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レンゲツツジ

作者: みあ


「もう一度、お願いします!」


憧れる場所、目指した場所。

誰もがあると思う。

私が目指す場所は、遠くて今は届かないけれど……必ず届いてみせる。



小さい頃にみた、テレビ番組。

キラキラしていてカッコよくて可愛くて、輝いているグループがあった。

それが今人気のアイドルグループとは私はその時、気が付かなかった。


そもそもアイドルって選ばれた人間がなるものであって、一般人がなれるものではないと考えていた。

だから、衝撃的だった。

新メンバーオーディションという言葉が。


「お母さん! 私これ受けたい!!」


そのアイドルグループと出会って数年経った時に、行われたオーディション。

募集要項に満たしているのを確認して、母に言った。


「いいけれど……アイドルは過酷で辛いことも多いのよ。それでも?」


テレビの裏では汗の滲むような努力、立ち上がれなくなりそうになっても立ち上がる気力、そして何があっても笑顔でいる心。

母は私に説明をしてくれた。


「それでも!」


それでも、私は受けたかった。

あのキラキラした人たちと一緒に、私もキラキラしたかったから。

あの世界に、踏み入れたかった。


「それなら約束をして。目標はあのグループじゃない。あのグループで一番の人気になること」


それがどういう意味か分からなかった。

けれど、その約束でオーディションを受けられるなら……


「分かった」


そして、私はオーディションへ進む。

運良く最終審査まで進んだ。


周りは輝いている人が多かった。

自分が場違いではないかと錯覚するほどに。

でも、ここで立ち止まっていたら辿り着かない。

あの人たちのいる世界に。


お母さんの言葉が頭に過った。

「一番の人気」

ここにいる人たちよりも、人気にならないといけない。

この人たちよりも輝かないと、あのグループには入れない。


私は最終審査で、歌も、ダンスも、ダメかもしれない。

でも審査員をお客さんだと思って、出せる力を出してやった。



そして、掴んだ合格。

オーディションで気が付いた、アイドルへの難しさ。

お母さんが言っていたのは、こういうことだろう。

アイドルになれたから、終わりじゃない。

日々努力と今いる憧れの人たちに追いつかないといけない。


ようやくスタートラインに立てたと分かった。

一番の人気になるために、私は出来ることをやってみせる!

4月16日の誕生花はレンゲツツジ

花言葉は「向上心」「情熱」

アイドルって、デビューして満足しているのではなく……そのあとの成長をみるのが楽しいなぁと。

アイドルになったから終わりじゃなくて、あくまでもスタートラインに立つことが出来たという認識の人の方が輝いているのかなって感じる近頃。

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