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新たな技能は……

 僕が一旦目覚めたあと、とりあえず今日はのんびりしようと言う話になった。


 主さまに『客人は10以上の箇所を骨折していた。内臓に至っては……』と聞かされ、流石に安静にしようと思った。


「と言っても何するかな」


「アオイ、暇なの〜?」


 相変わらず人の形のヘノーが聞いてきた。


 ちなみに僕の横で寝ていたのは、ずっと心配して看病してくれていたかららしい。


「暇だね。特に今早急にしなきゃいけないこともないし」


『では、技能の確認をしてみたらどうだ。あれだけの魔物を殺したのだから新たに手に入れたものくらいあるだろう』


 今度は主さまに勧められた。確かに敵を殺し尽くした後、ステータスの変化したような感覚があったからな。


「そういえば主さま、『職業(ジョブ)』って二つあるものなんですか?」


 ステータスを確認する前に前から気になっていたことを主さまに聞いてみた。


『職業が二つ? 人によるな。ある場合もあるし、一つだけの場合もある』


「二つ持ってる人もいるんですね」


『そもそも、職業はその者が持っている技能の特徴を象徴するだけのもの。それ自体にはなんの意味も効果もない』


 それは初めて知った。つまり、『職業(ジョブ)』はこんな『技能(スキル)』を持ってるよ、と言うのを見る指標なのか。


 逆に言うと、この『職業(ジョブ)』があるから強い!とはならないのか?


『客人は屍の名を持つ技能を持っているのだろう?』


「はい」


『ならば職業も屍の銘が入っているはずだ』


 そういう法則なのか。『技能(スキル)』から逆算して『職業(ジョブ)』がある。


『そのほかに客人はどんな職業を持っている? おそらく『血』の字が入っているのではないか?』


「……そうです」


 なんでわかったんだ? それもまた何かの『技能(スキル)』が関係してるのか?


『忌ムベキ剣を持っているのだろう? それに封ジラレタ鏡、も。この二つがあるなら、職業は『血』がつくもののはずだ』


 その二つが関係していたのか。とりあえずこれで前からの疑問は解消された。




 とういことで本題に戻って、ステータスを確認しよう。


「ステータス」





__________


職業:『屍ニ生キル者』

   『血染メノ行者』


技能:『屍ニ生キル』『技能継承』『虚無ノ塔』『霞喰』『心魔力』『氷酷』『忌ムベキ剣』『主従契約』『蜃気楼』『影法師』『闇奏』『封ジラレタ鏡』『高速思考』『空間網』『魔魔法』『亡霊ノ風』『光吸ノ毒牙』


__________




「……増えるには増えたな」


 『高速思考』、『空間網』、『魔魔法』、『亡霊ノ風』、『光吸ノ毒牙』。この5つの『技能(スキル)』が新たに手に入れたものだ。


 逆に減ったものは、『鉄血魔法』と『水鴉ノ咆哮』そして『告害』。使用頻度が高かった『水鴉ノ咆哮』が消えてしまった。


 しかし『鉄血魔法』に至っては一度たりとも使っていない。結局何だったんだろうか。


 消えてしまった今となってはもう確かめようがない。


 だが、正直ここまでのはどうでもいい。問題は『告害』がなくなったことだ。今まで重宝していた敵を見つけるレーダーが無くなった。


 どうにか代用できる『技能(スキル)』があることを切に願う。


『どうだ? 技能は増えたか?』


「はい、5つ増えました」


『ほう、そこまで増えたか』


「五個も増えたんだ〜。アオイすごいね〜」


 ヘノーの目が大きく見開かれて、驚いたのが伝わってくる。五個と言うのは多いんだろうか。


 それにしてもスライムの時のように僕に頬を擦り付けてくるのは……ちょっと恥ずかしくてどうにも落ち着かない。


 これがヘノーの習性なのかも知れないから止めるのも憚られるし。


『どんなものを手にした?』


「一つは『高速思考』です」


『なるほど。客人が戦闘の最後に膨大な数の物を同時に操ったからだろうな。その技能があれば今後はたやすく億をも超える黒の破片を操れるぞ。文字通り思考が加速されるからな』


 つまり『高速思考』は補助用の『技能(スキル)』なのか。僕のイメージ的にもそんな感じだ。


 主さまの言う黒の破片、つまり『闇奏』の破片を操りやすくなる。非常にいい『技能(スキル)』だと思う。


 流石にあの頭痛を味わうのはごめんだ。次から簡単になるならそれに越したことはない。


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