタバタと引きずられていった。


社長「……次に、えー、売上構成の……」

俺(動揺してるし! いや、そりゃそうだろ!)


続いてカエデ。

折りたたみテーブルを広げて唐揚げを並べ、唐揚げの香りを指で扇ぎながら投資家に“おすすめやで”とばかりに微笑む。


社長(今度は屋台か……?) 俺(マジで出店してんじゃねーよ!! どこの文化祭だよ!!)


黒服が止めに入ると、カエデは唐揚げを配ってなだめようとするが、笑顔のまま強制撤去。


ユズハは次の瞬間、観客席後方からライトを構えて社長を照射。


社長(……眩しい!?) 俺(照らすなーッ!! 頼むから余計なことすんなー!!)


舌をぺろりと出し、ユズハはあっさりと照明ごと連行される。


ノアは祈るように静かに立ち、筆字の札を掲げる。


『潤様は全てを見ている』

『潤様は全てを導く』


社長(……もう見なかったことにしたい)


俺(もう全て見なかったことにしたい!!)


ノアは誇らしげに姿勢を正し、凛とした表情のまま黒服に囲まれて札ごと撤去されていった。


最後にエンリ。

赤い絨毯を広げ、ティーポット、茶菓子、札『膝枕席』──。


その所作は丁寧すぎて逆に恐ろしい。

エンリは微笑を絶やさず、まるで高級ホテルのサービスのように静かに異常を演出していた。


社長(……何を考えている? なぜこんな場で、こんな演出を?)


俺(エンリさん……え、なんか敷いてる!? ちょ、紅茶? 膝枕!? え、待って、優雅に引きずられてる!!)


シートごと優雅に引きずられて退場。


「えーーーそのー、売り上げ……上がってた、はず……です」


社長の声に明らかな揺らぎ。


社長(……私は何をしてるんだ──)


俺(プレゼン前から心臓もたんわ!!)


そしていよいよ潤の番がくるのであった……




あとがき小話


作者『最近さ、ガンダム見てるんだけどさ……最近のって挿入歌がさ、なんかこう……』


潤『お?熱くなる感じ?それとも切ない系?』


作者『いや、“エモい”ってやつ?』


潤『お、いいじゃん。心にグッと来るやつだろ?』


作者『うん、それそれ。……てかさ』


潤『うん?』


作者『実は……つい最近まで“エモい”の意味、よく知らなかったんだよね』


潤『え!?マジで!?今さら!?』


作者『いやなんかさ、若者っぽくて避けてたんだけど……気づいたら普通に使ってた。』


潤『使ってから意味調べるタイプじゃん!完全に“エモい”に負けてるよ!』


作者『でも使ってみたら……めっちゃ便利だった……エモいってすごい……』


潤『語彙力の敗北だな……』


作者pyoco『皆さんは、“エモい”の正体、最初から知ってました?(小声)』

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