エピソード34見つかっ…ちゃっ…た(めんま風)
大きな爆発音がし、
兵士たちは窓の外を注目した。
α(アルファ)チームがこの隙に走り出す。
ーーガァンッ!!
「……とまれっ。お前たち侵入者か?
その制服ーー」
ガンっと、槍を床に叩きつける音がし、
外を見ていた兵士たちは一斉に振り向いた。
兵士たちは3人の若者と、
長く立派な槍を振り下ろしては、
その3人の若者の進路を塞いでいる赤い髪の女の
騎士が見に映った。
赤い髪の女の騎士の正体は、、、
【王都ギルド竜騎士部隊】の『ルビィ隊長』だった。
「隊長!……そいつらはいったい⁈」
兵士の1人が戸惑いの声を上げた。
(いつのまにここまで侵入して来たのか?)
いきなりの侵入者の出現に、
周りの兵士も動揺を隠せないでいた。
隊長と呼ばれた女の騎士は、
すぐさま兵士たちの指揮をとった。
「さぁな。
どこから侵入してきたのか、、、
私たちを素通りして、
玉座の間を目指していたみたいだな。
すぐに魔道具で連絡をいれろっ!
他にも侵入者がいないか調べるのだっ!」
兵士たちに見つかってしまったα(アルファ)チーム
しかもその中の1人が隊長クラスの実力者。
「戦闘は避けるように」っと、
メイショウから指示を出されていたものの、
こうなってしまったら仕方がない、、、
シャウラは懐からスッとナイフを取り出し、構えた。
甘飴甘味も伸縮自在の杖を
腰のポーチから取り出し、キリッと構えた。
アカベコもハーモニカを内ポケットから取り出し、
2人を補助する構えだ。
チラッ。
甘飴甘味がアカベコとシャウラの方をチラ見した。
アカベコ「……?」
シャウラ「……!」
アカベコは甘飴甘味の意図に気付かなかった。
シャウラは不思議と甘飴甘味の狙いが分かった。
それはまるで、
以前にも一緒に旅をしていたかのように、
不思議と、本当に不思議と、
甘飴甘味の考えがわかったのだ。
シャウラにとってこんなことは初めてだった。
甘飴甘味の思惑を汲み取り、
シャウラはバッ!っと勢いよく、
進路を防いでいるルビィ隊長へと斬りかかった。
女の騎士はそれに応じるべく、
槍に気力と魔力を込め、連撃を放ち応戦した。
シャウラのおかげで扉の前が空いた。
シャウラに続いて、
甘飴甘味が杖の先から光の鞭を出し、
べチンッ!べチンッ!と振り回しては、
周りの兵士たちを威嚇している。
シャウラと女の騎士との一騎打ちを邪魔させないようにしているのだ。
アカベコは2人の即席の連携に気付くのが遅れたが、
2人を援護しようと目を閉じ、
ハーモニカを吹き始めた。
吟遊詩人の補助魔法でサポートする気満々だったのだ。
……が、
アカベコがそっと目を開けてみると、
甘飴甘味、
シャウラ、
2人の姿が見当たらなかったのだ。
ーーバタンッ……
扉が閉まる音だけが、
無数の兵士たちがいるこの広い部屋にこだました。
「……あ、あいつらぁぁぁぁっっ!!!」
アカベコはプルプルと小刻みに震えている。
そう、
甘飴甘味の、
もとい、
甘味画伯の最初の計画通り、
「囮!エサ!身代わり!」を忠実に再現したのだった。
ルビィ隊長と目が合うアカベコ。
ルビィ隊長「……」(あっ、かわいそっ)
アカベコ「……」(あっ、やべっ)
なんとも言えない"奇抜な間"だった。
ーーダッシュ!!
アカベコは一目散に扉へと逃げた。
……バタンッ。
2回目となる、扉が閉まる音だけが、
この広い部屋にまたしても響いた。
赤い髪の女の騎士(ルビィ隊長)は呆気にとられていた。
自分との一騎打ちを放り出す敵に、
仲間を置き去りにし、見捨ててそんな行動を取る敵に、
しかも捨て駒にされたアカベコさえも、
「ここは通さない!」っと、踏ん張るわけでもなく、
すぐに逃げ出すなんて、、、
赤い髪の女の騎士は、
騎士道精神にあるまじき敵の行為に、
「信じられない」っと言った表情だった。
「お、追え!今すぐにだっ!!」
隊長の指示により
兵士たちは扉を開け一斉に狭い通路へと押しかけた。
(はっ!)
「ま、待てっ、お前たち!もどっーー」
ーードカーンッ!!
狭い通路から爆裂魔法の音がした。
(……くっ、やはりかっ。)
っと、
女の騎士は敵の狙いに気付くのが遅れたことを後悔した。
アカベコには伝わらなかったが、
甘飴甘味は最初からコレが狙いだったのだ。
女の騎士が駆けつけ様子を見に行くと、
狭い通路は気絶した無数の兵士たちが転がっていて、
すぐには通れなかった。
ーータタタタタッ
玉座の間へと走って向かっているα(アルファ)チーム。
シャウラ「へぇー。
魔力のコントロールを習得したんだな。
見直したぜ。」
シャウラが甘飴甘味を褒めている。
甘飴甘味は褒められ上機嫌だ。
そしてグッっと親指を立てながらドヤ顔を披露した
「かんみからしたらあんなん余裕やで♪」グッ
……嘘である。
甘飴甘味は〈大樹城〉での自分の不甲斐無さを悔しく思い、
あの事件以降、
放課後に独り残り、
ヴェポ先生に1から魔法の基礎を教えてもらっていたのだ。
それは毎日、毎日、特訓を続け、
影で血の滲むような努力をしていたのだ。
顔に出さなくても、
甘飴甘味の内なる情熱は熱いのだ。
このような知られざる日常を詳しく描いた、
『かんみちゃんの日常』と言う4コマ漫画が出るとか出ないとか……
「あんなんでわかるかっっっ!!!」
アカベコは激しくツッコミを入れた
「シャウぴは理解してくれたで♡♪
……ベコは修行が足りないのよ!」
走りながら、ぎゃーぎゃーと言い争っている。
アカベコは置き去りにされたこの日のことを、
(ぜってぇ忘れねぇ!)っと固く自分に誓った。
わたあめ「かんみちゃん発見!♪」
りと!「来たわね。」
レート「いよいよ最終局面だね。」
そこにはΔ(デルタ)チームが待っていた。
ここから先は甘飴甘味とりと!の出番だ。
他の者は2人を激励しては屋上へと向かった。
甘飴甘味とりと!は、
お互いコクリと頷き合った後、
2人で玉座の間の扉を静かに押した……




