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エピソード5 誰と組むかは運次第

学園長ことギルド長のおじいちゃんが、

私を学園長室に呼び出し、お説教を始めた。


あぁ……

これはまたお給料を減らされる流れね……



モフ郎『前回のエピソードでの

    生徒たちの紹介の件じゃが、、、

    ……あれはなんじゃ?

    仮にも教師が生徒に向かって、

    バカ呼ばわりするとは、、、

    まったくもってけしからん!

    教師の立場をわかっとらん!!

    なゆ姫先生の教室(クラス)

    特殊な子が多く、

    将来が有望な人材ばかりなのじゃぞ!

    それをなんじゃ……』



おじいちゃんがクドクドとお説教をしている。



生徒に向かってバカって言ったことを怒っているの?

リゼやアンジュを出したことは怒らないのかしら?

「そこは触れないでおこう精神」なの?

それにやっぱり私の教室(クラス)って、

変わった子をーーー

……訂正、訂正。

特殊な子を集めたのね?


私はお説教を聞きながらも、

そんなことを頭の中で巡らせていた。


『……ワシはのぉ、、、

 なゆ姫先生ならきっと、

 あの子たちを立派な冒険者や職人へと

 育ててくれると信じておるのじゃ……』


学園長はさっきまでの険しい顔から一変、

お説教をしていたのが嘘のように、

今度は捨てられた子犬のような目で、

私に託すようにそう言ってきた。


おや?

私はてっきり怒られてお給料を減らされるかと思ったんだけど、、、

これはそうはならないみたいね!


やっぱり噂は本当なのかしら?


『賢者モフ郎の孫娘がもうすぐ入学してくる』


って噂なんだけどね。


それで丸くなってきているのかもね。

おじいちゃんは孫に弱いからね。うんうん。



お説教もほどほどに終わり、

私は自分が受け持つ教室へと戻った。



廊下を歩いていると、

ひらひらと桜の花が舞い落ちては、

廊下の床にペタリと張り付いたの。



私はギルド学園に生えている立派な桜の木を

眺め、

風流を感じていたわ。


するとどこからか、


作りかけのメロディーが聞こえてきたのよ。


それはとても優しく綺麗なメロディーだったわ。




私は音の発信源を見つけてやろうと、

キョロキョロとしながら探したのよ。


桜の木の下で、

赤い髪の男の子が魔道具を使って作曲している姿を発見したわ。


魔道具ってのは魔力を使って様々なことができる道具よ。


赤い髪の男の正体は、、、


そう、、、


教室で甘飴甘味(あまあめかんみ)とぶつかりそうになっていた男の子、

「アカベコ」よ。


この子のことは、、、


……うん。触れないでおこうかしら。

さっ、次に行きましょうね。


次回につづく。


アカベコ「……え?

     マジで俺の紹介おわり???

     ギルド学園編の俺の扱いひどない?」


ーーー


場面は変わり、授業中


ーーー


なゆ姫「〜〜で、

    あるからして〜

    魔法を扱う者はより知識を幅広く〜

    気力を使う者は己の肉体を鍛え〜」


キーンコーンカーンコーン♪


なゆ姫「……あら、

    今日の授業はここまでね。

    明日は戦闘の実習をするからね?

    孤児院の近くの平原で、

    モンスターを狩る野外訓練よ。

    だから明日までに

    パーティーを作っておいてね。」



私は教室を去ろうとしたが、

生徒たちから質問が飛んできた



レート「先生。

    パーティーは何人ぐらいが理想ですか?」



真面目な質問だ


続けて別の生徒からも質問がきた。



ダイ「 職人を目指している生徒達は

   どうするのですか?

   戦闘ができない人は危険なのでは?」



他の生徒たちの身を心配している質問だった。


悪田(わるだ)わるぞう「オレっちワルだからよぉ

       なんなら職人見習いのやつらは、

       まとめてオレっちの舎弟(しゃてい)

       してやってもいいんだぜ?」


悪ぶってるが、

ようは戦闘ができない子らの面倒を見てあげる

ってことよね?

……わかりにくいわね。

てかお前も職人の職業だろうがっ!



生徒たちが疑問に思っていることを率先して

聞きに来たのは、

魔闘士の職業を目指している「レート」と

竜騎士見習いの「ダイ」だ。

2人共、戦闘には自信がある様子。



「そこは自分達で考えなさい。

 ギルドで依頼を受ける時はね、

 ソロの依頼もあれば、

 パーティーでしか受けれない依頼もあるの。」


続けて私は説明した。


「職人の職業を目指している生徒たちも、

 ちょっと聞いておきなさい。

 素材を集めないといけない時は、

 自ら依頼を出したり、

 またはパーティーに入って一緒に狩りに

 ついて行く必要があるの。

 ちなみに報酬はあらかじめ決まっているから、

 パーティー人数は多い方が良いって訳でもないわ。

 前衛、後衛のバランスも大事よ?

 かと言ってソロだと命の危険度はあがるの。」



っと、


普通ならいろいろ考えてパーティーを決めるのよ。



「……とは説明したものの、

 最初だから難しく考えずに、

 あなた達の好きにパーティーを作ればいいわ。」


なぜなら明日はヴェポ先生も一緒に、

野外訓練に付き合ってくれるのよね。

それに、

あの辺りは弱いモンスターしか出ないのよ。

ぶっちゃけると、

あの辺りのモンスター程度なら、

見習いの生徒たちだけでも余裕なの。



「かんみちゃん一緒に組もうよ!」


「あ、ずるぅーい。わたしもわたしも!」



……甘飴甘味(あまあめかんみ)

いつのまにかクラスの人気者になっているわね。


そして甘飴甘味(あまあめかんみ)とは別の人気者が、、、


「カメリアさま!

 俺が命に代えてもお守りいたします!」


「違う俺だ!カメリアさまを守るのは俺なの!」


「バカ言えお前ら、

 お前ら2人じゃねぇ、

 カメリアさまの護衛は俺がするんだってばよ!」


3人の男が1人の女の子を取り合っていた。



「俺が!」「俺が!」「俺が!」



……どうぞどうぞ。って言いたくなるわね。




男を(ひざまず)かせているのは、

教室(クラス)で女王様のポジションを得ている女の子、

名前は「カメリア」

男だけではなく、

女も魅力する妖艶な生徒なの。



シャウラ「ふっ……

     弱いやつは群れたがるからなぁ」


腕に自信のある一匹狼な生徒もいた。



アカベコ「……ふわぁ〜ッっ、、ねみぃ。」


こちらの生徒は、「めんどくさいことはパス」

っと言った感じだった。



十六夜(いざよい)

「……お外、でたくない」ボソッ


1人すみっこで本を読んでいる生徒もいる。



ソロで行こうとする者、

さぼろうとする者、

引きこもろうとする者、


……ほんと個性的な生徒たちね。



甘飴甘味(あまあめかんみ)

「パーティーをね、くじ引きで決めちゃおっか♪」


甘飴甘味(あまあめかんみ)の提案に、

クラスメイト達みんなが驚いた



アカベコ「それって全員やるのかぁ?」



「もちろんみんな♪」



甘飴甘味(あまあめかんみ)の意図はこうだ


くじ引きで4〜5人のパーティーを、ランダムで作っていく、、、

この機会にまだ仲良くなっていないクラスメイト達とも仲良くなろうってことらしい。


もちろん冒険者の職業と職人との組み合わせは

ちゃんと上手く組み合わせるとのこと。


予想もしないグループが出来あがることに、

みんな内心はワクワクしていた。



……こそーり。

ナカジマ「……

     (おい、いその!

     くじ引きに細工してこいよ!

     俺達が『りと!』ってやつと、

     同じパーティーになるようにさ)」



コソコソと、なにやら内緒話をしては、

不穏な動きを見せている生徒たちがいた。



甘飴甘味(あまあめかんみ)

「みんなぁ〜♪

 くじは引いたかなぁ〜?♪

 せーのであけてなぁー♪

 行くでぇー♪……せーっのっ!♪」バンッ!




……いや待って?

せーのっ!って、

全国共通の言葉なのかしら⁈

後でググッとくわ!



そして気になるくじ引きの結果は⁈



ーーー


『次回!

 くじ引き虚しく、、、

 アカベコ、ぼっちで狩りに行く……』


を、お送りするわ!

また来週お会いしましょう!




アカベコ「……」



アカベコ「なぁ?

     俺をオチに使うのなんなん?」



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