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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
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第96話『俺、ポテチの塩気を感じ取る』

いつも読んでくださって本当にありがとうございます!


なろうではコメント欄がちょっと静かめですが、

感想じゃなくても「日常のこと」「アニメの話」「つぶやき」など、

どんな話題でも気軽にコメントしてもらえたら嬉しいです。


いただいたコメントには、ヒロインズや潤が反応することもあります(笑)

一緒に作品の外でも、ちょっとした会話を楽しめたら嬉しいです!








俺の部屋。

いつも通りの、質素なテーブルに、コンビニで買った座布団三枚。

そして今──その座布団を、電柱社の副社長が踏んでいる。


向かいにはエンリとカエデ。

俺? 端っこでポテチを抱えてる。


テーブルの上に置かれたのは、ペプシ、ペプシライト、そしてビッグサイズのポテチ。

……これ、女子会か?


副社長という肩書きにはあまりにもミスマッチな空間。

正座するその姿すら、逆に“ただのおじさん”っぽく見えてくる。


「電柱の副社長さんやな? よろしくな〜、ウチ、カエデや!」


「私はエンリと申します。本日はお時間、感謝いたします」


二人とも自己紹介は完了。

問題はその後だった。


「……君たちは、ふざけているのか?」


副社長が鋭い視線を向ける。


「先程の電話──“不正の報道”だの“告発”だの……私を脅すつもりか?

目的はなんだ?……金か?」


その視線が痛すぎて、俺はポテチをひとつまみ。


「ちゃうちゃう、そんなんちゃうって」

カエデはニコニコしながら、まるで知り合いと喋るみたいに言った。


「ウチらが欲しいんはな、副社長に“社長”になってもらうことやねん」


「……っ!?」


副社長の眉がわずかに動く。


「ええ、そういうことです」

エンリが静かに続けた。


「今の体制のままでは、パワハラ問題・リコールの隠蔽──報道されれば、企業としての信頼は致命的です。

ですので、“社長交代”という形で、刷新の意思を示す必要があるのです」


俺はポテチをひとつまみ。

……いや、これ、俺の部屋だよな? 何の会議?


「簡単に言うな! 不正の報道……内部のパワハラ告発……

たとえ事実でなくても、世間がどう反応するかは決まっている!

我が社は、必ず叩かれる。それで終わりだ!」


確かに。俺にも話が見えてこない。

だからポテチをひとつまみ。


「それがなぁ、そうはならへんのよ」

カエデが、俺のほうをチラッと見た。


「潤くんにはな、ちょっと不思議な力があんねん。

なんかこう……“民衆の悪意”を、一定の個人に向けさせる……みたいな?」


へー……俺、そんな力あったんだ。

って思いながらポテチをひと──……え?


「そんなバカな話があるか!」

副社長の声が一段高くなる。


「そんな与太話を信じて、社員の生活を賭けろと?

社員は我が子同然だ! そんな無責任な提案に乗れるか!」


席を立とうとする副社長。

その瞬間だった。


「……“我が子”ですか?」


エンリの声が静かに響いた。

副社長の動きが止まる。


「ならば副社長。

今の“パワハラ体制”も、あなたは“我が子のため”だと、本気で仰るのですか?」


副社長の肩が、微かに揺れた。


「貴様に何がわかる」

拳を握る。


「何百人も抱える企業だぞ。

一部の犠牲で全体が守れるなら、それが現実だ!

大多数の我が子を守るためには、綺麗事では生きていけない!」


「……私には、その“正論”こそが綺麗事に聞こえますが」


エンリは、目を逸らさない。


──俺はポテチを落とした。


いや、無理だってこの空気。

もう誰もポテチ食ってねえよ。


カエデはぽいっとポテチを放り込み、もぐもぐしながら副社長を見た。


「なぁなぁ副社長さん? ウチちょっと思っててんけどな〜」


「……なんだ?」


「もしかしてさ〜、うちらのこと“脅迫グループ”とか思ってるやろ〜?」


「……違うのか?」


カエデはぷくっと頬をふくらませ、ペプシをちゅーっと吸った。


「ひどぉ〜い。ウチらはなぁ、ただ〜……副社長さんに“お願いしに来た”だけやで?」


「ふざけてるのか……」


「んーん、けっこうマジやねんけどな〜。でも、こうやって副社長さんと一緒にポテチ食べてんの、なんか変な感じやな〜って思って」


横で、エンリがふわりと微笑んだ。


「ふふ、でも……その“変な感じ”が、案外一番まともだったりするのかもしれませんよ」


「そやそや。今の電柱さん、変なことばっかりやし〜。ほんで、それを見て見ぬふりしてる人も、いーっぱいおるしな〜?」


副社長がわずかに目を伏せる。


カエデはその視線を追いかけるように、身を乗り出した。


「……あんた、ほんまはムカついてるんちゃうん?」


「……何をだ」


「社長とか。会社の今の雰囲気とか。自分でも“これアカンやろ”って思ってるけど……でもどないもできへんまま、ここまで来てもうたんちゃう?」


副社長の目が、一瞬だけカエデを見た。

だがカエデは、ニコニコしたままだ。


「せやからな、副社長さん。ウチは“お願い”しに来たんや。あんたに……社長になってもらいたいって」


「……なぜ、私なんだ」


「だって〜……一番まともそうやもん。ウチの感覚ではな!」


もぐもぐしながらニコッと笑うその顔は、いつもの甘えん坊そのまんま。


でも、空気は確かに──少しだけ、変わっていた。


俺はというと、ポテチの塩気で喉が乾いてきて、ペプシに手を伸ばしつつ……

この場の“話し合い”とやらは、二人に任せポテチを楽しむ俺であった






【あとがき小話】


作者『禁断の妄想やるか……』


潤『それはいつも通りだろ? 何を今更。特に何が来ても最早驚かないけどな』


作者『いやいや今回はちょっとレベルが違う。これはな──“五感で感じるヒロインズ”編だ!!』


潤『あーやべぇやつだ。逃げとこ。じゃ』


作者『待てコラ。キャラってさ、まず“喋ることで”魂と性格が伝わるじゃん? で、見た目はイラストや描写で補完されて──』


潤『うん。そこまではまだいいよ。健全に創作してる感あるし』


作者『で、あとは……香りとか……』


潤『出たよ。急に“距離ゼロ”の妄想ぶち込んできたな。きっっっっっっしょ……』


作者『いや考えてみて? ノアはたぶん白檀と石鹸の香りだよ? カエデは甘めのヘアミスト、ミリーは柔らかい綿菓子系……』


潤『やめろ。その道に踏み込んだら戻れねぇぞ……! あと作者が妄想してるってのが一番きついわ!!』


作者『でも!でも!“ユズハは夜の街の誘惑の香り!”って言いたかった!!』


潤『言うな!!しかもお前が言うと全部アウトになるんだよ!!』


作者『……潤よ……男にはやらねばならない時がある……』


潤『ねぇよそんなもん!!俺のあとがきなのに“嗅覚”の支配権まで奪われてんじゃねーか!!』


 


──作者pyoco(次回、聴覚・触覚・味覚編……は誰か止めて)

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