【第0話】『俺、今から総理会見行ってくる』
【読たんへお願い!】
作者の夢──
ヒロインの薄い本です!!(ドン!!)
え?真面目な目標じゃないって?
うるさいっ!!
作者は本気なんです!!!(大事なことなので3回目略)
この夢を叶えるためには──
もっともっと!この作品が知られなきゃダメなんです!!
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評価
ブクマ
コメント(なんでも嬉しいです、雑談感覚でOK)
リアクション
あなたのアクション、全部が……
“読たんの一押し”が、作者の魂の着火剤になるんです!!
あなたが思っている以上に──
あなたのリアクションやコメントに、作者は救われています。
ブクマ、評価、コメント、リアクション。
その一つ一つが、
「ちゃんと届いてるんだ」って教えてくれるんです。
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可愛いけどやべー子たち!
愛しいのに社会壊すヒロインたち!
このバカで全力で尊いヒロインたちを、
もっと世界に広めるために──
お願い!
あなたの「読んだよ」が、作者のエネルギーになるんです!
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今後の目標:
「薄い本、ください」って言われるくらいのヒロインズを育てたい!
その第一歩を、あなたの一票で……!
──やれやれ。
寝癖のままの髪を片手で抑え、ソファにどっかりと座り込む。
朝のニュースでは、例によって「内閣改造案は決裂か」「芸能界スキャンダルの続報」なんてワイドショーまがいの話題が流れている。
俺には関係ない。
少なくとも、つい昨日までは──そう思ってた。
「潤さーん、おはようございまーす♪」
元気いっぱいな声が部屋に響く。
ドアをバンッと開けて、ミリーが両手を広げながら突進してきた。
「じゅんくんっ! 今日はお仕事がんばるのーっ!!」
「いや、お前が元気でも俺の覚悟は整ってないんだが」
「だいじょーぶなのっ! 潤くんはやればできる子なの!」
「他人事みたいに言うな! あとスーツの裾踏むな!ストレッチ素材でも限界あるんだよ!」
俺は、今日──普段絶対に着ない、スーツに袖を通している。
理由は単純。
“今から、総理会見に出るから”だ。
──状況がわからない? 俺もだ。
「お、潤くん、ネクタイええ感じやん。……って、ちょい曲がっとるな」
カエデがするっと俺の正面に来て、ネクタイをぎゅっと引っ張ってくる。
「いでででで! 首! それ引っ張るなって! 窒息する!!」
「潤くん、終わったらな? ウチが特製もやし鍋作ったるから~♪」
「またもやしかよ! いやまぁ……好きだけどな。俺の今日のTシャツ、もやしって書いてるし」
「え、Tシャツに“もやし”ってどういうこと?」
「いや、深くは聞くな。これは俺の中で宗教みたいなもんだ」
「せんぱ~い♡」
ぬるっと背後から、ユズハが耳元にささやいてくる。
「ユズハに“行ってらっしゃいのちゅー”とか、してもいいんですよぉ~?
ね? 行く前に一発、気合注入♡」
「いや行くの俺なんだが!? てか何だよ“気合注入”って!?」
「だって会見でガチガチに緊張して噛んじゃったら困るでしょ? ちゅーって、脳にいいんですよ~?」
「聞いたことないわ!!」
カエデが肘でぐいっとユズハを牽制しながら割り込む。
「潤くんにキス仕掛けるとか……あんた、やりすぎやでぇ?」
「え~、じゃあ代わりにカエデちゃんが“ぶちゅー♡”ってするんですかぁ?」
「……潤くん、キスどころか心停止しかけるで?」
「お前ら! 病室行きにすんのやめろ!? 会見前なんだって!!」
その後ろで、穏やかに笑っていたのがエンリ。
「ふふっ……みんな、潤さんのことが心配なんですよ。
私も、応援していますから──」
彼女はそっと俺の手を握る。
「戻ってきたら、膝枕してあげますね?」
「……っ、そ、それはちょっと嬉しいけど……!」
「両膝どちらでも選んでくださいね。柔らかい方がいいなら──こっちです」
「やめろ、どっちが柔らかいか気になって逆に緊張するわ!!」
その空気を静かに断ち切ったのが、リアだった。
「潤、そろそろ会見です。控え室へどうぞ」
「う、ああ……わかった」
リアはタブレット端末を持ったまま、冷静に俺を案内する。
歩きながら、小さく呟く。
「ちなみに、会見用の発言原稿は最終バージョン13です。
本日午前4時に私が更新した内容、読まれましたか?」
「……寝てた」
「では今、歩きながら暗唱してください。誤読率が50%を下回るよう努力を」
「努力じゃどうにもならねぇわ!!」
──そのとき、廊下の向こうから優雅な足音が近づいてくる。
ノアだった。
「潤様──どうか、会見中も私のことだけを見ていてください」
「無理です!! 総理がずっと横向いてたら不安しかねぇよ!!」
──控室に入ると、空気が変わる。
今までの賑やかさが嘘みたいに、静寂が満ちていた。
モニターには各局の放送が映り、係官が慌ただしく準備を進めている。
スーツ姿の男たちが無言でうなずき、俺にマイクを装着してくる。
音響チェック、照明調整、リハーサル。
……いや、ちょっと待て。
俺、何の訓練も受けてないんだが!?
「潤様、こちらに最終確認の映像資料を」
ノアが俺のネクタイを直しながら、タブレットを差し出す。
「この会見は、政財界、国際圏、そして潤様の“力”に最も関心を寄せる者たちへの宣言になります。──潤様の“価値”を示す場です」
「いやハードル高すぎるだろ!? 俺、数年前まで無職だったんだけど!?」
「今は“無職”ではありません。“特権保持者”です。歴史に名を刻む者として、覚悟を」
うわー、出た、重いセリフきたー。
でも、そうだ。
ここで逃げたら──もう、何も掴めない。
ふと、背後でミリーの声が聞こえた。
「じゅんくんー! がんばってねー! ミリー、手ふってるよーっ!」
……あいつ、カメラのフレームにちょっとだけ入ってんじゃねーか!?
カエデの声もかぶる。
「潤くーん! 成功したら……ご褒美に、耳かきなっ!」
「報酬が小学生か!! いや、ちょっと嬉しいけどっ!!」
ユズハは相変わらずくすくす笑って、
「失敗しても……ユズハ、慰めてあげますよ? ふふーん♪」
エンリは静かに手を合わせ、
「潤さん。深呼吸ですよ……はい、吸ってー、吐いてー」
リアは会見用の原稿を再確認してる横で、
「潤、あと47秒。スタンバイ位置に。ついでに──顔、引き締めて」
ノアが最後に囁く。
「潤様……あなたがこの国にとって、どれだけ特別かを証明してください」
──全員が俺を見ている。
あのとき、俺にスキルが宿った瞬間。
【奪取】──他人の能力を、奪うスキル。
俺は、それを使って、
数々の強者を乗り越え、
ヒロインたちに囲まれ、
そして──ここまで来た。
無職から、政界の頂へ。
無力だった俺が、
力を得て、奪って、守って、成り上がった。
……よし。
「じゃあ──行ってくるわ」
カメラのフレームが光る。
これは俺が、
“スキルで社会をぶち抜いていく”物語だ──
『じゅんくーんくつひもがぁー』
バタッ!
そう
物語だ
【あとがき小話:BAR キラっテーラー】
BAR キラっテーラー──
ここは、社会に不満と愚痴と欲望を抱えた者たちが、
夜な夜な迷い込む不思議なバーである。
看板もない。灯りも仄か。
ただし、この店の一杯には、何かが詰まっている。
今宵もまた、一人の男が扉をくぐる。
──カラーン。
ユズハ『へいらっしゃ~い♪ 空いてる席、どこでもどうぞ~?』
(小悪魔スマイル全開でグラスを拭く)
※ユズハ(本編未登場)──にもかかわらず、ちゃっかりバーテンポジで営業中。
──静かに腰を下ろす男がひとり。
作者『……マスター、いつもの。』
ユズハ『へいお待ちっ♪ ユズハちゃん特製──
“哀愁とヘタレが滲み出るミックスソーダ”でっす♪』
(やけにノリノリ)
グラスを受け取った男は、一息に飲み干した。
──そして、語り出す。
作者『……あぁ……沁みるわ……。
あとがきでしか評価されないこの感じ……。
潤は甘やかされて、俺は煽られて、ノアには警戒されて……』
ユズハ『ふふっ♪ “メインヒロインに対する信頼度:0.2”って感じですよねぇ~?』
作者『0.2て……リアの眉の角度かよ……』
──グラスに残るのは、溶けかけの氷と──作者の涙。
ユズハ『さて、そこのあなた。今夜は、何を抱えてここへ来たんですかぁ~?』
──今宵、キラッと光るのは誰の想いか。
BAR キラっテーラー、営業中。
【ご案内】
コメント欄でのお悩み相談、愚痴、ヒロインへの質問など、
“ユズハちゃん”がぜ~んぶ拾っちゃいますよ?
※チャーハン食べたとかユズハちゃんとかなんでもOK
作者『作者可愛いでも……』
潤『ねーよ……』