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おつかれさまノムさん

作者: 野鶴善明

 楽天イーグルスが日本ハムに敗れてしまった。

「経験の差が出たらいやだな」

 とノムさんはクライマックスシリーズの前に語っていたけど、日本ハム戦ではその経験の差がもろに出てしまったみたい。

 第一戦で逆転サヨナラ満塁ホームランを打たれて負けたのが痛かったなあ。あれがすべてだった。あのゲームはソフトバンク戦の勢いをそのままもちこんで、いい感じで勝っていたんだけど……。九回の裏に登場した楽天の福盛投手は、大舞台での経験がないから緊張のあまり調子が狂ってしまったのだろう。満塁で日本ハムの五番スレッジをむかえた場面では、点差にまだ余裕があったわけだし、押し出しフォアボールになってもいいから、ストライクくさいボール球を投げて空振りさせるか、引っ掛けさせてゴロで打ち取る手もあったと思うんだけどなあ。第一戦であのまま勝っていたら、勢いにのって日本シリーズに出られたかもしれないのに、残念。第三戦でマー君が力投して一つ勝ってくれたのが、せめてもの救いだった。

 やっぱり、日本ハムのほうが経験豊富でずっと上手うわてだったかな。でも、ノムさんも、楽天のナインもよくがんばったと思う。暗黒時代の阪神タイガースより弱かったチームがクライマックスシリーズの決勝戦に出場できるようになったのだから、ほんとに強くなった。

 これでノムさんは楽天のユニホームを脱ぐことになる。どこかよそのプロ野球チームで監督をしてほしいけど、歳が歳だからノムさんに監督を頼むところはないだろう。ユニホーム姿も、知恵をふりしぼった采配も、もう見られない。毒とユーモアと喜怒哀楽がたっぷりつまったぼやきも、もう聞くことができない。さびしい。

 おつかれさま、ノムさん。

 ゆっくり休んでください。

 夢をありがとう。


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