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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
108/262

第91話『俺、過去のデータで現在を叩く』

いつも読んでくださって本当にありがとうございます!


なろうではコメント欄がちょっと静かめですが、

感想じゃなくても「日常のこと」「アニメの話」「つぶやき」など、

どんな話題でも気軽にコメントしてもらえたら嬉しいです。


いただいたコメントには、ヒロインズや潤が反応することもあります(笑)

一緒に作品の外でも、ちょっとした会話を楽しめたら嬉しいです!






 


──翌朝、地調第3課。


「……さて、と」


俺は前日の夜、スキャンして整えた資料を開いた。

営業見込みリスト、2017〜2019版。

ファイル名も控えめに変えてある。


《営業再アプローチ用:過去記録整理(試案)》


俺は営業課の連絡リストを検索して、一番若手っぽい名前に絞り込む。

──“篠崎しのざき 駿しゅん”。

22歳。去年の新卒。社内報に顔写真が載ってた。


「……頼んだぞ、しのぴー……!」


俺は恐る恐るメールを打ち込む。


俺が整理した“営業資料”──

じつは数字以外にも、古い手書きメモや備考欄を参考に、**「得意先の趣味」「昔ウケた話題」「相手が好きな食べ物」**なんかも追加していた。


「……まぁ、正直使うやついねぇだろとは思ってたけどな……」



菱岡重工 → 「社長:観葉植物が趣味/週末は将棋喫茶に通う/旧車マニア」

備考:「清水さん、昔“将棋の駒の産地”の話で10分粘ったらしい」


「なんで俺、営業資料で“将棋トーク”拾ってんだよ……」


でも、削るのも惜しくて──そのまま残した。




件名:営業補足資料(再送)


お疲れ様です。

地域調整第3課の葉山と申します。

過去の営業記録を整理していたところ、一部再アプローチに使えそうな顧客履歴が見つかりました。


念のため、篠崎さんの担当エリアを含んでいたため、情報共有いたします。

不適切でしたら、破棄いただいて問題ありません。


よろしくお願いいたします。



……ポチ。


「送ったぁぁぁ……!」


俺は椅子に深く沈んだ。

脈拍がバグってる。

今、人生で一番汗かいてるかもしれない。


──そして数時間後。


俺が倉庫でホコリにまみれながら封筒整理していた頃──


カタッ。


メール通知が鳴った。


差出人:篠崎 駿(営業2課)

件名:【ご連絡】本日共有資料について


「……へ?」


本文にはこうあった。



件名:【ご連絡】本日共有資料について


葉山様


お世話になっております。営業2課の篠崎です。

本日午前に共有いただいたリストの中から、

過去に担当していた案件を一件、試しに電話してみたところ、再アポイントが取れました。


明日午後、訪問予定となりましたので、ご報告までに。


ありがとうございました。



「……え?マジで?」


実績、1件。


たった1件。でも──


この会社で、俺が“数字を生んだ”のは初めてだった。


背筋がスッと冷える。

うわ、マジでこれ当たるやつだったのかよ……!


「俺、今……営業の役に立った……?」


“窓際の葉山が営業案件に成果出した”──


この1件が、あとでとんでもない波紋を呼ぶとも知らず。

俺は椅子に沈みながら、小さく呟いた。


「……一発、当てちゃったかも……」


──昼過ぎ。


地調第3課の片隅で、俺は淡々と“引き続きファイル探索”していた。

なんかデータ出すと運気上がる気がしてきたんだけど、まぁ根拠はゼロ。


「……あれ?通知きてる」


Slackのアイコンに赤いバッジが点いてた。


──開くと、営業2課のチャンネルにこんなスレッドが。



【営業見込みリスト(再アプローチ用)】

篠崎「葉山さんって方から資料共有あり。実際1件、再訪問決まった」

高橋「これ、リスト精度高くない?」

佐野「ってか、葉山って誰だ?」

宮前「どこの課の人?」

篠崎「地調3課らしい」

佐野「まだあったの!?地調3課!!?」

高橋「マジかよ!あそこ都市伝説じゃなかったの!?」

宮前「ていうか、なんでこんな資料作れるのに島流しされてんの?」

佐野「怖くね?裏があるやつ?」

篠崎「静かに凄いやつっているのかも……」



「いやいやいやいやいや!!やめろ!!」


慌てて画面閉じた。

なんか俺の名前が“伝説の錬金術師”みたいな扱いになってる。


「怖いわ!!1件当てただけで何が“静かに凄い”だよ!!中身、掘っただけだぞ!!」


……でも、既に遅かった。


資料のPDFにしっかり“作成者:葉山潤(地域調整第3課)”って載ってた。


「俺の名前……載ってんのかよ……!!!」


スッと顔が青ざめた瞬間──


──ピロン。


メールが届く。



差出人:営業統括部 課長代理 宇野

件名:【お時間頂戴できますか】


本文:


突然のご連絡失礼します。

営業統括部の宇野と申します。

先ほど篠崎から共有を受けた「再アプローチ資料」、確認しました。


もしお時間があれば、本日16:00より第2会議室にてお話できればと思います。

ご都合いかがでしょうか。



「いやいやいやいやいやいやいやいや!!!」


ついに営業統括部から“お呼び出し”来たーーー!!!


「やべぇ!“提出したらバズった”とか、なにこのネットみたいな事態!!!」


椅子から転げ落ちそうになる俺。

いやもう、実際落ちた。


その瞬間、後ろからぼそりと。


「……バズってんの、良いことじゃないっすか?」


松久先輩が、唐突に現れて、

タピオカミルクティー片手に言った。


「え、先輩……あれ?今飲み物……?」


「差し入れもらったっす。売店の前で立ってたら“あげます”って言われた」


それ営業じゃねぇんだよ!!!!


でも、先輩はにやりともせず、ただ淡々と。


「良かったっすね。こっちにも“生きてる”人がいたって」


「いや、俺今むしろ“死にそう”なんですけど!?」


「でも、“見つけてもらえた”じゃないっすか。

あとは、ちゃんと自分の声で説明するだけっすよ」


……火種、また投げられた。


「……やれってことっすか?」


「うん。がんばれ」


即答。


その背中を見ながら、

俺は胸ポケットの名札をぎゅっと握りしめた。


「……営業統括部、行ってくるか……!」


──営業統括部・第2会議室。


「失礼します……」


俺は恐る恐るドアを開けると、眼鏡越しに視線を投げてきたのは、営業統括部・課長代理──宇野。


空気、冷蔵庫より冷たいんですけど。


「座って。君が葉山くん、だね」


「は、はい……」


背筋ピンッ。猫背で生きてきた人生が後悔された瞬間だった。


机に置かれた一枚の資料。

見覚えがある。──俺が昨日、提出したやつだ。


「君が作った“営業再アプローチ資料”──この中に“菱岡重工”があったね」


「はい、あの……過去の取引履歴を整理してて、たまたま──」


「その“たまたま”が、今日“再訪問アポ”になった」


「……えっ?」


俺の目が見開く。

まだ情報が入ってこない。


「うちの営業2課が、この備考欄──」

宇野はペンでぐるっと囲む。


【社長:観葉植物/週末は将棋喫茶通い/旧車マニア】


「これを“話のつかみ”にして雑談したらしい。“将棋の駒は一手一手に意味がある”って話を振ったら──」


「“それ、清水くんもよく言ってたな”って副社長が反応したんだってさ」


俺の脳が、しっかりフリーズした。


「……それ、俺が“削るのもったいないから”って残した欄で……」


「それが、復縁のきっかけになった。取引断絶から3年、初めて菱岡側から“会ってみようか”と連絡が来たんだ」


「…………は?」


「それと──」


宇野は別の資料を差し出す。


──日曜プロジェクト、選抜候補者リスト。


「お前の名前、入れておいた」


「それはつまり……!?」


「君が菱岡重工との復縁を決められればプロジェクト入りを推そう」


宇野の言葉が、ズンッと胸に落ちる。


「営業は、心を掴んでなんぼ。“人を覚えてくれる会社だ”って思わせるのは、数字より効くことがある」


「君の資料は、データじゃなく、“人間”だった」


……やべぇ。


かっこいいけど、資料を見つけただけなのに気が引ける……


「いや俺、ほんとに、ちょっと昔のメモ拾っただけで……」


「拾っただけじゃない。“磨いた”だよ、葉山くん」


──ドンッ。


突然、会議室のドアが開く。


現れたのは、営業部の若手──篠崎。


「あ、あの……すみません宇野さん!潤さん、次ちょっと同行営業お願いできませんか!?」


「はあ!?」


「さっきの菱岡の件、マジで今週中に挨拶したいって話になってて……で、“その資料作った本人も来てくれるなら”って……!」


え、なにそれ、俺行くの?


「……それと、できればあの──第三課の、例の“情報の人”も一緒に……」


「松久先輩!? おいそれ勝手に外に出すと山の生態系壊れるぞ!?」


「いや……あの人が言ってた“将棋のコマには順序がある”って話で社長、完全に食いついてて……!」


なにそれ怖っ!


──そのまま俺は引きずられるように、外へ連れ出された。


エレベーターに乗ると、隣には──

あの松久先輩が、タピオカ片手に平然と立っていた。


「行くっすよ、葉山くん。営業部、初出陣っす」


「なんであんたも来るんだよ!!部署違うだろ!!」


「社長と話したいんで」


目的、さらっと言うな。


エレベーターのドアが閉まり、俺の絶望だけが社内に残された。




あとがき小話


作者『本日のあとがきは~~~ッ!!限界突破の!!俺の!!愛と偏見の自己満ステージ!!』


潤『開幕から情報過多すぎんだよ。あと“偏見”って言っちゃってんじゃねぇか』


作者『でも今回は違うの!真面目に!ガチで!

読たん推しの“ときめきゲージ”を限界までブチ上げる祭りだから!!』


潤『その言い回しがいちいち怖いんだよ。俺また被害者になるパターンだろ?』


作者『当然!──ということで!ヒロインズ、いっくよーっ!!

“もし今、推しが目の前に現れたら……?”

どんな言葉で“ドキッ♡”とさせちゃいますか〜!?』


潤『お前、完全に番組MCのテンションじゃねぇか……』


ノア(すっと横に立ち、落ち着いた声で)

「……あなたが誰を見ていても、気になります。でも……私だけを見てくれるなら、私は──全部、捧げます」


 


ミリー(両手を組んで小さくジャンプ、きらきらした瞳で)

「ねぇねぇ♪ ミリーのことずっと好きでいてくれたら──今よりももっともっと甘えちゃうからねっ!」


 


カエデ(背後から抱きついて耳元で)

「なぁなぁ、他の子ばっか見てたら……ウチ、ヤキモチやいてまうやろ……?

……せやから、ウチだけ見てて?」


 


ユズハ(上目遣い+指を唇にあてて、ひそひそ声)

「ねぇねぇ? わたしのこと……可愛いって思っちゃいました?

……うそ、言わなくていいですよ。表情で、もうバレてますから♡」


 


エンリ(静かに手を握って、優しく微笑み)

「誰にも言えないことがあったら、私にだけは話してくださいね?

……あなたの全部を、受け止めたいんです」


 


リア(背を向けたまま、ふと振り返りながら)

「選択肢は、常に複数あって当然です。

……でもあなたが“私を選ぶ未来”は、案外、悪くないかもしれませんね」


 



潤『……おい……これ、読たん向けってわかってるのに、なぜか俺が照れてんだけど……』


作者『よし、じゃあ潤!お前もやって!潤推しの読たん向けに!』


潤『おいちょっと待てよ……』


作者『せっかくの読たん企画だよ!?

潤が言ってくれたら、読たんたち、全員正座して待ってるよ!?』


潤『そんなプレッシャーあるか!?くそ……わかったよ、やりゃいいんだろ……』


(顔を赤くしつつ、言葉を選ぶようにそっと)


潤『……お前が俺のこと、応援してくれてるなら……

俺、もうちょっとだけ、情けない自分でも前に進んでみようって思えるんだ。

……ありがとな。ちゃんと届いてるよ』


 


作者『ブフォッ!!!キモッッ!!出た!キモ潤出たーーー!!』


潤『お前が言わせたんだろうがああああ!!』


作者『でも!最後は俺も俺で!“作者推し”のために──』


潤『おまえの推しなんかいねーよ!!!』


作者『俺は諦めないッ!!“作者推し0人説”を覆すまでッ!!』


潤『やめろ!!貴様の執念が1番怖ぇよ!!!』


作者:pyoco(次はにゃん語でやります!自己満です)

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