エピソード35若者の声
空には星々が綺麗に輝いていた。
夜に決行した今回の〈王宮侵入〉も
いよいよ最終局面となってきた。
大量の水をぶっかけられたお城には、
ポタッポタッと水が滴り落ちている。
屋上で待機していたcチームの元に、
他のチームも集まってきた。
後は屋上に設置してある魔道具を発動させ、
みんなで脱出するだけだ。
時間通りに国王様との交渉が上手くいけば良いのだが……
屋上に待機しているみんなは、
星々を見上げそう思った。
(きっとアニメ版なら、
このシーンでそれぞれが思っていることが
詳しく表現され、笑いを取ることでしょう。
ですがここでは省略いたします。)
クラスメイト達のおかげで、
なんとか玉座の間に辿り着いた甘飴甘味とりと!。
2人は恐れず玉座の間へと進んだ。
そこには、、、
玉座に座る1人の人物が方肘をつきながら、
ドッシリと座り、
2人を見下ろしていたのだ。
「……お前たちが侵入者か?
その制服、、、
ギルド学園の生徒だな?」
玉座に座っているこの東の国の国王から、
先に言葉を投げかけられた。
見た目はダンディなおじさまだった。
一般市民ならここで跪き、
礼を尽くすのだろうが、、、
この2人は凛としてその場に立ち、
自分たちの要求を突き付けた。
「えぇ。
わたしたちはギルド学園の生徒よ。
国王様にお話があるの」
りと!は偽ることなく正直に答えた。
「ちすちす!
はじめまして王様♪
王様にお願いがあるんだけどぉ♪」
まるで仲の良い友達に頼みごとをするかのように、
甘飴甘味は目の前のダンディなおじさまに向かって両手を合わせ
「おねがぁい♪」っと可愛くポーズをとっていた。
2人の言動に国王は微動だにせず、
「それで?」っと話の続きを催促した。
りと!は一歩前に出ては、
国王を見つめながらこう言った。
「わたしは自分が作った魔道具を世に広めたいの。
魔力が弱い人でも快適に過ごせる世の中を
本気で作りたいと思っているわ」
りと!はハッキリとした口調で言った。
魔道具の消費には魔力がいる。
当然、
魔力が弱い者にとっては扱えない。
天才錬金術師はそれを改善しようとしているのだ。
魔道具は主に、
北の大陸の国からの輸入品だ。
それを自国で生産し、
他の大陸まで輸出できるとなると、
そこには『莫大な資産が生まれる』なんてことは、
小さい子供でもわかる至極当然な答えなのだ。
しかし国王はその提案には懐疑的だった。
なぜなら魔道具は、
北の国の錬金術師(桑田)家と言う名家が作っているからだ。
それより優れた物でないと、
利益を出すのは難しいだろう。
悩んでいる国王を納得させようと、
「この子の才能は本物!」っと、
甘飴甘味は熱く語っていた。
そこへ、、、
ーーガガ、、
「そろそろ時間だぞ?
交渉はどうなってる??」
屋上で待機している仲間達から魔道具の通信が入った。
「!!!
……なんだそれは?
その見たこともない魔道具は?」
国王は、
りと!が作った"インスタント魔道具"に
興味を惹かれた。
『論より証拠』だと甘飴甘味は悟り、
ズカズカッと国王様の所まで近付いては、
「ん!……んっ!!」
っと、
まるでト●ロのあの少年のように差し出したのだ。
(ちなみに甘飴甘味はジブ●には詳しくないので
偶然です。)
無言で受け取った国王は、
じっくりとその魔道具を観察した。
「ほぉ……これは素晴らしいな。
魔力をあらかじめ蓄積することによって、
誰にでも使えるようにしているのか。
……だが、
魔力の補充はできないようだな。」
国王は見ただけでその魔道具の仕組みを理解していた。
「そうよ。
でもちゃんとした設備なら、
少ない魔力で扱える通信用の魔道具だって
作ることが可能だわ。
研究を重ねれば、
気力で通信できるタイプもね。」
りと!は魔道具のこれからの可能性を説明した。
りと!は魔道具の将来のビジョンが的確に見えているのだ。
煮え切らない国王の態度に、
甘飴甘味は痺れを切らし、
声を張り上げこう言った。
『これはりと!にしかできないことなのよ!
そんなこともわからないの⁈
わかったらさっさと協力して!♪』
甘飴甘味は真っ直ぐとした瞳でそう言った。
甘飴甘味の気迫と、
りと!の才能、
そして2人の勇気ある"若者の声"に、
国王はとうとう首を縦に振った。
「良かろう。
明日にでもすぐに
そこの娘の為に工房を作らせるとしよう。
その代わり、
この国の専属の錬金術師となって貰うぞ?
魔道具の他にも、
回復薬などはもちろん作れるのだろう?」
「えぇ。もちろんよ。健康第一ですもの。」
国王の問いに、りと!は にこやかに答えた。
「あっ、作るんならデッカイやつね♪
デッカイやつ♪」
甘飴甘味の注文が入った。
国王は呆れながらも、
「……わかった。わかった。」っと、
またしても首を縦に振ったのだった。
こうしてこの天才錬金術師の為に、
"大陸一の工房"が出来上がっていくのだった。
めでたし、めでたっ、、、
聖騎士隊長『おっと、終わらせねーよっ!』
弓兵隊長『コレで終わりなはずが無い。』
魔道隊長『不法侵入、傷害、
国王様への無礼、
あとは、
可愛い過ぎる罪、などなど。』
斥候隊長『……逃げ切れるとでも?』
竜騎士隊長『はぁ、はぁ、
さっきはよくもやってくれたな』
そこには5人の隊長クラスの強者が現れたのだ。
襲撃されれば当然、国王様の警備が強化される。
当初の計画の時間通りに交渉ができなかった為、
2人は離脱が間に合わなかったのだ。
聖騎士隊長『さて、
ギルド学園は中立の立場だが、
これはどう落とし前を
つけるつもりだぁ?』
血の気の多い聖騎士隊長が、
デカイ斧を肩に担ぎ、2人を睨んでいる。
そのデカイ斧を見るだけで、
なんとなく七人の英雄の1人、
【英雄ムジカ】を連想させられた。
それもそのはず、
彼は英雄に憧れ、
自らこの武器を選んだのだから、、、
甘飴甘味とりと!の心境は、
今すぐにでも屋上に向かい、
みんなと合流し脱出したかったのだ。
しかし、
まったくと言っていいほどに、
この5人の隊長からは、
隙が見当たらないのだ。
そこへ、
『ちょっと待ったぁぁぁ!!!』
ここからは私がナレーションするわ。
この声は……
そう、
超絶美人で生徒思いでモテまくりな、
このギルド学園編に欠かせない存在の先生、
そうよっ!なゆ姫先生の登場よっ!!
いまお読みの『あなた様』、待たせたわね!
さぞ寂しかったことでしょう!
私は4人の先生たちを引き連れ登場したわ。
あっ、4人の先生たちの紹介は次回だからね。
コレで5対5ね。
さぁ、『隊長vs先生』と行こうかしら!




