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いきなり召喚

キーンコーンカーンコーン


 授業終了のチャイムが鳴った


「アオイ〜! 今日の弁当は何作ったの〜?」


 幼馴染の稲生ユキが話しかけてきた。


「今日は唐揚げを作ったけど……なんで今日は僕が作ったって知ってるの?」


「ん? まあまあ、細かいことは気にしない!」


 もう何度目かわからない、『なんで知ってるの?』の会話をする。


 昔から彼女は僕のことを細かく把握している。


 だが何度聞いてもまあまあ、気にしない!で終わりになる。


 まあなんとなく想像はつく。親だ。昔から僕と彼女の親は仲がいい。だからすぐに知られてしまう。


「うわ! なにこれ!」


「どうしたの?」


 彼女がいきなり下を向いて叫んだ。教室のあちこちで似たような声が聞こえる。つられて僕も下を見る。


 教室の床に、大きな幾何学模様が書かれていた。しかも光っている。


「光が強くなってる……?」


 どんどん模様が眩しくなっていく。


 ここにいちゃいけない。そんな本能的な考えが僕を動かす。


「ユキ!」


「え? きゃっ!」


 彼女を幾何学模様の範囲外に突き飛ばす。それと同時に光が一層強くなった。


 何も見えなくなるほどの眩い光に、僕は呑まれた。








おおおぉぉ!


 歓声が聞こえる。


 なんだ? 何があった? あの幾何学模様が光った後一体僕はどうなったんだ?


「よく来た、異世界の者よ! 我らを救え!」


 玉座のような絢爛な装飾の施された椅子に座す人が声を上げた。


 異世界? 救う? どういうことだ? そもそも誰?


「おい、どういうことだ! ここはどこだよ!」


 赤城シンが叫んだ。よくよく周りを見ると10人くらいのクラスメイトがいた。


「陛下に対して無礼な!」


 陛下? つまりあの人は国王、または皇帝等の立場にいるのか?


「一度だけ説明するからよく聞くように! この方はリーコバ王国の国王! 国王陛下が其方らを召喚したのだ!」


「召喚!? ここは異世界なのか!?」


 そうだ、ユキは? ………いない。よかった、巻き込まれなかったか。


「我ら人間は、非常に邪悪で危険な『魔人』によって長年攻撃されてきた。其方らには『魔人』を殲滅してもらう!」


 そもそも魔人ってなんだ? ここは本当に異世界なのか?


「つまり俺らは勇者ってことか!」


「そんな、私たちが戦えるの?」


「うおぉ、夢の異世界だ!」


 クラスメイトたちはなぜか興奮している。


「案ずるな! 其方らは強力な『職業(ジョブ)』を所持しているはずだ。『ステータス』と念じてみよ!」


「ステータス! うお! なんだこれ!」


 早速試したクラスメイトが何やら驚いた顔をした。


「そこに其方らの『職業(ジョブ)』が載っている。そして『職業(ジョブ)』に相応しい『技能スキル』も所持しているだろう」


「私は、『賢者』らしいんですが、これってすごいんですか?」


「其方は『賢者』か。実に100年ぶりの賢者の誕生だ!」


「私、は、『聖女』」


「おお! 俺は『英雄』だ!」


 赤城シンが叫んだ。


面白い、続きが気になる、そう思ってくださった方へ

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