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最終の一歩手前手段

 そう、たとえこのカラスもどきがリーダー支配されてようが忠誠を誓っていようが関係ない。


「全て、殺し尽くせばいいだけだ」


 『滅流』は何も一度に一つの的しか狙えないわけじゃない。複数の相手に同時攻撃だってできる。


 リーダー以外の全ての個体を殲滅すれば、肉壁も何もあったものじゃない。


 それにしてもなぜこの鳥は僕を狙うのだろうか。昨日も、そして今日も。


「まあいいや。まずは、お前らだ」

 

 『滅流』を使用して周囲の鳥を狩っていく。


 1羽、2羽、3羽、4羽……


「いたっ!」


 流石に反撃ぐらいはしてくる。いくら『危険察知』と言っても万能ではない。攻撃が多すぎれば避けきれなくなってくる。


 現にさっきも腕に攻撃が当たった。掠っただけのはずだが皮膚が少し切れている。


「ギャギャ!」


 ん? 一箇所に何体か集まって……


「っ! 『爪撃』!」


 反射的に敵の集まっている方へ『爪撃』を叩き込む。


 そしてほぼ同時に普段の何倍もある攻撃がこちらに向かってやってくる。通常の水の勢いを1とするなら今のは2.5はあるはずだ。


 ギリギリのところで避けられたからいいものの、直撃していれば危なかった。


 まさか連携技ができるなんて。あのリーダーらしきものの指示か。威力も速度も上昇している。これはどうするべきか………


 考えながらもひたすら『滅流』を打ちまくる。まだまだ敵の数は減らない。


「ギャギャギャ!」


 また集まり始めている!?


「『爪撃』!」

「ギャッ!」


 しまった! 防がれた。まただ。また1匹を犠牲にしたガードをしてきている。これもリーダーの指示か。直前に何か鳴いていた。


「くそっ!」


 いくら大勢を生かすための犠牲だとしとてもこの戦法は好きになれない。しかも実際そのせいで今僕が窮地に陥っている。


 ああ、有効だよその戦略は。為政者、群れを統治するものとしては確かにそのリーダーの指示は正しいだろう。


 だがそんなにあっさりと切り捨てるなんて。これが異世界の、野生の現実だとでも言うのか?


「「「「「ギャギャァ!」」」」」


 トカゲの尻尾は必要悪か!? いや、今それはどうでもいい。


 大質量の攻撃が向かってくる。避けようにも避けれない。なぜなら、僕は囲まれているからだ。


 そう、今、集中砲火を喰らおうとしている。


 このまま直撃すれば良くて致命傷、悪くて即死か。



 死んでたまるか、このまま、復讐も、一矢報いることもなく死んでたまるか!


 『忌ムベキ剣』という何が出るかわからないパンドラの箱があるがそれは使いたくない。それは本当の最終手段だ。


 となると実行するのはその一歩手前の昨日考えた緊急時の攻撃手段。リスクはあるが、それは無視する。


 実行だ。


「『___』」


 そして、僕のところへ攻撃が到達した。












 目の前には大量の鳥の死骸。体をかけ上がるこの感覚からして、ステータスに変化があったんだろう。


「残るのはお前1羽か」


 最後まで残ったのはリーダーらしき個体だった。


「ギャァ………」


 最後の足掻きと言わんばかりの鳴き声。もう、攻撃はしてこない。


「………『滅流』」


 


 終わった。またステータスが変化したのを感じる。


 ついに全ての敵を倒すことができた。あの合体技は危なかった。あのままだったら負けていただろう。


 僕が攻撃の到達直前に使ったのは、ある種の避難の技。そして周囲を破壊し尽くすための攻撃でもある。あれを使えたおかげでなんとか倒せた。




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