秋田
まずは秋田県を舞台に書いてみました。
深田喜助は越中富山の置き薬と知られている富山の薬売りです、正式には家庭薬配置員と言います。
深田の懸け場は、秋田と石川へ行商へ行くのです。
11月、深田は東北の秋田県へ行商へ行っています。
「ごめん下さい。」
「はい、どなたですか。」
「こんにちは、富山の深田です。」
「おや、薬屋さんこんにちは、私ね腰が痛くて、ケロリン飲んで、貼り薬も使ったんです。」
「ほう、よかった、よかった、おっ、たくさん薬使ったね。」
「はい、昨日は夫が下痢をしてね、赤玉飲んだんですよ、その後夫が熱出て風邪薬とせき止めを使いました。」
「そうですか。」
売薬さんは、半年か3ヵ月に家庭に訪問し、使った分だけ代金を受け取り、古くなった薬は新しい薬に取り替えます、その時に又新しい薬を補充するのです。
「はい、風邪薬、せき止め、ケロリンと赤玉で代金は2480円。」
「はい、お金。」
「どうも、ありがとうごさいます。」
と、薬を薬箱に詰め込み、お客さんに渡しました。
「それじゃ、お元気で。」
「はい、ご苦労様でした。」
と、言って次の家まで向かった。
柳行李を担いで、今日も街から村へと向かって薬を売りに行くのです。
次は、何処へ周るのかな?