表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/116

才能、なし……


『他にはどんなものだ』


「『空間綱』『魔魔法』『亡霊ノ風』『吸光ノ毒牙』です」


『なかなか有用なのが揃っているな。まず空間網。これは周囲の空間を精密に探知する』


 これが『告害』の代わりになりそうなやつか。


「周囲を探知するタイプの技能なんですね」


 やっぱり戦闘中も周囲を知るのが一番大切だと思う。


 敵の位置が分からなければ攻撃できないし、攻撃されても反応できないからな。


 こうやって周囲の探知ができる『技能(スキル)』が手に入るのはありがたい。


『これは周囲を探索する技能の中ではかなり上位のものだ。相手が空間を操る系統の攻撃をしてきても察知できる』


「空間を操る攻撃……」


 僕には縁遠い領域の話だ。とてもじゃないがそんな攻撃、僕にはできない。どんなものなのか見当もつかない。


『客人、何を他人事みたいな顔をしている』


「ですが、僕は空間を弄ることなんてできませんし……」


『何を言うか。すでに空間を操る技能を持っているのだろう』


「え?」


 そんなものないぞ? 強いて言うなら『虚無ノ塔』は別空間に飛ばされるが、あれは攻撃に使えない。


『亡霊ノ風、があるのだろう?』


「それが空間を操るものなんですか?」


 新しく手に入れたものの話だったのか。


『亡霊ノ風の効果としては、まず好きなところに転移できる。次に無限にモノをしまえる空間が作れる。さらに空間を捻じ曲げて攻撃をそらせる。そのほかにも攻撃に……』


「……ちょっと待ってください」


 あまりにも機能がおおすぎて把握しきれない。


 まず一つ目。転移。この時点でもう十分すごい。異世界ファンタジーの定番、転移のスキルだ。


 二つ目。無限の収納空間。アイテムボックスでは? アイテムボックスだよね? アイテムボックスじゃん。


 素晴らしい。ただ、荷物とかは『虚無ノ塔』に入れておけばいいのであまり使わないかもしれない。


 そのほかにも色々あるらしいが、割愛。


 結論、一つの『技能(スキル)』に詰め込みすぎってくらい有能。

 

『一つ注意せよ。この技能は魔法に近い。使う時に魔力を消費する』


「そういえば僕魔法一度も使ったことないんですけど……」


 昔持っていた『鉄血魔法』もついに使わないまま消えてしまった。


『魔法の使い方など簡単だ。やろうと思えばできる』


 恐ろしくざっくりした説明がきた。もう少し詳細が欲しい。


「魔法と他の『技能(スキル)』は何が違うんですか?」


『魔法は体内の魔力を元にして発動する。技能は魔力など使わない』


「体内の魔力……それは使い切ったらどうなるんですか?」


 使ったら減って、後で回復する。もしくは使ったら減って、一生回復しない。このどちらのパターンだろう。


『放置すれば回復する。魔力を使い切ろうと何も起こらぬ。疲労感くらいは襲ってくるが。人によって魔力の量は異なるからどれくらいで回復するかは知らぬ』


「なるほど」


 魔力が一生のうちで有限パターンじゃなくてよかった。


 もし別空間にモノを置いて、魔力が尽きたので二度と取れないなんてことが起こったら最悪だからな。


「そういえば僕って魔力どれくらいあるんですか?」


『……スライムの涙ほどだな』


 主さまがぼかす様に応える。それは、どう言う意味だろう。まさか雀の涙的な意味じゃないだろうな。


「ボクの涙〜?」


 ヘノーが首を傾げている。


「……で、どれくらいなんですか?」


『ごく僅かだ。どうやら客人には通常の魔法使いの才能は皆無、なようだな』


 今度は躊躇いもせずに言い切った。


「……」

 

 そうか、才能、ないのか……


 悲しいな。才能皆無か……憧れの魔法は使えないのか……


 せっかく強力な魔法の『技能(スキル)』があるのにな……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ