表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/116

『技能』の本当の能力

 人間と魔人はそれぞれの領土を抱えている。そして、その境目で最も激しい争いが発生する。


 魔人、と一口に呼んでもその中には様々な種族がいる。強いものから、弱いものまで。


 その魔人の村は『どこにでもある弱い村』だった。


 それがたまたま激戦地域にあった、という『どこにでもあること』。


 その村は人間に襲われる、という『どこにでもあること』が起こった。


 そして邪悪な魔人、として村人は皆殺しにされた。


 その死体をよそに、人間は宴会を始める、という『どこにでもある』行事が始まった。


 だが、ここからは『どこにもない』こと。







 あそこで『英雄』を持つ赤城シンに殺された………


 ふざけるな………


 なぜ僕を殺す………


 勝手に召喚して、その上殺す?


 ふざけるな………


「復讐………」


 え? 


 声が出た?


「僕は生きているのか!?………声が違う」


 おかしい、僕はこんな声じゃなかったはず。僕の思った通りに声が出ているのに、声が違う。


 ふと周りを見渡すと、屍、屍、屍、屍……そして血の海。


「どこだ、ここ」


 よく見ると僕の体も傷だらけだ。いや、傷だらけだった? 僕の記憶に何か別の記憶が混ざっている。


 僕だけど、僕じゃない。


 魔人の村に生まれた、育った、人間が襲ってきた、殺された………


 なんだこの記憶。それに、この記憶だと僕は死んでいる。


「まさか、転生?」


 転生だとしたらなんでそんなことが……


 待て、一つだけ心当たりがある。


「まさか、『職業(ジョブ)』か!?」


 『屍ニ生キル者』


「ハハハッ………嘘、だろ…….」


 まさか、文字通り、『屍に生きる』という効果………


 言い換えるなら、『死んでもどこかの死体に転生する』。


「アハハッ! ハハハハハッ! ッハハハ!」


 もう笑うしかない。こんな状況。


「………何が、不吉だ! 国王!」


 そんなくだらないことで僕を殺そうとして!


「よくも僕を殺してくれたな、『英雄』!」

 

 あんな馬鹿げた国王の命令を聞いて、意味の分からない八つ当たりまでして!


「国王! 『英雄』! 絶対に復讐してやる!」


 僕は貴様らに、何年かかろうと復讐してやる!


「っ!」


 なんだ? 今一瞬僕の身体に何かが走り抜けたような………


 ステータスをみよう。なぜかそう思った。


「………ステータス」


__________


職業:『屍ニ生キル者』

   『復讐鬼』


技能:『屍ニ生キル』『技能継承』『爪撃』『危険察知』


__________


 『職業(ジョブ)』も『技能(スキル)』も両方増えている。


 転生したからだろうか。


 それにしても『復讐鬼』か。なかなか今の僕にぴったりなものだ。


 『爪撃』と『危険察知』はよくわからない。


 試しに使ってみればいいのか?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ