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エピソード8 平和な野外訓練③


パーティーに分かれた生徒たちは

ギルド商会の中にあるクエストボードの更新を

待っていた。



私はスゥーと息を吸い込み

大声で生徒たちに向かって伝えた。



『冒険者の方の邪魔にならないようにしてねー!

 依頼は後からじっくり見て選ぶのよぉ!!

 いいわねぇぇ!!』



うん。うん。

教師らしい威厳のあるセリフだわ。



「先生、うるさいです」



生徒から注意される


……威厳とは⁈



私は生徒たちにじっくり見ろと言ったが、

街ギルドは王都ギルドと違って

難しい依頼が少ない。



依頼はS〜Eまでランク付けされており、

1番下のEランクの依頼は

気軽に受けれるほど簡単な内容だ。

例えば

薬草の採取や荷物の運搬など、

安全な依頼が多いのだ

その分、報酬も安い。



チリリン♪とベルが鳴った。


街ギルドの冒険者達が次々に依頼を受けている。


どうやらクエストボードが更新されたようだ。



クエストボードの前がすいてきたところで、

生徒たちも張り出されている依頼を閲覧している


生徒たちのパーティーが多いので、

①のグループから順番に閲覧することになった。



甘飴甘味(あまあめかんみ)「ドラゴン退治とかないかなぁ?♪」



てふ「ドラゴンかぁ!素材ほしぃ!」



レート「甘飴甘味(あまあめかんみ)さん。

    てふさん。

    ドラゴンはもう絶滅してるよ?

    まぁ、

    どんな依頼でも僕が君達を守るよ」



自分のことを"僕"っと呼んでいる女の子

名前は『レート』だ。


クラスメイトたちのまとめ役としても優秀で

とても真面目な生徒だ。


他の先生達からの評価も高い。



甘飴甘味(あまあめかんみ)「かんみのことは

     かんみって呼んでくれてええで♪

     てふてふのことも、

     てふてふって呼んであげて♪」

 

  てふ「てふてふって……

     かんみ、

     それあだ名や。

     まぁ、ええで♪」



聞けば てふ は

甘飴甘味(あまあめかんみ)と同じ故郷の出身だそうだ。

昔からの知り合いでもあり友達なのだろう。



わたあめ「かんみちゃんと一緒のパーティーやぁ!

     ばり嬉しい♡

     みんなの為にがんばるばいね♡」


可愛いらしい仕草や博多弁がかわゆい女の子

名前は『わたあめ』。

彼女は変身魔法が得意なのだ。

回数に制限はあるが、

変身しては相手の魔法や技を

魔力の範囲内なら使うことができるのだ。



にぎぃ「みんなが怪我しても

    私の治療がちゃんと効きますよーに。」



この女の子の生徒は

神様にでも愛されているかのような

神々しいオーラを(まと)っている。

とゆーか(まぶ)しい。


……若さなの⁈若さから来る輝きなの⁈



イメージとしては

斎木楠雄(さいきくすお)災難(さいなん)

に出てくる照橋心美(てるはしここみ)みたいな女の子だ。

守ってあげたくなる可愛いらしさを持っている。




少し離れて

この美少女たちのことを

優しく見守っている1人の男子生徒がいた。



「(私がこのギルド学園に入った理由はひとつ、

そう、、、

たったひとつのシンプルな理由、、、

それは、、、


『美少女の一瞬の煌めきを撮ること!!』


そう、、、

私は悟ったのさ、

時間(トキ)が流れれば人間は老いてゆく、、、

あぁ(なげ)かわしい、、、(なげ)かわしい、、、

私は『可愛い』や『美しい』をこの世に残しておきたいのだ!)」



熱い想いを胸に抱いているのは、

一人称が『私』だが見た目や中身が男の子の生徒だ。

手には"魔道カメラ"を持ち、

彼は常にシャッターチャンスを逃さないでいる。


とゆーか、


例え逃したとしても彼なら

"周りの時間を少し戻す魔法"を使って

美少女たちの一瞬の煌めきを撮るだろう。

そんな彼の名前は『たつかぜ』

想い出の観察者でもあり時空魔術師だ。



続いて②のパーティー



ダイ「はじめましてだね。夏輝(ナツキ)くん。

   部隊は違えど同じ騎士団を目指す者

   お互いがんばろう!」



夏輝(ナツキ)「 お、おぅ。よろしくな。

   (意外と熱いやつだったんだな)

   ……おーい、ベコぉー。

   なんか面白そうな依頼はあったか?」



竜騎士見習いの『ダイ』と

聖騎士見習いの『夏輝(ナツキ)

騎士見習いの2人は

卒業後は王都ギルドの騎士団に所属をするのだ。


……王都ギルドって言ったらエリートだからね?

この子たちは将来は有望株だからね?

狙っている女子達も中にはいるんだからね!



アカベコ「……う〜ん、

     (らく)そうなやつはねぇなぁ。

     めんどくさそうな依頼ばっかだぜ?」



夏輝(ナツキ)「聞いたのは"(らく)そうな"じゃねぇ!

   "面白そうな"だ!

   お前はめんどくさいのが嫌いなだけだろ!」


アカベコと夏輝(ナツキ)は入学してからすぐに

仲良くなっていた。



シャウラ「……おぃ赤髪(あかがみ)

     選んだなら早くどいてくれよ」


音も無くクエストボードに近寄ってきたのは

青い髪が目立つ『シャウラ』だった。

美声で整った顔立ちだが中身は女の子だ。

しかしその美声とルックスで、

早くもギルド学園にいる女の子たちから

人気が高いのだ。



アカベコ「……はい、はい。

     悪かった 悪かった。 

     あーうぜっ。」


アカベコは両手を頭の後ろで組み、

早く依頼を達成しては帰りたくて出て行った。



カメリア「……にこっ。」

(この子たちはなんで私の魔法が効いてないの??)


ニコニコ笑顔を絶やさず、

そして無駄口は一切言わずに

このパーティーと組んでいるのは『カメリア』

普段は教室では女王様の位置(ポジション)を守っている。

しかしこのパーティーになってからは

内心は穏やかではなかった


なぜなら、

いつもいる『カメリア親衛隊』の

〈俺が!三人衆〉が居ないからだ。


そして彼女からは微力の魔力が放出されており

少しの魔法の効果があるのだ。

その魔法の効果とは

相手を魅了する効果なのだ。



続いてはこちらの……


「なゆ姫先生!!はぁ、はぁ、」


(わっ!びっくりしたぁー)


息を切らしながら私の目の前に現れたのは

先ほど

平原の様子を見に行っていたヴェポ先生だった。



「ヴェポ先生?

 そんなに急いでどうしたんですか?

 トイレでも行きたいんですか??」


私はヴェポ先生が呼吸を整え終えるのを待った。


「それが……

 孤児院に向かうまでの平原の奥に、

 不自然な岩がありました。

 その岩陰に隠れるようにして

 魔法陣が(えが)かれてありました。

 ……間違いなく(トラップ)です。」


私はヴェポ先生から

怪しげな魔法陣の情報を教えて貰った。



「なるほど、

 そんな術式だったのね、、、

 近くに術者がいなかったのなら、

 〈転送魔法陣〉の可能性が高いわ」



魔法陣の中にいる人を

強制的に移動させる魔法のことだ。


ちなみに魔法陣の近くに術者がいれば

〈転移魔法〉として呼ぶの。

転移魔法の方は任意の場所に飛べるから使いやすい

その反面、

とても難しい魔法なの。



しかし、

聞いただけでもあからさまな(トラップ)ね……

これに引っかかるのは子供ぐらいよ?

……いや、

もしかしたら子供を狙った(トラップ)なのかも??


ヴェポ先生はすぐさま魔道具を使い、

ギルド長こと学園長の『賢者モフ郎』に報告をいれた。


私も持っている通信用の魔道具を使い、

王都ギルドへ連絡をいれた。


北の国で開発されたこの通信用の魔道具……

やたら魔力を使うのよね。


この後

何事も無ければいいのだけれども、、、


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