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はじまり

「いいか、健。バーってのはな、幸せで安心な場所なんだ。ここに来るお客さん、みんながそれぞれの人生を生きてる。みんな違う人間なんだ。でも、ここに来たらみんな仲間だ。傷を舐め合って、慰め合って、助け合って、補い合う。俺はな、全人類を幸せにすることはできない。けれども、自分の目の届く範囲の人は幸せにしてやりたい。だからこのバーを開いたんだ。……よく分かんねえって顔してんな?でもな健、お前にもきっと分かる日が来る。そんでその時には、お前のつくった幸せと安心が、そこにあるはずだ。」

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