第四話 冒険者登録と初討伐
小説家になろうサイトの使い方が、
私にはちょいと難しい。
町を後にして、また数日が経った。
たまに旅人や冒険者とすれ違うくらいに、
道を通る人も増えていた。
にゃん吉爺ちゃんはソラの肩に器用に乗っている。
もふもふしてて気持ち良いんだけど、
たまにすれ違う人に注目されていた。
ソラ「ねぇ爺ちゃん」
にゃん吉「ん?」
ソラ「そう言えばさぁ、爺ちゃんは私以外と話さないよね」
にゃん吉「いきなり猫が喋り出したら怪しまれるじゃろ」
ソラ「あー、でも猫じゃないよね、白虎ってなに?」
なんとなく受け入れてはいたが、
白虎とはどんな生物なのだろう。
にゃん吉「ぬ?今更じゃな」
ソラ「どんなでも爺ちゃんだから、あまり気にしてなかったんだけど、結局なんで白虎なのかなぁってね」
にゃん吉「うむ、わしは万が一に備えて転生の魔術をいつでも使えるようにしておった。まだまだ死にたくはないからのぅ、まぁわしは悪魔を呼び出して其奴に転生をした訳じゃがな、わしだけのオリジナル転生術じゃ」
ソラ「それってさ、悪魔の心っていうか、元々の悪魔はどうなってるの?てか白虎って悪魔なの?」
にゃん吉「悪魔にもいろいろじゃ、上位の悪魔なら意志を持ち自ら行動するが、下級の悪魔なら自我を持たぬ者もいる。わしはそこに目を付けたのじゃ」
ソラ「じゃあ爺ちゃんは下っ端悪魔なんだ」
にゃん吉「ふんっ悪魔から見れば下っ端かも知れんが、人間からしたらどんな悪魔も悪魔じゃよ」
ソラ「ふううん、悪魔って黒いイメージなんだけどなぁ、爺ちゃん白いよね」
にゃん吉「うむ、白虎も悪魔の一種ではあるのじゃが、正直言ってわしも白虎についてはよく知らなんだ。この身体はまだ子供のようじゃがな」
ソラ「いや、知らんのかーい!てか、よく知らないのに転生したの?チャレンジャーだね」
にゃん吉「あー、まぁそう、チャレンジャーじゃ、ははは」
なんか誤魔化してるみたい。
おおかた間違えて猫になったんだろうな。
爺ちゃん肝心なところでドジだから。
ソラ「あ、ねぇなんか大きな塀が見えてきたよ」
にゃん吉「うむ、領壁じゃ」
領壁、
それは大きな街にある、
街をぐるりと囲む大きな壁。
東西南北に領門と言われる門があり、
街にはそこから出入りする。
門には門兵がいて、
出入りする者達を管理しているそうだ。
ソラ達が歩いてる道は、
街道と呼ばれ、
街から街を繋ぐ広い道だった。
どこから来るのか、
馬車も通るようになってきた。
………………………………
領門にたどり着いた。
近くで見るとけっこう大きいのに驚いた。
馬車や人々が順序よく門を通過していく。
ソラもそれに続いて門を通過しようとした時に声をかけられた。
門兵「おい君、身分証はないのか?」
若そうな門兵で、
腰には剣を下げている。
ソラ「え?私?ですか?」
門兵「そうだ、身分証が無いようだが、どこから来た?」
見たところ、他の通過しようとしている人達は、
特に身分証を見せている様子はない。
どうしてソラだけ止められて、
身分証が無いと分かるのだろう。
ソラ「えっと、私は凄く田舎の村から出てきました」
門兵「一人で?ご両親はいないのか?」
ソラ「はい、居ません、小さい時に亡くなりました」
門兵「む、そうか、悪い事を聞いたな。田舎から来たのなら、身分証の事は知らないのかな?」
ソラ「はい知りませんでした」
門兵「そうか、この街には何の為にきた?」
ソラ「えっと、世界樹を探してるんです」
門兵「世界樹?!あははは!そうか、君は冒険者志望なんだな。そして君はテイマーなんだろ?」
ソラ「冒険者?テイマー?」
門兵「なんだ?知らんのか?」
にゃん吉「知ってる振りをするのじゃ、話しを合わせろ」
肩の爺ちゃんが、耳元で囁いてきた。
ソラ「えっ、あ、あー冒険者ですね、知ってます知ってます、あはは、あ、あと、それにテイマーも、あれ美味しいですよね、あは」
門兵「ふふふ、テイマーは食べ物ではないぞ、お主はその猫を従えてるではないか、魔物や動物を従わせるのがテイマーだぞ」
ソラ「へっ?あ、あー、そっちね、そっちのテイマーでしたね、田舎にテイマ焼きってのがあるので、間違えましたぁ、あは、あはは」
門兵「ふむ、ちょっと中に来たまえ」
ソラ「えっ?私捕まっちゃうんですか?」
門兵「ん?はははは!そうじゃないよお嬢ちゃん、街に入るのに手続きがあるんだ。安心したまえ」
ソラ「あ、そうでしたか、へへ」
案内されたのは門の通路の脇にある部屋だった。
ソラ「どうして私が身分証を待ってないと分かったのですか?」
門兵「ん?それは、探知魔術だ。身分証は魔術で感知され、その者の情報が分かるようになっている。もちろん身分証を持ってなければ直ぐに分かるわけだ」
机と椅子があって、
そこに何やら書くものが置いてある。
門兵「そこの羊皮紙に、名前と年齢、あと生年月日を書きたまえ。あとお金はあるか?銀貨3枚だ。」
ソラ「はい、あります」
ソラは銀貨を門兵さんに手渡して、
名前と歳を書いた。
門兵「少し待ってなさい」
そう言うと、
門兵さんはその羊皮紙をもって、
どこかに行ってしまった。
間もなくして門兵さんが戻ってきたが、
もう一人、
女の子と一緒に戻ってきた。
門兵「ソラさん、これが仮の身分証プレートだ。これを冒険者ギルドに持って行って登録すれば正式に身分証になる」
門兵さんはそう言ってプレートを渡してくれた。
ソラ「はい、ありがとうございます」
門兵「それとな、こちらは俺の妹だ、君の2歳歳下だが、街の案内をさせるから、仲良くしてやってくれ」
ソラ「あ、はい…良いですけど…」
女の子に視線を向けると、
ちょっと恥ずかしそうにしていた。
やだ可愛い、妹にしたい。
「メイです……あ、あの…」
ソラ「はい?」
メイ「触っても良いですか?」
ん?
あー
ソラ「どうぞ!」
そう言ってソラはにゃん吉爺ちゃんを差し出す
にゃん吉「にゃ?!」
メイ「きゃー可愛いー、もふもふー」
にゃん吉「にゃぁ」
門兵「おお、ほんとだもふもふだ!」
メイがにゃん吉爺ちゃんを抱きしめて、
兄もにゃん吉爺ちゃんをなでなでしている。
兄弟二人揃ってもふもふを堪能し始めた。
中身は爺ちゃんだが、
余計な事は考えずにいよう。
門兵「いやぁ、最初に見た時から気になってたんだよ、たまたまメイが来てたから、紹介したんだよねぇ」
ソラ「あはは、そうなんですね」
メイ「お名前は?」
ソラ「私はソラ、その子はにゃん吉だよ」
メイ「にゃん吉くんかぁ、もふもふよろしくねぇ」
二人がもふもふを堪能してると、
不意に部屋の出入り口で声がした。
「おい、伝令だぞ」
門兵「はい!」
門兵の兄は出入り口で、伝えに来た門兵と話しをしている。
戻って来ると、何か難しい顔をしていた。
メイ「兄ちゃんどうしたの?」
兄「うん、なんでも近くの町で凄腕の剣士が出たらしい、この街に来るかもしれないから、来たら直ぐに報告するようにと言われたんだが…」
メイ「だが?」
兄「いや、そいつの仮称がさ、『駄々っ子ハンター』だと、何かの間違いじゃないか?」
ソラ「駄々っ子ハンター??なんだか変態的な名前ですね」
兄「そうなんだよ、目撃者の話だと、悪人を狩る正義の味方で、髪の色が変わるらしい」
ソラ「ぶぅぅぅっ!」
メイ「ソラさん?どうしたの?」
ソラ「あ、あはは、何でもない何でもない」
兄「まぁ髪はともかく、大男の凄腕剣士らしいからな、見れば直ぐに分かるだろう」
大男??
なんだソラの事じゃないのか。
兄「それにしても、鉄格子ごとゴブリンを一刀両断らしい。信じられん」
ソラ「ぶぅぅぅぅっ!」
メイ「ど、どうたの?!」
ソラ「あははは!何でもないよー」
どうやら前の町でやった事がこっちに伝わって来たらしい。
それにしたって大男で駄々っ子ハンター?!
――ま、まぁ私だとバレなければ良いけどさ。――
………………………………
ソラ達は無事に街に入った。
というか何?!
これ凄くない?!
人が多い!
お店もたくさん!
何何??
あれ何が売ってるの?!
うわ、すごーい!
これが街なの?!
キョロキョロしているソラに、
メイが声を掛けてきた。
メイ「あの、ソラさんは街は初めてですか?」
ソラ「えっ?!う、うん、実はそうなんだ、てへへ」
メイ「そうなんですね、じゃぁ冒険者ギルド行ったら、少し案内しますね」
ソラ「ほんと?!嬉しいかも」
メイ「はい、にゃん吉くんを抱かせてくれたお礼です、ふふふ」
にゃん吉爺ちゃんはソラの肩に乗っている。
「にゃ」
しばらくキョロキョロしながら歩くと、
剣や杖を持つ人達が目立ってきた。
彼等もこちらを見てくる。
というかにゃん吉見てるんだよね、きっと。
メイ「ここが冒険者ギルドです」
メイの案内で来た冒険者ギルドは、
意外と大きな建物だった。
中に入るとホールみたいになっていて、
テーブルが並び、
沢山の冒険者達が食事や会話をしていた。
奥に進むと横に長いカウンターがあって、
数組の冒険者がカウンター越しに話しをしていた。
ソラも、メイに促されてカウンターに行く。
「あらメイちゃん、今日はどうしたの?」
メイ「この方を案内して来ました」
メイの知り合いなのか、
気安く会話をする女性職員。
ソラ「よろしくお願いします。」
職員「あら、可愛いわねぇ、冒険者登録なの?」
ソラ「えっと、田舎から出てきたばかりなので、よく分からないんです。とりあえずこれを」
ソラはさっき貰った借り身分証を女性職員に手渡す。
職員「仮身分証ね。わかりました、では冒険者登録しましょ」
んー
なんか注目されてる気がする。
視線を感じるんですけど…
女性職員は奥から何やら持ってきた。
水晶玉?
綺麗…
職員「これはね、魔術具なの、まずはこれであなたのランクを決めるの」
ソラ「ランク?」
職員「冒険者にはランクがあるの…」
冒険者ランク
冒険者にはランクがあり、
それぞれのランクに応じた依頼を、
冒険者はこなしていく事になる。
ランクが制定された時はEからAランクの5段階だったが、
年々上がる冒険者のレベルにランクが対応しきれず、
今では、AA AAA S SS SSSと、
更に5段階が追加されて、
全部で10段階のランクがある。
職員「あなたはテイマーで良いの?」
にゃん吉「魔法剣士じゃ」
にゃん吉爺ちゃんが囁く
ソラ「え?魔法剣士?」
思わず聞き直してしまった。
だって、そんな大して強くないし。
そりゃぁ龍人ソフィアになれば強いみたいだけれど…
職員「ん?ソラさんテイマーじゃなくて魔法剣士なの?」
ソラ「えっ?!あ、あぁうん、そうみたい、です」
「あの子供魔法剣士だとよ」
「剣はどこだ?」
「ふん、卑怯者テイマーじゃなくて良かったぜ」
などと聴こえてくる。
やはり注目されてる。
職員「魔法剣士なのね、わかりました。ではここに手を置いてください」
女性職員が水晶玉の上に手を置くように言ってきた。
言われるままに手を置く。
職員「そのまましばらく置いていてね。ところでソラさんは、冒険者になって何をしたいですか?」
ソラ「えっと、世界樹を登ります」
「「「「「!!!!」」」」」
皆がシンと静まり返る。
「せ、世界樹だぁ?!?」
「わははははこりゃぁ良い!」
「笑ってやるな、田舎者なんだから、がははは」
どっと周りが騒ぎ立てる。
ソラ「な、何?!変な事言った?」
職員「ソラさん、世界樹は未だに発見された事の無い御伽噺の中の樹なの」
女性職員が微笑みながら教えてくれる。
ソラ「え?そうなの?だって爺ちゃん…」
「残念だったなぁ嬢ちゃん、また遊びに来なよ、がははは!」
ソラ「むぅ…」
ソラが膨れていると、
水晶を見ていた女性職員が声を上げる
職員「えっ、うそでしょ?!」
ソラ「どうしたんですか?どーせ田舎者なんで、対して強くも…」
職員「A…」
ソラ「はい?」
メイ「うそ」
職員「Aランクですよ!」
「「「「「「「「はぁ?!?!?!」」」」」」」」
……………………………………
メイ「あっはははは!」
冒険者ギルドを出てきてから、
メイは笑いっぱなしだ。
あの後の冒険者達の驚きようは、
確かに面白かった。
途端に態度を変える者や、
青ざめる者、
こっそり逃げる奴もいた。
あの場に居た全員が、
ソラを強者と認めたようだった。
まぁソラ自身、そんな自覚は皆無なのだけれど。
メイ「ソラさん凄い人なんですね、最年少Aランク冒険者ですよ」
ソラ「うーん、そうなのかなぁ、あの水晶壊れてるんじゃない?」
本気でそう思う。
メイ「女性職員も言ってたじゃないですか、間違いないって、それにランクは知識も反映されるから、これからいろいろ覚えたらAAもすぐだって、凄いです!」
メイが羨望の眼差しで見て来る。
こそばゆい。
メイ「ソラさん、これからどうします?」
ソラ「ん?んー、今日はなんか疲れたから、宿屋を探すよ。良いところ知ってる?あと、それと」
メイ「なんですか?」
ソラ「さんはもういらないよ」
メイ「え?い、いーの?」
ソラ「うん、もちろん!」
メイ「じゃぁ、ソラおねぇちゃん!えへへ」
あーメイを妹にしたい、
可愛いわぁ。
ソラ「メイは宿屋知ってるかな?」
メイ「ソラお姉ちゃん、うちにきてよ!もちろんにゃん吉も大丈夫だよ!」
ソラ「良いの?」
メイ「うん、ソラお姉ちゃんともっと一緒に居たい」
………………………………
それからソラとにゃん吉は、
メイの家にしばらくお世話になった。
一泊だけのつもりが、
ついつい甘えてしまった。
滞在している間にした事は、
まず文献を調べに行った。
世界樹について知りたかったから。
冒険者ギルドには書籍コーナーがあって、
いろいろと調べ物ができた。
ソラ「うーん、世界樹ってほんとにないのかなぁ」
にゃん吉「あるぞ」
ソラ「無いって言われたじゃん」
にゃん吉「凡人はほっとけばいい、それより文献を漁るなら、白虎について調べて欲しいもんじゃ」
カンッカンッカンッカンッ
突然外から鐘を叩く音が響いて来た。
ソラ「ん?なに?」
男性職員「ソラさん!なんか起きたみたいだ!冒険者は現場に向かってくれ」
…………………………
事が起こっていたのは領門のすぐ外だった。
ソラ達がやってきた東門、
メイのお兄さんがいるはずだ。
その向こうに強力な魔物が出現していた。
ソラ「あれは?!」
にゃん吉「ケルベロスじゃ!」
ソラ「ケルベロスって、あんなに頭が多いの?」
にゃん吉「最低でも頭が3つで、強い個体ほど頭が増えるんじゃ、あれは相当厄介じゃぞ」
他の冒険者も集まって来た。
「なんだよあれ!?なんであんなのが来るんだよ!」
「やべぇぞあれは」
「何人で行く?」
「おい!状況は!?」
「あ!ギルドマスター!」
ギルドマスターと言われた男は、
かなり鍛えてあるのか、
筋骨隆々なのが服の上からでも分かる。
ロングソードを装備して、
ギルマス自らやる気だ。
ギルマスはソラを見つけると、
直ぐに近寄ってきた。
ギルマス「君がソラだね。私はギルマスのラートルだ」
ソラ「はい、ソラです」
ラートル「あれは見たところ、Aランク相当の魔物だ。いやもしかしたら、AA相当かも知れない。一緒に討伐してくれないか?私と君なら出来ると思う」
ソラ「私で良ければ」
あの門にはメイのお兄さんがいるはずだ。
すぐにでも門に行かなくては、
門兵に被害が出るだろう。
ギルマスの提案に断る理由はない。
ギルマス「では行こう、私の援護を頼む」
援護?
走りだすギルマスに付いて行く。
ソラ「あの、すいません」
ラートル「な、なんだい?」
ソラ「私、援護とかした事なくて、どうしたら?」
ギルマスはちょっと難しい顔をしてから、
言った。
ラートル「では君の自由に戦いたまえ、私が援護する」
ソラ「分かりました」
ソラは更にスピードを上げた。
ラートル「なっ?お、俺は全速力だぞ…」
そんなラートルを置いて走るソラ。
何人かの門兵が、ケルベロスを牽制している。
その中にお兄さんもいた。
無事で良かった。
ソラはそんな門兵の間を走り抜け、
ケルベロスの正面に迫る。
門兵「あ!おい危険だぞ!」
兄さん「あれは!」
門兵の声が聞こえてきたが、
構わずにケルベロスの前に出た。
近くで見るケルベロスはでかかった。
3~4メートルくらいあるんじゃない?
ソラは空間から刀を抜く。
にゃん吉はソラの肩から飛び降り、
ケルベロスに魔法を放った。
にゃん吉「ほれ、火の魔法じゃ、喰らえ」
ケルベロスに火炎が飛んでいく。
ソラはその後からケルベロスに向かって飛んだ。
ソラ「やっ!」
炎がケルベロスに当たる。
「グ、ガオォォォ」
その隙にソラは刀を一閃
ソラ「えいっ!!」
「グギャァァアアア」
一気に2本の首を切り落とした。
ケルベロスが悲鳴を上げているが、
凶悪な目はしっかりとソラを睨んでいる。
ソラは後ろに回り込みケルベロスの注意を引く。
何本かの首はこちらを見てるが、
あとは周囲を見ている。
死角がないよ。
何本首があるんだよ。
しかし、首を切られたケルベロスは身体をソラに向けて向かってきた。
あ、怒ったのね。
でもこれで位置関係は、
ソラとにゃん吉とラートルとでケルベロスを挟み撃ちの形になった。
ケルベロスは門に背を向けてソラに向かっている。
にゃん吉「アイシクルアローじゃ」
氷の矢がケルベロスに向かう。
にゃん吉の氷魔法だ。
一本がケルベロスの目に刺さった。
「グガアアッ」
スキあり
ソラ「とうっ」
ジャンプして一閃
また首を落とす。
あと何本??
と、そこへ
ラートル「一文字斬り!!」
「グワァアア」
遅れてきたギルマスだった。
後ろ左脚をぶった斬ろうと剣を入れたが、
足は切り落とすまでにはならない。
ラートル「後衛が来るまで粘れ!」
ソラ「はい!」
思わず返事をしたけど、
後衛ってなに?
にゃん吉「空気砲、アンド、エアカッターじゃ」
首の一本が空気砲をくらい仰反る。
そこへエアカッターが炸裂。
また一本切り取る。
さすが爺ちゃん!
ラートル「あ、あの猫は魔法を使えるのか?!猫じゃないのか!?つ、強い…」
残る首は、1・2…4本だ!
「おりゃあああ!」
そこへ兵士の一人が突進してきた。
メイのお兄さんだ。
背を向けているケルベロスに対して無謀な突っ込みをしている、
チャンスと思ったのかも知れない。
ギルマス「あ!バカ!ダメだ!」
「グル、オオオオ…」
何かする気だ!
お兄さん危ない!
「グバアア」
ケルベロスは4個の口から炎のブレスを放った、
ソラ、にゃん吉、ギルマス、お兄さんと、
ご丁寧にそれぞれを狙ってきた。
ソラも、ギルマスももちろんにゃん吉も難なく避けたけど、お兄さんだけはブレス攻撃に当たってしまった。
兄「うわぁあ、熱い!焼けるぅー」
にゃん吉「水玉!」
すかさずにゃん吉がお兄さんを水魔法で消化し、ケルベロスとお兄さんの間に入って牽制する。
ギルマスが駆け寄りお兄さんを戦線から運び出す。
しかしケルベロスがそれを逃す訳がない。
「ガアア、オオオオ…」
来る!またブレス攻撃する気だ。
メイの泣く姿が脳裏に浮かぶ。
優しくしてくれたお兄さんの笑顔が浮かぶ。
ソラ「させない!!」
≪パリンッ≫
心の奥で音がした。
ソラ「豪剣雷撃!!」
爺ちゃん直伝の上段からの必殺の技が炸裂した。
動きの止まったケルベロスは、
ゆっくりとふたつに割れて、
倒れた。
ソラは返り血を頭からたっぷり浴びてしまった。
その瞬間、すうっと頭から血が引いていくのが分かった。
ソラ「うへ、ベトベト…」
「「「「「「「うおおおーーーー」」」」」」」
「えっ?!」
いつのまにか冒険者達が後衛として駆けつけていた。
ソラの姿を見られたかも知れないと思ったけど、
ソラと冒険者の間にケルベロスがいた為に、
ソラの龍人化した姿は見られなかったみたいだ。
おまけにケルベロスの返り血をたっぷり浴びてしまい、ソラは真っ赤っかだ。髪の色など分かりはしなかった。
「「「「「「「すげーーー!!!」」」」」」」
「実質一人で倒しちまったぞ!!」
「あんな剣技見た事ねー」
「あの曲がってる剣とんでもなく斬れるぞ!」
「速すぎて見えなかったぞー」
「ソラ万歳!!」
「惚れたぜーー」
「もふもふーーー」
冒険者達は、
ケルベロスが真っ二つにされたのを目の当たりにして大興奮だったのだ。
しかし、そんな冒険者達に隠れて、
一人悔しそうな男がいた。
手にはテイマーがよく使う宝玉の杖を持っていた。
その時のソラはそんな事に気付く事も無く、
冒険者達に揉みくちゃにされたのだった。
【読者の皆さま】
いつも読んでいただきありがとうございます。
小心者の私に、
↓ の★★★★★を押して勇気を下さい。
よろしくお願いします!
白村
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